ico_grade6_4

「ええ。代役とは言え、これも商売なわけですし」

(略)

「アフターサービスも万全に、っていうのが理想じゃないですか」

 

よく当たると評判の占い師オリハシ。

芸能人や財界関係者からも日々依頼が舞い込み、リピーターも多い人物が……失踪癖があり、たびたび妹に代役を任せているとか。

この物語は女子大生の奏が、姉の友人である修二と一緒に代役として持ち込まれた依頼を解決していく物語ですね。

 

まぁ奏には占いの力とかないので、依頼者から事情を聞いて論理的に解決を導いた後に、それっぽい理由付けをしているんですけど。

今回も含めて何度も代役を務めてボロを出していないのはお見事というほかない。

奏は自身の想い人である修二を相手にしている時だと、テンションがバグりがちなちょっと面白い子、の範疇なんですけど。

洞察力だったり、いざという時に危険に踏み込める覚悟だったり、秀でているというか尖った部分もある良い主人公でしたね。

 

オリハシの下に持ち込まれる依頼は「婚約者の様子がおかしいのは魔女の呪いではないか」だったり「蛇神憑きと噂があるメンバーを起用すれば、映画コンペで良い結果を残せるだろうか」みたいな、オカルトを絡めた話題になるんですが。

それに現実的な答えを見つけていく流れが、結構好きでした。失踪癖のある姉は、彼女なりに妹の奏を大事に思っているみたいでしたけど、何も説明せずに代役任せていくのはもうちょっとこう……どうにかならない? みたいな気持ちにはなった。

なので、終章の描写は個人的にポイント高かったですねー。奏ちゃん、洞察力鋭いのに見えてないものもありそうなのが面白かったです。