気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

古河正次

異世界転生に感謝を7

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「で、どうかな。とりあえず英雄とかなんとかは、ほんと勘弁してほしいんだけど。いけそう?」

(略)

「「「「「うん、無理!」」」」」

 

シリーズ完結巻。

暴走を見事乗り切ったリエンツの街。それ自体はめでたいことではあるんですが……その中でも目覚ましい活躍をしたジンは、これまで以上の注目を集めることになります。

実際、解決後しばらくしてから情報を探る動きが出始めたみたいですしねぇ。

一介の冒険者でありたいジンからすると、腹を探られたりお抱えにならないかと勧誘合戦が始まるのは避けたいわけで。

 

渦中であるリエンツを一時的には慣れて、その間に神殿などに後ろ盾になってもらったりして、立ち位置を定める必要が出てきたとか。

まぁせっかくリエンツを出るなら、それに合わせて結婚することになる3人の家族に挨拶していこう、と今回の騒動の中でも良い点を見つけてるのは偉い。

ジンは元老人ということもあって、軸がぶれないのが好感が持てますねぇ。

 

……そうやって足を運んだエルザの実家であるジャルダ村で、ジンとは異なる世界からやってきた異邦人との出会いを迎えることになるんだから、縁は不思議なものですね……というか。

翻訳機能持ちのジンがいたことで、無為な争いが生じずに情報交換ができたのはありがたかったですね。

交流の後に王都に足を運んだところ、この世界の成り立ちについて少し情報が出てきたりして面白かったです。

最終巻でいきなり新キャラ、というか新種族出てきたのにはビビりましたが。

 

ジンの後ろ盾問題、最終的には王家の方にまで話が言ってましたが。

英雄と呼ばれておかしくないジンに報いようとしたら、伯爵位を授けても痛くはない。けれど、冒険者でありたいジンは貴族としての義務を果たせない。それなのに、貴族として優遇される権利をもらうわけにはいかない、とジンの生真面目な部分が受け入れてもらえたのは良かった。王様は王様でしっかり強かでしたしね。

 

そして終盤、ついに待ち望んだ結婚式が行われることになって。

多くの人に祝われて幸せそうなのが良かったですね。最後に、未来のエピソードが少しだけ挿入されていたのも嬉しかった。良いシリーズでした。

異世界転生に感謝を6

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「……だけど……それでも……!」

それでもジンが結論を出したのは、譲れない想いがあったからだ。

「――俺は欲張りになろうと思う」

 

ダンジョン攻略が順調に進む中、またしてもリエンツ周辺で変異種の存在が確認されて。

なんだかんだで親しくなっていたジェイドが重体で、迷わず手持ちの札を切ることを選べるジンが、良い主人公だなぁと思いました。

変異種討伐でジンの知っている『武技』の存在を周知することになったりしてました。ジンの考察では、ゲームそのままではなくこの世界に存在している技術と組み合わせて一部だけ再現できるようになったんだろう、ってことでしたが。

エルザ達も使えるようになって戦力の底上げ測れるようになったのはありがたい。

 

これまで知り合った人々が、ダンジョン目当てにリエンツにやってきたり。

ジンが父親になったことで、大分立ち直ってきたトウカが「将来冒険者になりたい」と言い始めたり。

大小さまざまなイベントが発生する中で、ジンたちはついにダンジョンの最深部に到達して。

これまでジンが感じていた「迷宮型ダンジョンは便利すぎる」という疑問への答えが示されることに。

 

予想以上に大きな秘密が隠されていた、と驚くべきところだったんでしょうけど。

そのあと、かつて知り合った聖獣からより大きな爆弾情報が齎されてそれどころじゃなくなっちゃったんですよね……。

 

迷宮踏破を区切りとして、ジンが3人の告白に応える重大イベントも発生してたのですが。新たな迷宮の存在と、暴走の危機が迫る状況ではまず生き残ってこそ、というもので。

想定外のトラブルに見舞われつつも、多くの人々と力を合わせて乗り切ったのはお見事でした。



異世界転生に感謝を5

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「私達にできるのは無責任なアドバイスだけよ。でも貴女達がどの道を選んでも、出来る限りのことはするつもり。選びなさい。いえ、考えなさい。貴女達の決断は?」

 

ジンが王都で出会った孤児、トウカ。

異世界人を祖父に持つ家に生まれ、冒険者の両親に連れられて名サリア王国にやってきたものの……両親が亡くなってしまい、心に傷を負ってしまった少女。

祖父から伝えられたという遊びなどをジンから聞いて、少しずつ心が動くようになって。

 

ジンも彼女を気にかけていたものの、彼女を置いて行ってしまった両親と同じ冒険者であることもあって、最後の一線を越えられずにいた。

そこですぐに一緒に暮らそうと言い出さない辺り、本当に真面目ですよねぇ。そんな頑固な壁を壊したのが、トウカの涙だった展開は結構好きです。

パーティーメンバーも受け入れてくれてましたしね。……ジンと父と呼ぶことになったトウカから「お姉ちゃん」枠に入れられることに関しては、思う所ありそうでしたけど。

恋愛の進展の前にまさか娘を持つことになろうとは思いませんでしたが、ジンの鈍感さもあるし、良い起爆剤になった感はあります。

 

良い縁に恵まれて、ジンもアリアやレイチェルにエルザも、先達にアドバイスをもらっていましたが。

先にはっきりと言葉にしたのは女性陣で、強かったですねぇ。ジンは老齢まで生きた記憶から敢えて一線引いてた部分もありますし、出遅れるのもやむなし。まぁ早く覚悟決めると良いよ、と外野から好き勝手言っておきましょう。

異世界転生に感謝を4

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「それにジンさんが神様から贈られた能力にあぐらをかかず、これまでちゃんと努力を続けてこられたことも私達は知っていますよ」

 

病気の解決法の発見と、悪道に落ちた冒険者の討伐。

それを為した結果として、ジンの名前はリエンツに知られていくことになります。

多くの人がジンに感謝を告げにきてましたが、 冒険者ギルドの人々も問題解決に動いていて自分もその一員に過ぎない。多くの人が頑張っていたんだ、と増長することもないのは、感謝の気持ちを大事にしているジンらしくて良かったですね。

 

アリアが正式にパーティー加入したことで、先送りになっていたジンの秘密についても打ち明けることに。

自分のステータスやスキル、異世界から来たことやもともとは老人だったことなど。

かなり大きな秘密だったでしょうけど、ジンのこれまでも見てきた彼女たちがしっかり受け入れてくれたのは良かったですね。

元の世界では結婚してなかったし、この世界で生きることを決めたし、心も若返ったから仲間たちを魅力的に思う気持ちもある、とか恋愛方面のネタを仕入れられたというのも女性陣にとっては大きかった気もしますが。

 

魔力熱騒動が落ち着いた後、リエンツの街に迷宮型のダンジョンが発生。

良い人材がそろっていて問題なく対処できそうなのは安心材料ではありましたが。

一定階層には転移陣が設けられていて、時間短縮を図ることも出来たりするなど、ジンの目線からすると「便利すぎる」ようですね。

……メタいこというと、主人公がこうも気にしてるってことはなにか秘密がありそう。

 

ダンジョンが便利すぎて冒険者がかかりきりになって、通常の依頼の消化率が下がっていたのは生々しくていっそ笑った。

それに気付いたところで、そういう一般依頼を片付けようとなるのがジンたちの人の良さですねぇ。護衛依頼を受けて、王都っていう新天地でのエピソードも描かれてましたし。

過去に存在したジンと同郷の異世界人の子孫との出会いもあったり、得る物が多かったですね。



異世界転生に感謝を3

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出会えて嬉しい。仲良くなれて嬉しい。こうして皆で笑い合うことができて嬉しい。それは当たり前などではなく、皆がお互いにそうあろうとした結果のかけがえのないものだ。

そう思うからこそジンは今日も笑顔で、そして感謝して生きるのだ。

 

レイチェル、エルザと臨時パーティーを組み変異種を討伐したジン。

その後に正式にパーティーを組むことになったわけですが……そこでジンはかねてからの予定通り宿暮らしをやめて、家を借りることに。

それを女性陣に伝えたところ、常識のすれ違いが発生してしまって。ジンは一人暮らしのつもりだったけれど、縁もあって広い家を借りられたこともあり、レイチェル達はシェアハウスにかなり乗り気で。

いざ引っ越しの段まで気付かなかったのは鈍いと言えますが、最終的には受け入れてルール設定をしようと考える辺り前向きです。

 

そうやって新しい生活を始めていく中で、受付嬢アリアの抱えていた心残りを溶かして距離を縮めていくんだからもう……。

アリア自身も惹かれている自分の心を自覚して、さらにはレイチェル達の心境を察して。同居することになるだろう事情を聞いて、口を噤んだりしてましたしねぇ。ジンの周囲がちょっと複雑になってきたか……?

 

引っ越した後知人を招いて簡単なパーティーしたり、平穏な日常を過ごしていたわけですが。

リエンツの街で子供たちが体調を崩す異変が発生。ジンが親しくしているアイリスも病気になってしまって……。

これまで伏せていた「鑑定」などの技能の情報を共有し、問題解決に乗り出す決意をするジンが格好良かったですね。

 

治療薬の材料を求めて少し遠出をした際、予期せぬ出会いをすることになったり、そこでジンの破損しない肉体の秘密なんかがパーティーメンバーにバレたりするトラブルもありましたが。

病気の件では想定していたよりも良い解決方法が見つかったので、ひとまずは良かった。

 

ランク的な問題などもあってギルド職員として同行していたアリアが、この一件を経て正式にジンたちの仲間になる決意をしたりと、思わぬ方向に話が転がっては居ましたが。総じて良い結果を引き寄せたのはお見事。

……対人戦で命を奪う、という大きなハードルを越えたのも3巻で起きたことのポイントでしょうかね。ジンが決意を新たにするきっかけになってましたし。

異世界転生に感謝を2

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「これまで通り対応して、でも良いところも探して必要以上に嫌いにならないようにすればいいってことだね。それならできそうだよ」
「良かったです。まあ、これはあくまで私の考え方ですけどね」

 

冒険者として活動しているジンは初心者講習を受けることに。

若返った肉体に引っ張られて心も若返っているジンですが、記憶がすべてなくなったわけではなく、一緒に講習を受けるメンバーを「みんな良い子だな」と思ったりするあたり、老人らしい一面も残ってるんですよね。

不器用な態度を見せて反発されそうだった子を、「可愛いところがありますね」とか言って空気を緩和させてますし。

 

ここで一般の冒険者たちの常識を知れたのはジンにとっても大きかったですよねぇ。

ゲーム機能的な能力を持っているジン、普通なら魔獣を倒した後解体するべきところ、ゲーム的にドロップアイテムが出現したりしますし。

まぁこの世界の人々にもレベルやステータスっていうものは認知されていて、レベルが上がると寿命も延びて、病気にもかかりにくくなるって言うので、ジンだけがゲーム的かというというと、そうでもないんですが。

 

講習に参加した先輩冒険者たちも良いこと教えてくれましたし、先達の質が高い街に最初に訪れることができたのはジンの幸運ですね。……神の導きかもしれませんが。

実際神殿で祈っていた時のジンの様子を見て興味をもった少女レイチェルや、何度か交流していた先輩冒険者のエルザなどからパーティーに誘われることになってるし、ジン割とモテモテです。

知人にからかわれたとはいえ受付嬢のアリアに花を贈ったりもしてましたしね……。良い縁が本当に多くて、ジンの人徳を感じます。

 

異世界転生に感謝を

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「私を転生させてくださった皆様方。いただいたお言葉通り、私は幸多き人生を送るべく精進して参ります。本当にありがとうございました」

 

ゲームを愛した少年は、創作の中で生まれた『VRゲーム』に憧れを抱いたまま成長した。そして定年退職を済ませた老境に、ついに技術が追い付いて念願のVRゲームをプレイできることになって。

ワクワクしながらキャラメイクをして、チュートリアルを終えて……気が付いたら彼は異世界へと降り立っていた。

ゲームキャラとして設定した若い肉体に、様々なスキルを取得した状態で。

 

最初こそゲームではなく異世界に迷い込んだことに気付いていませんでしたが、ゲームでは設定されてないはずの行為が出来たことや、メニュー機能で閲覧できたログなどから、真実を知ることになって。

肉体が若返ったからか精神も引っ張られて、異世界転生したと知った時には素直に「帰りたい!」となく泣いてしまう一幕もありました。

その上で、歳を重ねて別れが身近になっていたからこそ出会いの喜びに感謝するようになった、という彼の心境もあって、気落ちしすぎることなく一歩踏み出していったのは良かったですね。

 

転生ボーナスをもらったジンのスペックはかなり高く、警戒対象にもなりかねなかったようですけど。

彼の善良さとちょっと抜けてる部分が好感を与え、うまく受け入れられていったのも良かったですね。

ただジンとしては、新たな人生を異世界で送る覚悟を決めたわけで……ゲームキャラのように、ダメージも軽減するし破損しない肉体というのは、有利すぎて受け入れがたかった。魔獣とは言え命を奪う冒険者として活動する以上、自分も命を懸けるべきだ、とダメージ再現率を無効化してしまったりするのは危うさとも取れますが。

ジンという主人公らしさの現れでもあるので、私は結構好きですね、アレ。無謀な行いをしたことを叱ってくれる人もいましたし。



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