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「俺は傭兵だ。この道は俺が選んだ。他の誰でもない俺の意志で」
(略)
「あんたはただ命じればいい。俺は、俺が生き残るために邪魔な全てを殺すだけだ」
完全書下ろしとなる短編集。
傭兵時代のジグが、いかにして双剣を自身の獲物に選ぶに至ったかを描く『双刃の故』。
殺人衝動を持つが故、同胞たちと距離があるライカの深掘りをする『陽の活道、陰の血道』。
職務にどこまでも忠実だった免罪官ヤサエル。彼が恐れられていた所以が明かされる『殉教の果てに待つもの』。
ジグが男らしく欲求を発散させようとした結果、とある教訓を得る羽目になる『練磨と息抜き』。
ジグと出会う前、孤独でありつづけた魔女シアーシャの心情に触れる『血塗られた邂逅』の5編を収録。
やっぱり、ジグが傭兵らしく覚悟決まり切って戦い続けている姿勢が好きなので、冒頭の『双刃の故』が一番好きですかね。
運河を携える関所としての利権を抱えた小国。それゆえに、周辺国が牽制し会って直接的に支配するような事態こそなかったけれど、送り込まれたスパイによる内紛が激しい土地で……。
そんな場所で、傭兵を狩りだしてまで行われる防衛戦に参加したジグ達が、過酷な戦場に挑むことになる話で。今話せているんだから、生き延びているのわかっているのに、「これは死んだな……」みたいな状況から、なんで生還してるんだこの男……。
ジィンスゥ・ヤのあれこれ。移民としての弱い立場であり続けたため、族長も部族の中で被害者意識が強くなっているのを実感してるような、結構危うい状況ではあるようです。
殺人衝動を抱えているため嫌われているライカですが、賞金首を狩って稼いだ金を育ててもらった恩を返すために治めているのとか、彼を敵視してる人々は見ようともしないんだろうなぁ……というか。
ジグと交流したことで、イサナも危機感を抱いていたり、多少の変化は生まれていますけど全体の流れがどこまで変わるかというと、ねぇ……。族長とか、ライカに指導した師範代とか、視野が広い人もいますけどね。