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「私、嬉しかったんだ……だから分かった上で」
(略)
「勘違いしたままにさせてもらえますか?」
かつてエルフたちから生まれ、異世界に落ち延びることになった『魔王』。
その討伐が果たせなかったことでエルフたちは、浮遊監獄島から出られず、魔王討伐を果たすための努力を、二百年経った今でも続けている。
と言いつつ、世代が変わるくらいの時間がかかってるので、多少の温度差はあるみたいですけど。
そんなある日、渡辺さんが「魔王討伐」に向き合うと言って、勉強に打ち込み始めたり……大木くんの家にお泊りに来たりと、本当に「魔王討伐」に繋がってますかそれ??? みたいな活動をしていくことに。
一応本気じゃない人物を調査する監査員なんかもいるって話もあって、本気は本気なハズなんですけど、事情に詳しくない目線だとどうしてそうなってるの感はある。
そんな時、写真部に「魔王討伐」を目指すバレー部の先輩から依頼が持ち込まれて。
その「魔王」はバレー部のライバルというか、敵校のエース的な存在をそう評しているだけの二つ名的なものだったわけですけど。
大木くんの撮影している機材について興味を持っている人が居たりして。
状況が重なって、この人が監査員なのでは疑惑とかを大木君たちは抱くことになったわけです。
大木君の家に空き巣が入るっていう実害も発生して。監査の仕業なのでは……という陰謀論じみた考えに陥りそうになっていた時、泉美ちゃんが歯止めかけてくれたのは良かった。
……なんかいい雰囲気作ってた大木くんと渡辺さんを話したかった感はあるけど、言ってることは間違ってないのでヨシ!
ちなみに「魔王討伐」が渡辺さんの勉強に繋がる理由は、未だ所在がつかめない魔王相手に、エルフはお前を今でも探してるぞとニュースとかで報じられる位の功績を上げることで知らしめる、包囲網を作るための一環だそうです。そのために、学生だったら真面目に学業に勤しんでいるという証明……つまりはテストで良い点を取る必要があるとか。
言われれば納得できそうな理屈ですが、パッと理解できるものでもないから大木君が混乱しまくってたのも分かる。