あいつは、この世界が『居場所』だと言っていた。
『居場所』ってのは、どんな意味だろう?
自分がいる場所、自分が否定されない場所……いや、それだけじゃない。
自分を認めてくれて、必要とされて、頼りにされる場所。
そこは、きっと最高に楽しい場所に違いない……誰もが、そんな場所を望んでいる……そう……俺だって……。
何があっても大丈夫なように、サバイバル用の道具を持ち歩き、知識の収集にも余念がない主人公。
彼には、2年前に行方不明になった幼馴染みの少女がいた。
ある日、彼は、彼女の手によって異世界に召喚されるが、そこは魔法が存在する世界で、行方不明になっていた少女がなにやら高位の魔法使いになっていて。
科学の代わりに、魔法によって生活を支えている世界。
電卓の代わりに、暗算が得意になる計算魔法があったり。
醸造技術の代わりに醸造魔法があってそれでワイン作ってるとか。
生活に根差した実務魔法っていうのが結構存在しているようですねー。
代わりに、とでもいいますか、戦闘に使えるような高火力の魔法は無いようで。
火球をぶつけることはできても、城塞は破壊できない程度だとかなんとか。
だからこそ、そういった魔法を使える少女の待遇は良いみたいですけどねー。
オカルトに傾倒して、自分で異世界に飛んじゃったっていうのがまたとんでもないというか。
現代世界で魔法が使えるって言ってもそりゃあ確かにちょっと頭の心配されたりはするでしょうなぁ。
その経験は大変なものだったんだろうけど、召喚した果てに戦争に巻き込むとか。
いや、少女のせいではなくて、国の置かれている状況的に戦端が切られる間近ではあったからしょうがないと言えばしょうがないけど。
キャラクターも、ストーリーも、おおよそ想像がついてその範囲に収まっているというか。
主人公が、いくら備えていたからといって、異常事態に対峙した時に落ち着きすぎているのが腑に落ちないのも多少はありますが・・・
全体的には、いつもの鷹見さんな感じ。
不利な陣営が、持っている手札を工夫して強力な相手と戦って行くところとか。
戦争やら戦闘やらやっているはずなのに、どこか緊張感が足りないのは1巻だからなのかどうか。
魔法要素がいつもと違うところですが、おおよその方向は変わらず。
嫌いじゃないですけど、もうひと押し何か欲しい。