気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

問題児たちが異世界から来るそうですよ?

ラスト・エンブリオ7 吼えよ英傑、蘇れ神の雷霆

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「意思の統一を図りたい。あのジェームズとかいう野郎だが………もし怪しく思わない人間が居るのなら、この場で手を上げてくれ。熟慮してもらうために三分待つ」

 

太陽主権戦争、アトランティス大陸編の終わり。

謎解きをかなり丁寧にやってくれたなぁ、という印象です。

ゼウスのした大父神宣言。その真意が紐解かれるにあたって、霊格を削ってまで子をなしたという彼の神が為したことに驚愕を禁じ得ない。

第五章の冒頭に記された「――大父神ゼウスの名の下に」下された宣言。今の箱庭の在り方を決定づけた、あの言葉には痺れた。

 

一方でギフトゲームそのものはジェームズの暗躍によって、どうにも盛り上がりに欠けた部分があるよなぁ、というか。

十六夜は疲労激しく五日も眠っていたそうで。その間にジェームズが知恵によって第一ゲームの勝者となって。また厄介な権利を獲得してましたね……

太陽主権戦争において確かに求めれる権限ですが、よりにもよって、という想いしかない。

 

大父神宣言の謎解きと、王として祭り上げられたアステリオスの決断が主で、残った謎も多い感じ。

ルイオスとアルゴールまでノーネームと敵対する側に回ってるのは何があったのか、とか。

結局ジンは何をするつもりで動き回っているのか、とか。かなりの大物に鍛えてもらったというあたり準備は着々と進めているようですけどね。

十六夜の父が為した功罪について。それを知るテュポエウスの存在。

 

堂々と暗躍しているジェームズの存在もありますし、不安材料が多いです。次のステージについての情報を持っていたりするようですしねぇ。

ウロボロスのゲームメーカー。本当ろくな事しないわ……

次の標的にノーネームを選んでましたし、第二ゲームも相当荒れそう。十六夜も新しいB.D.Aを焔から受け取ってましたし、思いっきり吹っ飛ばしてほしい所ですが、どうなるかなぁ。

ラストエンブリオ3 暴走、精霊列車!

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「――――此れよりッ!!! 第二十四回〝御門釈天ぶち殺す“裁判を開始する!!!

「ちょっと待って! それ裁判になってねえから!」

「クソうるせえ、被告は黙ってろッ!!!

 

太陽主権が絡んだ大規模ゲームが始まらんという時に……釈天はいったい何をしているのか。

焔たちも外界で苦労してたんだなぁ……とその一端が見えてちょっと目に涙が。

大体あの駄神のせいなんじゃないのか。

そして、十六夜や十二天が外で動き回っていましたが。まさか殿下に遊興屋まで外にいるとは。しかも、焔に接触してるし。怖いなぁ。

 

十六夜はプリトゥと一緒に前回外界で起きた『天の牡牛』絡みの調査に動いてますが……そこで、また厄介な相手と出会って。

プリトゥは十六夜の天敵と評していましたね。

しかしまぁ、『ラストエンブリオ』で十六夜今のところ良い所なしじゃないですかね。弟たちを助ける役回りぐらいしか成功していない。

 

前回の牛魔王や今回の廃滅者相手にも押されてますし。外界で存分に力振るえないとか相性の問題とか色々あるとは言ってもなぁ……

特に今回の廃滅者との問答で答えを返せなかったのは痛い。なんというかもっとスカッと活躍してほしいものですけど。

焔たちも金糸雀が拾ってきた特殊な才能を持つ子供、ではありますが。十六夜たちみたいに問題児ってほどじゃない。

 

確かに突飛なところがないとは言わないけど、割と常識人ですよね。十六夜に振り回されていたからかなぁ。

アルジュナやジンと接触して、苦労人な弟としてなんか意気投合してましたな……ジンはジンでやっぱり思惑あるみたいで。

彼がこのゲームで優勝させちゃいけないと思ってる勢力はどこだろうか。違う道選んだわけだし、ノーネームなのかなぁ、やっぱり。

 

キャラが増えて、状況がようやく動き出してきたかなぁってところで。伏線張りまくってる段階なんですよね。

これはこれで面白いんですけど……微妙に物足りない。いよいよ、次回あたりから本格的に動きそうです。

予告にはなんか色々盛り盛りで本当にそれ全部できるのかみたいな感じですけどねー。


ラストエンブリオ2 再臨のアヴァターラ

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「それでも――戦います」

「無謀だな。それはどのような理由だ? 研究者としての意地か?」

「いいえ。人としての意地です」

 

箱庭の焔たちサイドと、外界の十六夜サイドという感じで描写されています。

今回行われているゲームはあくまで予選の範疇っていうことで、顔見せ要素が強いですねぇ。

敵側の組織「アヴァターラ」の面子も表に出て名乗りを上げたりしていますし。

この段階でジンの成長した姿が見られたのはちょっと意外。彼自身の持つ恩恵をもって戦力を増やしているようですし、コレは油断できない相手に育ったなぁ。

 

焔たちは、「問題児三人」ほどぶっ飛んだ要素がないですね。

鈴華の恩恵はうまくはまれば強いですが、弱点もありますし。

彩鳥は、今回かつての武器を取り戻してましたが、全盛期には及ばないでしょうし。というか、なんかあちこちでからかわれたりしてネタキャラ度が上がったような気も。

十六夜と出会ってしまった時に「一番気付かれたくない人に気付かれた……!!」と内心半泣きになっているところとかは思わず笑った。

焔の能力は汎用性高そうですが、火力は無いですし。この三人の現状だと十六夜と敵対、とかすると簡単に負けそう。まぁ、今のところその方向にはならなそうですけど。

 

次の巻は、太陽主権を巡るゲームの開会式があるようで。

まだ登場していないキャラが戻ってきたり、と予告で語られてましたが。誰かは明言されてないんですよねぇ。女王が反応しているのがちょっと気になります。

とはいえ、気になる要素が多すぎて、もう誰が出てきてもうれしい気がします。

当主となった耀がどんな成長をしているのかが楽しみですし。飛鳥の旅がどういう結末になったのかも気になります。

「ノーネーム」の現状とか他にもいろいろ。これでもうちょっと早いペースで出てくれるという事なしなんですが。要素詰まっているから大変なのもあると思うので、気長に待ちます。
……とはいえ「ザ・スニーカーWEB」のトラブルファイルPart2はいつなのかは気になるなぁ。
ずっと春更新予定のままなんですけど…… 



ラストエンブリオ1 問題児の帰還

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「……テメェ。人の弟に何しやがる」


問題児シリーズの第2幕。
タイトルが変わっての新展開が始まります。
十六夜に振り回されていた、焔と鈴華がついに箱庭に呼び出されて。
まぁ、女王の意向と太陽主権戦争のアレコレが混じっていて、通常とは違う形になっているみたいですが。
それにしても十六夜の弟妹がかなりまともだ。
十六夜に影響受けてるなぁ、と思うところもあるんですけど、常識人っぽい要素もあるし。
てっきり、焔たちの様子をちょっと描いてから満を持して十六夜たちは出てくるのかと思ったんですが、意外と登場早かったですね。

焔と鈴華の恩恵については、大枠での情報が開示されてますね。
どうしてそれを持つに至ったかという背景が謎ですけど。
そして一緒にいる彩鳥お嬢様。前作最終巻で描かれていた通りのあの人なわけですが。
箱庭の世界に帰ってきて、記憶を持っていながら人間として生きてきたため腕が鈍り守れないことに憤りを感じたりしています。
顔を出すようになったことと、外界で人として生きてきたこと。
焔たちと交流するようになったことも併せてでしょうけど、大分柔らかくなってましたね。

そしてついにクイーン・ハロウィンも登場してましたが、なるほど問題児だ……
自分の思うままに行動しているのが、短い場面でよくわかる。
外界で帝天が行動しているのは描かれていましたが、なんか他にも降天しているのがいるみたいで。
色々と状況が動いている感じがしますねぇ。
十六夜の主観時間で箱庭では3年が過ぎたようですし、それまでにどれだけの功績を残し、問題児として暴れまわったのか気になりますなー。
焔たち新キャラの紹介という面が強くて、耀たち前回からいる主要キャラクターは次回以降のお楽しみ。
彼ら彼女らの成長・変化が今から楽しみでならない。
とくに耀はダメダメスタートからどれだけ変わっているんだろうか。精霊列車が実用に至っていたりと、六本傷主導とはいえ、順調に成果は出てると思うんですが。

今回は出題編と解答編ということで、続くんですよ! 
新作~と意気揚々と読んで続くときの衝撃といったら……
いや、途中で残りページからして終わらないなって察してはいましたが。
黒ウサギがロリ兎になっていたり、アンダーウッドが様子変わっていたり、そもそも第二次太陽主権戦争の幕が上がっていたりと気になる点が多いので、続きはよ。


問題児たちが異世界から来るそうですよ? 軍神の進路相談です!

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「しかし――どんな英傑であれ、魔王退治とは古来幸運が絡むもの。手にした勝利を疑う必要はないかと思われますよ、十六夜様」


アジ・ダカーハを倒した「ノーネーム」たち。
それから三か月がたち、事後処理なども色々と進んでいるようです。
連盟は無事に締結できたようで、例の金剛鉄の鉱床のある回想で、六本傷が主導となってゲームを開始して。
今回の事件も影響して、ポロロは大きな計画を実行しようと企んでいる様子。

ただ、十六夜は、未だにあの戦争時の口惜しさから脱しきれておらず。
当主であるジンが、ウロボロスの元から戻らなかったため、組織としても停滞していて。
飛鳥も、己の為すべきことを見定め行動することとなり。
春日部は、自分の能力のペナルティについての研究をして、参加者としての実力を伸ばす。
第一部完結ということでのまとめのエピソード。

十六夜や飛鳥の経歴についての考察も進んだり、状況は変化していっている様子。
コウメイとクロアが話していたクロアが話していた「箱庭に戻ってきた本当の方法」だとか、十六夜と約束していた明かすと言っていた事柄とか、その辺があまり出てきてなかったのは残念。
第二部がすぐに控えているから、数年後~とか先に持っていくネタもありましたしね。
しかしまぁ、ジンは自分でウロボロスについていったようですけれども。なにを考えているんですかね。
ペストが登場しなくて、遊興屋がまた暗躍しているようで、何を唆しやがった、と気が気でない。

気になっていたアレコレ。
サラは鷲龍の角を取り戻したようで、療養しているみたいですが、動けていたので一安心。
マンドラたちが覚悟を決めたことが、混世魔王のゲームに影響を与えて、サンドラも解放されたようですし。
……今回登場していなかったけれど。火竜の先代と交渉したとか言ってましたが、引退した癖に暗躍しやがって……
混世魔王が、初登場時の小物っぷりから信じられないほど、魔王としての格を上げてきていてびっくり。
「魔王は不退転」と啖呵を切ったときから思っていましたが、覚悟を決めてるその姿には、こちらが圧倒されるほどの熱量と迫力があった。

最強の軍神(笑)さんがさすが黒ウサギの系列だ、と納得できる。
締める時は締めてくれてましたけど、こりゃあ七天の覚えもよくないというか「動けばろくなことしない」とか評されるのも納得できますな……
いやぁ、それにしても今回のゲームのオチは耀がかわいそうだった。
ルイオスが負けながらも、男気を見せて、初期のボンボン御曹司から成長していたというのに。
耀は成長していても、オチがアレか。荒々しく伝説を打ち立てて、しょっぱなから負け負けとか……つら。
頑張れ、耀。実力はついているんだから、先は明るい……はず。

十六夜と七日七晩戦えるほどの実力がついているとは少し驚きました。
彼も、消沈していたから「勝てないかも」とか言ってましたが「足元並」とは認めてましたし。
「ジン・ラッセルのノーネーム」として十六夜が作戦を建てた時、「俺並とはいわないが俺の足元並は欲しい」と言っていましたが。それだけ広かった差を、耀と飛鳥が埋めてきた。
今回十六夜は迷ってましたから、それを支えてくれる同士がいることは本当良い事だと思いました。

そして、今回のもう一人の主人公はフェイスレスでしょう。
まさか彼女の仮面の下にある秘密が、あんなものだったとは。
あれほどの実力を身に着けるのに、どれだけの時間を懸けただろうか。
それだけの努力をしてつかみ取ろうとした夢の果て。
アレは、反則だろう。飛鳥の成長があった事もそうですが、決闘の場面は本当に見ごたえがあった。

第二部のプロローグが語られていましたが。
ここで焔たちが出てくるのか。あと、意外な人物が関係してきたというか。
あの二人いったい何をしているのさ……いや、片方は予期せぬ幸運というか奇跡のような出来事、のようですけど。
今から第二部が楽しみ。6月に発売予定だという事で、短期間で出てくれるのはありがたいですねー。


問題児たちが異世界から来るそうですよ? 撃て、星の光より速く!

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『……短くも、鮮烈な戦いだった。箱庭の命運を決めるにはこれ以上ない戦いだった』
この魔王の心臓に彼らの牙は届くのか。
〝絶対悪”を掲げて戦い続けた永劫の時は、意味ある物だったのか。
今、その答えが出る。
『来るがいい、英傑たち。そして踏み越えよ――我が屍の上こそ正義であるッ!!!』

第一部、クライマックス。
人類最終試験の一つ、絶対悪の御旗を掲げたアジ=ダカーハとの最後の決戦について、描かれています。
作中で最後の方に触れられていましたが、一日足らずの出来事なんですよね、ここ数巻の出来事。
殿下たちが襲撃を仕掛けてきて、絶対悪の封印が解けて、潰走してそこから始まった反撃のギフトゲームに決着がつくまで。

しかし、本当に、人類最終試験というのは恐ろしいまでの強さで、これ以上ないほどラスボスな感じでしたが。
絶対悪の魔王様は、強烈で、かなりの犠牲者が生じている戦いを引き起こした魔王なんですが・・・
悪役として純粋なんですよね。「我が屍の上こそ正義である」。
これほどまで苛烈な生き方をするような敵がどれほどいるか。

戦闘を再開するまでに、あちこちで会話が行われていましたが・・・
これ結構重要な情報が出てきてるんじゃないですかね。
アルマテイアと黒ウサギが交わした「久遠飛鳥の経歴に関する推測」。
クロアや蛟劉たち主力が行っていた会議、人類最終試験とは何か。
十六夜が死神に対して放った『原典候補者』についての推測と十六夜の過去。
問題児たちの能力については大分情報が出てきた感じですかね。

一方で、かつて存在していたグリムグリモワールの関係者。ペストを招いたあの男も登場。
リンの師匠として現れた彼は、曰く『霊格を失った』存在で、『ノーフォーマ―』でもあるという。彼の存在が、耀に関わってくるのかもしれないなぁ、とか思ったり。

あと、リンの名前が出てましたね。彩里鈴。・・・十六夜の世界にいた妹分が似たような名前してましたよね。鈴香でしたっけ。確実になんか関係あるよなぁ・・・
焔の方だって、猫耳ヘッドフォンでクロア帰還したわけですし。
金糸雀の家族は、かなり重要なファクターが集まってるんじゃないだろうか。

そして今回の目玉というか、一・二を争うほど衝撃を受けたのは・・・
ジャックのシーンですよね、やっぱり。
全てを擲ってでも、罰を受ける道へとつながっていようとも、力を振り絞ったその姿は、文句抜きに格好良かった。
けれど、同時にとても悲しい覚悟を決めてしまったことが。
もうあの愉快な笑い声が響くことが無いのかと思うと、悲しくて仕方がない。

あとは、サラ。
主催者としてゲームを行い、三頭龍を縛っていた彼女ですが・・・
三頭龍の方が上手でゲームを破られてしまい、霊格を奪われてました・・・ってまた力を失う流れか。
サラ、救援に駆けつけてくれたり、いいキャラなのに、報われないよなぁ。
ゲームの報酬として奪われた恩恵って、敵打倒しましたけど戻ってくるのかなぁ。これで戻ってこないってなったらまた南側もめるんじゃないのか。

飛鳥が犠牲を強いられるチームに組み込まれていたのは、なぜなのかと思っていましたが。
決死隊の力の底上げをするために威光のギフトを発揮してもらうためだったようで。
優しく、まだ未熟だった飛鳥はかなり辛い思いをしながら指揮を執っていたと思います。
耀はクロアと父親の手によって恩恵を取り戻し戦場に。
ヒットアンドアウェイ戦法をとることによって、三頭龍を疲弊させるチーム。後半また最強種発動させてましたけど、これどうなんだろう。また動けなくなるんだろうか。

十六夜。
今回の見せ場は謎の考察と、最後の一撃を見舞うために、基本的に空中要塞で待機。
途中なんか猫耳ヘッドフォンとか見えた気がするけど。
ついでにマクスウェルが突っ込んできていた気もしますけど。
基本敵にはとどめを刺すための要因として見守っていて、実際最後の一撃を見舞いしたと思うんですが……なぜ、彼は最後に泣いたのか。蛟劉が見たという完全敗北とはなんだったのか。
誰かの介入によって自分でとどめを刺し損ねた……とかは三頭龍が見落とすはずもないですし。
速く続きでないだろうか。冬は遠いな……。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? そして、兎は煉獄へ

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『私は構わない、と言った。魔王とはその存在が既に不倶戴天の敵である。それは即ち、この世の全てを敵に回す者に他ならない。――――多勢の不利? ハッ、笑わせるなッ!! 個で群れを破れずして何が魔王か!!』


待ちに待った本編です。
正直いいところで引きになっていたうえ、短編を挟まれたので、並の展開だったら評価下げるつもりでしたが。
引き込まれてしまって、一気に読み終えると、もう何も言えないですよね……
文句抜きで面白かったですよー。
ちょっとページ数としては薄めで決着は次回に持ち越しってのが少し残念でしたが。
1冊にまとめようとするにはキャラ多いし状況も混沌としているしで、下手にまとめられるよりはいいですかね。
丁寧に作ってほしいものだと思います。
ただ、どこかの電撃の鈍器とまでは言いませんが、もうちょっと厚くても構わないんですよ、といいたい。

白夜叉のいる上層の様子も描かれていましたね。
斉天大聖を箱庭に招くことを条件に蛟劉焚き付けていたので、てっきり箱庭に来ていないのかと想ったら、斉天大聖登場してきましたね。
上層にいた、っていうことでしょうか。
箱庭の上層に位置する勢力が下層にそのまま下りれば、存在だけで、下層を揺るがす災害となりかねない。
そのため力を制限するというか、最適な形に変化させて顕現させるシステムもあるようで。
忉利天。月の兎たちが守っていたものって確かここにつながる天門でしたか。
上層には上層の思惑があるというか、何者かの陰謀がこちらにも到達しているようで、白夜叉が切れてましたね。
そこで「箱庭席次第一〇位」とか書かれていましたけど……これって、階層の位置なんでしょうか。
もしかして「白き夜の魔王」って二桁だったりするんですか。そうだとして、これより上がいるって箱庭怖い。

マクスウェルによる、境界門の破壊。
ウィラや耀にはどうしようもなく、救援に駆けつけた飛鳥も、境界を操る力によって飛ばされてしまう。
打つ手がなく、マクスウェルによる敗北の屈辱を受けている中、ついに救援が駆けつける。
あのシーンから盛り上がってきましたよ。

サラが、蛟劉が、レティシアが、ジャックが。
さらに別の救援が。絶対悪の御旗を倒すべく、集っていくさまは圧巻。 
ジャックや蛟劉が行方不明になっていたわけは、援軍を呼びに行っていたから。
それぞれが自分に打てる最善の手を求めて行動していた。
十六夜がジャックに言われた「貴方の獅子奮迅の健闘が、希望をつないでくれたのです!」 という言葉の通り、わずかだけど可能性がつながった。
決して十六夜が身体を張ったことは無駄ではなかったのだ、というのがいいですね。

一方で、まさかここであの人が出てくるとは思ってませんでしたよ。
クロア・バロン。金糸雀の遺言を十六夜に運んだ、旧ノーネーム所属の神霊。
瞬間移動の力を持つ彼がきてくれたことは、戦術の幅が広がるし、何より、旧ノーネームに所属していたという事実は、ほかの面々の心を奮起させる材料になるでしょう。
まさか猫耳ヘッドフォンがこうつながっていくとは思いもよらなかった。
それだけではなく、耀の父親、コウメイも動いているようです。
事情があって、耀には会いに行けない状態のようですけど……旧ノーネームの最高戦力も動いているというのは希望に他ならない。
たが、 コウメイの存在には不安が残るんですよねー。
実は死んでいて、クロアの能力で会話しているのかとも思ったんですが、それにしては、飛鳥たちこっそり回収したりマクスウェルに一撃加えたりと、実態はあるっぽい?
まぁ、不安といえばクロア自身にもあるんですけどね。
彼が耀に明かさなかった事実。生命の目録について。どうやって召喚されたかについて。
なんかクロアが全てを語った後に死にそうな予感がするんですが、さてはて。

ジンはジンで、魔王連盟の殿下たちと行動を共にしています。
まさかこの短時間で話をまとめて介入してくるとは思わなかった。
マクスウェルという監視役がいないうちにまとめてしまいたかったというのはあるんでしょうけど。
そして、マクスウェルと殿下たちも戦うことに。
裏切りの事実を持ち帰られるわけにはいかない、ということですが、マクスウェルが力をつけている事情。
彼が引き起こしたという未来の時間軸でのパラダイム・シフトがまさか、あの蕾につながろうとは。
アンダーウッドの救援の中にはコッペリアの姿もありましたし、どういう種を使っているのか、次回明かされるのを待ちましょう。

少しだけ明かされた、金糸雀の過去。
まさかあれだけ自由に生きてきた、快活な人の始まりがあんなところだったとは。
西側のフロアマスターが???なのはなんでかなーと思っていたんですが、そういう事情か。
ディストピアの魔王については、倒したみたいな話してましたが、まだ復興していないのかな。
クロアが格好良かったんですけど、どういうことだろうか。変態のくせに。

あと気になっていた、耀の「ノーフォーマ―」にも触れられていましたね。
自分という存在をなす霊格は、親から受け継いだもの。名と命。
その片方が不安定な存在だったから、「何物にも成れない者」という恩恵が刻まれていると。
読んでいて思ったのは、耀が医療が発達した未来においても寝たきりだったのは、単に、そういう事情から自分の霊格が摩耗していたから、ってことなんですかね。
金糸雀も霊格が摩耗して、身体が耐えられずに死んだみたいな感じだったと思いますし。
自分の霊格を確立できていない耀。生命の目録の謎もそのまま。
ここは、耀が自分の霊格を確立させて成長する方向ですかね。「龍の純血は誕生でなく発生する」って話もありますし、そっち方面に進んでいくんだろうか、と勝手な予想をしてみたり。

そして今回も掲載されていた「白夜叉先生」のコーナーがまた面白かった。
境界門、箱庭の三大問題児、南の階層支配者アヴァロンについて語られています。

次回で、連盟旗編とアジ・ダカーハ編が決着。残り2冊で第1部終了予定だそうで。
決着する話と、5巻みたいな、終わった後の様子で1部完結ですかね。


問題児たちが異世界から来るそうですよ? YES! 箱庭の日常です!

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「黒ウサギが張り切ってるが……どうする? 俺的にはかなり眉唾もののゲームだぞ」
「白夜叉のゲームが胡散臭いのは今さらよ。どんな酷い真相が待っているにしても、参加してみなことにはわからないわ」
「……オチがつくことは前提なんだ」

短編集ー。
本編がいいところで短編はさむとか鬼だなぁ、と正直思うんですけど。
あの状態からおあずけくらうとか勘弁してくださいよ。
短編は短編で面白かったですけど、本編はよ。
しかし、あとがきを見るとなんかスランプに入っているみたいで、大変なのですかね。

「箱庭のとある日常」
WEB初出。
ノーネーム本拠地の東側に現れた、ちょっとした脅威に問題児たちが立ち向かう話。
干ばつを起こす神獣がやってくるそうで。
黒ウサギは、それにかこつけて、水を販売することで、ノーネームの利益にしようと企みます。
そのために、神獣の情報を問題児に集めてもらいに行くんですが……
まー問題児が予想通りに動くはずもなく。
ごめん、神獣倒してきちゃった、という場面は笑った。黒ウサギお疲れ。
問題児たちも、無駄に約束破ったわけではなく、ちゃんと理由があったわけで。
そこで得たギフトというか道具はなんか影響してくるんですかね。
耀がユニコーンのギフトを得た場合、どんな能力発現するのかが少し気になる。

「黄金盤の謎を追え」
アニメBD特典。
白夜叉が主催する、ギフトゲームに参加したノーネーム。
クイーン・ハロウィンの配下とか
十六夜が二人にひざまくらしている挿絵とかはのほほんとした―。
この三人は独特の距離感というか、変わった親近感みたいなものがあって、その絆のあり方が結構いい感じですね。
しかし、十六夜と顔無しに接点があったんですねー。
ウィル・オ・ウィスプが実施したリトルゲームが、ひどい罠だなーと。男性参加者に合掌。

「キャンドルとオムレットとゴーストタウン」
WEB初出。
アンダーウッドに至るとき、耀と飛鳥が挑んだ、ウィル・オ・ウィスプのゲームの話。
アーシャをからかうときの二人が輝いて見えるわ……
耀の悩みを飛鳥は知っていたわけですなー。
一人で抱えていたわけじゃないっていうのはいいですね。十六夜がかっさらっていったわけですが。

「異邦人と月ウサギのお茶会」
書下ろし。
異邦人のお茶会第二弾。
今回は黒ウサギを交えての話になっています。
十六夜用の命令権は結局行使されたのかな。
される前に十六夜が降参したように見えるんですが、さて。

「スティムパリデスの硬貨」
『ザ・スニーカーpremium』初出。
毒を吐く怪鳥をめぐるゲーム。
怪鳥を狩るために毒矢を持ってきた連中を、ゲームクリアの為に追い払う三人。
色々と思わくがあるわけですけどね。
しかしまぁ、久しぶりに問題児が無双しているといいますか。
本編だとなんだかんだ悩んだり、格上が出てきたりと、こうも一方的なゲームになることないですからね。

「教えて! 白夜叉先生!~舞台裏番外編~」
あとは巻末の舞台裏番外編ですか。
「ギフトゲームと〝恩恵”」、「〝疑似神格・金剛杵”」、「〝疑似神格・帝釈槍”」、「〝月海神殿”」。
「〝正体不明”」、「〝威光”」、「〝生命の目録”」、「箱庭の世界」。
「最強種」、「魔王」、「魔王アルゴール」、「〝燕尾服の魔王”」、「人類最終試験」。
これらの項目について白夜叉の視点から解説がされています。
まだわからんこともあるなーって項目も多いんですが、割と重要な情報出てたんじゃないだろうか。
アルゴールさん、本来の神格があれば箱庭三大問題児の一角なんですね……  
結構面白かったので、またやってほしいですね、このコーナー。


問題児たちが異世界から来るそうですよ? 暴虐の三頭龍

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――理と利の為に、同士との義を置いてきた。
置いてきたものを取り戻すためには証明が必要だ。
瓦礫の山河を乗り越え、地獄を掻き分けてでも、奪いに行けるのかどうかの証明が。


この巻、アニメに合わせて刊行させたんでしたっけ、確か。
 オリジナルアニメブルーレイ同梱版とか出ていましたし。
同梱版とかは一足先に出てますし、その関係もあってか、ちょっと急いだ部分もあるんでしょう。
何が言いたいかって、あの盛り上がった最後のシーンから続く本編があったかと思ったら、後半まさかの短編集なんですよね。
本編の盛り上がりは、期待通りなんですけど、後半かなぁ。

いや、短編は短編で質は決して悪くないですよ。
ほのぼのできていい感じです。
だけど、短編は短編でまとめてほしかったなぁ。
本編が間に合わないんだったら、もういっそ短編集という形にしてほしかった。
生殺しだ・・・・・・・
 
そういえば、白夜叉が蛟劉を代理に置いたはずなのに、巻頭マップでいまだに東のフロアマスターが白夜叉なんですね。
南も不在になってますし。
西側が全く描かれていないので、いつか描いてほしいものですけど。
南は不在って書いているのに西が???なのがすごく気になる。

本編関係ない感想が長くなりましたが、さておき本編。
プロローグは金糸雀の話。一回倒れて入院したところ。
十六夜は原因不明の病気といってましたが、金糸雀曰く、霊格そのものが摩耗して体に限界がきているそうです。
外界で無茶をしたから、ということで。それが十六夜に集結しているんですけどね。
ここでの会話がかなり気になるといいますか。
飛鳥と耀の能力分析はそこそこ進んでますし、そろそろ十六夜の謎も解かれてほしいところ。

魔王アジ=ダカーハが現れ、壊滅した都。
十六夜は致命傷を負い、最後の時間をもって、同士を逃がそうと試みる。
しかしまぁ、魔王は魔王で魅力的だと思っていたら、ここでまた強烈なものが来ましたね。
魔王としての正義、彼の掲げる旗。悪一文字に賭けるもの。
最悪に転がって行ってるように見えますが、それでも、敵が格好いい。
特に、最後の宣言はしびれましたね。

『(前略)――それはもう、天災とは呼べない。世界が一丸となって滅ぼさねばならない巨悪である。故に我が総身、我が悪一文字こそ、あらゆる英雄英傑が到達する最後の巨峰…………!』
(中略)
『踏み越えよ――我が屍の上こそ正義である…………!!!』
 

十六夜によって逃がされた耀も飛鳥も、それぞれ、助けに行きたいけれど……という葛藤を持ちながら、今できることをそれぞれやっています。
避難民の誘導とか、頼まれた黒ウサギを安全なところに運ぶこととか。
そこを襲撃されるわけですが、憤りを感じている状態の二人に突っかかるとか無茶するな、という印象。
二人とも、戦い方がこなれてきたというか、力を使いこなしてきてますよね。
耀のほうはなんか最後、すごいことになってましたけど、あれどーなるんですか。
 
そして短編。
十六夜たち問題児の交流を描いた『異邦人のお茶会』。
アンダーウッドで巨竜を倒した後、ヘッドフォン問題の顛末とか話してます。
しかし、あの息の合い方でまだ三か月程度の付き合いだっていうんだから、これから長く付き合っていくと、すごい組織作れるんじゃないかなー。生き残れれば。

そしてアンダーウッドで起こったもう一つの事件を描く、『リリの大冒険~働かざる者食うべからずと偉い人は言いました~』。
ここで十六夜たちは、パラドックスゲーム、成功方法が確立されていないトラップゲームを解決したりするわけですが……
コッペリア助けられてさ、彼女が旗を持っているのだったら、そこで連盟作ったらまずかったのだろうか、と少し思ったり。

問題児たちが異世界から来るそうですよ? 落陽、そして墜月

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「悪であれかし! 魔王とは秩序と二律背反する、世界に生まれた膿だ! 故に生来の魔王は大聖や蛟劉のようなチンピラ連中とは違う! 世が正しくあるために、世を律する絶対悪! 俺様はこの〝混”一文字の誇りにかけて! 災厄の末席を担うものとしてッ! 己の生き様に、何一つ恥じることはないッ!!」
(略)
「…………〝悪であれかし”。それがお前の霊格そんざい)の全てか?」
「そうだ。魔王は不退転。混世の王は討たれるまでが王道だ」


ついに始まる魔王連盟とのギフトゲーム。
これまでのゲームと比べても最大の規模で、あちこちで戦闘が巻き起こる。

最初に乗っていた、黒ウサギの過去も、旧“ノーネーム”の強大さが分かっていい感じ。
というよりは、あの魔王に倒されなかった組織を滅ぼした魔王がいかに強大だったか、っていう怖さがありますよね。
黒ウサギは、名前とかないのか、そもそも月の兎はそういう記号を持たないのか「黒ウサギ」という名前なのかと思っていましたが。
名前をもらう前に、襲撃を受けてしまったようで。それから200年名前を付けなかったのだろうか。
まー、トラウマな過去とつながっているだろうし。
金糸雀がつけてやらなかったのかな、と思うのですが、種族的な文化とかいろいろあるものなんですかねー。

魔王連盟側のキャラも、筋が通ってていい感じですな。
グライアがやられキャラすぎだけど。
今回は十六夜と殿下のバトルと、ジャックと混世魔王の戦いが気に入りました。
特に混世魔王。
正直なめてた。十六夜から逃げ回るだけだった前回と比べれば、格段に魔王らしく、格好いい姿がそこにありましたよ。
敵ながらあっぱれ。幼子をさらうような悪であっても、己を高らかに誇る、その姿がすごい。
そしてそれと相対したジャックがまた格好良かった。

(魔王なんだわ……この敵も…………!)
(略)
己の悪行を悪と見定めたうえで強権をふるう暴君。己の魂と存在の全てを賭けて法律(ルール)を定め、世界にそれを強制させる力と覚悟を持つ王。

 
と、飛鳥の内心、地の文で触れられていましたが。
魔王が災厄でありながら、それぞれの主義主張があって、それを譲らないというところだけは確かで。
敵ですら魅力的に映るっていうのは、なかなか素晴らしいですねー。

一方で十六夜対殿下の戦いもまた扱った。
お互いに、相手を倒せるのは自分だけと理解していた。
だからこそ、切り札同士をぶつけて、戦いの趨勢に賭けた。
殿下は十六夜を仲間を根本のところでは信じられてないと分析し、十六夜は殿下を戦う理由を他人に預け生きていない状態だと断ずる。
どこか似ているようで、はっきりと違う存在なんですよね、この二人。
しかしまー殿下の存在っていうのは結構気になりますね。
生まれた時期、その能力。原典候補者という立場。
十六夜の謎に迫る、鍵の一つではあると思うんですけど。

ジンはジンで、自分なりに行動を起こしていましたね。
戦う力がないなりに、考えて、策を練って、それを実行する。
タイミング悪く失敗したようですが、彼が言った言葉、目撃したもの、それは重要な情報です。
とりあえず生きているようだから、どうか活用してほしい。
 
あちこちで盛り上がってきた、と思ったところで最後、一気に状況が変わるってのがまたすごい。
さて、状況は最悪に向けて加速していますが、その中でノーネームたちがどうするのか。
気になって仕方がない。

 
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ちゃか

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