気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

坂石遊作

魔法使いの引っ越し屋 勇者の隠居・龍の旅立ち・魔法図書館の移転、どんな依頼でもお任せください

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「隠居のために、信頼できる引っ越し屋を探していたんだ。すると君の魅せに辿り着いた。……ある噂を聞いてね。王都の郊外にある、魔法使いの引っ越し屋」。そこに行けば、どんな悩みを抱えていても素敵な旅立ちにしてもらえるとか」

(略)

「私のお客さんになった以上、勇者様の旅立ちも素敵なものにしてみせましょう」

 

平民にも関わらず王立魔法学園で名前をとどろかせた天才魔法使いの少女が居た。

様々な栄光と同時にはた迷惑な騒動を起こしたこともあったようですが、卒業後何をしているのかを知るものはほとんどいないとか。

なぜならその少女、ソフィ=イザリアは卒業後、誰にも行き先を告げずにふらっと姿を消し……なぜか魔法を駆使した引っ越し業を営んでいた。

 

と言いつつ王都に店を構えているし、同期で首席を争った少女が度々足を運んでいるから、最終的に国の一部には動向を把握されてそうですけど。

有象無象の注目からは逃れることには成功してるんじゃないですかねぇ。……難しい浮遊魔法を駆使して空から荷物運びしたりしてたので、そう遠くない未来に普通にバレそうな気もしますが。

後に彼女の持ってる称号が影響してそうだなぁ、という納得をしました。バレてるけど、放置されてるのか。

 

そんな彼女のところに持ち込まれるのは普通の配達ばかりではなく……。サブタイトル通り、勇者や龍といったトンデモ依頼人たちからの願いもあって。

魔王を討伐しその後50年も戦い続けている勇者に、「当時に出会っていたら間違いなく仲間にしていた」と言われるあたりソフィの才能はずば抜けてるみたいです。

……そりゃまあ普通は魔法にたけているからと言って、「屋敷丸ごと運ぶオプションもありますよ」って言われる想定はしないのよ。

国王は勇者の引退を認めてくれていたけれど、彼の実績を見て育ってきた宰相や騎士団長とかが反発して引き留め工作があったりもしましたが……それを踏み越えて引っ越しを成功させたのはお見事。

 

その後も、神獣の引っ越しを請け負ったり、特殊な魔法が作用している魔法図書館の引っ越しに関わったり。特殊な事例ばっかり引き受けて、その状況下での苦労も当然ありましたけど、その都度適した対応をしていっているのが、『時代の魔術師』という称号を持っているだけはあるなぁと感心してしまった。

魔法図書館の引っ越しで、失われた魔法の復活まで成し遂げていたのはお見事。核となる物を見つけただけで、完全再現まで出来たわけじゃないから……と発表を控えていたあたり、自分へのハードルが高いなぁ。
どの引っ越しにも物語があって、そんな引っ越し屋をすることになったソフィにもそれを志した過去がある。うん、1冊で良くまとまっている感じがして好きでした。

才女のお世話3 高嶺の花だらけな名門校で、学園一のお嬢様(生活能力皆無)を影ながらお世話することになりました

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「私は強くない。むしろ弱さばかりだ。……しかしある日、とある人物に教えてもらったことがある。自分の弱さを認めることが、強さへの第一歩だと」

 

書籍版書下ろしで展開する3巻。

見た目クールながら友達がいない、ポンコツ気味な顔のある成香。

昔なじみの彼女から相談を受けた伊月が、彼女の友人作りに協力していくことになる話。

 

天王寺さんに色々教えてもらった過程で仲良くなったのを見ていた雛子が、伊月についていこうとしていたのも面白かった。彼女は彼女で少しずつ変わってきてる感じがありますね。

ただまぁ、以前の剣道大会で強さを見せつけたすぎたことや、今までも一人行動が多かったせいで、必要以上に怖がられてしまっているようで、なかなかうまくいかず。

 

更にその過程で伊月は、自分が名門の子息子女が通う貴皇学院において、自分がどう見られているか自覚することに。

表に出てないけれど雛子のお世話係で、天王寺麗華や都島成香とも親しくしていると、うまくすり寄っているとみられてもおかしくないのか。

 

そういう視点を得たことで、伊月は雛子と学院でも交流できるように、これまで以上に気合を入れて学生生活を行うことにして。

成香だけじゃなく、伊月の交友関係もまた広がっていくことになる、という見せ方は結構良かったと思います。

成香の誤解を解く尽力をしたあと、伊月も成香の父について誤解をしていた部分があると気づいた、と展開もありましたし。対になるような見せ方をしてきた感じがある。


才女のお世話2 高嶺の花だらけな名門校で、学園一のお嬢様(生活能力皆無)を陰ながらお世話することになりました

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「実績を作りなさい。とにかく行動しなさい。……たとえ失敗しても構わない。いざという時に自分を支えてくれるのは、過去の自分の行いだ」

(略)

「君も、何かひとつくらいあるだろう? 強い信念をもって成し遂げた何かが」

 

今までと違う伊月への想いを自覚したことで、彼への接し方に迷うようになって。

起こしに来た彼によだれの指摘をされて照れて、彼に寝顔見られたくないって思うようになったりしてるし。その一方で、彼と過ごす時間が減ることには不満を示すし。分かりやすくて微笑ましいのが良いですね。

 

伊月くんのほうは、何か不備があっただろうかと勘違いし、自分を見直すことにはなってましたが。

先だっての勉強会で自分としても良い気付きがあった、と雛子をライバル視している天王寺が伊月に協力してくれることに。

もっと自分に自信を持つと良いとアドバイスしてくれて、勉強にマナーにと色々教えてくれたのは、伊月としてもありがたかったことでしょう。

 

親しくなったことで天王寺さんについて詳しくなったり、逆にお世話係の秘密がバレたりとしていましたが。

そんな中、彼女に婚約話が持ち込まれることとなって……。自縄自縛状態だった彼女に発破をかけてくれたのは良かったですね。良いところ見せたせいで、より気に入られてしまったのは、今後に響きそうですが、さて。

魔女学園最強のボクが、実は男だと思うまい

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「うん。……だってユート君が来るまでは、寂しい気持ちとか、不安な気持ちとか、全部我慢できてたもん」

(略)

「そういうのは、我慢しなくてもいいんじゃないか?」

 

男だけが使える魂を使った身体能力の強化を扱う騎士と、逆に女性だけが使える不思議な現象を起こす魔法を操る魔女が存在する世界。

この2つはどちらも治安維持のための活動をしているわけですが……どうしても活動範囲が被るため手柄の取り合いになることもあるし、現場の騎士と魔女は仲が悪く出くわしたら言い合いからの喧嘩に勃発することも。

……悪人と戦っているという騎士と魔女が街破壊してたら意味ないのでは……?

 

そんな中で主人公のユートは、騎士の序列4位の実力を持つ若手有望株。

騎士と魔女の仲が険悪になる一方なのを憂える騎士団長をしている彼の兄は、打開策として魔女のことを知ろうと考えます。正確には「魔女の弱みを知ろう」なんですけども。

その為に打つ手が、女顔の弟を女装させて魔女学園に送り込むって言うのは、奇策すぎるとは思いますけど。

実際潜入に成功してほとんど疑われずに済んでいるんだから笑うしかない。

 

ユートが選ばれたのはその容姿以外にも、実力があるから敵地に送る形になっても問題がないことや、唯一と言ってよい魔女を悪く思っていない騎士だったということも影響しているようですが。

……騎士団長が唯一と認めたってことは、彼も内心魔女に思う所あるんだなぁというか。

弟を送り込んだ魔女の弱み調査というのは、建前の一つでその裏には別の事情があって。隠されていた秘密のことで思い悩んでいるから、好印象ではないんでしょう。

実際ユートがまだ青い部分がある一方で、団長として場合によっては非常な決断をしなければならないと思ってるっぽいですし。

 

女性に囲まれて、彼女たちをだましながら過ごすことによってユートも戸惑ってはいますが。魂による強化で斬撃を飛ばして、魔法に見せかけます! とかやってる時点でスペックは本当に高いんですよね。団長に言わせれば、まだまだ使いこなせてないみたいですけど。

これまで把握できていなかった魔女の術や考えを知り、クラスメイトとの交友を続けていく中で、少しずつユートも変化していってる感じはしますが。魔女学園の抱えている秘密が結構大きくて、扱いが難しいのが困りものですねぇ。結構面白かったです。


影の英雄の日常譚 勇者の裏で暗躍していた最強のエージェント。組織が解体されたので、招待隠して人並みの日常を謳歌する。3

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「だから、平和が必要なんだ。たとえ仮初めだったとしても……それを必要とする人たちは存在する」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで131日まで。

無事に学校に帰還したミゼとトゥエイト。

学園ではちょうど魔法競技祭という行事が行われる事となって。年2回行われる祭ですが、今回はトゥエイト達一年生が主役となる回だとか。

鷹組と獅子組の2つに分かれ、3日間かけて様々な競技が開催されるそうです。

 

各組には生徒会メンバーも割り当てられ、割とテキパキ進行していった印象。1巻で絡んできたジークですが、彼も大分丸くなって自己研さんに励むようになったそうで、学園の功績を実感しましたね。

……いや、英雄科の生徒が普通科見下してたり王立の学園にしてはダメな面ばっか見えてたので、真っ直ぐ育ってる子は貴重ですよ、うん。生徒会長もその問題を認識してて、どうにかしようと方策を考えてるのが分かったのも良かったですけど。

 

参加競技の割り振りや、その中での特訓自体は順調に進んで行きましたが……時期を合わせて会談が実施されるとかで、間者の活動も活発になっていたのは困りもの。

更には、それを焚き付けてる人材が内部にまで居たって言うんだから、ねぇ。

今回明らかになった他国出身だったグランの過去。大戦、というだけある激しい争いの中で、小国は大分厳しい状況に陥ってしまったとかで。

勇者の影で、トゥエイト達がサポートした甲斐があって戦は終わったけど、その爪痕は残り続けてるんだよなぁ……と突き付けられた巻でもありました。

バレンがそう考えるのは分からなくもないけど、共感は出来ないなぁと思いましたが。

影の英雄の日常譚 勇者の裏で暗躍していた最強のエージェント。組織が解体されたので、招待隠して人並みの日常を謳歌する。2

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「自分が自由に生きる為に、何を犠牲にしてきたのか。私にはそれを見届ける義務があります」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで131日まで。

トゥエイトが友人になった女子の一人、ミゼ。

自由に憧れた彼女は、時折不可解な行動をとることもあるが所作は洗練されていて、なにか秘密を抱えていそうではあった。

しかしまぁトゥエイトの元職場から護衛任務が回されるくらい、気を配らないといけない相手だったというのは驚きです。

 

暗殺者ビルドのトゥエイトは秘密裏に護衛するのも向いてるでしょうし。とはいえ1人で出来る範囲には限界があって、応援を要請する事にもなってましたが。

自分の実力をしっかり弁えてて、無理をしない辺り教育が光りますなー。まぁ、それでも不信感を持つことがあったり、友人のために出来ることをしようとしたり、彼自身は大分変化してたようですが。

 

最終的に手に手を取っての逃避行になろうとは。

トゥエイトとミゼが互いの秘密を知り合って、一緒に居る時間は結構好きでしたね。ああいう、絶望的だけど進もうとする描写は好きです。

……最終的に交渉(+脅迫)で決着を付けたとは言え、それまでにも犠牲は出ていたので、それでまとまるんだみたいな気分にもなりますが。局側の利益も作ってたから、まぁいいのか……?

影の英雄の日常譚 勇者の裏で暗躍していた最強のエージェント。組織が解体されたので、招待隠して人並みの日常を謳歌する。1

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「つまり、やるなら生産的な復讐だ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで131日まで。

唐突に出現した魔王は、人類を滅ぼすために魔物を大量に生み出した。魔物の中から知能を持つまで進化した魔人という個体も現れ、大いに人類を脅かした。

しかしそれに呼応するように人類の中からも勇者と呼ばれる存在が現れ、これまでの歴史の中で戦が繰り広げられてきた。その名を勇魔大戦。

 

3度繰り返されたそれを人類は乗り越え……今また、4人目の魔王と勇者が現れた。

しかし、今代の勇者は魔人を撃退しきれない程弱く……彼をサポートするべく設立された暗部の人間が魔王の撃退に大きく寄与した。

エースであった主人公が、大戦の終結を期に暗部を離れ「普通の生活」を送ろうとする話です。

 

5歳の時から厳しい訓練を受け、暗部として活躍していたために色々と疎い部分はありますが。友人も出来てたし、概ね期待通りの日常を満喫していたように思います。

横暴な貴族に決闘を申し込まれたり、焦燥感に駆られた友人を放っておけず隠し事に踏み込む羽目になったり。完全に普通とまではいきませんが。

大戦の裏側で無意味に流された血があって、それに復讐したいというのは止めがたい感情だとは思いますが。戦争が終わっても、平和は遠いなぁ……。

 

才女のお世話1 高嶺の花だらけな名門校で学院一のお嬢様(生活能力皆無)を陰ながらお世話することになりました

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「別に……楽が、いいとは限らない」

 

HJ公式レビュアープログラムに参加し、献本頂きました。

5月刊行の新シリーズ、小説家になろう・カクヨムに掲載されている作品の書籍化で、WEB版は未読。

 

主人公・友成伊月は、酒好きの父親とギャンブル狂いの母親の下に生まれた苦学生。

高校の学費を自分のバイトで賄いつつ、頭痛の種である両親の相手もこなしながら、なんとか日々を過ごしていたものの……。

ある日突然、両親が失踪。普通に酒でも飲みに行ったのかと思いきや、子供を捨てて夜逃げしたそうで。

 

手元の現金も心もとない中、ふらふらと街中を歩いていたら、近隣にある名門校の生徒とすれ違い。落とし物を見つけて届けようとしたら、誘拐現場に鉢合わせて一緒に攫われる羽目に。

いや、波乱万丈な一日を過ごしていますね……。攫われたお嬢様、此花雛子は外面は完璧なお嬢様ながら、外面を装わなくていい場面ではとことんだらける性格で。

 

なぜか気に入られた伊月は彼女のお世話係を務める事になりますが、道のりは険しくて。

有名企業の子息子女などが多く通っているため、マナーを身に着けなくてはならない。

名門校らしく、授業の進行も早いため勉学にも努めなければならない。

さらには護身術も叩き込まれることになって……詰め込み教育にグロッキーになったりはしてますが、付け焼刃でもついていけてる辺り、伊月くん意外と良い拾い物なのでは。

 

雛子のオンオフの切り替えの落差に、戸惑ってばかりだった伊月が次第に彼女の事情とか性格を理解して、支えてあげてるのが良いですね。

彼が近くにいたからこそ、学院での新しい交流も生じて、終盤の救いになったわけですし。

1巻は舞台とキャラの説明がメインでしたかね。みわべ先生のイラストも可愛いし、あらすじ読んで惹かれた人は満足できる程度にはまとまってるかと。

伊月の幼馴染とか雛子の兄とか、存在を示唆されてもそこまで本筋に絡んでこなかったキャラも居て、今後の展開を見据えてるなーと言う印象。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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