気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

壁首領大公

理想の聖女? 残念、偽聖女でした! ~クソオブザイヤーと呼ばれた悪役に転生したんだが~2

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「いいえ。変えることはできます。私はその為にここにいる」

(略)

「大丈夫です、レイラ。貴女の聖女は絶対に死にません。私は必ず、この悲しい運命を、この時代で断ち切ってみせます」

 

魔物を生み出す魔女を倒した聖女は、次代の魔女になってしまう。

世界が抱えた歪みをこの世界の王族は当然把握していて……城には監獄に変わる仕掛けや、聖女を殺すための魔物などが飼われているなど闇が深い。

 

エルリーゼは前世知識でお菓子作って賄賂贈ったり、聖女としての名声を高め続けることで付加価値を増したようです。

前世知識がある影響も大きく、彼女の価値観は結構ズレてるし……そもそも周囲と自身の評価にも差が大きすぎるんですよねぇ、エルリーゼ。

エルリーゼは自分が偽物だとわかっているからこそ、色々と手を打てるわけですけど。そんな事情を知らない人々からすれば、歴代最高と謳われる聖女なわけで。

 

学園長が起こした事件で近衛として傍にいるレイラが、聖女の真実を知って揺れてしまったり。

名声を高め過ぎたがゆえに王族に監禁されたりする羽目になるんだから、何事も上手くはいかないというか。

まぁ王族目線でいうと、次の聖女が覚醒する時間に対して次の魔女が活動を開始するまでの時間の方が短く、厳しい戦いを強いられる状況があり……その状況を打ち破ったエルリーゼを長く使おうと考え始めるのは、貴族らしいと言えばらしい。

 

実際のところ皮算用にすぎなくて、エルリーゼは偽聖女だからその計画破綻してるし……前世知識を持っているとはいえエルリーゼの奮闘で押し返した実績があるのを見ると、これまで何してたのみたいな気持ちにならないと言えば嘘になる。

その後に発生した王都襲撃イベントにおいて、絶望的な状況であろうとエルリーゼという光を信じ戦い抜いた騎士達の存在とかもありますしね……。「もう十分逃げた」から、戦うことを決めた人々の覚悟がとても良かった。

 

前世の自分とエルリーゼが会話して情報収集するパートが、「転生しきってないから、残りの魂を回収するためにこちらにやってきてる」って推測してくれたのは個人的には嬉しかったというか。

最終的には「そういうものなんだよ!」で楽しめばいいですけど、作中で理屈語ってくれると解像度あがるじゃないですか。

 

ネットで「エルリーゼルート」のある程度の情報は集められるけれど、確定してない未来のエピソードについては観測できない。だから結局はエルリーゼがなんとかするしかない、って塩梅も好き。

前世サイドもただ彼女を待つだけではなく、独自に調査したりもしてくれてるんですけどね。

……それはそれとして、確定したイベントでは自分の行動がゲームに反映されてプレイ動画も見られるせいで、自分が攻略される様を見せられるってのは、かなりの羞恥プレイだとは思います。はい。



理想の聖女? 残念、偽聖女でした! ~クソオブザイヤーと呼ばれた悪役に転生したんだが~

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「何も魔物を倒すだけが戦いではありません。家族を守り、子供を産み育てる。それもまた立派な戦いです。それだけで貴方達の生は、私などよりも遥かに価値のあるものになる。どうか今一度考えて下さい。本当にここが……貴方達の命を使うべき場所なのかを」

 

カクヨム書籍化作品で、作者名が「壁首領大公」で「かべどんだいこう」と読むそうです。

男主人公が目覚めるとゲーム世界の嫌われ者の悪役、偽聖女エルリーゼに転生していた。

この世界では魔女によってもたらされる災厄により困窮していて、魔女を唯一打ち倒すことの出来る聖女はとても大切な存在なそうですが。

 

エルリーゼは赤子の頃に取り違えられて、間違って聖女とされてしまった存在だった。

本来のゲームにおいては、傲慢に振る舞い続けた結果各地で厄介事が生じて、ヒロインたちのトラウマ要素になったりするそうです。

オマケにメインヒロインの少女も死んでしまう結末ばっかりで、中々ハードな世界だったようです。

 

そのメインヒロイン、本当の聖女であるエテルナ推しだった主人公は、いつか彼女に聖女の地位を譲ることを見据えた上で、自分磨きをして「聖女」ロールプレイを満喫する事にしてたんですが……。

内心は割と雑なこと考えてるんですが、仮面が分厚くて他のキャラからは歴代最高の聖女だと慕われるようになって。どんどんゲーム時代とは違った形でのイベント発生がしていくのが愉快ですね。

聖女と魔女は、互いの能力以外で傷つくことがないという特性があるんですが。当然偽聖女のエルリーゼにはそんなものはなく。彼女は鍛えに鍛えた基礎ステータスによって、剣を腕で止めても怪我しない、みたいな事するので笑うしかない。

 

あと特徴的なのは、主人公の意識が不定期に現実世界に戻る事。

パソコンで検索などをすることが出来て、自分の行動によってゲームの展開が代わり、生粋の嫌われ者だったエルリーゼのファンが増えているのが観測出来たり、影響があちこちに波及していくのが面白いですね。

 

巻末には書き下ろしエピソード「豊穣の聖女~エルリーゼ十歳~」を収録。

この世界、魔女の生み出す魔物の被害以外に、食糧問題も抱えていたそうで。異世界転生して餓死したくない! というエルリーゼの奮闘によって多くの人が救われたとか。

なるほど、こうした功績も積み重なってエルリーゼの名声が高まったんですねぇ……。

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ちゃか

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