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「……わたくし、本当に恋してしまったようだ」

 

イルターナ王国の王女オフィーリア。

彼女は、最後の自由時間になるだろう2年間の学院生活を、身分を隠して過ごすことを決意して、フィー・コルケットという名で無事に入学。

オフィーリアの家族、つまりは現在の王族は恋愛結婚が多かったらしく、王妃から学院で「いい人がいたら教えて」と言われたのを言い訳に、自分の趣味である魔術研究に打ち込むつもりだったようですけど。

 

多くの令嬢が結婚相手を見繕う腹積もりのなか、勉学に打ち込んでいたフィーですが……同じように魔術バカであるレオナードと仲良くなって。

最初は、話が通じる同好の士が増えて嬉しいって言う段階だったのが、どんどん好意が膨らんでいって、可愛らしかったですね。

 

自覚してからがちょっと長かったですけど。王女である自分が望めば、レオナード自身の夢を諦めさせることに繋がってしまう。だから、この恋心は封じなければならない。

……そんな決意が出来てしまうのが、王族らしいというか。周囲のおせっかいとか、レオナード自身の男気とかもあって、上手くまとまってくれたのは何よりでした。

巻末には書き下ろしの番外編がありますが……交際が始まった後の二人が描かれているんですけど、王族との縁のややこしさを描きつつ、恋文を貰ったら思わず予定外の訪問をしてしまうレオナードが行動力凄くて笑う。微笑ましいなぁ。