気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

完結済

月の白さを知りてまどろむ 第1話~最終話

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人は愚かだ、と思う。
欲で動き、情で動き、大義で動く。自分を殺し、他人を殺す。
だが、愚かな選択をするのは、いつも人自身だ。
それをよしと思うのも、抗い続けるのも、同じ人だ。
―――― だから「彼女」たちは、人間を愛するのだろう。
 
第一譚 0:神話~第五譚:碧眼(おまけ)まで 
 
かつて大陸を救った神は、対価として酒と音楽と人肌と求めた。
その願いにこたえるために創られた享楽の街アイリーデ。 
伝統がある街ということも影響し、大陸中から客が集まっている。
だが、同時にこの町には化生という問題も抱えていて。
神話の伝統を継ぐ店「月白」の主である少女と、化生斬りとして街にやってきた青年の物語。

娼妓であり巫でもある少女。武骨な化生斬りの青年。
二人の交流模様が中々いい感じです。
あの街に出てくる面々も個性的ですし。毎回二人の仲を誤解していくというお約束を守った御仁もいて笑えた。

第壱譚は、アイリーデという街がどんな街なのか、キャラクターたちがどんなキャラなのかを見せていくまさしく序章といった感じの展開。
第弐譚は、王都へと舞台を移し、なにやらきな臭い騒動が起きているんだなぁ、と実感する話。
で、ここら辺はまだ人の話であったんですが・・・

神話の伝統を紡いでいる話、ときたらそりゃあまぁ、色々と出てくるわけですよね。
ヒロインのサァリの不安定さも問題を広げていた原因だろうと作中で考察しているキャラもいましたが。
第参譚あたりから少しずつ変わっていっているんですよねー。
神が地に封じた蛇、伝説に残る神の関係者。
そうした脅威の中にあって、シシュは巫をどこまでも優先させて。
巫も、強い力によって意識がずれていきながらも、彼を大切に思う気持ちもあって。
恋愛色もありますけれど、この世界が結構気に入った。

第伍譚の最期、王の巫女である先視の力を持った彼女が語った彼女が見ていた未来が結構びっくりしました。
あれは確かに人の傲慢ではあるのだと思うけれど。それによって、先視の巫は大切なものを守った。
シシュもサァリも幸せになったんだと、感じられます。
ただ裁きを下した「彼」の言っていた通り、誰かは彼女を怒らなくてはいけなかったのでしょう。
愛と献身を以て行動した人もまた確かに存在したのだから。
 
主人公もヒロインも微妙にずれているから、そのずれた会話を交わしているところがなんとなく笑えたり、いい雰囲気になっていて楽しめたりするので気に入っています。
本編でシリアスになることも多かったので、第伍譚のおまけみたいに二人がいちゃついているエピソードとか、別の道を選んだ「彼」がどう過ごしているのかみたいな後日談があったら飛びつくんですがねー。
いつか書いてくれないだろうか。 

不死の女神

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「どうか今よりもっと強くなれますように・・・・・・」
(略)
『よろしい。その願いかなえてやろう!』

小説家になろう掲載の作品。
完結済みで、全74部。

書き方が致命的に合わない。
「投げ出された少女=渡辺 紺」 、みたいにイコールを文章に混ぜ込んでるあたりとかは、もう少し文章工夫して書いてほしかったかなぁ、という感じが。
後はあちこちで、てにをはがずれていたりとかで、文章読むときにブレーキが度々かかるようで、どうにも読みにくかった。

主人公の渡辺紺は成績低迷中の剣道少女。
もっともアニメや漫画に影響を受けやすい性格で、心の底から打ち込んでいるわけではないのですが。
ふと、立ち寄った神社で祈ってみたら、聞き入れられてしまい、異世界に突き落とされる。
そして、異世界に行った紺が得ていたのは、死ぬたびに強くなるという悪役のような能力だった。
どうせ蘇るんだからと吹っ切って、異世界ではちゃめちゃしていくお話。

この話を楽しめない原因として、巻き込まれた異世界が魅力的に移らないってことが大きいかなぁ。
いくつかの王国。
鉄士っていう自治集団。これは住民からの相談を受けてそれを解決する組織の事で、魔物倒したりとかいろいろやる、他の作品にみるギルドとか冒険者的な立ち位置ですかねー。
そして、この世界の住民。
どいつもこいつも腐りきっていて、どうしようもないといいますか。

昔王家が悪事を働き、鉄士が解決した、という事件があったそうで。
王家なんて言っていても「また俺たちを騙そうとしているんだろ」と民からは信用されていない状態。

一方で、鉄士協会は、その過去から民に英雄扱いされている、頼りになる存在。
・・・を装っておきながら、裏では悪徳にまみれていて、その権力で犯罪揉み消したり、色々なところになすりつけたり、犯罪の宝庫。
神様が実際にいるような世界なのに、神職の家族を人質にとりいう事を聞かせたり、神域に毒巻いたりと好き勝手していますな。
例え家族が殺されようとも、ここまでされては黙っていられない、って立ち上がる人っていなかったんですかねぇ。

住民は住民で、王家を見放し、鉄士に頼りきりになりすぎていて、王家の発表は信じず、鉄士のいう事しか信じないような状態。
ある村では、魔物が流した噂すら信じて、蔓延していた病気の治療を知る唯一の医者を追いだしたりする始末。

敵を下衆にすれば、主人公が魅力的に移るわけじゃないんですよ、という感じ。
この世界、住民がみんな目ガラス玉なんじゃないかと思うほど、盲目的で、それを利用して一部の鉄士が利益を得ているわけで。
こう、一部組織とかそういう問題じゃなくて、世界全体が腐ってきている。
自浄作用とかが全く働いていないんですよね。腐っていることを問題視して、それを打倒そうっていう動きもほとんど見られない。
鉄士たちが影から操る、奴隷世界ですよ、アレ。
だって、国家という形式を取って王家を置きながらも、全ての責任は王家に押し付け、自分たちは甘い蜜だけすって、人民から搾取しているっていう構図ですよね。
よくもまぁ、滅びなかったなぁ、というか。

紺の行動も、どうにも好きになれないかなぁ。
本当に異世界で好き勝手やっているわけですが、なんか、死なないと知っているから、態度が横柄になりがちというか、こう、無自覚に態度がでかい、というか。
それで油断してあっさり殺されて、でも、死んだら強くなるんで次戦う時には、「良くも殺してくれたな!」と強くなった力で反撃する、と。
大人げないというか、ばかげてる、というか。
あんまり共感できるような主人公ではなかった。
 
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ちゃか

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