気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

宮木真人

魔女と傭兵4

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「あいつが裏切らずとも戦う理由などいくらでもできるさ

 たとえと共に酒を酌み交わそうとも背中を預けて戦場を渡り歩こうとも

 それが刃を交えない理由にはならない」

 

21話~28話を収録。

異大陸に来た時にジグが拾っていたバッジ、情報収集の際に聞いた「また傭兵か」という発言……その答えであるかつてのジグの指導役でもあった傭兵ライエル。

 

音信不通になった先遣隊に参加していた人物であり……「誰もが魔術を使い、魔獣という脅威が存在する」という元の大陸との常識の差異や、魔獣に仲間を殺されたこと、かつての弟分が自分の家族を殺した「魔女」の同族を連れていたこと。様々な要因から狂気に陥ってしまった人物。

不器用な彼の優しさが垣間見える過去編が挟まっているのが味わい深い。

……恩義があろうと、それでもなお衝突するのならば切り捨てる。その割り切りが出来るのがジグだよなぁ……

 

ジグが「接近戦でなら今の俺で五分、用兵技術にもたけているから総合的には勝ち目がない」とか評価する彼の師匠の強さ、とんでもないな……。

イサナから情報を貰いつつも、次に戦う時の為に観察を怠っていない彼が、何がきっかけで戦うか分からない的なこというの良いですよね。ライエル切り捨てた後だから説得力が凄い。

その上でシーアシャには「お前を護るのが俺の仕事だ」と返すのが、頼れる仕事人過ぎる。敵に回したくなさすぎる人物、とも言えますが。



魔女と傭兵3

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「そんなこと? 何があろうとも絶対に手を出すなと言ってるんだ

 “そんなこと”なんて思ってもらっては困るな」

 

1420話を収録。

裏の住人からの情報収集を、別の派閥……ジンスゥ・ヤの腕利きに咎められたジグ。

戦闘に発展して勝利したあとに、彼女が二等級冒険者のタグを持っていることに気が付いて……高位冒険者の死因は調べられるだろうし、そこで自分とのつながりが見えるのはよろしくない。

冒険者である以上、放置して逃げるにしても鉢合わせる可能性はある。……というかジグほど目立つ体格と装備だったら、逃げてもあっさり見つかるでしょうけど……。

 

止む無くシアーシャのところにその武人、白雷姫の異名を持つイサナを連れ帰り……交渉によって手打ちとすることに。

イサナからしても、薬物所持は違法だけど即座に切り捨てて良いレベルの犯罪じゃないのにやりすぎたという事実に気付いたことで引け目あったみたいですし。

シアーシャに手を出させないことを約束させたうえで、戦闘で破壊されたジグの武器を更新できたのはまぁありがたかったか。

 

イサナ達もまた別の地域からやってきた異邦人で、この街では微妙に浮いているみたいでしたけど。

「別の種族は受け入れられない?」とイサナに聞かれたシアーシャが、「理解してくれる人を大事にしたい」と返答できたのは良かったですねぇ……。

魔女として孤独だったころの彼女からは出なかった台詞でしょうし。

 

少しずつランクを上げているシアーシャが、複数の冒険者が参加する規模の大きめの魔獣討伐に参加することになって。幽霊鮫の時に知己を得たアラン達が、いざという時のフォロー役で参加していたのは……ジグとシアーシャの実力を察知した上で貸しがあるという意味で、ありがたかったですね。

うっかり眼帯の女性とか来てたら変にピリピリしたでしょうし。

アラン、予期せぬ魔獣が襲ってくるっていうトラブルに際してジグの力を借りようとして「依頼がしたい」と持ち出したの、ジグ相手のパーフェクトコミュニケーションでしたしね。

魔女と傭兵2

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「そうだ 人間社会で生きていく上で大事なのは 敵を作らないことと味方をつくることだ」

 

6話~13話を収録。

冒険者になったシアーシャと、その護衛というスタンスを変えなかったジグ。

依頼を受けて足を運んだ地域で、腕利きたちの戦闘風景を観察できる機会を得て。人間の魔術や冒険者の戦い方を見たい2人の思惑が一致し、技術を盗み見しようとしたことで敵対するリスクを踏まえた上で覗き見ていたわけですが。

 

魔法を感知できるジグが嗅覚で姿を隠していた魔獣、幽霊鮫を発見。

「後ろだ!!」と危険を知らせる声を発しているの、彼らしい判断基準があって良かったですね。

そして助言を受けたとはいえ即座に適切な判断を出来ていた冒険者たちもお見事でした。

先述の通り下手したら敵対していたかもしれない。だから目立たないという一点を目的にするのなら、助けずに見殺しにするのがジグ達の最善になり得た。

でも、ジグはそうしなかったわけですし……シアーシャにも、似た場面があったら可能な範囲で手を貸してやると言い、と言ってるのが良かったですね。

 

なにかトラブルがあった時にフォローしてくれるくらいの付き合いがあると、後々の助けになるというアドバイスは人づきあいを避けていた魔女のシアーシャにとっては難しいことですが……大事ですからね。

 

ランクを上げるために同じ依頼を繰り返すのに飽きて荒れていたシアーシャに、息抜きのため「服でも買いに行こう」と声を駆けたり、ジグかなり面倒見良いですよねぇ。

そして店員さんも実に良い仕事をしてくれていました。シアーシャ、素が良いので着飾ると生えますねぇ。可愛い。

……その合間に、幽霊鮫の時に助けたアランから頼まれて調査していた人物が接触してきたりしてましたが。腹のうち探りに来た相手に下剤盛ったり。必要に応じて痛みを薄れさせる薬を使ったり、それを商っている裏社会の輩に接触したりとか。

 

傭兵やってるだけあって、ジグ別に清廉潔白な人物じゃないし、必要であれば汚い手も使うんですけど、彼の軸は「契約」にあって仕事である以上真っ当に勤めようとしてるのが好きですね。

……裏の輩から情報収集していたところに、腕利きの冒険者と鉢合わせてしまって戦闘に発展していたの、ジグがついてないというべきか。ある意味戦闘的な意味での運命に愛されているというべきか。退屈しない人生送ってますよね、ジグ。



魔女と傭兵1

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「一つ聞かせろ てめえは……勝ったのか?」

「――――俺はここにいる」

 

主人公のジグが、金を貰えばなんでもやる傭兵。

契約を重んじるタイプであり、「魔女を殺す」なんて参加者の多くが信じてない依頼であっても、警戒を怠らなかった。

魔術と呼ばれる未知の技を操るため恐れられる魔女。噂に尾ひれがついてる部分もあるみたいですけど、実力は確かで……討伐隊を容易く一蹴していたのは凄まじい。

足元から棘だして集団を蹴散らす魔術、見開きのイラストで見るとかなり凄まじい眺めですよねぇ……。

そんな相手でも踏み込んでいくの、覚悟決まってて良いですよねぇ。

 

ジグは魔女の命を奪う直前まで迫ったわけですが……魔女シアーシャの攻撃によって依頼主である領主の息子が死亡。

生き残りが一人だけ、息子も死んだと領主に報告に行ったところで、報酬も得られないし自分の命が危うい。だから仕事はここで終わりだ、と割り切るのジグらしいですよね。

シアーシャも魔女でちょっと違った判断基準があるから、新しい契約を結んでよいパートナーになってましたけど。

普通の感性の持ち主だったら「自分の命に迫る危険人物だ」と見なされて、後日報復されてもおかしくないのでは……?

 

今いる大陸では魔女の狙われない場所はない。

そこで造船技術の発展によって可能となった、異大陸への調査船に紛れ込むことを決めて。

魔法技術について解説するときノリノリで、ポーズ決めたりしているシアーシャかわいいですねぇ……。

そうやって乗り込んだ異大陸ですが……個人差こそあれど市民でも魔法を扱える世界であると同時に、巨大な体躯だったり特殊な能力を持っている魔獣と呼ばれる存在がいる、新天地で。

魔獣によって乗ってきた船が沈んだシーンで、一瞬で切り替えて「行くか」「そうですね」ってやってるジグとシアーシャの割り切り方が好きです。

 

異大陸、魔獣と言う存在が邪魔してくるので人と人の間で起きる戦争なんてものは起きなくなって久しく、だから傭兵という職業は「人の命を食い物にしている」と低く見られがち。

その意識は特に魔獣相手に戦う冒険者の中で強いみたいですけど。そんなことよりも、傭兵と言う在り方が脅かされた方が、魔女や異大陸について見聞きした時よりも衝撃受けてそうなの、彼のこれまでの生き方がよくわかりますね……。

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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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