気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

富士見ファンタジア文庫

聖女先生の魔法は進んでる! 2 竜姫の秘めしもの

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「私は全部自分でやればいいと思ってたわ。他人なんて当てにしても何も叶わないから。最後には全部、自分でやらなきゃいけない。ずっとそう思ってたし、今もそう思ってる。――でも、それが全てじゃない」

(略)

「私は貴方たちを死なせたくない。これからも生きてほしい。私自身、まだ死ねない理由がいっぱいある。だから――力を貸して」

 

ティアが禁域のダンジョンを攻略したことは、否応なく注目を集めることに。

レイナ達はティアの力量を信じているからこそ、それを疑ってませんでしたけど。いきなりこんな爆弾情報放り込んでくるなんて、何考えているんだ、と声を荒げる場面も。……いやまぁ、それはそう。

かなり慎重に動いて同士を集めて、かつての事件について調べたりしていたようですけど。その状況を引っ掻き回すようなネタですものねぇ。

 

禁域討伐の件の査問会が開かれることになって、レイナに与するキャシーが辺境にいるティアのところまでその情報を持って行くことになって。

過去を共有しているキャシー相手にはティアの対応が雑になったりしているの、変わってないな……というか。ちょっかい出して反撃されての関係だった、ある種の気安さがありますな。

……キャシーは、例の事件を期に聖女を辞して、レイナの協力者として動いていたようですけど。過去の傷を共有する相手でもあるので、ふざけ合ってるだけじゃなくて、真面目なトーンで会話するシーンもあったのは良かったですね。

 

ティアの教えを受けている3人娘は、色々なことを学んで成長していってました。

今回はサブタイトルにも表紙にもいる、竜姫エミーの掘り下げが多かったですけど。王族でもあるアンジェが「ダンジョンの資源を利用するのは危険だし、人の命には代えられない」という常識を持ってくれてるのは、なんかホッとしましたね。

「人の命を数で数えなきゃいけないのが王族の仕事」とモーリルに言われていたように、王族としては善良すぎる考えでもありますけど。

……今回明らかになった、王太子が過去の事件を引き起こし、今なおダンジョンを利用した実験をしている黒幕だって言う状況を見ると、アンジェが普通の感性を持ってくれていることがどれだけ救いか。

 

ティアもレイネ達もほぼ確信していましたけれど、王太子が諸々暗躍している人物で。

今回彼が敵を排除しようとして手を打ったのに、ティアはその罠を食い破って見せた。レイネに与する人々の多くが、過去の事件で傷を負いそれでもなお戦う道を選んだ人たちだったのは良かったですねぇ。

ティアがどれだけ強くても彼女の体は一つしかなくて。どちらか一方だけを選ばなくてはいけない、という場面で教え子たちが片方を受け持ってくれたのは成長を感じて良かったですね。

生き延びたことで王太子にティアの力量が認識されて、またちょっかいかけられそうなのが気掛かりではありますが。そうやって動いてくれた方が、尻尾を掴みやすくはなるか。どうか、悪辣に報いがありますように。

転生王女と天才令嬢の魔法革命 王宮秘話

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「貴方のお陰で、夢に手が届きました」

「ハルフィス……」

「私は貴方から教えてもらった希望と一緒に、胸を張って、いっぱい幸せになります」

 

ドラゴンマガジンに掲載された短編5編と、書き下ろし2編を加えたSS7編を収録した短編集。

20203月収録の話なんかもあって、「離宮に来たばかりのまだ距離感を図っている頃のアニスとユフィ」の姿が見られたり、ユフィが王女になってからのイチャイチャ風景が見られたりと、エピソードごとにテイストが違って楽しかったですね。

 

本編だとユフィとアニスのメイン2人や、側にいる人々との関わりだったり、女王となったユフィや王族としてアニスが国の難事に対峙することになる展開が多いわけですが。

そんな中で掘り下げが薄かった、アニスとアニスの母シルフィーヌとの交流が描かれている第2話「子と母と」が良かったですね。

アニスも魔法の才能が無いことで傷ついたけれど、母であるシルフィーヌもまた傷ついていた。同じくらい不器用で、似たもの同士でもある2人の距離が少し近づいたのはホッとしました。

 

3話「愛という難問の答え合わせ」は、子爵家令嬢であるレイニが実家との関係をどうするのか、という話になっていたり。5話「記憶の景色は、時計の針を進めない」は同じように実家と距離を取っているティルティの事情を深掘りする話だったり。

家族というものについて語るエピソードが多かった印象ですね。6話の「ハルフィスの結婚」も、貴族の家の話でしたし。

ハルフィスの婚約者であるマリオンは次男であり、家を継ぐはずではなかった。けれど、次期当主予定であった兄の婚約者の家が、女王の怒りを買い……婚約者を救うためにマリオンの兄が婿入りするという話も出てきたりして。

マリオンがアンティ伯爵家を継ぐ可能性が出て来た中で、理想的な王であるユフィが精霊契約者なのも相まって、神に近く感じられ近くに居られない、と感じる人もいるとも語られていました。

 

畏怖の念を抱き、失言をする前に距離を取る判断が出来るあたりマリオン兄は理性的ですよね……。この国の貴族、ユフィの怒りを買ったりする馬鹿も多い中で、しっかり差異を感じてるのは聡明ですよ。自分の器の限界、と彼は言っていましたけど。

全員が精霊契約者みたいな超人になった国とか、それはそれでヤバいので、ああいう判断できる人が居るのは良いことだと思います。

その上で、この国を改革していくユフィやアニスに近しいハルフィスやマリオンを残していくんだから、しっかり仕事はしてるともいえる。

 

4話「愛への報復」は、年上なのにいつも攻められてばかりのアニスがユフィに反撃しようと、レイニを巻き込んで一日メイドとしてユフィに仕えようとする話。……まぁ当然のように反撃くらって、いつも通りの流れになってましたが。アニスらしくて微笑ましかったですね。

7話「二対一組への誘い」は書き下ろしエピソード。ユフィが女王になった後、アニスの地位が向上した中で、職人たちから「アニスに相応しいドレスを仕立てたい」と嘆願が出されることになって。気乗りしなかったアニスがそれでもドレスを仕立てる中で、楽しみを見出してたのが良かったですね。

……しれっとユフィの愛の重さも描かれていましたが、まぁそれもまたいつも通りではありますか。

双子まとめて『カノジョ』にしない?2

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「姉妹揃って、咲人くんにそこまで大事に想われているんだなって思うと、こう……胸の奥が温かくなって、勇気が湧いてきます」

「千影……」

「だから私はなにがあっても大丈夫です。それと咲人くんとひーちゃんになにかあれば、私が守りますので、任せてくださいね」

 

今回は双子と彼氏と、新聞部を巡る騒動について描かれていました。

同じような活動をしている放送部が、新しいチャレンジをして成功していく一方で、新聞はあまり読まれず……どんどん読まれなくなっていったりして。

それをどうにかしようとした結果、スキャンダルを求めて過激化していったとかなんとか。手紙で呼び出したところで、女子部員が服をはだけて近づいたところを映像に収めて弱みを造ろうとしてるとか、それはもう潰れた方が良いよ。悪い取材の仕方ばっかり学びやがって。

 

3人そろって試験で1位を取り、普段も一緒に行動していることが多くて注目されて。

実際に3人で付き合っているという秘密もあるから、取材対象として興味深いというのは確かでしょうけど、やり口が悪すぎる。

光莉が幽霊部員ながら新聞部に所属していたこと。千影が頼まれて部活動の監査を担当することになり、その対象が新聞部であったこと。

咲人は双子がそれぞれ関係していることもあって、新聞部に近づいていく羽目になるわけですが。

 

悪質取材の手口とか。カメラを人質に取られてるのに「引っかかった、スマホでも取ってたよー!」とか勝ち誇ってくる性格なの見せつけられると、別に手助けせずとも良かったんじゃないかなぁ……みたいな気分になって、あまり乗り切れなかった。

まぁ全く凝りてなくて、部じゃなくて同好会になってもスキャンダルを狙ってやるんだ! とか言ってるから、適当に餌を与えて満足させる方が楽だったのかもしれませんけども。

新聞部問題と向き合いつ、双子ともイチャついたりしていたのは良かったかなー。

魔王の元側近は勇者に転生しても忠誠を捧ぐ

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『大丈夫なのです。ルルナ・プラウドは己の“誇り”に懸けて、バルド様に完全勝利を捧げるのです!』

(略)

「分かった。信じるとしよう」

 

とある神によって創り出された世界。

そこでは人族と魔族が長きにわたり戦いを繰り広げていた。しかし、魔族は「強大な力で人類に立ちはだかる舞台装置」としての役割しか望まれておらず。

魔族側が勝利を遂げたとしても、自分たちすら滅ぼして無に帰した世界に神は同じような環境を創り出す。

そんな中で生まれ落ちた歴代最強の魔王バルド。人類を滅ぼし、共に戦った魔族も滅び失せ、最後に創造神を脅しつけて世界の在り方を変えた上で、自分自身も滅ぼした最強最悪の存在。

 

バルドは、自分に付き従った六魔臣たちに、次の世界で新たなる人生を与えるのであれば自ら死んでも良いと言って、それを実行したわけですが。

……予期せず、遠い未来にバルド本人も女神によって蘇生させられることに。

バルドの要求を呑んで神が世界を作り直したとき、これまでの在り方から大きく変わったことで、世界の壁が薄くなったとでもいうか。

隙を突かれて異世界からの侵攻を受けることになり、今を生きる人類は抗って戦い続けているとか。つまりはかつての部下が渦中にいるということで、バルドは今の世界に存在を示すことに。

 

バルドは世界を滅ぼしつくした魔王としての能力は健在なものの、先述の通り異世界から侵略がされているほど、あやふやな状態になっていて。

彼が本気で能力を使うと、女神が悲鳴を上げるくらい危うい状況になっていたりもして。

懸念事項は尽きませんが……かなりテンポよく、かつての仲間である六魔臣の生まれ変わりたちと再会は出来て、人間になったことで以前と変わった部分はありつつ、変わらない部分もありつつで良い交流が出来ていたのは良かった。

ほんわか魔女を目指していたら、史上最強の杖に選ばれました。なんで!?

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「わたしに……友達を救う力を、貸してくださいッ!」

 

400年ほど前、王国と帝国の間に発生した人魔大戦。

人間が9割を占める王国と、魔物の特徴を有する魔人を擁する帝国との戦いは、帝国側に暴虐の魔王イヴリスと呼ばれる強大な存在がいたこともあって、当初は王国側不利で進行。

いしかし、伝説の魔女メアリー・エルゼヴェルが現れて魔王とその配下の四天王を蹴散らしたのちに失踪したことで、両国の争いは停滞することになって。

 

エルゼヴェルの血は現代に残っていたものの、数代前が事件を起こしたことで「呪われた一族」とまで呼ばれるようになったりもして。

メアリーが扱った聖杖に選ばれるハズだったのが、次代のエゼルヴェルを担う令嬢シトリー。しかし、なぜか異国の天然暴走女子レヴィ―が聖杖に選ばれてしまうことになって。

シトリーは自分の立場を奪ったレヴィ―が面白くないし、レヴィ―はそんなこと知らずにグイグイ来るし。

 

舞台は王国の魔女学園。異国から来たレヴィー、いっつもふざけて回っているかと思えば、格の違う魔法を使ってみせたり。

時に鋭い意見を口にしたり。その一方で、自分のことに関しては口を噤む場面もあったりと謎が多い人物ではありましたが。

そんな彼女を周囲が放っておくはずもなく、さまざまなトラブルに遭遇していくわけになるんですけども。シトリーもまた、血によって継いだ問題を抱えていて。

2人が協力して乗り越えていけたのは良かったんじゃないでしょうか。

男爵無双~貴族嫌いの青年が田舎貴族に転生した件~

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「私はたとえ命を失っても自分の国は渡さない。やっと分かったの。順序が逆よ。王になれば覚悟ができるんじゃないわ。誰よりも国の未来に覚悟を背負える人が王になるの。だから、私が王になる」

 

旧華族・銀条家に生まれたものの、落ちこぼれ故に両親からも期待されずにいた主人公の余一。兄が死んでから迫害は増すばかりで。

そんなある日、不可思議な現象によって彼の肉体は地球から消失し……異世界の田舎貴族の息子ルシウスとして生まれ変わることに。

異世界では魔力の源【魔核】を作るため、幼少期に死の危険がある儀式を行う伝統があって。

 

ルシウスは赤ん坊の時期に、苦痛を伴う儀式を受けさせられたことで「今世も毒親か……?」とう恐怖を感じて。

儀式の後に体内に魔力の存在を感じ、それを動かせることを知って。動かす中で、儀式と同じような痛みを感じることに気付いて。また儀式を受けるくらいなら、自分でやった方がマシだと繰り返し挑戦することにして……。

その結果、彼はこの世界では前代未聞の魔核四つ持ちとして存在が知られることに。陛下から吉兆か凶兆かわからんけど、吉兆に賭けたと剣を下賜されることになったりもして、幼いながらに色々背負わされることになってました。

 

彼の住む北方は、様々な事情から立場が弱く……ルシウスの実家もまた男爵なのもあって立場的には微妙なところで。

それでも家族仲は良好であり……ルシウスは、自分の意志で良い男爵になろうと決意をしていくことになるわけです。

同年代のシュトラウス侯爵家の令嬢、オリビアは同年代の有望株であるルシウスや、北方領土の置かれている状況に思う所があって。兄が政治的な立ち位置が弱く、危険な戦地に送られた結果死んだという過去もあって、彼女は現状を変えるべく王になろうと足掻いていたんですよね。

そう、足掻いていた。あのままだったら夢の大きさに潰れそうだった所ですけど、ルシウスとの交流や危機を乗り越える経験を通して、成長する機会と出来たのは良かった。



聖女先生の魔法は進んでる! 1 落ちこぼれの教室

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「おう、自覚しておけ。そして、忘れるな。人は生きてこそ成し遂げられるんだ。それが誰かに認められるようなものでなくても、お前の足跡はこの世界に残される。消えることなんかないんだ。お前を覚えている者がいる限り、お前がいなくなったという傷は癒えることはない。忘却だけが死の傷跡をなくす手段なのに、人は何故、死者を完全に忘れないと思う?」

 

ティア・パーソン。

聖女として優れた資質を持ちながらも、同時に異端として辺境に排斥された人物。

周囲から異端と言われようと、彼女には揺るがぬ信念と目標があるために、雑音に囚われるようなことはなかった。

……目標に向かって全速前進というほど前のめりになっているわけでもなく、少しずつできる事を増やしていってる着実さはあるんですが。

 

ティアの素のスペックが高いのは間違いなくて、目標に向かう仮定で常識を破壊しまくったりしていくので、教え子からツッコミが止まらないのも無理はない。

本来は戦闘能力がないはずの「聖女の魔法」。それぞれの分野を磨きまくって、戦闘でも活用できるようにまで高めたりしてるし。

実力ある冒険者が複数で挑むモンスターとされる亜竜を単独で倒し、従えてその背中に乗って王都まで乗りつけるみたいな突飛な行動取ったりしますし。

 

辺境に向かう道中で弟子に迎えた少女のトルテ。

王都に居る腐れ縁の知人から紹介された、聖女候補生の問題児2人として名が挙がったアンジェリーナとエミーリエも迎え入れて、ティアは3人を鍛える中で彼女達と向き合って、自分の目標についても打ち明けていくことになるわけですが。

ティアが今のような状況になったのは、全て4年前に起きた事件が原因で。そのことで、王国全体の方針も転換されてしまって、あちこちに歪みが生じつつあるようですが。

 

そもそもその事件の裏側で暗躍していた何者かがいそうな雰囲気です。ティアは彼女なりのやり方で、かつての後悔に向き合おうとしていますが、ティア以外にもあの事件に違和感を持って調査を進めている人々が居そうなのも、王国捨てたもんじゃないな、という希望があって良かった。頑張ってもらいたいものですねぇ。

転生王女と天才令嬢の魔法革命8

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「私がユフィに選ばせちゃったんだね」

「えぇ、貴方が選ばせてくれたんです」

「……呪いみたいだ」

「私には祝福でしたよ」

 

魔学都市アニスフィアの建築は順調で……だからこそ、そろそろ王族であるアニスの格に相応しい建物を建築しようか、という話が出てくる程度には余裕が出てきた。

そんな中、今回トラブルが起きたのは王都……ユフィリア側の方で。

王都のある中央とアルガルドの送られた東方地域の関係は、ひとまず落ち着いている。ということで、独自の連帯感でまとまっていてなかなか手を出せずにいた西部の問題に触れることになったのですが。

 

パレッティア王国が抱えている問題として、貴族と平民の間に溝が生じていること。精霊信仰が過ぎた上、一部では腐敗もしている、と。

ユフィとアニスは改革を進めていますが、片や精霊契約者、片やドラゴンの力を宿した少女、ということで永い時を生きることが約束されている存在なんですよね。だからこそ、ある程度のタイミングで身を引くことを検討していた。

それを踏まえた上で、ある程度ユフィもアニスも譲歩してきたというか……我慢をしてきたわけですが。

 

アニスやユフィの周囲に居る人々が、アニスが鬱憤を貯め込みまくっていることや、それを我慢してくれているのは彼女の温情だと理解しているのはせめてもの救いか。ティルティなんかはもっと直接的に「まだアニスがこの国を見限ってないのが凄い」とか言ってましたしね……。それは正直そう思う部分はある。

腐敗の極みみたいな西部の貴族は、ユフィと対面した時にアニスの事を侮るような事を言って。そのことでユフィは怒りに揺れた。普段は食事や睡眠をとって人間らしい生活を装っていたけれど、それすらできなくなる程度には人から離れてしまった。

そんなユフィを見てしまったことで、アニスもキレて西部を更地にしそうな勢いがつきかけたりもしましたが。踏みとどまって、理想の為に切り替えられたのは良かったか。

舐めた西部の貴族に相応の対応もできましたし。アニスもユフィも人を超越した故の危うさもありますが、互いに互いを思い合っているからバランス取れてるのが良いですねぇ。

辺境都市の育成者5 神降りし英雄

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「そんなのないわ。貴方の下を去って大乱を外から眺め、そのまま特階位冒険者として生きていったとしても――」

(略)

「それは私が望む未来じゃない!」

 

プロローグが南方大陸での戦争風景。

十傑として名の上がる四剣四槍のルゼ・ルーミリアは奮闘したものの……同格の十傑2人を相手取っての戦は厳しく、敗北を迎えようとしていた。

そこにハルの弟子でもある拳聖ラカンと、戦争屋のスグリが参戦して状況を持ち直すことに成功してたわけですが。

 

北方大陸のハル達は魔人封印方法の目途がたったらしく、それ自体はめでたい事ですよね。タバサの成長を待って女神の涙の研磨を完了しないといけなかったり、することはあるけれど筋道が立ったのはありがたい。

敵の本気度も明らかになり、命を賭す必要があると覚悟を新たにする中で、逃亡した勇者を追跡していたエルミアが帰還。

 

勇者が南方大陸に渡ったのは間違いないこと。さらに、南方大陸での戦について情報を得た事から、ハル達も南方大陸に向かうことになっていましたが。

四剣四槍が侵された病を暴いて、危険な橋を渡りつつも復活への道筋を作ったりしているし。その過程でレベッカを鍛えたりもしているあたり真面目というか……状況がどれだけ動こうと育成者としての立場を貫こうとするハルらしいですね。

無茶したラカンはエルミアの折檻を受けることになってましたが……まぁ自業自得ということで。

ルゼの病状はかなり悪かったり、ハル達が訪問した時期はかなりギリギリのタイミングでしたが。それでも、可能な範囲で救ってみせたのは流石。

……まぁ敵の手は長いというか、色々やっている実験の成果が上がっていて上機嫌なのが気になるところではありますね……。



双子まとめて『カノジョ』にしない?

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「双子まとめてカノジョにしない?」

 

学年成績1位の美少女・宇佐美。

真面目で知られる彼女には、学校の外では制服を着崩してゲーセンに行ったりしている、なんて噂もあって。生活指導の先生のもとにまでそんな噂が流れてきてちょっと目をつけられていたりしたようですが。

……まぁタイトル通り、その実彼女達は双子であり、真面目な同級生の妹・千影と、ゲーセンで遊んだりしている奔放な姉・光莉の目撃情報が混ざったせいで変な噂が生まれていたんですよねぇ。

 

妹・千影と中学時代に接点があった主人公の高屋敷咲人くん。

当人はそのことは覚えてなくて、極力目立たないようにふるまっていたわけですが。

千影は過去の出来事から気に駆けられているし……光莉ともゲーセンで出会ったことで交流が始まって。

双子であることを知らなった高屋敷くんは、たびたび違う顔を見せる彼女に惹かれていくんですが。

 

高屋敷君が千影と一緒に遊びに行った時に、光莉と高屋敷の交流を知っているゲーセンの住人と出会ったことで、千影が先に姉とも接点があることに気付いて。

動揺した千影は高屋敷に好意を伝えた上で逃げ出してしまって……それを追いかけたものの見失った高屋敷君が先に出会ったのが光莉の方で、そっちに告白への返事をしてしまったことで場が大混乱。

最終的に「双子まとめてカノジョにしない?」と光莉から提案されて、結果的にそうなって。デートしたり、困っていることがあったら助けたりと、一般的ではないけれど彼らにとっては良い関係を築けてて良いんじゃないですかね。



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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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