気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

富士見ファンタジア文庫

魔王討伐から半世紀、今度は名もなき旅をします。

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「スイ、また」

 

見送ったのは俺一人、約束したのも俺。

 

50年前、魔王討伐の旅に同行した剣聖スイルーンことスイ。

魔王討伐できるのは女神の啓示を受けた勇者のみ。……しかし、50年前は魔王を討伐することが出来ず、勇者が魔王を封じることで「討伐」を果たした模様。

スイはそれを認められず、魔王討伐の褒賞として女神から与えられる「願いを叶える権利」を「勇者を救うこと」に使おうとした。

しかし、討伐直後にその願いを叶える事は出来ず……50年後の未来にその願いを叶える機会を与えられることになって。

 

もう子も孫もいる年になっていたスイですが、老いた体も全盛期にまで若返り、「再び道を辿れ」という啓示に従ってかつての魔王討伐の際に辿った旅路をなぞるように旅を始める事に。

かつても旅をしてはいたけれど、当時は魔王が居たことで魔物という脅威があったため、穏やかになった世界を旅するのは初めてで。

 

静かな一人旅をするつもりだったみたいですけど。

かつての仲間である神官がついてきたり。同じく旅の仲間である魔女の弟子と、スイを慕う孫が転移の術を使って会いに来たり。

聖獣に懐かれたり……特殊な魔物と遭遇したりと話題に事欠かない旅を送ることになっていますねぇ。

スイの望みは女神にも直接叶えられるものではなく、あくまで機会を与えられただけなんですが、果たしてこの旅の結末がどうなるのか。楽しみですね。


転生王女と天才令嬢の魔法革命11

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「私が貴方たちに魔法を教えてあげよう。貴方たちにもかけられる素敵な魔法を。だから貴方たちも、私のために素敵な水着をつくってくれないかな? これが成功したら、きっとエルダーナ伯爵領はもっと栄えて、皆で幸せになれるよ!」

これはただの願いでしかないけれど、私は願いで終わらせる気はない。だから、一緒にやってみない? これは、そんなお誘い。

きっと、私が待ち望む反応がくるのはもう少し後だ。

 

前巻から変わらず帝国滞在中のアニスたち。

ユフィというパートナーを得て、キテレツ王女として遠ざけられていたころとは違い、王姉殿下として慕われるようにもなって。立場が向上した以上、それに相応しい責任なんかもついて回って、王侯貴族であれば社交なんかもその範疇に入ってくるわけですが。

帝国訪問が順調に進んでいた……いや進みすぎたことで、アニスのキャパを超えてしまうことになったわけです。

 

がんばっているのは間違いないけど、「限界を迎えた姿を見ると残念さが際立つ」なんてユフィにすら言われる始末。まぁ最初の挿絵にもなってる、ソファでユフィに抱き着いてイヤイヤモードになってるアニスは残念度増してましたが……。

ルークハイムが帝国の都合で振り回してばかりなのも申し訳ない、とエアドラという足があれば帝国各地を訪問することが可能だろう、と息抜きの視察に連れて行ってもらえることに。

 

そして選ばれたのがエルダーナ伯爵領。皇帝に親しい派閥であること、アニスたちが視察するのにふさわしい港町であることなどが理由で。

この世界、海にも当然ですが魔物がいて、そのせいで海は恐ろしい場所とされて開拓が進んでいない領域でもあるとか。

王国でも手を出していきたい部分であるため、道半ばであっても形になっている領地を見られるのはありがたい話ですね。

 

前世知識のあるアニスは、海水浴的に遊びたいという欲求も沸いてきてましたけど……先述の通り、魔物が多いこともあってまだまだ海は遊びの場ではなく。水着も、実利優先で可愛さに欠けたものしかなかった。

海に親しんだ前世を思い出して、ついつい情報を零してしまって。関係改善中とはいえ、他国で皇帝とかも居る前で、前世知識を零してるのはうっかりが過ぎる。まぁ、懐かしくなるのも無理はない。

ただそうやって前世の事を懐かしんだりしつつも、アニスは「前世の世界の方が良かった」とは微塵も思っていなくて。今生きるのはこの世界だと受け入れているし、何よりこの世界にはユフィがいるから、とストレートに言うのがアニスらしいですねぇ。

 

そして空飛ぶドレス王天衣のような、海中での活動をサポートする魔道具は作れないのかと言う話になり……ユフィから後押しももらったので、アニスが夢に向かって駆けだすことに。

途中でサーペントという、海に住む魔物が現れて……その素材をアニスが欲したことで、より力を注ぎ込むことにもなって。周囲を驚かせていたのは、流石と言うかなんというか。

実に良い息抜きになったんじゃないですかね。めでたしめでたし……で終われるかと思いきや、急報が飛び込んできて騒がしくなりましたが。さて、どうなるやら。

転生王女と天才令嬢の魔法革命10

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「彼女たちは素敵な景色を見せたいだけなのだろうと、儂はそう信じられる。そう、あれは未来を喜んで語る者たちの目だ。――今の皇帝陛下がそうだったように、儂や、お前の父親が信じた眼差しのように……」

 

今後の未来の為に、帝国との関係を変えていくことは必要。

これまで引きこもりがちだった王国も変わっていると示しつつ、帝国と平和的な同盟を締結したいという目標のもと、アニスとユフィは帝国を訪問。さすがに王族だけってことはなくて、いつものメンバーに騎士も同伴してましたけど。

そのためにエアドラを使って空から来訪するという演出でまず力を見せることに。帝国もしっかり着陸予定地に騎士を整列させてたりして国力を示してきたわけです。

なかなかいい性格してますよねぇ、皇帝陛下。

 

仮に帝国と戦争になった場合、王国に利益はまったくない。

そもそも先王の時代から人材が不足しているのに、先だって西部貴族の粛清も行ったので、領土的な野心を燃やすような余力はなく、自国の維持で手一杯なのが正直なところ。

ユフィリアとアニスという特大の戦力がいるので、戦っても負ける事はないけど、戦争である以上人材が損なわれるのは避けられない。

仮に勝利出来たとしても、敗戦国の貴族が王国に素直に従ってくれるとも限らず、大きな問題を抱えるだけ。

だからこそ、関係を悪化させることは避けなくてはならない。さりとて、力を抑えすぎて侮られてもよくない。アニスの求める理想の為に、問題が起きる可能性だってあるけど、魔道具の輸出もゆくゆくはやっていきたいということもあり……王国は力を示すことにしたわけです。

 

そんなアニスとユフィの歓待役になったのが皇帝の娘クリスティンだった。皇弟ファルガーナが補佐についてましたが心労が絶えなそうでしたねぇ……。

流石はあの皇帝の娘というか。かなり行動力のある御仁で、勢い任せに見せてしっかり考えている部分もある、良い子でしたね。

ルークハイム、帝国の歴史においてもトップクラスに偉大な皇帝であり……だからこそ、次代を担うことなる彼の子供たちは中々に苦労している模様。皇帝の座を狙った争いはするけれど、それが致命的な決別に至らないようにするバランス感覚が求められているようで。領土が広大で先代が偉大だと、頭を悩ませることそりゃ多いでしょうねぇ……。

 

アニスに最初から好意的に接してきたクリスティンに、ユフィが嫉妬した素振りを見せてアニスを揶揄ったりしてるの、微笑ましくて良かったですねぇ。

女王と王姉として。改革を進める者として、必要な王族としての判断を下し、責任をもって行動をしている姿には好感が持てます。それはそれとしてもっとイチャイチャしてくれて良いのよ。

最後の英雄に捧ぐ花嫁学園 時を超えし魔法使い、次代の姫と絆を結びハーレムを築く

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「魔法使いの終わりとは、何だと思う?」

(略)

「終わり? 成長が止まること、かしら」

「いいや、違う。己に満足することだ」

 

主人公のアレクは世界に終焉を齎すと予言されたいくつもの災厄を打ち破った大英雄。

彼が徹底的に災いの芽を摘んだことで、後の世では英雄を必要とするような出来事は発生せず……それゆえに、歴史家から「最後の英雄」と称えられることになった。

最もアレク自身にはそこまで崇高な目的もなく……ただ強くなることを望んでいた彼にとって、予言に謳われるような災厄は敵として丁度良かっただけみたいですが。

 

予言の災厄全てを打倒したアレクの敵は、いなくなってしまった。

彼の仲間であったエルフのエステルとかは、彼に色恋に興味を持ってもらいあわよくば自分に目を向けて欲しい願望があったみたいですけども。

アレクはそのあたりの感情に疎く、上手く会話が噛み合ってはいませんでしたが……そんな会話でも気付きはあって。

エステルの薦めもあって、アレクは魔法によって未来にわたり、そこで自分と並び立つ相手と出会えることに賭けたわけです。

長命のエルフであるエステルは彼の封印された地を護りつつ、彼の花嫁候補として相応しい強さを持った生徒を育てる女学院を作って待つことに。

 

そして彼は三百年先の未来で目覚めて。エステルが生存し、彼女目線で美化されたアレクの話を聞いているとはいえ、今の学園に通う少女達にとってアレクって言うのは歴史上の偉人なわけで。未来で目覚めるため特別な眠りについた、という話も信じている人は少なかった。

エステルを筆頭に長年生きているアレクの仲間たちが認めようと、飲み込みがたい気持ちになる者がいたり。逆にあれだけ慕ってる仲間に認められているんだから本物だと認める子もいたり、受け取り方は様々ですが。

 

それでもアレクの実力は認めざるを得なかった。アレクからしても、未熟なところは有れど「オリジナルの魔法を創造する」領域までに至った子はいるし。アレクの相手に相応しい生徒を育てるための学園であるため、アレクからしても学びの多い場所にはなっていたようで……色々と周囲を騒がせても居ましたけど。

英雄というのは伊達ではなくて、良い影響も相応に与えていたのは良かったですね。

封印されし呪われ勇者、美少女配信者に偶然解放されたついでに無双して大バズり

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「僕の名前は勇人、姓はない。地底が開いて混沌とした時代において『勇者』と呼ばれることもあった戦うことしかできない愚か者で、僕の目的は――この世界からモンスターを全て死滅させることだ」

 

ダンジョンの出現に伴って魔物が現れた世界。

それによって人類は大きな被害を出し……そんな絶望的な状況の中でも抗い続けた人々がいたおかげで、命脈を保つことが出来た。

主人公の勇人は、50年前のダンジョン出現黎明期に最前線で戦い続けた4人のうちの一人で、『勇者』と呼ばれることもあった人物だった。

彼は喋る魔物「エリート」を狩り続けていたが……二十体近く狩る中で仲間を失い、彼自身もエリートの一体であるリッチから呪いを受けて地底に封印されてしまう。

半分人間・半分魔物の状態になった勇人はそれでも心折れずに生き続け……ある日、地底から解放されることに。

 

その切っ掛けを作ったのが、50年の間に復興した世界で生まれたダンジョンに挑みつつ配信を行う、ダンジョン配信者の少女雨宮霞だった。

彼女は、友人といつもどおりのダンジョン探索を行っていたところ、予期せぬ強敵と遭遇。友人を逃がすために殿を務め、ギリギリまで魔物を削ったものの……限界を迎え下層に逃げることにして。

 

そうしてボロボロになった霞と勇人が出会い……呪われて半分リッチになっている勇人は、魔物としての特殊能力も使えて、それによって致命傷を負っていた霞を蘇生することに。

結果的には霞が下層側に逃げたが功を奏した形ですね。勇人、地底……とは言わないまでも通常よりも深い階層に封印されていたので、霞が上層側に逃げていたら間に合わなかったでしょうし。

霞、かなり無心にダンジョンに挑む続ける修行僧じみた配信者だったみたいですが。彼女には、ダンジョンで行方不明になった姉を探したいという目的があって。

最初にあった現代人で、諦めず足掻いている子で……当人にその意識がないとはいえ、自分を封印から解放してくれた恩人。

 

だから勇人は彼女を助けた上で、お互いの目的のために協力することに。

勇人、50年飲まず食わずで地底で生きてたあたり、肉体的には魔物なんでしょうけど。その精神は『勇者』と呼ばれるだけの事はある、というか。人間大好きで、自分は戦うことだけでしかその幸福に貢献出来ないと思い込んでて……だから、解放されてからもダンジョンに挑むことに躊躇いがないのあまりにも強すぎる。

半分魔物になった影響か、実年齢70歳以上な割に若々しい肉体を保っているオマケもありましたが。黎明期に「エリート」を殺し続ける事が出来た実力は本物で、現代最強と謳われる相手と腕試しすることになった際も、自分の知らない技術使われて戸惑いつつもそれに追いついて凌駕してったの、「戦闘技術が化け物」と評されるのも無理はない。

魔力を利用しての肉体の再生、これはリッチとしての能力じゃなくて理論上誰でも使えるはずだぜ? とかしれっと言ってくるの、当人のスペックがとんでもないし、人類への期待がデカすぎる……。これは勇者ですわ。

男女の力と貞操が逆転した異世界で、誰もが俺を求めてくる件

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「ソーマ様のお噂を聞いた時はそんな聖人のような御方が存在するなんて、とてもではありませんが信じられませんでした! ですが、ソーマ様はお話通りの……いえ、それ以上に素晴らしいお方でした!」

 

トラックに轢かれて死んでしまった主人公のソーマ。

記憶と肉体をそのままに、彼は異世界に迷い込んでしまって……森で目覚めたと思ったら、スライムに襲われ服を溶かされる羽目になって。

そこに女性冒険者3人組パーティ「蒼き久遠」に助けられることになるわけです。

 

しかしそこで判明したのは、タイトル通り「男女の力と貞操が逆転した異世界」であること。

日本語的な表現をすると、女性は力強く雄々しく。男は弱く女々しい。

創作ではよくありますが回復役って巫女とか聖女として女性が担うことが多いですけど。この世界では男性の方がそれを行っている。

ソーマは異世界に来た際に、異世界版聖女こと「聖男」というジョブについていることに気付いて。一段階低い男巫というジョブだと申告しても、祭り上げられるくらい貴重だとかなんとか。

 

前世の記憶がある彼からすると、この世界の女性は無防備に過ぎるというか。

ソーマが服を溶かされたときとか、エルミーが自分の服を脱いで「早く何か着てください!」とかやってますし。

そういう「貞操逆転もの」の御約束を詰め込んだ読みやすい作品でしたね。

隣の席の王女様、俺の前だけ甘々カノジョ

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「私も……ハイムくんの、特別が、いい!」

 

貴族ばかりが通う魔導学園に、平民ながら特待生として入学した少年ハイム。

彼の存在を面白く思わないバカ貴族に絡まれたりするのもしょっちゅうだったみたいですけど、魔導を極めることに夢中な彼は適当にあしらっていた。

バカ貴族が魔術の腕を自慢してきても、自分の力は「わかる人にはわかる」程度に抑えて乗り切っていた。

そんな彼を平民と侮ることなく、懐いてくるフィーアという貴族少女もいて。朗らかで明るい人気者なので、彼女がハイムを気に掛けることが気に食わなくてバカ貴族ことグオリエ君がヒートアップしていた部分もあるみたいですけど。

 

それくらいフィーア、ハイムの事気にしてますし。

フィーアは貴族ではあれどそこまで家格は高くない、という設定になっていたみたいですが……タイトルとあらすじで明かされている通り、それはあくまで擬態。

しかして実態は、その美貌から広く名の知られた第三王女ステラフィア・マギパステルが魔術で変装した姿であった、と。

その事実に気付いてしまったハイムは、王族の秘匿魔術でその記憶を消してもらおうとしたわけですが……魔法修練に励みすぎた結果、「自分の実力以下の魔術師の魔法を無意識にレジストしてしまう」レベルにまで至っていたハイムには記憶消去魔術が効かなかった。

そして2人は秘密を知る共犯者として、より仲良くなっていくわけです。

 

一応フィーアは「正体バレちゃいました」って自分の父である国王に報告に行ってましたが。国王は、フィーアがハイムを慕っていることも知っていたし、ハイムなら秘密を打ち明けていいとも思っていたと明かされることに。

そこには庶子であるフィーアが、歴史を変える可能性を持つ相手にしか与えられない特待生としての資格を得たハイムを射止められるなら、国の利益になるって言う王としての厳格な判断もあったみたいですし。

2人の恋が進展した場合、障害も多くあるぞと釘をさすこともしっかりしていましたけど。娘の恋路を応援する野次馬な父としての顔も確かに見えましたよね……。

 

国王が特待生であるハイムの事を、娘の相手にしても良いと思う位認めているって言うのが早い段階で描かれると、「平民だから」と排除しようとしてるグオリエ君の滑稽さが際立つと言いますか。

貴族の意見の一つではあるし、ハイムとフィーネが超えるべき壁の一つではあると思うんですが。最初の壁にしても小物だったなぁ……という印象。

まぁグオリエ君が暴れまわった結果、ハイムたちの想いが固まったのでそういう役回りでは100点だよ! やったね!



女王陛下に婿入りしたカラス

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「いいえ、あなたには何かを動かす力がある。父は確かに、力業で道を切り開いて来ました。でも道を行くのに必要なのは力だけではありません。砂漠を超えるのには水を得る術が居る、雪山を超えるには火を起こす術が要る。今まで彼女が行けなかった道も、あなたとなら超えられる。あなたになら、それができる」

 

ファンタジア文庫第36回銀賞受賞作品。

国や領地をも「家」と見なして管理経営する『家政学』専攻の学生ウィル。

エースターの学園に通う彼は卒業論文で隣国オノグルを略奪・戦争国家として批判して。

数年前にエースターはオノグルに王都を包囲されて……多額の賠償金を引き渡すことになって。国土を奪われたわけではないにせよ、多くの命が失われて両国の間には遺恨が残り続けている状況で……。

 

ウィルの論文がオノグルの女王の目に入ったという事が発覚したからか、「卒業金」という制度が敷かれて平民のウィルが卒業できないようにされて。

教授に訴えかけていたところに、女王イロナが登場。ウィルの卒業金を負担する代わりに、「婿になれ」と突然言い放って。

オノグルは戦争には強いけれど経済的には弱い国で。ウィルの論文はその弱点を的確に指摘していた。弱点を知る者ならば、改善点も見つけられるのではないかという期待で迎えられることになったわけです。

 

イロナは侵略国家であり続ける事を良く思ってなくて、変えようとしてるのは好感が持てますね。

ただまぁ、戦争でオノグル側にも犠牲が多く出ている中で、敵国から来た優男。オノグルは騎馬民族国家だけど、エースター出身のウィルは馬にも乗れないし、オノグルの一般常識的に加点も少ないってのが厄介なんですよねぇ。

ウィルがやってきた直後、城の使用人がボイコットを始めたりしましたし。

 

主の意向に使用人が背いた、という事実を盾に解雇しようとして。

危機感を使用人に抱かせたり、自分の境遇や女王の思惑の一端を語ることで、反感を持ってる相手でも自分たちの婚約式に協力させることに成功したのはお見事。

オノグル側も犠牲が出てきてエースター出身のウィルを責め立ててましたけど……それで言えばウィルだって、戦う力の無かった父がオノグルの襲撃で亡くなり、名ばかり共同墓地である穴に死体は放り込まれて、墓参りも叶わないって背景を抱えているわけですし。

憎んでしまうのは仕方ないけれど、どこかで連鎖は断たないといけない。そのために奔走できるウィルは、良いやつですねぇ……。

 

自国の中から経済的な武器になりうるものを探す傍ら、受け入れられるように馬に乗る練習をしたり、一歩一歩進んでいた中で……他国から経済的な攻撃を受けて。かなり危うい状況に追い込まれつつも足掻いて、希望を掴んだのはお見事。

俺がモテるのは解釈違い~推し美少女たちに挟まれました~

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「変なところでついムキになっても、(栞さんたちなら)全部受け止められるから」

(略)

「恋花さんはそのままでいい。恋花さんのそういうところ、(栞さんたちは)好きだと思っているからさ」

 

主人公の男子高校生、成瀬壮真。

彼は百合過激派で、百合に男が挟まろうものならその相手を殺してでも排除しようというスタンスを掲げていた。

男友達相手には「女子同士で仲良くしてほしい」という妄想を口にはするものの、彼はその尊い百合を見学したいという欲求もあって。

 

女子の前では格好つけるところがあるというか、仲良い女子が喧嘩していたら仲良くなれるようにアドバイスしたり、女子同士の時間を確保できるように雑用を買って出たりと色々やっていた結果……順当に好感度高くなっていった、というね。

女子3人と連れ立って遊びに行っても「男除けとして便利だったんだよ」とか言ってるし。自分に言い聞かせようとしてる部分はあるにせよ、往生際が悪い……。

 

百合信者である彼からするとタイトル通り「俺がモテるのは解釈違い」なので、どうにか好感度調整しようと四苦八苦していましたけど。時すでに遅し。

委員会の仕事をサボってみたりしても、それまでの信頼があるために体調悪かったのかと思われて納得されちゃうし。

どうにか距離を取ろうとしても好感度高い彼女達の方から迫って来るし。

 

彼女達から距離を取ろうとしたのは「百合に挟まる男が自分だろうと許せない」という、自分自身の問題でしかないというか。

彼が崇める「百合」が存在しないと、そもそも「そこに挟まる男」にすら慣れないと表現するのもちょっとズレてそうですけど。

つまり何が言いたいのかというと、自分が許せないから距離を取ろうと思っていたとしても、彼が大切にしている女子の関係に異常を見つけたら復旧に奔走したくなる難儀な生き様なんですよね、これ……。

もう好感度下げるの、本当に路線変更してグレるくらいしかなさそうですけど、「百合は眺めたい」という思想から無理そうですね。諦めるんだ……。

放課後の教室に、恋はつもる。

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「先生。あたし……誰かを本気で好きになるのが、怖い」

 

カーストトップの生徒、上原メイサ。

彼女は「地味で堅物」という評判の国語教師、筧莉緒にほれ込んでいて。

放課後の金曜日に行われる勉強会。それにわざわざ参加するような生徒はメイサしかおらず……2人の密会を行う時間となっていた。

最も筧はメイサの気持ちに応えるつもりがなく、「堅物」という評判通りしっかりと「勉強会」を行った上で、メイサからの求愛をすげなく断るという不思議な距離感での交流になってはいましたが。

 

メイサが家庭の事情で進学が難しいかも、となった時は「教師として」と建前を使いつつもかなり彼女に踏み込んだ対応をしたなぁというか。

家に乗り込んで母親との面談をしていたのは、必要だったけど強引で、そこまでやった自分の心が筧もまだ測りかねているような状況で。

 

メイサが筧にほれ込んだのは高二の時、国語で赤点を取って補習を受けるようになってから。はじめは気乗りしなかったけれど、11で行う補習の中で多少は私的な会話をする時間もあって。

「好き」という気持ちを見つけられなかったメイサは、筧に少しずつ惹かれて行った。

一方の筧先生。教師と生徒、という事で自分の気持ちに線を引いていますが……。

実は彼女も、学生時代に恩師であった女性に恋をしたことがあって。けれど、その想いは伝えられず……筧が教師になったこともあってか卒業後も関係は続いていたけれど、恩師は近く結婚して子供ももう宿っている、というような状態で。

 

メイサからの告白は断った。自分の初恋は遠い昔に終わった。

筧、ある意味では恋を知らないんですよね。胸に抱いたことはあっても、その熱に溺れたことがないというか。真面目だから自分を律して、抑制してしまってる。そういう意味ではグイグイくるメイサとの相性は結構良いと思います。

実際、「振りはしたけど、どうしても目に入る」と筧自身も述べていたわけですし。

筧、線を引いていようとはしていますが。それでもメイサ相手には境界が揺らぐこともあって。メイサが「私の事すきになって」と思うのも分かる、まだ花こそ咲いてないけど恋の芽は出てそうな気配あるものな……。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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