気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

小説家になろう

ナンパモブがお仕事です。~フラれに行ったらヒロインとの恋が始まった~

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「モブが物語に奉仕するんだ、その逆はない。物語に奉仕させようとしたら、モブは終わりだ」

 

この作中における「現実世界」は多くの「物語世界」と繋がっている。エタった作品のキャラが能力を失った状態とは言え「現実世界」に現れる、なんてこともあるみたいです。

そんな中で主人公のB介(びーすけ)が務めているのは、モブ派遣会社。

 

登場人物の行動に驚きを示すモブ観衆だったり、ちょっとした解説を挟む名前を付けるほどでもない知識キャラだったり。ゾンビとかのパニックものやミステリーで、無謀な行動をとって最初の犠牲者になる名も無き人物とか。

異世界モノだったら、メイン級のキャラに絡んで蹴散らされるモブ戦士とか、能力覚醒シーンに巻き込まれるキャラだとか。

一つの物語がある時、主人公たちの周囲に居る名前のあるキャラ以外にも、多くのモブが居るんですよね。スポーツ漫画とかでトーナメントがあったら、主人公たちのチームが戦わず視界に入ることもなく負けているチームとかだってあるわけですし。

 

そんな中でB介が主に担っていたのは、ヒロインをナンパしてすげなくあしらわれて、主人公との出会いに貢献した後その後物語に登場することはないチャラ男だった。

A太という同じモブ派遣会社の同僚と2人でナンパに繰り出して、撤退していく。それだけのキャラだったはずが、とある物語のヒロインをナンパして振られた後、モブ派遣会社のシフトに穴が開いて……同じキャラをナンパしに行く羽目になって。

不思議と縁が出来て、本来のストーリーからは少し違うルートを進むことにはなったものの、ヒロインの背中を押す選択をB介はしたわけです。

 

あそこで「ここで弱ってるヒロインに付け込めば自分が恋人になれるのでは」と行動に移さなかったのは偉い。

実際「モブの闇落ち」として、そういう事例は描かれましたしね。物語で想定された以上に介入して、「モブ」の役割を果たせなくなった輩の末路が。

異世界で消滅させられても復活出来たり、そもそも物語世界に現実世界のB介たちが入り込めたり、トンデモ要素がある中でもモブにはモブなりの流儀があったのは良かったですね。

 

……ただ「モブの闇落ち」が起きる余白があるのはなぁ……とも思いましたが。

創作で「キャラが勝手に動く」とか言うのは、よく聞く話です。ただ、それはあくまで生みの親である作者の中から出てくるべきだと思うんですよねぇ。

映画やドラマでも俳優さんがアドリブ入れた、とかは聞きますけど。それもあくまで、演技という武器を磨いてる人だからこそ出来る事でしょうし。

闇堕ちするような相手はプロ意識が足りなかった。まぁ、派遣だからそれはそうなんですけど……他人様の世界に乗り込んで、好き勝手振舞おうとする「闇落ち」現象があまりにも肌に合わなかったな……。

派遣とは言え報酬貰ってるんだったら、要求以外のことして状況壊すなよ……ってなった。

魔王様は回復魔術を極めたい~その聖女、世界最強につき~1

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「残念ながら、生まれてこのかた後悔などしたことありません」

 

あらゆる術理を極めた最強の魔王ルブルヴィム。

彼を討伐するために神から祝福を受けた勇者ロロと、それに味方する英雄たちと戦うことも多かったようです。

魔王であり武人でもある彼は、戦いの前に敵を回復させて万全の状態にしてから戦う流儀を持っていたものの……魔の性質を持ったルブルヴィムは、神聖術との相性が悪く彼の満足する領域まで極めることが出来ずにいた。

……ルブルヴィムの理想とする回復魔術って「相手の弱さ」みたいな概念的な物すら「治すべきもの」ととらえて回復させるレベルで、それはもう回復魔術って枠に収まるものではなさそうですけどね……。

 

そして何かを極めることに全力なルブルヴィムの高潔さを、敵であるはずの勇者ロロですら認めて……自分の必殺技で傷一つつけられなかったこともあって、敗北を認めることになったわけです。

勇者ロロは人類最高戦力ではあれど、全人類の意思決定担当ではなくて。自分が敗北を認めても、国王たちの協議は必要だろうと現実的な話はじめたり、魔王を友と呼ぶロロ、なんだかんだ好きだな……。

そして勇者に力を与えた聖霊も現れて、魔王に「転生してみませんか」と進めてきて……ルブルヴィムは回復魔術を極めるためならと速攻で頷いたわけです。

回復魔術を極めるのが今一番楽しいことだったからかもしれませんが、「転生とはどうやって為すんだ」と掘り下げなかったのは少し意外か。

 

そして魔王ルブルヴィムは転生し……人間の少女として生まれることになったわけですが。

危機にさらされたのも影響はありそうですが、母の腹の中に宿っているタイミングで既に意識を取り戻して。

母を助けるためにそのまま魔術をつかって脅威を追い払ったり。

赤子があまりにも頼りなさすぎると、ルブルヴィム流の回復魔術を使って急成長して、当人にとっては不本意なことにたわわな胸を獲得するわけです。

こんなのは脂肪の塊なんだから「治療されてしかるべき」とか考えるあたり、魔王様の思考があまりにも魔王様というか。転生先の事、男と女の事とかもう少し常識インストールしてからやるべきだったのでは……? みたいな気持ちになる。

 

いやでも、肉体的に急成長して外見上は問題なくなっていること。ルブルヴィムとしての意識がハッキリしていること。そして両親からの教えをしっかりと吸収できたこと。

それらの要素が噛み合った結果、ルブルちゃんは5歳にして回復魔術を扱う聖女育成のための学園に通うことになったわけです。

学力試験と実地試験では最高評価を得たものの、適正検査で水晶に触れたとき「ジャアク」と連呼されたことで、ルブルは最低クラスのFクラスに放り込まれた上で、学内でも距離を取られることに。

 

まぁ当人は回復魔術を極めるために特訓できれば良いので、そんな気にせず学校生活送ってましたが。調子に乗った先輩を叩きのめし、ジャアクと呼ばれていようと気にしない友人を作り、ルブルの望むレベルには至らないながらも特級の回復魔術によって悩める人を救い、周囲に激震を走らせるわけです。

ルブルが生まれ変わったのは1000年の時が過ぎた未来で、魔王の存在は歴史から隠されていたし、聖剣使いも弱体化したり……魔王ルブルヴィムの行動を見た魔族が仕込みをしていたり、と。世界そのものも激動の瞬間を迎えていましたが……ルブルちゃん強すぎるからだいたい一蹴できるんだよな……。

コドクな彼女

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「大丈夫だよ奈紺。君は……君が思うほど、悪い奴じゃない」

 

主人公の大学生男子、叶。

彼は正体不明の少女に「赤瀬奈紺」と名付け、同棲をすることに。

とは言えそれは甘い恋愛的なソレではなく……迷い猫とかを保護するイメージに近い。奈紺、暗いところを怖がるような人間味もあるんですけど、その実、怪異に近い危うさを抱えた少女でもあった。

 

悪友から欠席者が出た合コンの穴埋めに熱烈に誘われた叶。

流れで奈紺の存在もバレて一緒に行くことになって……。叶は、奈紺の事情を知ってる天草教授に相談の上顔を出すことにして。

そこに奈紺以外の怪異も紛れ込んでいて……悪友の幹事・中沢くんが襲われる、なんて場面もありましたが。

奈紺があっさり撃退。ホラーを目撃した中沢も驚いていましたが……奈紺が助けようとした理由が、合コンとか初めてで「楽しかったから」だっていうのが、良かったですね。

 

奈紺は確かに並みの怪異よりも強い、異質で異常な存在ではありますが。

叶が傍にいる限りにおいて、普通の少女のように過ごせているのはとても凄いことだと思います。

天草教授、オカルト方面に詳しいし自分にも悪魔ハルファスがついていて、そういったトラブルに対処する専門家とのつながりもある人物で。

とある組織からの脱走者についての相談を持ち掛けられたりもして……読者目線だとあからさまにストーリーラインが繋がってるので「逃げて―」ってなっていましたが。

専門家であっても脅威に感じる奈紺に駈け寄れる叶くんが実に良かったですね。

極東救世主伝説 九州大規模攻勢編

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「生意気なことを言いますが、ここは戦場なんです。戦闘が終わっていない以上、歪んはしないでください。最上さんがどうお考えかは知りませんが、少なくとも俺はこんなところで死にたくありません」

 

第二次世界大戦末期に、悪魔召喚の儀が行われ……成功してしまった世界。

悪魔同士での争いもあって、それに敗れた一部が人間に情報を提供したこともあって、人類は対抗手段を獲得することが出来てはいるみたいですけど。

人間が悪魔によって力を与えられた魔族と呼ばれる存在や、魔物という悪魔の配下とかも跋扈していて、正直人類側の状況は厳しそうに見えますねぇ。

 

魔物を倒すことで得られる魔晶を分析し、人造魔晶を作ったり。魔物の死体を核にしたロボット、魔装機体を生み出したり。いろいろ工夫はしているみたいですねぇ。

……人造魔晶を子供に与える、救世主計画とか言ういくら取り繕っても人体実験じみたこともしてるし、この世界の危うさも明らかなんですが……。

主人公の川上啓太は、第三次救世主計画の成功例であり、「悪魔が出現しなかった世界」の記憶を持つ転生者。

研究者だった両親が亡くなり、三つ下の妹を守りつつ稼ぐ方法を模索する中で、国防軍を志願し……軍学校に通うことに。

 

啓太、転生者ということもあって下駄はいてるから、スペック低いわけではない秀才くんなんですが。……性格的な問題で、想定が甘いというか。見えていない部分が多すぎるというか。

魔族、より多くの人間を家畜としてとらえるために、一部を敢えて優遇して「こっちに来るとこんな良い生活出来るぜ」と生餌にしたりしてるみたいですが。

それに対して世の中上手い話はないもんだ、と思っていたのに軍学校への推薦には飛びついちゃったりするし。

 

彼が庇護しないといけない、と思っている妹ちゃんの方は両親の秘密に気付いていたり、独自に金策手法を確立した上で、兄が頑張っているのわかっているから沈黙を選んでいたり。……妹ちゃんの方がかなりヤバい気配してるんですけど、まぁかなりのブラコンでもあるっぽいので、啓太が頑張っているうちは結果的に抑えられるから良いか……。

 

軍学校、派閥争いみたいものもあり、名家出身者が多い中で後ろ盾のない彼は浮いていたわけですが。

妹ちゃん的には彼の両親は背信を咎められて暗殺されたっぽいですけど。表向きは、暴走した第三師団が出した被害者家族の一人、という扱いになっているみたいで。

初期に変な絡まれ方せずに済んだのは良かった。……まぁ後ろ盾がないことで、実験機体の操縦者に選ばれるわ、それを自在に動かしたせいで実地研修の建前で特務尉官として任じられて戦地に送られるわで、どんどん注目を集めていくことになったわけですけど。

魔装機体、人型と獣型とでわかれている中で上半身が人型で獣の下半身を持つゲテモノ機体を即座に扱って戦果を挙げたらそりゃそうなるわ……って話でしかないんですが。

彼の迂闊さと強さを見ると、これからも勝手にドツボにハマりつつ、彼自身は何となく生き延びて周囲をハラハラさせそう。

奴隷に鍛えられる異世界生活

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「そうだよな、わかるよ。しにたくなんてないよな。ごめんよ。わかりきってるよな」

(略)

「僕も、生きたい。死ぬのは怖いんだ。本当に怖かったんだ」

 

両親が幼い頃に蒸発して、唯一の家族だった祖父を亡くしたばかりの高校生、吉井真也。

祖父が経営していた合気道の道場で鍛えるのが趣味だったが、当人曰く才能はなかったとか。

祖父の葬儀を済ませた後、怪しい連中がやってきて両親がのこした借金の為に道場を差し押さえるとか言われて、家からも出て行って施設に世話になれと言われたとかなんとか。

唯一の家族であり心の拠り所であった祖父を亡くしたばかりだった彼は、誰かに相談する気力も沸かず、死んで祖父のところに行こうと思っていた。

蒸発した両親の借金って同居の事実がない親族の遺産なんだし、実際のところ相談して相続放棄の手続きをすれば、家を追い出されるような事にはならなかった気もしますけど。

祖父の葬式関連のアレコレで疲弊したところで、さらに蒸発した親の借金の相続放棄の手続きもしろってのは酷か。そもそも当人に生きる気力がなくなってるから流されてしまってるって話だしな……。

 

……そんなタイミングで異世界に召喚されることになって。

呼ばれた異世界では、ダンジョンなどの変動が生じた際に異世界召喚を行って、転移者に事態の解決を依頼する手法が確立されていて。

召喚された直後の真也も期待されていましたが……スペックが召喚した貴族の望む者ではなかったために迫害されることに。

ただその貴族も派閥の上の貴族に「召喚には成功した」と報告してしまったために、直接殺すことはできず。転移者には専属の従者をあてがう、という決まりも一応守ってますしね。

……まぁとんでもない呪いを抱えて忌避されたファスという女の子でしたけど。ファスは、それでも「生きたい」と願う子で……真也も、死のうとした時は本当に怖かった、と彼女と一緒にどうにか生きようと足掻くことに。

 

貴族の横暴に想う所のあるギースという騎士団長が、限界までしごいてる体裁で彼を鍛えてくれたり、アドバイスをくれたりして。少しずつ力を得られていったのは良かった。

真也が呪いを吸うスキルを獲得したことで、ファスの状況もどうにかなる展望が見えたし。将来有望な使い魔を得る事だって出来た。

頃合いを見て逃げ出そうと画策していたところで、アグーの報告を受けた伯爵が直々に真也の状況を確認しに来て、同時期に召喚された転移者の会合に参加せざるを得ない状況になってしまったり。

 

そうやって外に連れ出された先で、数少ない真也の友人である桜木さんも転移していたことが発覚。彼女が「聖女」という特殊なクラスを得ていて、一度は召喚者に見捨てられた真也よりも他の転移者である「勇者」と仲良くなって欲しい勢力が横槍を入れてきたり。

危機に瀕して転移者に頼らないといけないくらいの状況になってるくせに、転移者を使って政争に明け暮れてたりするからこの世界の貴族は反省しろというかなんというか。

真也の得た『愚道者』。強力な制限もかかっているけれど、彼の生き様を反映してるかのように、なんか成長性は高そうなので少なくともバカな計画に加担した勇者とかには痛い目見て欲しいものですけど、どうなるやら。

Your Only Story Online

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「天体魔法を操るウィザードになれば、余程の愚か者か馬鹿でなければ君を狙うものはないだろう。だがその力を借りたいと、あの手この手で君に近付くものは現れるだろう。……それでも君はこの転職先を選ぶか?」

(略)

「はい、選びます」

 

フルダイブ型VRMMOYour Only Story Online』。

「あなただけの物語を紡ぎましょう」をテーマに、幻想世界ハーセプティアで活動するゲーム。自分の活動が日記のように本に刻まれる、というシステムとかもあるとかで。

……RPG系のゲームであるよなぁ、あらすじが主人公視点のモノローグというか日記になってるようなタイプのやつ。それを、VRMMOで自動反映するシステムとか、かなり処理重そうだな……とか思ってしまったの良くない。

そもそもフルダイブ型のVRMMOが出来てるんだから、そのあたりの問題は解決してるんだよ! ということで。

 

主人公の少女・終夜満月は、両親の影響を受けて天体観測が大好きだった。

普段ゲームには手を出していなかったけれど、『Your Only Story Online』のCMで見た夜空が綺麗で……それを見るためだけにゲームをはじめることにして。

目的が趣味の「天体観測を楽しむ」なこともあって、基本的にはソロ活動する方針で。『Your Only Story Online』はNPCAIもかなり高性能で、自由な会話楽しめるタイプのゲームみたいですから、それでも全く不自由はしてませんでしたけど。

……なんなら独自ルート突き進みすぎて、プレイ最初期に縁が出来ないだろうキャラとの交流が出来たり、隠し職業に就任することに繋がったりしてましたけど。

 

大規模イベントで登場した、聖女に弟子入りして聖女RPにハマってる人とかも居ましたし、結構他にもいそうですよね独自ルート開拓しているプレイヤー。

満月が独自ルートに入ったのだって、キャラメイク時の担当AIだろう女神ローティがアドバイスくれたからですしね。聖女RPの人とかみたいに、やりたい事が明確な人はアドバイスもらってそうな感じがある。

とは言え、満月が習得した『天体魔法』とそれにまつわる人々は強力な力を持ち、それゆえに狙われ……報復によって国の崩壊につながったなんて過去もあるそうで。不可侵の特殊な存在っぽいので、それに就任したプレイヤーということで今後ゲームが進むにつれて注目を集める機会も増えそうですけど。満月の目的である天体観測を忘れず楽しんでくれれば、それでいいか。

没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた

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『ふむ……どうやら、面白い人生になるようだな。大きな魂の人間よ』

「面白い人生」

『私を連れて行く気はないか? そなたの人生を見させて欲しい』

 

気が付いたら、伯爵家ハミルトン家の五男、リアム・ハミルトンになっていた主人公。

作中において貴族は何か功績を挙げることで爵位を与えられ、3代の継承を許される。それ以上に家を続けたければ、家を継いだ後継が継承権のある間に新たな功績を挙げる必要があるとかで。

ハミルトン家は『最古の貴族』と呼ばれるくらい代を重ねて来たみたいです。

しかし、直近の当主たちは継承を認められるだけの功績を挙げられず、当代当主であるリアムの父は功績がないまま第三世代になってしまった。

 

……厳密にいうと、2代前の当主が名の知れた魔物を封印し、リアムの父たちまでの継承権を確保して、リアムの父の代で討伐を成し遂げることで次の3代継承権を得ようとしてはいたみたいですが。肝心の討伐に失敗して戦力を失い。王族に娘を嫁入りさせる、という貢献を功績とようと足掻くフェーズに入っているとかなんとか。

実家の継承権もどうなるか読めない。そもそも四男・五男は当主の予備としての価値も高くなく、四男のブルーノも他の家への婿入りで家を出ようとしてました。

娘への期待から、次代として見込んだ長男以外への扱いは雑になっていて……リアムは、ハミルトン家の書庫で魔導書を読み漁り、魔法を極めるのを趣味にすることになったわけです。

 

怪しげな人物と鉢合わせたりもしてましたが……その人物が魔法士としての腕は確かで、リアムに色々と教えてくれたのはありがたかったか。

「気付いたら別人になっていた」系の転生モノでも、ついつい地球から異世界への転生と受け取ってしまいがちですが。リアムの前世は一応作中世界っぽいですね。「以前住んでいた村にモンスターが出て、村中が怯えていたけれど有名なハンターが対峙してくれたと聞いてほっとした」みたいな文章が終盤に出てくるので。

黒炭よりも煙が出なくて高温になる「白炭」を作ったり、乾麺を作ったりと妙なアイデアはあるわりに、怪しげな師匠から魔法を教わっているときに「素数」を知らなかったりして、知識に偏りがあるなとは思っていて若干モヤモヤしてたんですが、中盤~終盤とは言え作中で触れてくれたので一応納得はしました。

 

魔法を極めて、いずれ家を出て独立する方向で準備を進めていたリアムでしたが。

趣味に走りつつ成果を上げている弟に、長兄アルブレヒトが焦って暴走した結果問題を起こしたりして、それを治めるために奔走する羽目になったりもして。

……それが、彼の思っている以上の問題になりそうというか、厄介ごとばかり詰まった爆弾みたいな情報な気がしますけど。当人がそこまで気にしてなさそうだから、まぁいいか……。

最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。9

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「今度は俺が守る。絶対に守って見せる」

 

表紙絵のステンドグラス、凄い綺麗なんですけど本編を知ってると恐ろしさもありますねぇ。アイビーの表情にも冷や汗浮かんでますし。

ハタカ村で魔法陣を用いた事件が起きている。

それに気づいたアイビーたちは、ソルとソラの力を借りて魔法陣の影響を脱して。調査に来たジナル達や、ジナルの息子でハタカ村の上位冒険者であるナルガス達のパーティ、ギルドマスターや自警団の団長と言った、洗脳されていた人々を開放して戦力を整えていくことに。

毒を盛られて長らく寝込んでいた団長が治療後しばらくして、少しでも動けるようになっているのアイビーのスライムたちは本当に規格外ですねぇ。

 

ソルやソラの力を借りてある程度の戦力を確保した後は、事情を知っている人間を増やし過ぎないために、伝手を使って魔法陣の研究者と連絡を取って。

団長やギルドマスター、ジナルやナルガス達も各々動いて状況を改善しようとしてるのがいいですね。まぁ、ナルガスたちは上位冒険者になったばかりでまだ混乱してて、指示待ちしちゃう青さもあったりしましたけど。

影響を解除するための魔法陣、使い過ぎるとそれはそれで身体を壊すものらしいですが……ソルから与えられた魔石が、悪影響を緩和してくれていたりと、アイビーたちの助力も大きかったですけどね。

 

違法な捨て場に魔法陣を敷いて、村で親しまれていた動物に悪影響を与えたり。

有力者を操って実験みたいなことをしたり、広場に寝泊まりしている人々にも影響を与えるように仕組んでいたり。長年準備していたんだな……という悪意が見えるのが恐ろしかったですけど。

アイビーたちがいなかったら、他に発見された実験に使われ滅びた村みたいな状況になっていたんだろうなぁ……と思うと、ハタカ村はまだギリギリ踏みとどまれたので良かった。

最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。8

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「あのですね、お話していない事がありまして」

「何だろう。訊くのが怖い気がする」

(略)

「一度も怖い話などしていませんが?」

 

表紙絵でスライムたちが探偵ルックな帽子と服や虫眼鏡持ってたりするの、可愛いですねぇ。アイビーも考えるような顔で虫眼鏡持ってるますし。仲いいなぁ。

本編はハタカ村でのエピソード。

ドルイドが森に違和感を感じていて、調査隊も派遣される事態になっていた。

捨て場に行ってみたら一切管理されている様子がないくらい荒れ果てていて……見つけられなかったけど、どこかに違法な捨て場が作られているだろうことも明らかだった。

不穏な気配がちらつく中ではありましたけど、アイビーがここでも料理知識を披露して、大人気屋台やってるのはほのぼのしてて良かったですねぇ。

 

ハタハフ町所属の上位冒険者チーム『風』の縁も出来て。

アイビーが無理やり連れられているのではないかとか、ドルイドが上位冒険者レベルの実力があるのに名前を知らないことに不信感を抱いて、探りに来た面もあったわけですが。

それでドルイドに変態疑惑かけられていたのには笑ってしまった。まぁ、そう見えるよ……。

怪しいところを調べる調査員としての顔もあるそうで、気になった事は無視できなかったんでしょうけど。

 

ハタカ村は禁忌とされる魔法陣を使う「誰か」によって多くの人が程度の差はあれど洗脳されている状況で。魔力の変異によってもたらされるそれらの異常を、魔力を食べるアイビーのテイムしているスライムたちが解消できることも発覚して……ここで縁を結べたのは問題解決につながる大きな一歩でした。

魔法陣の影響下に長く置かれていると体が崩壊すると言いますが、ソルとソラのコンビネーションで魔法陣の影響を取り除き、崩壊すらも治療できるのは強すぎる。

 

アイビーたちからしても、契約を用いて口外厳禁を確立した上で、2人の関与を出来る限り隠して、問題解決後に村から問題なく出られるように協力してくれる『風』と繋がりが出来たのはありがたいことですけどね。

まぁアイビーは、予期せず増えていく契約書の数に困惑してましたけど。アイビー以外の人々からすると、レアスライムだらけで魔法陣問題も解決できるソラ達の事って、爆弾情報以外の何物でもないからな……。

あとがきでは、この世界の闇を少し見せて、暗くなり過ぎないようにしたかったとされてましたが……かなりの大問題になっていったのは笑った。

冒険者アル2 あいつの魔法はおかしい

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「どうすれば、良かったのかな?」

(略)

「ゴホン、別に忘れる必要なんてねぇんだよ。心の中に仕舞っておきゃあいい。誰だってこういう事の一つや二つあるだろうぜ」

 

テンペスト王国から逃れて来た王女パトリシアを発見・保護し、辺境都市レスターの縁者に届けたアル。

パトリシアに仕える女騎士ジョアンナはアルをパトリシアの話し相手として呼びたいと言っていたが、アルは一介の冒険者に過ぎず。どうするのかと思ったら、ナレシュの臨時雇いの従者として、パトリシアと会う機会を作ってもらうことになって。

 

まぁ従者として雇われている関係で、その期間に魔物狩りが行われることになって、アルも同行することになっていたわけですが。

……魔物側に、アシスタント・デバイスを持っている奴が居たり、パッと名前が出てこないような珍しい上位の魔物が居たりと、こちらが想定していた以上の備えをしていたので、アルがフォローに入っていなかったら結構な被害出ていたでしょうね……。

 

隙間時間でアルはエリックの元を訪れて、浮遊眼呪文の習得をしようとすることになって。

その際に呪文のアレンジ……アルの言い方だとオプションとしてアレンジできそうなところについても情報を伝えて。

アル、過去の魔導師テンペストのアシスタントだったマラキと再び会って交流する中で、過去の魔術師はアルみたいに呪文にアレンジを加えていたという話も聞くことになったわけですが。

 

後にレダがアレンジ可能な状態で浮遊眼呪文の習得に成功したのは目出度かったですねぇ。

ただ発表の際に周囲の思惑もあって、エリックやレダの功績として扱われてしまってるということで、習得に成功したレダや発表したエリック達が、アルに対して申し訳なく感じているの、善性を感じて良いですねぇ。

アルは立場の無い自分だと名誉を与えられても困るし、そもそも信じてもらえないかもしれないという事で、あまり頓着してなかったのが救いか。

 

マラキの守護しているテンペストの墓所を探るように、テンペスト王国の軍隊が動いているのをアルが発見したり。守護の為に引っ越しの手伝いをした後、帰還したらレビ商会を監視している輩を発見したり。

パトリシアとは身分の差がある、と一線を引くようにしていたわけですが。そんな彼女に縁談が持ち掛けられている、という話を聞いて自分の本当の気持ちに気付くことになったりもして。

一方パトリシアを狙った暗躍が激化しているのも感じていたことから、アルは最終的にパトリシアと一緒に行動することになったわけですが。どうせなら2人に幸せになって欲しいものですが、どうなりますかねぇ。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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