気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

小説家になろう

最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。8

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「あのですね、お話していない事がありまして」

「何だろう。訊くのが怖い気がする」

(略)

「一度も怖い話などしていませんが?」

 

表紙絵でスライムたちが探偵ルックな帽子と服や虫眼鏡持ってたりするの、可愛いですねぇ。アイビーも考えるような顔で虫眼鏡持ってるますし。仲いいなぁ。

本編はハタカ村でのエピソード。

ドルイドが森に違和感を感じていて、調査隊も派遣される事態になっていた。

捨て場に行ってみたら一切管理されている様子がないくらい荒れ果てていて……見つけられなかったけど、どこかに違法な捨て場が作られているだろうことも明らかだった。

不穏な気配がちらつく中ではありましたけど、アイビーがここでも料理知識を披露して、大人気屋台やってるのはほのぼのしてて良かったですねぇ。

 

ハタハフ町所属の上位冒険者チーム『風』の縁も出来て。

アイビーが無理やり連れられているのではないかとか、ドルイドが上位冒険者レベルの実力があるのに名前を知らないことに不信感を抱いて、探りに来た面もあったわけですが。

それでドルイドに変態疑惑かけられていたのには笑ってしまった。まぁ、そう見えるよ……。

怪しいところを調べる調査員としての顔もあるそうで、気になった事は無視できなかったんでしょうけど。

 

ハタカ村は禁忌とされる魔法陣を使う「誰か」によって多くの人が程度の差はあれど洗脳されている状況で。魔力の変異によってもたらされるそれらの異常を、魔力を食べるアイビーのテイムしているスライムたちが解消できることも発覚して……ここで縁を結べたのは問題解決につながる大きな一歩でした。

魔法陣の影響下に長く置かれていると体が崩壊すると言いますが、ソルとソラのコンビネーションで魔法陣の影響を取り除き、崩壊すらも治療できるのは強すぎる。

 

アイビーたちからしても、契約を用いて口外厳禁を確立した上で、2人の関与を出来る限り隠して、問題解決後に村から問題なく出られるように協力してくれる『風』と繋がりが出来たのはありがたいことですけどね。

まぁアイビーは、予期せず増えていく契約書の数に困惑してましたけど。アイビー以外の人々からすると、レアスライムだらけで魔法陣問題も解決できるソラ達の事って、爆弾情報以外の何物でもないからな……。

あとがきでは、この世界の闇を少し見せて、暗くなり過ぎないようにしたかったとされてましたが……かなりの大問題になっていったのは笑った。

冒険者アル2 あいつの魔法はおかしい

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「どうすれば、良かったのかな?」

(略)

「ゴホン、別に忘れる必要なんてねぇんだよ。心の中に仕舞っておきゃあいい。誰だってこういう事の一つや二つあるだろうぜ」

 

テンペスト王国から逃れて来た王女パトリシアを発見・保護し、辺境都市レスターの縁者に届けたアル。

パトリシアに仕える女騎士ジョアンナはアルをパトリシアの話し相手として呼びたいと言っていたが、アルは一介の冒険者に過ぎず。どうするのかと思ったら、ナレシュの臨時雇いの従者として、パトリシアと会う機会を作ってもらうことになって。

 

まぁ従者として雇われている関係で、その期間に魔物狩りが行われることになって、アルも同行することになっていたわけですが。

……魔物側に、アシスタント・デバイスを持っている奴が居たり、パッと名前が出てこないような珍しい上位の魔物が居たりと、こちらが想定していた以上の備えをしていたので、アルがフォローに入っていなかったら結構な被害出ていたでしょうね……。

 

隙間時間でアルはエリックの元を訪れて、浮遊眼呪文の習得をしようとすることになって。

その際に呪文のアレンジ……アルの言い方だとオプションとしてアレンジできそうなところについても情報を伝えて。

アル、過去の魔導師テンペストのアシスタントだったマラキと再び会って交流する中で、過去の魔術師はアルみたいに呪文にアレンジを加えていたという話も聞くことになったわけですが。

 

後にレダがアレンジ可能な状態で浮遊眼呪文の習得に成功したのは目出度かったですねぇ。

ただ発表の際に周囲の思惑もあって、エリックやレダの功績として扱われてしまってるということで、習得に成功したレダや発表したエリック達が、アルに対して申し訳なく感じているの、善性を感じて良いですねぇ。

アルは立場の無い自分だと名誉を与えられても困るし、そもそも信じてもらえないかもしれないという事で、あまり頓着してなかったのが救いか。

 

マラキの守護しているテンペストの墓所を探るように、テンペスト王国の軍隊が動いているのをアルが発見したり。守護の為に引っ越しの手伝いをした後、帰還したらレビ商会を監視している輩を発見したり。

パトリシアとは身分の差がある、と一線を引くようにしていたわけですが。そんな彼女に縁談が持ち掛けられている、という話を聞いて自分の本当の気持ちに気付くことになったりもして。

一方パトリシアを狙った暗躍が激化しているのも感じていたことから、アルは最終的にパトリシアと一緒に行動することになったわけですが。どうせなら2人に幸せになって欲しいものですが、どうなりますかねぇ。

サイレント・ウィッチⅨ 沈黙の魔女の隠しごと

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「……あれは、恐ろしい魔女だな」

「恐ろしいだなんて、いやねぇ。沈黙の価値を知っている才女、って言っておあげなさいよぉ~」

 

これまで隠していた「沈黙の魔女」という自分の正体について、学園で出来た友人知人に打ち明けたモニカ。

誰もが混乱する中で、事情を知っていたヒューバードが攻撃を仕掛け、それを無詠唱魔法で無効化することで真実を証明して……。

その秘密に薄々感付いていたシリルが真っ先に膝をついて、魔法伯である彼女への礼を示したの、彼らしくて良いですよね。……正しいけど、これまでと違う彼の態度に泣きだしてしまったモニカが、可哀想だったけど可愛い。

最初に出来た友人であるラナが、そんなモニカの涙を拭いてくれて、隠しごとをされていたことは思うことはあるが、隠した理由だってわかるし……起こっているとしても、今も友人だと宣言してくれたのは良かった。

 

……気付いていなかった人々は、まぁそれはそれは大きな衝撃を受けていましたが。

生徒会長が偽物だった、という事実を伝えた上で「それでも彼を助けたいから協力してほしい」とモニカが提案するの、彼女の成長を感じて良かったですねぇ。

危険な作戦であることも考慮の上で、それぞれに考えはあれど協力してくれたも良き。

かつての友人バーニーのアンバード伯爵領が魔導具作りの職人が多い土地で、秘密裏にとある魔導具を作りたかったモニカが彼を頼ったのも、良かった。

 

モニカは、「生徒会長は本物の王子であり、呪術師によってそう言わされていた」という筋書きで事を治めようとして。

その案に賛同してくれないだろう、結界の魔術師ルイスの足止めは必須だった。

結界を張った直後にモニカが援護するシーンが追加されていたり、茨の魔女や深淵の呪術師のフォローまであって、加筆要素が熱かったですねぇ。

……それだけ工夫してもなお、正面から打破してきた武闘派魔術師なルイスが恐ろしすぎましたけど。

 

内心オドオドしまくっているけど、ブリジットからの指導を受けた上で、強い女の演技を貫き通したのはお見事。

クロックフォード公爵、色々と暗躍して敵対者の排除とかも容赦なくしていた人物ではあれど、外交などで実績を積み上げても居て。だからこそ、王すら無視できない派閥を形成できていたわけです。

父に冤罪を着せた仇でもある人物。しかし彼を追い込みすぎると、モニカの目的である生徒会長の救出に関して邪魔される可能性もある。だから手打ちというか、ほどほどの決着を迎える必要があった。

 

……いやまぁ、父の名誉回復を図るためなら、生徒会長を見捨てる選択をして、公爵の暗躍を暴けば、国力の低下を招くけど出来なくはなかったですけど……。それでも、今生きている人の為に、モニカが選択をしたのが重い。

暗躍を続けるクロックフォード公爵が強大な敵として描かれる中で、国王陛下は病気療養の関係もあって影が薄かったですけど。彼もまたチェスのプレイヤーのように盤面をしっかり見ていたのは、流石の王族というか。矜持を感じて好きです。

アイザック、救われた際に感情を揺さぶられて、自分のやりたい事を模索するようになって。モニカに押しかけ弟子入りまでしているのはこう……思う所なくはないですけど。

モニカがそもそも彼を救う選択をしたしなぁ、とか。実際、モニカの生活能力壊滅的だから助かるは助かるんだよなぁ……という気持ち。

モニカの初恋が実って欲しい派ではありますが、どうなりますかね。特典SSなどをまとめた短編集や、WEBの外伝をもとにした続編なんかも刊行予定とのことで楽しみに続きを待ちたいですね。WEB外伝、そもそも結構な量あるのに、なんか10巻は完全書下ろしらしいので、まだまだサイレント・ウィッチを楽しめそうです。

マギカテクニカ~現代最強剣士が征くVRMMO戦刀録~5

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「決まっている、彼等現地人は人間だ」

(略)

「言葉を話し、物を考え、幸福に笑い、悲劇に泣く。俺たちと彼らの間に、違いなどあるものか。血肉でできていようが、データでできていようが――彼らはオレたちと同じ人間だ」

 

聖火の塔に蔓延る悪魔を討伐に来たクオン達。

個の技量でいえばトップクラスなので、戦闘面ではそこまで困ることはなく攻略を進めていましたが。

クオンは相変わらず武人すぎるというか。いろいろ経験が豊富で、「やられると嫌なこと」を想像するのも得意で、本職には及ばずとも簡単な罠なら見つけられるとか、ホントなんでもできるな……。

でも、ゲーム的な発想にはまだまだ疎くて。ロックゴーレム系の魔物を見つけて「生きてる間なら採掘できるから、ただ倒すなんてもったいない!」と緋真に言われているのはちょっと笑えました。

 

クオン、割り切りがかなりはっきりしているというか。度量が広いというか。

現地人たちにハッキリと心を認めていて、だからこそ自分たちと変わらない人間だと公言するのは、ゲームをプレイしているだけの人とは相性は悪そうではありますが。

……実際、NPCもかなりキャラが立っているというか、「生きている」感が強いのは確かなので、どちらかというとクオンの判断は尊重したい派。

 

アルトリウスがクオンの意見も把握しつつ、重要イベントを見つけた彼に噛みついてきた連中に「NPCの信頼度が足りない。だからクエストが受けられない」と分かりやすく言い換えてたのもなんか好きです。

プレイヤー同士の温度差を描きつつ「これがきっかけで変わってくれることを願う」というアルトリウスも良いキャラしてます。

 

NPCの騎士団長から依頼されて、フルレイドのクエストを受注することになったクオン。

同盟に声をかけて乗り込んでましたが……強力な子爵級悪魔を、成長武器のスキルを使いつつも削り切ったのはお見事。

そしてボスを倒して隣国に踏み込んだとたん、重要イベントに遭遇しているので本当に引きが強いな……。

そうやって活躍しまくっているのでクオン達の姿をCMに使っていいか、という打診が来ることにもなって。……師範である彼が、直弟子の誘いを受けてゲームをプレイしているというのが門下に広がることになって。

師範代たちに詰められている明日香は……まぁ、師匠を独占しようとした私欲交じりだったからね、仕方ないね。

森の端っこのちび魔女さん

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「自信が無い時こそ堂々としていなさない」

本格的に薬師を目指すと誓ったときに、母親に最初に教わったことだ。

時にはハッタリだって必要な技術なのだ、と。

(私は出来る。この命は助けられる。大丈夫。大丈夫)

 

主人公のミーシャは、母と一緒に森の奥に創られた丸太づくりの家で母と二人きりで過ごしている少女。

彼女の父はこの国の公爵であり、見分を広げる旅の途中で恋に落ちて……母親であるレイアースは、今住んでいる国から遠く離れた地の薬師の一族であったが、一族からの反対を押し切ってこの国にやってきたとか。

ただ、それまでの暮らしと違う環境と……正妻との折り合いが悪かったりした結果、は公爵邸を離れて森での暮らしを選んだそうです。

月に一度は父親もミーシャ達に会いに来ていたようです。ミーシャは母から薬師の技を教わりつつ、穏やかな暮らしを送っていたとか。

 

しかし、隣国との戦争が勃発してしまい……これまで以上に傷薬などの需要が増して。

公爵位である父もまた戦争と無縁ではいられなかった。

早く平穏が訪れれば良いのにとミーシャは願っていましたが……その祈りは届かず。

森の家にやってきたのは父ではなくその部下で。さらに「公爵の容態が危うい」という報せまで携えていた。

騎士の馬に同乗させてもらう形で公爵邸へ駆け込み、母の治療を手助けしたり。

母が父にかかりきりになっている中で、手が空いたミーシャが他の重傷者の治療にかかったり。

 

ミーシャの自認としては「ようやく見習いの文字が取れたくらい」らしいですけど、幼いながらになかなか覚悟が決まっていて良いですね。

父が死に瀕しているのを感付きながらも、泣きそうな気持をこらえて母の治療の手助けに奔走していましたし。その後も、一人で治療にあたるのがほぼはじめてなのに、気遣いを忘れず、怯えを最後まで患者の前で出さなかったりしてましたし。

 

レイアースは実は『森の民』と呼ばれる、医療技術の発展のために力を注ぎ、国境もなんのそのと超えてしまう行動力のある人物もまぎれていたり。

その力を狙った国に「報い」を与える苛烈さもあって、今では不可侵のような扱いを受けている存在だとかで。

そんな中で恋から国を出奔したレイアースと、彼女から一族の技術の一端とは言え学んだミーシャはかなり特殊な立場みたいなんですよねぇ。

実際、生死の境をさまよっていたミーシャの父である公爵様を救いあげることにレイアは成功したわけですし。

 

……レイアースの知る輸血技術が不完全だったことと、彼女の情の強さから限界を超えて輸血して、フラフラ状態のところで彼女を疎ましく思っている正妻の娘と鉢合わせて。レイアースが命を落としてしまう結果になったのは、痛ましい事件でした。

公爵様が、正妻とその娘に対して果断に対処してくれたのは、せめてもの救いでしたか。……彼自身も言っていましたが、レイアースと恩人から頼まれたことでかつてレイアース相手に手を下した際に、正妻との離縁を諦めたことは失着だったとは思いますけど。

 

正妻ローズマリア、他国へミーシャの情報を流して売る事さえして。

その結果として、ミーシャの世界が広がっていって、彼女のお節介で救われる人もいるので結果的には母を失ったばかりのミーシャにとって悪いことばかりではない旅路を過ごせているのは良かったですけど。

……そもそもローズマリアの行いが無かったら、レイアースの死までなかったんだよな……。中盤からのミーシャの旅路は好きなんですけど、ローズマリアの存在がうぐぐってなります。

まぁ、良い悪役ではありますよね。物語を動かして早々に退場してるし。ミーシャが凄く良い子で、見ていて微笑ましくなるので作品全体としては良作です。

反逆のソウルイーター~弱者は不要といわれて剣聖(父)に追放されました~8

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「ああ、そういうことか。まあ正直、関心があるかないかで言ったらないんだが――」

「ないんだ」

(略)

だが必要か不要かで言ったら必要なのだ。であれば、選り好みなどしていられない。

 

鬼界編、ひとまずの決着となる1巻。

アズマの招きを受けて彼らの拠点である西都を訪問することになったソラ達。多少の行き違い、というか考え違いもあったりはしましたが。

旗士と鬼人が争いになってないだけ、ソラの存在というのは大きいですよねぇ。光神教の事とかも知ることが出来たわけですし。

 

姉を助けるために監視の眼をごまかせる姿隠しの神器を求めることにしたクリムト。

彼はいろいろあった結果、反乱勢力として立つことになった大興山の勢力に紛れ込むことになったわけですが。その手助けをしたのが、御剣家を下に見る方相氏という勢力の人間で。適当につついて情報を引き出したりしていたのは上手かったですね。

クリムトを一度打破したという優越感から口が軽くなってましたし。その勝利が、クリムト自身の体内に仕込まれた神虫を取り除くために与えられたものだと気付いていないあたり実に小物でしたが。

 

方相氏側の人間、御剣家とのつながりを示唆するようなことばかり言いますし。

家内の犯罪を取り締まる立場であったがために殺されたウルスラの父に手を下した「四ツ目の鬼人」を装っていたのが方相氏の長であったりと、色々大きな情報出てきてるんですが。

そんな中でソラはソウルイーターを通じて、三百年前の過去について知ることになったり。

鬼界で勢力を伸ばしていた光神教の暗部を暴き、鬼界の真実と……そこに封じられていた強大な敵を打ち破るまでを描いていたのでかなり満足度の高い1冊でしたね。

まぁ、この真実を知った上で彼は鬼門を出て、かつて自分を追い出した父と相対する必要が生じていたりもするわけで、あくまで大きな問題一つ解決しただけで、その先にも別の大きな問題が残っているあたり、これまでも見たソラの人生そのものだな……感がありますね。



砂漠の国の雨降らし姫2~前世で処刑された魔法使いは農家の娘になりました~

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「どんな経験もあなたを作るあなたの一部だわ。それを受け入れて生きるのが貴方に与えられた大切な課題なのよ」

 

アレシアから託された、癒しの絹。

それによってマークスは王妃ベルナを助けることに成功して。

食べると吐いてしまうことが増えたという彼女に、せめて果物だけでも食べて欲しかった思いが、予想以上の結果で帰ってきたのは喜ばしいと言ってよいでしょう。

隠していた力が表に出る懸念はあっても、それでも絹を託したアレシアの想いに応えるべく、王妃にも口止めしてちゃんと秘匿を徹底したマークスは偉い。

 

マークス達、ラミンブ王室の人々は善良な人が多くはあるんですが。

砂漠にある貧しい国であるために、出来ることに制限もあるんですよねぇ。

北にはファリル王国という、豊かな資源を背景に軍の増強に力を入れ、周辺国を征服してるそうですが、そんなファリルの侵攻からも結果的に見逃されてるみたいですし。

過去には不利益を押し付けられることもあったとか。

それに絹布の検証を行っていたイゼベルの家族が巻き込まれていたり、さらに深掘りすると魔法使いの立場が弱いことに繋がって……魔女として処刑されたアウラを前世に持つアレシアが責任を感じてしまう場面なんかもありましたが。

アレシアは、なんというか背負いこみすぎなんですよねぇ……。前世のアウラからして、冤罪で処刑されているわけですし。

 

癒しの力こそまだ秘匿できていますが、明らかに広範囲に影響のでる「雨」の存在は隠しきることはできず。

ファリルの王がその雨に目を付けて、第四王子へルードに「連れて帰ってこれそうなら連れてこい」と命じて、遊説の名目で送り込んでくることになって。

 

へルードが探りを入れたり、農園にまで踏み込んできたことで、アレシアはこれまでのように逃げ隠れして隠し続けるのは難しいと判断。マークス達を信じる決断を下したわけです。

そうして王族との交流が増える中で……アレシアはかつてアウラだった自分が信じていた人に裏切られていたことを知って。絶望しかけた中で、ヤエル先生と会話したことで前向きになることが出来て。

これまで無意識に雨を降らせることしかできなかったアレシアは、魔法使いとして能力を自由に扱えるように才能を開花させたわけです。……まぁ、開花してからも、寝てるときは無意識に雨を降らせてしまうのは変わらなかったみたいですが。

アウラの処罰が誤りだと周知されたこと。アレシアが新たに生まれた魔法使いとして国に登録し、大切にされている姿を見せることで少しずつ国に良い影響が与えられていったのは良かったですね。

 

それはそれとして相変わらずの改行の多さでそこはちょっとうーん、ってなりましたが。


精霊つきの宝石商1 特別なエメラルド

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「俺たちは、君にその力があるからこそ、君を養子に迎えたい。だが、君を利用する気はないんだ。……精霊に愛された人間が魔力を流した魔宝石を見るのは、今日が始めてだ。この輝きを見られただけで、もう人生に悔いはないとさえ思える」

 

気付けば子供の姿になって異世界に迷い込んでいた主人公のエマ。

彼女は、宝石を眺めるのが好きでジュエリーを心の支えにブラック労働を乗り越えるOLだったようですが。

迷い込んだ異世界で、直ぐに見つけたのが宝石を売っている店で。

それもただの宝石じゃなく、魔力が込められた魔宝石と呼ばれるものだった。異世界に迷い込んだエマは、なぜか魔力や魔力に惹かれる精霊を見ることの出来る特別な目を宿していた。

……いやまぁ、目だけじゃなくてエマ自身が精霊に愛されているみたいで、彼女が魔宝石に魔力を込めるととんでもない代物が出来てしまったりもするみたいです。

 

宝石商の夫婦は、エマが精霊に愛されていることを知った上で養子に迎えて、でも利用する気はないと言った通りに、彼女に無理に魔力を込めさせるようなこともせず、誠実に愛して育ててくれてたみたいで、異世界転移最初の出会いがこの夫婦で良かったですねぇ。

長らく子宝に恵まれていなかった夫婦に、エマを養子に迎えてから実子が出来たみたいですけど、姉妹仲も家族仲も良好みたいですし。

そしてエマが成長したある日、2号店をエマに任せたいという話が出てきて。エマはそれを受けることにしたわけですけど、妹のアナベルも魔力がないから魔法石を直接扱う事は出来ないながら、姉の手伝いがしたいと会計士の資格を取ろうと頑張ったり、緊張してる時相手に癒してもらったりしてるの、実に微笑ましくて良い。

 

既製品とセミオーダーを行っていた一号店と違い、フルオーダーと、庶民向けの安価なアクセサリーを用意した2号店という違う方向性で戦おうとしてるのも、ちゃんと考えてますね。

客層違うけど、フルオーダーなんてそんなポンポン来るものでもないし、別の路線の商品おいてるのは正しいと思う。完全ブランド化して、フルオーダーだけでなんとかなるなら特化していっても良いと思いますが。庶民向けの安価なアクセサリーとかまだ広がってない世界みたいですし、どっちも挑戦的な路線だから試行錯誤は有り。

 

……まぁ初期からとある伯爵から、「妹に贈るための宝石が欲しい」という依頼を貰って。

自分も妹大事にしてる身だから、と精霊に愛された子である自身の特性を駆使して依頼を達成したところ、なんだかんだ交流が増えくことになるわけですが。

店主と客、貴族と平民という始まりなのと、エマの性格もあって素直に友人とは言えないあたり不器用だなぁ……とも思いますが。良い友人付き合い出来てる感じがするので良いですね。

お店的に考えても、上流階級への繋がりになりそうな縁だし。貴族からの依頼をしっかり果たしたのは、今後の評価的にプラスだろうし。

エマも魔法石……というか宝石全般に魅了されている子ですが、彼女と縁のある人も同じように宝石を愛している人が多くて、優しい世界で癒されました。

魔力チートな魔女になりました3 創造魔法で気ままな異世界生活

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(――拝啓、名も知らぬセレネの産みの母へ。ちょっと教えすぎて、お宅の娘さん、強くなり過ぎました)

まぁ、力を持っても粗暴な行いはしないし、させていない。

あくまで自衛の範囲だ、と自分に言い聞かせている。

 

春先まで滞在したダンジョン都市から旅立ち、虚無の荒野を目指したチセとテト。

しかしその道中で何者かの襲撃を受けて死に瀕した女性を発見して……彼女から、辛くも難を逃れた赤子を託されることに。

当初は街でその子供……セレネを育てながら出来る仕事を探そうとしていた2人でしたが、対象の殺害を諦めていなかった暗殺者に狙われ、一般人を巻き込む恐れからチセたちは彼女達しか入れない虚無の荒野に逃げ込むことに。

 

チセが創造魔法を駆使して居住環境を整えて、そこでセレネを育てていくことに。

セレネがすくすく育っていく中で、チセもステータスを伸ばすのを続けていたところ、【不老】スキルを会得してしまって永遠の12歳になってしまったのは……なんというかご愁傷様という感じではありますが。

チセ達の教えを受けて、セレネのスペックも向上していましたが、閉じた世界に引きこもり続けるのも良くない、とある程度セレネが育ったところで人と交流するために外の世界へと踏み出して。

セレネの夢を守るために、魔女らしい三角帽を作ったり、箒や絨毯で空を飛べるような技術を編み出したり、なかなか親バカしてますねぇ……。

 

ガルド獣人国へと向かってしばらくしてから、ダンジョンが出現して。

厄介な環境を携えたダンジョンを、結局はチセとテトが2人で攻略したわけですが。地上に残って、チセ仕込みの回復魔法を使っていたセレネもまた注目を集めることになって。

ダンジョン制覇者として2人の名前が知らされたことで、セレネの実家も生存に気付いて動き始めることになったりするわけです。

赤ん坊のセレネと出会って、彼女が成長して、実家とのやり取りもして……最後には別れるまでを描いているのでなかなかの密度の1冊でしたね。

乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル4

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「私はもう逃げない」

「アリア……」

 

魔物ヤドカリが洞窟や遺跡を「殻」として一体化した、生きた構造物とされるダンジョン。

そこに生まれた「ダンジョンの精霊」っは、最下層を訪れた者に加護を与えると言われていて……。

クレイデール王国は隣国との対抗手段を得るために、若い王族がダンジョン攻略に挑むことが決まったとか。

そのメンバーにはアリアの同志である第一王女エレーナのほか、王弟や王太子と彼の婚約者たちがいて。……婚約者の一人として、アリアと因縁の出来た狂気の少女カルラが参加するって言うのが恐ろしい。

 

アリアはヴィーロからそのダンジョン探索の話を聞き、エレーナを守るために『虹色の剣』というクランに参加することになるわけです。

まぁ、初手は断ったんですけど。実にアリアらしい。

元孤児の冒険者であるアリアがいかにランク4とは言え、王女個人からの信用だけでは護衛任務に就くのは難しい。そこで、目的の為に協力するって言う打算でいいから一旦クランに入れという方向に話を持って行ったヴィーロは強かでしたねぇ。

 

そしてついにエレーナと再会できる流れとなったのは良かったですけど。

まだ若い少女であるアリアが、名の知れた『虹色の剣』に加入しようとするのに文句をつけてくる輩が居たり。懲りもせず暗殺者ギルドに絡まれたりとかもしてましたし、アリアの人生は相変わらず波乱続きですねぇ。

願いをかなえるダンジョンの精霊。エレーナは健康になることを願い、カルラはさらなる力を望んで。王太子の婚約者でもある転生者クララは、未来を恐れるあまり先の可能性を知る力を得た。

 

アリア個人は特に望みも無かったようですけど、彼女がかつて精霊が目を掛けたメルローズの血を引いていることから声を掛けられて、予期せぬ贈り物をもらう羽目になったりして。……加護を与える相手は気まぐれらしいですけど、今回は女子のみという結果になって王太子周りはいろいろと思う所ありそうというか、この後が大変そうではあります。

エレーナが健康になったことと、アリアが逃げない覚悟を示してくれたことで覚悟を決めたのもありますし、まだまだ平穏は遠そうです。

……カルラとか言う爆弾少女が居る以上、安定って儚いんですけどね、そもそも。アリアとカルラの決着がつく時はまた荒れそうですねぇ……。


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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