気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

小説家になろう

不死者の弟子7 邪神の不興を買って奈落に堕とされた俺の英雄譚

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「……ああ、これなら俺は文句ない。決着を付けよう、ナイアロトプ!」

「本当に君は、愚かな異世界転移者だったよ、カンバラ・カナタ。力の差に絶望しながら死ぬがいい!」

 

ロークロアを巡る、カナタ達と上位存在との騒動に決着がつくことになる最終巻。

ナイアロトプ最後の切り札である、封じられた罪人も2人があっけなく討たれ……最後の1人であるゾラスが解き放たれることに。

味方に引き込んだヴェランタは、本気で上位存在と戦う覚悟を決めて……上位存在の存在や「神の見えざる手」がやってきた悪事についてもロークロア内で周知させることに。

 

神々のエンタメであるロークロア世界の住人が、それらの事実を知ることは上位存在になぁなぁで騒動を治めるような温い手を打たせないための、背水の一手でもあって。

カナタやルナエールが特別な戦力であることは間違いないですけど、コトネを筆頭に転生者込みではあれど現地の他の戦力の底上げも同時並行で行っていって。

できる事は全て行った上で、ゾラスとの最終決戦を迎えることに。ヴェランタの最後の備えであったゼロについての情報が明らかになったり、神の尖兵になったゾラスにも世界を憎むだけの過去があったりしたわけですが。

 

それに比べると、まぁ自分で自分の首を絞めて行ったナイアロトプはスペック的には最強の敵でも、最後まで小物だったなぁというか。

まぁ最後まで変節することなく最後までナイアロトプらしく振舞っていったのは一貫してて、そこは認めてもよい。

神々の干渉を排することになったロークロアですが、今後問題が起きるとしても上手くいって欲しいものですね。

カナタが鈍い部分はあったわけですが、ポメラの気持ちの決着とルナエールとの関係への答えを出してくれたのは良かったです。


不死者の弟子6 邪神の不興を買って奈落に堕とされた俺の英雄譚

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「無謀だの、割に合わないだの、おかしな言葉ですね。世界には代わりの利かないものに溢れているんですよ。あなたが平穏の犠牲として切り捨ててきたものの中にも。ヴェランタ、そんんあことさえわからないのならば、あなたはきっと、人を本当に愛したことがないでしょうね」

 

商業都市ポロロックに君臨していたグリード、その裏には「神の見えざる手」の一人ヴェランタの存在があって。

最後カナタの前に種明かしに現れた彼は、カナタの実力を確かめて自分では勝てなくても、「神の見えざる手」のノブナガには勝てないだろう、と安心してました。

実際、ノブナガはカナタよりもレベルが上らしく戦うことになったら苦戦は免れなかったでしょうが……カナタの師匠であるルナエールが、その気配に気づいて本拠地に襲撃をかましてくることになったの、災難というほかない。

 

残っていた「神の見えざる手」三人を相手に終始優位に事を運び、危なげなくとらえてのけたルナエール、強すぎぃ……。

でもカナタには弱いというか。見知らぬ面々の前で事情説明するときに、カナタの服の裾を不安げに握りしめていたり、最終的には赤面してカナタの背に隠れたりして、本当にちょろ可愛いな……。

ロズモンドに「甘ったるい空気」とか「何を見せられておるのだ?」とか言われるのも無理はない。

 

しかし、「神の見えざる手」という上位存在ナイアロトプ達が打てる、常識的な範囲の最後の一手であって……それが打破されたということは、もはやあちらも打つ手を選ばない、という事でもあって。

コントロール可能な配下であった「神の見えざる手」ではなく、厄介過ぎて封印を選んだ罪人3人を解き放つことに。

ナイアロトプ、上位存在ではあるけど下位の神であり、上司に無茶ぶりされている側でもあるし……その上司もまたより上位の存在の以降は無視できない中間管理職的な側面を持っていて。

罪人を解き放つことでロークロアが潰えるとしても、「あの御方」と呼ばれる最上位の存在が興味を持っているカナタ達を巡る一連の騒動に派手な決着を求めたことで、ただ世界を終わらせるなんて興ざめな展開ではなく、イベント盛りだくさんの最終章が開始することに。

 

ヴェランタ達もことここに至っては抵抗することもなく、ロークロア劇場を盛り上げるために配置されていた布石を回収した方が良いとか情報提供や協力をしてくれることに。

カナタ達が一つの布石に四苦八苦している間に、他を任されたルナエールが全ての役割を果たした上で、カナタ達のピンチに駆けつけてきたのスペック高すぎて笑っちゃった。

不死者の弟子5 邪神の不興を買って奈落に堕とされた俺の英雄譚

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「……後悔してるなら、頑張って生き延びて、その後に生き方を改めたらいいんじゃないですか? どう喚いたって、それ以外ないでしょう」

 

「空界の支配者」との戦いを制したカナタ達。

別行動をとっていたロズモンドと、商業都市ポロロックで合流することになり……そこでロズモンドが世話になっていた魔工士メルと出会うことに。

ポロロック、商業都市として栄えているもののその発展ぶりと比例するかのように深い闇もあって。

 

メルがまさにその闇に囚われかけた人物で……。

田舎からポロロックの一等地に店を出せる、という話に釣られて出て来たものの、いざ来て見ればそれらの料金は膨大で。領主傘下のグリード商会が都市内のすべての流通を把握してるので、そこに加入しないとまともに営業できないけど、その看板を借りるために多数の金を預けなくてはならないとか。

2年以内に営業を終えることがあれば、商会の看板に傷をつけたとその預かり金が没収されるとか。マッチポンプで破滅へのジェットコースター作ってるんですよねぇ。

暗黒街と呼ばれるアンタッチャブルな犯罪にまみれた地区まで出来てるみたいですし。

 

事情を知った手前、放っておけないとカナタ達も一枚かむことになったわけですが。

何にしてもメルの才能伸ばしておいた方が良いよな、と彼女もまた霊薬漬けの勉強をすることになっていたのは……まぁお疲れ様ですというか。

4巻の番外編「とある不死者と魔法修行」で、ルナエールに錬金術も叩き込まれて伝承にしか残らない「錬金花」を作り上げたカナタがそれをやってると思うと、目に涙が……メル、強く生きてくれ……。

ロズモンドに「大船どころかドラゴン」と例えられる頼もしさと、霊薬漬けの不安。最終的には頼もしさが勝ちますが、おっかないのは確かですな。

グリード商会のウォンツが売ってきた妨害を蹴散らし、領主グリードが企んでいた計画に巻き込まれつつも、それすらも蹴散らしたカナタは実にいつも通りで安心できましたね。



不死者の弟子4 邪神の不興を買って奈落に堕とされた俺の英雄譚

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「聞いてない! 聞いてない! 聞いてない! こんな化け物がいるなんて聞いてない!」

 

マナラークを襲ったアリスを辛くも撃退したカナタ達。

しかしアリスの言動からナイアロトプの手が伸びていることを察知して、ポメラを鍛えたり、出来ることを進めていくつもりのようです。

実際、上位存在がロークロアをコントロールするために配置している「神の見えざる手」という組織を動かしているので、彼の警戒は正しいのですが。

 

こっそり漫画を描いていた転生者コトネ。密かに書いていた腐女子向けのものまで、前回の騒動で意識不明の状態の時に世に出てしまうトラブルに見舞われたりもしてましたが……。

それを見たらしいロズモンドが、コトネに「続きは出るのか? サインをくれ」と言ってるの、ほのぼのして良かったですね。

 

……その会話してたの、邪竜が現れたとか言う凶報が飛び込んできた中での対策会議だったんですけど。

そうやって警戒が求められた邪竜は、神の見えざる手の配下に過ぎず……カナタに軽く蹴散らされる羽目になったりしていたのは笑えました。

カナタ、ルナエールの薫陶でかなり高スペックにはなってましたが、その際に歪んだ常識もインストールされてるせいで、想定ラインが微妙にずれてるんですよねぇ。

まぁ、結果的に上位存在ナイアロトプに目を付けられ続けているので、ルナエールの行き過ぎた備えも活きているんですが。

 

今回動いた「神の見えざる手」の一人は「空界の支配者」。

かつてドラゴンとしての禁忌を侵したというその存在についての情報をもとめて、竜人の隠れ里に踏み込むことになったり。

そこでコトネとは違う転移者と鉢合わせることになったりしてましたが……。

常識外れのカナタが課されることになった試練を想定外の方法でクリアしていったの、なんというか真面目に超えて来た先人たちはお疲れ様ですというか。

それで言うと、うっかりルナエールとエンカウントした「神の見えざる手」の一員、大商会を構え経済的な面から干渉していたソピアも、ご愁傷様というほかなかったですけど。口八丁で逃げたのはお見事。カナタ絡むとちょろいからね、ルナエール。

メイドなら当然です4 濡れ衣を着せられた万能メイドさんは旅に出ることにしました

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(――美しい。ゆえに危うい)

(略)

「それゆえに、お前の周囲には仲間が集まり、よってたかって守ろうとしているのだな……」

 

賢人会議での働きを終え、そこで師匠からもらった「幽々夜国でのトラブルに、力を借りたい」というメモに従って、いつもの仲間と女子4人姦し旅を再開することになったわけですが。

道のりが遠いですねぇ……ニナは自身のメイド道に従って、困ってる人には助力していきますが。周囲にトンデモない人が多かったせいで常識が歪んでるますからね。そりゃ旅は一筋縄じゃ行きませんよね。

まぁニナの助言によっていろいろと気付きを得た旅の仲間、エミリ、アストリッド、ティエンたちもどっちかと言えばトンデモ側でニナの要求に応えられちゃう方だからな……。

 

道中立ち寄った街で泣いていた女の子にニナがハンカチをあげた。

それ自体は善行ですが、そのハンカチに秘境の村で代々伝えられているという刺繍がされていて。それに興味を持った奥様方に「教えてくれ」と集られることに。

ハンカチくれたくらいだから、メイドができるのだから、大したものではないだろうとこぞって押し寄せてくる奥様方はなぁ……って感じですが。ニナは普通に教えようとしてるし。エミリが希少さや難易度から、ぜったい直ぐに習得できるものではないと止めようと四苦八苦してるの、正直ちょっと面白かった。

 

そうやってぶつかることで、もう一段仲良くなれるだろとアストリッドは気をまわしてニナとエミリが話せる時間を作ってましたが。

アストリッドはアストリッドで、街を見て歩く中で興味深いものを見つけて、研究者らしく動いていくんだからもう……。

ニナを制御して、騒動に巻き込まれないようにするのは無理なのが前提ですけど。仮にニナを押さえられたとして、絶対他のメンバーが騒動起こしますよね、あの4人。

噂を聞きつけて心配して駆けつけて来た商人のファースだったり、エミリやニナを五賢人のミリアドが追いかけてきたり、話題には事欠きませんし。

魔王と勇者の戦いの裏で6~ゲーム世界に転生したけど友人の勇者が魔王討伐に旅立ったあとの国内お留守番(内政と防衛戦)が俺のお仕事です~

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「先祖が優秀な功績を挙げた、以前の当主は領を上手に統治した。だから子孫も国と民に有益であろう、という期待を込めて徴税をはじめとした権利を与えられておる。国と民から信用と信頼を前借し生活の糧を得る、それが貴族という立場の本質邪」

(略)

「それを理解しておる者は前借りした分、自らを鍛え次世代を育てる義務を負う。家が続くのは優れた次世代を育てた結果であって、目的ではない。逆に国と民からの信用と信頼を軽視した者には相応の結果しか残らぬものじゃ」

 

マゼル達の協力も得て、魔将ゲザリウスを討伐したヴェルナー。

王都への帰還に際しては総指揮官であるシュラム侯爵がメイン、討伐MVPのマゼル達、その後ろに続く形でヴェルナーは王都の凱旋に際したパレードに並んだようですが。

彼自身も思っていますが、以前は警備する側に立っていたヴェルナーが、後ろの方とは言え凱旋の列に並んでいるのは感慨深い。

 

ヴェルナー的にはゲザリウスはゲームに居なかった敵であり、警戒対象ではあったものの……彼の心配はあくまでこの先に起こるだろう「王都襲撃」に重点が置かれていて。

だからこそゲザリウス問題は速攻で片付けたかった。ただ、王都の上層部的には猶予はあると考えていた。

そのあたりの齟齬もありつつ、迅速に解決したヴェルナーへの評価は上層部では高いようですねぇ。

ウーヴェ翁に事情を打ち明けたことで「予言書」といった形で簡単に情報共有できたので、意識のズレも多少は改善すると良いですけど……実際に記憶のあるヴェルナーとで温度差はどうしても生じるでしょうねぇ。

 

色々と手を打って、そのために借金も重ねていることで、若くして実績を積んでいるヴェルナーを叩く人は「借金貴族」みたいに言ってきてるわけですが。

王太子や将爵、商人のビアステッドだったり、彼の事を認めてくれる人が多いのありがたい。

 

魔将を討伐したことで亡国となったトライオットの貴族が国土復興に前向きになっていたりしてるみたいですが……いつかは必要なコトでしょうけど今じゃないんだよなぁ。

そのあたりを上層部が弁えてて、ヴェルナーを軍から話して王都で文官としての仕事をしてもらうことになって。

リリーの記憶力とかを頼りに、サポートしてもらっているの良いですねぇ。

 

……これまでの積み重ねがあって、リリーの方から少し踏み込んでいくのも、ヴェルナーがこれまで以上に覚悟を決めているのも良いですねぇ。カラー口絵のところにもありますがあそこの「……お慕いしております」のシーンとか、好きなんですよね。

そうやって大切な人という実感を強めたこともあって、領地の発展につながる未来への積み重ねをしていこうとした息子の変化を、ヴェルナーの父が感じているシーンとかも含めて味わい深い。

 

王室の特別書庫の調査を許されたヴェルナー、リリーの同伴も認められて彼女の空間認識能力の高さから別の問題に気付いたりもしていましたが。

マゼルを一時的にでも自分の国に引き留めようと他国が動いたり、神殿内の馬鹿の思惑が噛み合った結果、マゼルが訴えられてしまうような事態になったり。

リリーが兄の代理として裁判に臨み、さらにその代理人として指名されたヴェルナーが決闘に臨むことになったりと、文官仕事始めたはずなのに荒事に巻き込まれていたりもして、ヴェルナーの安寧は遠い。……いやまぁ、王都襲撃が控えている以上、彼の安寧ってマジにしばらく来ないことが約束されてるんですが。

 

なんなら、決闘騒動もバカが多すぎたせいで王太子の予想したタイミングよりも早く起きたけど、似たようなことはするつもりだったみたいですし。

年齢的にはまだ学生であるはずのヴェルナーが、既に実績詰んで、上層部にも認められている状況なので、仮に魔王討伐が成ったとしてもヴェルナーはなんだかんだ政争に巻き込まれて安寧とは遠い日々を過ごしそうではありますけど。

シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~ エキスパンションパス20

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「……ようやく ようやくココまでたどり着いたな……!!」

「気合入れろ!! チーム「不倶戴天」!!」

正真正銘の 最終決戦だ!!

 

186話~195話を収録した第20巻。

まるまるクターニッド戦ですが、さすがはユニークモンスターというべきか、これだけ闘ってもまだまだ別の形態があるって言うのが恐ろしい。

性別反転に加えてステータス反転によって、装備にも影響が出てくる中で切り替えて前線で戦えるサンラク、ゲーマーとしての経験値が豊富だなぁと感心しましたが。

 

ゲーム的に食糧アイテム食べて回復するの、よくあることではありますが。

……走りながら生魚を頭からぼりぼり食べてるの、実際絵で見るととんでもないな……。山姥呼ばわりされてましたけど、ちょっとわかる。

聖杯による反転が重なったとき元に戻るのか、そういう検証も戦いながらリアルタイムでこなしているので、やることが多いですけど。

それでも形になって抗い続けているので、他のプレイヤー陣もスペック高いんですよね、なんだかんだ。

 

クターニッドのポエム解析をサンラクが戦いながらやってるの、素直に凄いですよね。

モンスターパニックに対処しながら、必要な手段とってるわけですし。ある程度対処されるのは考慮の上でしょうけど、深海の厄介モンスター筆頭な巨大魚3匹まで召喚する辺りクターニッドも容赦ないというかなんというか。

想像体の、参加プレイヤーの戦闘スタイルコピー形態、スタイリッシュで格好良くて不二先生の見せ方が上手くて良かったですね。

 

巻末のSSはサンラクのブラインドタッチについて秋津茜が聞いたことで、ちょっとしたバトルが勃発する『明後日の方向を見据えて』。

エキスパンションパスSSは、旅狼懇親会と銘打って双六ゲームをする話……ながら、何人か急用で不参加になってるのは、まぁ彼等らしいか。双六だけどイベントで死んで振り出しに戻る「死にゲー」要素もあるのを懇親会に選んでるのも含めて。

反逆のソウルイーター~弱者は不要といわれて剣聖(父)に追放されました~7

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「皇女殿下いわく、俺は恨みも恩も決して忘れない人、らしい。今のうちにできるかぎり恩を売りつけておきたいんだそうだ」

 

ベルカでのアレコレが終わり、ティティスの拠点に戻ることにしたソラ。

一方そのころ、アドアステラ帝国から婚儀の為に咲耶がやってくることになって。王子相手に辛辣な言葉を放った人物とは思えないほど、配慮する姿勢を見せてくれていましたが……初手強硬姿勢を示した上で、配慮することで自分の評価を上向かせる交渉術の一環かもしれませんが、十三歳の少女と思えばなかなか巧みです。

 

カナリアのアザール王太子が、咲耶の態度を見てから元婚約者であるクラウディアに懲りずに秋波送ったりしてたのを見ると、彼女主導の方が国営上手くいきそうだなぁ……感が強い。ただまぁ、それはカナリア王国が元々帝国に対抗するために創られた国という事もあって、彼女に完全に差配を任せるのもそれはそれで問題が多いでしょうけど。

咲耶王女、自分の弟をアストリッドの相手としてどうか、と言ってきたりもしますし。ソラにも興味を持っているしで、ソラからしても他人事ではない状況になったりしてました。

 

更にソラの故郷でも騒動が起きて。変わらず囚われの身だったクライアの元に、彼女の救命を条件に密命を帯びたクリムトが死んだ、なんて知らせが飛び込み……彼女はいてもたってもいられず、ソラを頼って島抜けしてきて。

容易くクライアがソラの元に辿り着いたことで、彼を引っ張り出すために誰かが企んだことだろう、という所までソラは見抜いたわけですが。

皇女との縁が出来たタイミングだったことや、鬼門の中の世界に興味を持っていたこともあって、その策に載ることを決めて。

 

鬼ヶ島で絶対の力を持っている御剣家も、あくまで帝国の有力な家の一つに過ぎず。

皇女伝いで皇帝から直接許可をもらって乗り込んでいく、というのはシンプルな権力という力でごり押ししてて、なんか痛快でした。

……皇帝、色々と事情を知ってるようで龍穴のこととか、世界の真実のこととかで釘を刺してきたりもしましたが。ラスカリスやノア教皇のこともあるし、このまま無知でもいられないだろうと、ソラ的に興味はないけど情報を掴みに行くことに。

 

鬼人族と敵対している御剣家の技を振るいながらも、鬼人族からお守りとして腕輪を託されている。

そんなソラの事を鬼界を統一した中山の王アズマも気にかけていて……。

情報を得るためにソラが鬼族の有力者捕虜にしようぜ、とアズマの兄弟でもあるドーガと激闘を繰り広げた結果、アズマと早々に接触することになったりしてて、かなりテンポよく進んで行った感がありましたね。

なんだかんだで生き延びていたクリムト君も、たくましくて良いと思いますよ。無理難題を振られてましたが、その裏で自分の目的を叶えるために別の行動取ろうとしていたあたりはちょっと驚きましたが。多少は搦め手も使えるのか……。



反逆のソウルイーター~弱者は不要といわれて剣聖(父)に追放されました~6

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「ソラ殿は、まだ終わっていないとお考えなのですね?」

「俺の予想が当たっていれば、な」

 

ベルカ編の後編。……とはいえ、ダークエルフ側の剣士とも戦ったし、ベヒモスも打倒した。警戒対象だったダークエルフ側のトップであるラスカリスにも遭遇し、不穏な発言をされたりもしたものの……ひとまず戦闘に発展することはなく、ソラたちは無事にベルカに帰還できたわけです。

そんなわけであとがきにもありましたが、「後始末編」とでも言うべき感じで、話し合いフェーズが多かったですね。

 

そもそもソラがベルカの地に来たのは、ベヒモスの角という結界の要になるものが欲しかったのと、カティアに頼まれて壊滅したと思われる『銀星』のアロウの手がかりを探すことだったわけですが。

ベヒモスの素材は失われたが、ラスカリスから代替となるものは入手できた。

しかしアロウ達の手がかりが残っていたかもしれない方角からベヒモスがやってきたことで土地は荒らされ、もはや捜索の頼りにできるモノではなくなってしまって。

さらには法神教が敵視しているダークエルフであるウィステリアを傍に置いていることも、つつかれると面倒になるネタでもあって。

 

ダークエルフたちの拠点、アンドラに踏み込んでラスカリスとの話を纏めることも出来たのは……まぁ良かったか。

ウィステリアの後釜として筆頭騎士になったガーダが暴走する一幕があったり……ウィステリアから龍穴や世界の真実、その一端を聞かされてソラが色々考えることが増えたりと、ベヒモス撃破って偉業を果たしたはずなのに、ソラの前には立て続けに問題がやってきますねぇ。

ラスカリス、惑わす者と呼ばれてはいるけれど、スズメの父祖に敬意を払って失われそうだった「蛇鎮めの儀」についての知識を教えてくれたりとか、得るモノも多いのがなんとも。単純に切り捨てられないのが、なるほど惑わす者……。

 

交渉に際して頼れるドラグノート公爵家のアストリッドが、ソラを訪ねてベルカに訪問した上で彼に味方してくれたこと。エルフのルナマリアが協力的だったこと。

ベヒモス討伐という実績を挙げていることなんかもあって、人間社会側でのウィステリアの処遇については思ったよりあっさり終わったのは助かりましたが。

『銀星』の問題については予想外の方向から情報が齎されて……ひとまずは、決着を迎えることになっていましたが。

ギルドマスター、気付いてはいけないことに気付いて始末されたり、火種はくすぶり続けてる感じですし、気掛かりではありますねぇ。

インフィニット・デンドログラムSP2 南海編〈下〉

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『俺の仕事は、リエラの護衛でもお守りでもない』

リエラを一瞥してから、シュウは理由を述べる。

『リエラの仇討ちを助ける。それが俺とリエラの契約だ』

 

醤油抗菌、デンドロ黎明期に初めて「どうせ変わらないだろ……」って適当ネーミングにしたけど、この世界の人々と交流する中で色んなものを背負い込んでしまった重い男なんですよねぇ……。

カラーイラストのキルゾーン、格好良かったですけど名前がギャグなのが温度差激しくしてる。

 

アビスシェルダーに挑んで散っていったサトミ。

それでも腐っても超級、戦いの中で得た情報をサトミは自分のクラン「GFRS」のホームページにアップロードしていて。

シュウがリアルでそれを確認した上で、リエラたちと方針について相談することに。

レイにも宣言した、極小だろうと諦めなければ『可能性はいつだって俺達の意思と共に在る』というのを貫くために、足掻き続けているの良いですね。

 

死骸を真珠化させて、それを捕食することで吸収する。UBMをデザインしたジャバウォック的にも予期せぬ出来事が積み重なった結果生まれたイレギュラーらしいですが。

耐性が強いメタルスライム系統のモンスターを喰らい続けて、外殻が完全耐性レベルになっていること。補色を続けたことで素のステータスが極大化していること。

それがアビスシェルダーの「無敵」のタネだと暴くことには成功したわけですが……基礎スペックが高い方とかは、単純だからこそ対処が難しい類ですよね……。

そりゃ破壊王か獣王レベル引っ張ってこないと対処できないとかいうわけだ、と納得しました。

ただまぁ、シュウのバルドルはあくまで水陸両用の戦艦形態もあるけれどあくまで陸戦主体であって。水棲のアビスシェルダーと戦うには相性が悪い。

その為には他のマスターの手助けがいるけれど……その手札を持つ人物は、リエラの帰還を望んでいる。そんな綱渡りを渡り切って、決戦にまで持ち込んだのはお見事。

 

抗ったのはシュウやリエラだけではなく。グランバロア七大エンブリオと称される、7人の超級もそれぞれ活躍していたのが良かったですね。もちろん、現地住人も可能な範囲で戦い抜いてましたし。

サトミ、醤油抗菌、最も若く先達から教導を受けているミロスラーヴァ。

比翼連理の二つ名を持つ、機動力に長けたリアル夫婦エドワーズ夫妻。

エドワーズ夫妻、個人で参加しているけど合衆国の諜報員としての顔もあり、あとがきで書かれていましたが、本編キャラであるルークの両親に「ゲームの謎を解き明かして」という依頼を出した人物と書かれていて、予期せぬところで繋がりがあるな……。

エドワーズ夫妻の部分と、各船団の後継者部分とかの描写は特典版から加筆された要素だったみたいです。

 

そして隠されていた残りの超級2人ともシュウは出会うことになっていましたけど……つくづく超級との縁があるな……。

シュウはいつでもどこでも彼らしさを貫いている男なわけですが。

……かつて自国の戦争に参加しなかった一件があり、「母国の戦争には不参加だったのに、なんで今回は手を貸してくれるんだ」と思われているの、犯罪王ゼタとの一件が表に出ていないから仕方ないけれど、若干モヤモヤしましたねぇ。

とは言え周囲がどう評価しようと、自分を貫くのがシュウという男で……必殺スキルの時間制限内に、しっかり仕事を果たしてくれたのが格好良かったですね。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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