気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

小説家になろう

出遅れテイマーのその日暮らし10

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「ユート君が来た時点で、絶対にこうなるって分かってたのにぃぃぃ! どうして油断したのよ私ぃぃっ!」

 

イベント完結までを収録した10巻。

ユートは図鑑完成を目指して、最低限の情報を猫耳猫から買ってある程度は自分たちで達成しようとする相変わらずのプレイスタイルで突き進んでいますが。

古代の島を先んじて見つけていたため、NPCからもらったヒントにその島関係のものがあると「もう行ったんだよな……」とかなってるの面白かった。

一度行ってから戻ってきた関係でフラグが立って、またいろんなイベントを発掘してましたねぇ。

 

後に掲示板回の中で明らかになってましたが、称号やイベント等を色々と発見している白銀さんに倣って、攻略組もNPCたちとの交流をしようとしていたみたいですが……。

その白銀さんがショートカット発見して、古代の島のボス討伐を配信してしまったことで、攻略組が躍起になってしまった展開もあって。

最後はサーバー分けずに全員集合形式でのレイド戦になってましたが、攻略組のメンバーが足並みそろえられずにいたのは、白銀現象の功罪というか……。

テイムモンスター達とほのぼの冒険してる白銀さんと、最前線で廃人プレイしてるゲーマーとの温度差を感じましたね。

 

せめて存在を示そうとシステム的に実装されている「必殺技」を攻略組が使おうとしたところ、ボスの状態異常で即死。

ユートが友人からもらった蘇生薬を使ったことで、結果的に丸く収まっていましたが……ギクシャクした原因も無自覚なユートなので、こう微妙にマッチポンプ感。いつも通りの彼ではあるんですけどね。

 

配信で色々とネタバラシされたことで、運営がまた大慌てしてたのはちょっと笑っちゃいましたが。デスマーチっぷりが全く笑えないんだよなぁ。

VRの加速環境があるから何とか片付けられているみたいですけど、なんか現実世界の方ではそれを問題視してる法案が提出されてたりしてるようですし、どうなるんですかねぇ……。
あ、猫耳猫のアリッサさんは今回も叫んでて笑いました。彼女は彼女でいつも通りだった。

泡沫に神は微睡む3 紺碧を渡れ異国の風、少年は朱の意味を知る

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「刻限は今夜。神無の御坐。結果は決まっていると云えど、南天は其方に全てを与えたことを忘れずに。鳳の方には勝利こそ至上の供物と知りなさい」

 

異国からの来訪者たちも蠢く中で、晶たちは陸斗の故郷を占拠した集団の調査などを進めていたわけですが。

そのころ北方の國天洲でのゴタゴタが表面化しはじめた、というか。愚かな雨月が義王院の隔意を突きつけられることになって。許さないのは確定だけれど、まとめて叩き潰すために一時命ながらえてるだけの状態ですからね……。雨月だけが気付いてないけど。

 

晶が故郷で知己を得ていた、静美と玄麗の挿絵がカラーでついてたの良かったですねぇ……晶を失ったと思って泣いているシーンなのがアレですが……可哀想だけど、玄麗姫のデザイン可愛くて良いですね。

海外から思惑をもってやってきたベネデッタ達の動きも本格的になってきたわけですが。高天原という国は海外から見ても特殊で、霊脈が豊富なのもあって標的にしたいというのは確かなようです。宗派ごとの勢力争いなんかもあるみたいで、一枚岩ではなかったのはまだ救いがあるか……? 

 

晶が太極図を使って龍脈や、風水を呼んで敵の思惑に迫るシーンがあったの良いですね。

まだまだ戦士としての経験は浅いけれど、陰陽師としての才能の確かさが補完されていくの好きな描写です。

ベネデッタが晶に価値を見出して、誘いをかけてきたりもしていましたが。朱華と出会っていたことや、陸斗との交流なんかも影響を与えて、彼の立ち位置を決める決断を下した場面とかも良い味だしてました。

 

今回の騒動を通して、晶は「神無の御坐」という存在がどういうものなのか自ら理解するに至りました。そこに至って奇鳳院の当主から生家についての言及がされたり、少しずつ関係も進展していくことになりますかねぇ。



放課後の迷宮冒険者~日本と異世界を行き来できるようになった僕はレベルアップに勤しみます~

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「……僕は迷宮に来るのが楽しみなんだ。そんなところで後味悪いことは極力ごめんなの。ほとんど自分のためだから気にしないで」

 

友人と「異世界に通じる都市伝説」を試していたら、本当に異世界に行けるようになった主人公の男子高校生、クドー・アキラ。

異世界の神様から適した能力を貰って、往復の時とか毎回顔を合わせているとかなんでそんな神様と距離近いんだ。

彼は地球で普通に学生生活を送りつつ、放課後とかの空いている時間に異世界に来て

息抜きとしてダンジョンに潜る冒険者稼業を行っていた。

 

あくまで息抜きなので、師匠からの無茶ぶりとかが無ければ強敵に挑もうとはしないで、薬草採取とかをのんびりしてますが。

神様からの加護と師匠からの厳しい特訓のお陰で、ソロでも問題なく活動できる力量を得ているみたいですね。……どっちも特殊な存在なせいで、時折常識も破壊してますが。解呪できないハズの奴隷の首輪を外したり、意外と器用。

 

地球では高校生だから、異世界でどれだけお金を稼いでも向こうで換金できる当てはない。なので、異世界での稼ぎはあぶく銭とばかりに高価な触媒使って、奴隷の少女解放したり。

高ランクの女性冒険者にたまたま実力を示したことで興味関心を持たれていたり。

アキラはダンジョン探索を気ままに楽しんでいるだけですけど、あっちこっちでフラグ立ててるから、そのうち刺されそー。

 

あと、他のキャラに聞かれたら「異世界出身」と答えているあたり、隠す気はないみたいのも特徴的ですかねぇ。

神様側も「異世界から女の子そっちに連れて帰ってもいいよ。でも結婚は勢いで決めないようにね」とか割と緩く見守ってるのが面白ポイントか。

面倒事は嫌いでソロ活動していたり、ランクが上がらないように受付嬢と交渉しているから広く知られてないだけで、彼を知る人は自分のチームに引き込もうとしたりしてますし。いつまでもソロで気ままに居られそうではないですが、どうなるやら。

 

あと、今回は基本的にアキラの異世界での反応が最後彼の故郷が気になると言われたことで、女の子を地球に連れて行こうかというところで引きになっていたので、2巻は地球編になりそうですかね。どんな感じになるのか楽しみです。

鬼人幻燈抄 平成編 逢う日遥けし

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「手を繋いで君と一緒に……彼等には、その方が似合っている」

 

ついに物語は平成へ。

それはつまり170年の時を経て、遠見の鬼が予言した鬼神降臨の年が近づいている証でもあって。

甚夜が葛野の地に戻ってきたの感慨深いですねぇ……。

かつての里長や、千夜の願いを継いだ人々が、甚太神社やいつきひめ、姫川という苗字などなどを残してくれていたのも、胸に来るものがある。

 

それはそれとして、目的があるとはいえ甚夜が学校通ってるのなんか面白すぎるな……。

そば打ちして店を構えたりしてたし、庭師として働いてみたり、人間社会に馴染む意味を込めて仕事をしてる姿はこれまでも見てきましたけど。

学園生活となると、若い世代との交流が出てくるわけで、それまでとは違いますよね。……まぁ、子育て経験もある年長者でもあるわけで、卒なくこなしてましたけど。

 

あとは、藤堂夏樹についての描写がなろう版より少し詳しくなってましたかね?

なろう版にも都市伝説関係の短編が番外編に収録されていましたし、そのあたりについてより触れられていたように思います。

嫌なものを察知する感覚は強いけど、対策を取る腕はない夏樹からの願いもあって、甚夜が高校入学することになったようです。過去の因縁もあってのことではあるようですけど、今の縁も大事にしてるのが彼らしい。

 

今回収録のエピソードだとやっぱり「いつきひめ~妖刀夜話・終章~」が好きですねぇ。

夜刀守兼臣についての過去が明かされて、甚夜が当代いつきひめを「姫川の娘」と呼ぶ真意が明かされる。さらには予期せぬ、けれど大切な、思いが巡った果ての出会いもある。短いエピソードながら満足度が高い。



鬼人幻燈抄 昭和編 花街夢灯篭

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「未練に足を引かれながらここまでやってきた身だ。忘れろなどとは口が裂けても言えん。それでも、区切りというのはどこかで付けないといけないのだと思う」

「だから、けじめですか」

「ああ。そして恋の話だ」

 

夜の女が集まる鳩の街。かつて存在した花街ではあるが……売春禁止法の施行によってすべての業者が撤退し、その役割を終えた街。

しかし甚夜は消えたはずの鳩の街に「花の名前を冠し、特殊な力を持つ娼妓」の噂を聞いて……。

花街特有のドロドロはなく、悩みを抱え迷う女が行き交う不思議な街がそこにはあった。

 

そこで甚夜は確かにマガツメの娘、七緒を見つけて。

青葉という少女や、ほたるという娼妓。一線引いて人々を見守っている店長なんかと交流しつつ、真相に近づいていくわけですが。

南雲みたいな分かりやすい悪役が、悪意を持って作り上げたというわけでもなく。夢みたいな空間で、本来会うはずが無かった人々の縁がたまたま結びついただけ、みたいな感じで全体的に穏やかに進んでいってましたね。

 

七緒もマガツメの娘ではあって、鬼の異能は持っていたけれど……マガツメが切り捨てた感情の中でも、特に遠ざけられるようなものが根幹であったから、最後に「同化」することになってましたが、そこに至るまでも少しずつ会話して相手の事を知っていく、という流れでしたし。

 

店長相手に甚夜が、探していた娼妓は姪だが、妹と折り合い悪いから顔を合わせたくはなかったと愚痴をこぼししていたシーン。それなのになぜ探したのか、と問われて「……多分、迷っているからだろう」と返した場面が結構好きですねぇ。

様々な出来事を過ごしてきてなお、彼の心は定まっていない。どこぞの剣鬼に言わせれば濁った剣でありつづけてた。ただ、今回のエピソードでそんな迷いの中にある濁った剣だからこそ「斬らない」未来を選べたのは彼らしくて良かったですね……。

 

まぁその結果、しばらくキネマ館へ帰還できない状況に陥っていたのは彼の失態ですが……。

甚夜が「刀さん」してる時のやよいちゃん達との交流のシーン、ほのぼのして好きなんですよね。彼の人の好さが出てますし。

あとはいろいろと事情を察しつつも、はっきりと告げることはせず胸に秘めてくれた店長さんのキャラが地味ながら良い味してて好きでした。


最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する12

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「よく覚えておけ――アードラーは二度も奇跡には頼らん」

 

敵陣では、ウィリアム王子が兵糧を焼かれたことや本国からの輸送が滞っていること、さらにはヘンリックからの工作もあってウィリアムの行動を阻害しようとする意図が見え隠れして。

アルも北部諸侯をまとめるのに時間がかかっていたので、敵が一枚岩じゃないのはありがたいんですが……。

そしてウィリアムは一度前線を離れる結果になって。その敵陣の変容を察して攻勢に転じられるレオの行動力が光ってましたね。

 

あくまでアルノルト皇子として出来る範囲で動くと決めていて、友人になったシャルのことを心配はしているけれど、シルバーとして戦争に助力するつもりはないと一線を引いているのは彼の偉いところですけど、同時に救えるのに救えない状況も発生するので痛いシーンでもありますよね。

目の前の争いに勝つために動く一方で、様子のおかしい帝位争いの裏で暗躍してそうなグリモワールへの対処も考えなきゃいけないのが厄介ですよね……。

 

ゴードン陣営にも協力していて、今回もまた子供を兵器利用しようとしてきたりしてましたし。

それを読んでいたアルが「2度も奇跡に頼らない」と、対抗策を用意していたのは良かったですね。

致命傷を負ったゴードンが、最後にはかつての自分を取り戻して、厄介な貴族を切り捨てた上で、自分相手に勝ちを拾った弟たちに手柄を与える最期を選んだの、良いシーンでしたけどそのまま死んでいったのは惜しすぎますね……。

冷静になった彼は優秀な人材みたいでしたから。帝国、本当にボロボロだなぁ。

おかしな転生23 ふわふわお菓子は二度美味しい

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「分かりました。ご期待には、必ず応えてみせましょう。父様も驚くような成果を出して見せます!!」

勢いよく請け負うペイス。

「いや……普通で良いぞ、普通で。くれぐれも、驚くような結果にはするなよ。いいな、くれぐれもだぞ」

 

第三十四章「ふわふわお菓子は二度美味しい」と書下ろし三十四.五章『コローナ奮闘記』を収録。

ボンビーノ家の子どもに目を付けたやり取りを収めるため、ペイスが提案した領地替え。複数の家が納得していることもあって、国王も認める方向で話が進んで。

 

それによって安定が齎されるならば、モルテールン家としては内政に力を入れていくべきだ、とカセロールは提案。

ペイスもそれには賛同するところであり、将来を見越した活動を行うことを決めて。

魔の森の開拓を進める一方で、新人も採用してオリエンテーションを行う。ペイスの影響で、女性の産休制度とかを取り入れている革新的な場所でもあるから、そういう催しは必要ですよね……。

 

魔の森に作った開拓村の長を、女性騎士のコローナに任せることをペイスは考えていて。

実際『コローナ奮闘記』は任された後の彼女が描かれていますが。……注目を集めている以上、他所からの間諜も紛れ込んでいるわけで。苦心しつつもまとめ上げていたのはお見事でした。最初の、同期と食事を共にしてお祝いしてるシーンとかも良かった。

他領にもいくラミトからすると、出汁の旨味が効いた卵焼きは他所では食べられないものだ、と太鼓判を押してたのが地味に好き。

他のメンバーも各々好きな料理があるみたいですし、美食の都と呼ばれる日も近いなんて噂もあるみたいだし。製菓メインだけど食事にも手を抜かないペイスの成果が分かるエピソード、好きなんですよね。

 

開拓は魔法部隊だったり、ピーちゃんの力を借りられることもあったりして、トラブルがありつつもおおむね順調。

……むしろ順調すぎて、募集枠30に対して400を超える応募が来たりしていたので、ペイスは大変そうでしたけど。

準備を進めるために物資を運ぼうとしていたら、魔物の襲撃があり……街道に被害が出たことで、対策が必要となって。

この世界からすると常識外れな「道を空に飛ばす」……高架道路を提案し、いつもどおりおかしなものを見る目で見られてましたが。まぁいつも踊りだからな……。

おかしな転生22 蜜蝋は未来を照らす

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「そう、仲間です。頼れる戦友です。皆、我々は一人で敵と戦うのではありません。戦友と共に戦うのです。みんなの力を一つに合わせれば、どんな敵でも倒せます。たとえ大龍であろうと恐るるに足らず!!」

(略)

「ましてや、大龍が味方にいる今、如何なる敵でも相手になりません。ここには最強の守護者がいるのです!!」

 

「龍の守り人」という称号を得たペイスの影響によって、領地の発展は著しいがその分の忙しさもついてきて。

そんな中で当主のカセロールは、子爵位になったこともあるしこれまでの様に足を運ぶのではなく、モルテールン家が人を招く社交会を開くことを決めて。

国軍の大隊長やっていることもあって、実務はペイスに降りてくることになってましたが……その仕事を引き受けた上で、一つの「お願い」をしていくんだから、いつまでもモルテールン家が忙しいわけです。

 

ペイスのお願いは、魔の森の開拓に伴って国軍の力を借りられないか、というもので。

周辺の軍事的脅威が落ち着いている中であれば、一軍くらいは動かせるという国の事情。魔の森で、実戦に近い訓練ができるのは損よりも得の方が多いという軍の事情。

政治的な事情で与えられた称号の価値を測る、ペイスからの謎かけ的な側面もあったようですけど。

 

いろんな思惑が絡んだ結果として、その願いは聞き届けられることになって。

……「魔法が使える飴」について公表はしていないものの、魔法を使える部隊で開拓をしましょう! とかやってるの、神経何で出来てるんだって位の図太さで笑った。

緊急事態に治療魔法をかけてもらえるというアメを与えることで、口を噤んでもらったりもしてましたけどね。騒動の種になるだろうことを察して、心にしまい込む賢明さをバッツィエン子爵が持っていてくれたのは幸いでした。

 

開拓も社交も、おおむね順調に進んでいましたが……。モルテールン家の価値が上がるなかで、その家に連なる次代の子どもたちもまた当然興味の対象となって。

他家からの婚約交渉が持ち込まれてきて、なかなか厄介な状況になりそうでしたけど。

ペイスがトンデモ解決方法を提案したりしてましたが、関連する貴族それぞれに利益があるものだったので通ったのには笑った。

 

書き下ろしは『第三十三.五章 ジョゼフィーネ奮闘記』。

ウランタと結婚したペイスの姉ジョゼの周辺について描くエピソード。

ペイスが弟として「身だしなみには気を遣う方」だとかウランタが情報を得ている微笑ましい場面もありましたが。

仲良くしつつも他家の人間だから、と姉に交渉カードを与えないような行動をとっているのも地味ながら好き。……まぁ姉弟関係は基本良好なので、社交会では姉の好物準備したりしてるんですけどね。

でもペイスが姉に慣れているように、ジョゼもまたペイスを理解していて。騒動の決着でモルテールン家が得た利益について、しっかり連想できているのは偉かったですねぇ。ウランタの行動を決める指針になってましたし、ここも良い夫婦関係築いてますよね。

シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~ エキスパンションパス16

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「クライマックスの覚悟は出来たか? ミーティアス!」

「…いいね 来なよ! 倒すなら それに勝たなきゃ意味がないと思ってた!」

 

応援として駆けつけたFPS側で、優勝に貢献してのけたケイは流石のプロゲーマーというか。彼は彼でFPS大会に乗り込んだ上で格ゲーハシゴするわけで、シルヴィのスタミナが凄いと評価してましたけど、彼は彼で凄いですよね……。

エンジン全開で全力で挑むカスプリ相手に、テンション上がって本気で来いと煽るリアルミーティアス。

カスプリ式の断風とかコミカライズで絵がついてより分かりやすくなってて、迫力バッチリで良かったですね。

 

全一相手に、コスプレした無名の相手がこれを繰り広げていると思うと、会場大盛り上がりだろうなぁと思うのですよ。

実際、エクストララウンドに繋がるまでの合間での歓声とかすごかったですからね……。

ヒーローの超必殺技を耐えてNPCを救って、その上で自分の超必殺技をぶつけるとか本当に劇的すぎますし。

 

エクストララウンド、WEBだと一時対比してコーヒーブレイク挟む小ネタがあってあれはあれでクスッと笑えて好きだったんですが。コミカライズの方はかなりテンポよくまとめてくれてて、勢いよく楽しめるコミカライズ版も好きだなぁ。

そうやって外道衆が奮闘して稼いだ時間で、ついにケイがシルヴィと戦う舞台が整って。そこで「俺は今日君に勝つよ」と格好良く決めていたの、良かったですね。

外道衆に応援を頼んだ以上、それだけの結果は掴まないとっていう歪んだ信頼関係も好きです。実際、2人のアドバイスと作戦とが刺さって1ラウンド目取れてましたし。

……その後、怒りの全一にボコボコにされたんですけど……。

 

巻末SSは『突撃! 深みの晩ごはん』。格ゲーが熱すぎてうっかり忘れてましたが、そういえばシャンフロ本編では「深海でクターニッドと握手!」してるところでしたね。あくまでEXへのヒントを求めていたわけで、準備が完璧とも言えず……食糧問題が発生したプレイヤー達の反応について。笑えた。

エキスパンションパスSSは『三匹の子ぶた共VS 識別名「おおかみ」』。外道三人衆、新たなクソゲーに挑む回なんですが……本当にクソゲーのネタ尽きなくて楽しませてもらってます。

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第五部女神の化身XII

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「神々よ、英知の女神は私に嘘を吐いた。ユルゲンシュミットの礎を満たしてもローゼマインから神々の御力は消えなかった。これは神々が望んだ結末か?」

(略)

「最も神々に祈りを捧げてきたローゼマインこそ、最も生きる価値がある。呪うならば私にすべきだった。これより呪いと化した祝福を返す。神々に翻弄されたローゼマインに正しき祝福を」

 

本編完結となる第五部12巻。

ローゼマインの記憶を取り戻すために奮闘しているフェルディナンド視点のプロローグからスタート。彼の視点から見ると英知の女神があまりにも神様過ぎてなぁ……。

呪い返しまで視野に入れて行動をしていたとなれば、本当にできる事全部やったんだなと感心してしまった。

それなのに「後はフェルディナンドがなんとかしてくれる」と楽観決めてるローゼマインみたら、苦言の一つも言いたくはなるか。

 

あまりにも本好きすぎて、一般的な男女間の感情については理解できない。

それでもフェルディナンドが大切だというのは間違いなくて、彼との関係を受け入れることにしたのは、落ち着くべきところに落ち着いた感はありますね。

そして新たなツェント・エグランティーヌとの対話、婚約からの領地でのアウブとしての宣言が入って。

WEBにはなかった、まだ信頼できる貴族が少ないためにエーレンフェストに一時的に帰還して諸々の準備を整える章が結構なボリュームあって良かったですね。

 

それぞれの側近たちにも想いがあって。ローゼマインの筆頭文官としての地位をより早く確かなものにしようとアレキサンドリアでの滞在期間を延ばすことを選んだハルトムートは相変わらずだなぁ、と思いましたし。

親族の扱いについて聞いたアウレーリアについても、彼女の置かれた状況を思えば納得できるリアクションではありましたか。あとは、ローゼマインがエルヴィーラから「貴女以外の誰にもできなかったことです」とお褒めの言葉を貰っているシーンも尊くて良かった。

 

就任式で、他の領地から不満が出た時もローゼマインは隣にフェルディナンドが居たこともあって落ち着いていたの良かったですね。

……魔王様の策略に嵌められた人、というのが明確だったし。反撃できる状況でもあったからなぁ。言われたままで終わらない、大領地のアウブらしい姿勢は見せられたのでは? 

 

なろうの方の活動報告で書かれていましたが、ローゼマインとフェルディナンドが就任式で切ることになった「(結果的に)互いの髪の色になった服装」は、『このライトノベルがすごい! 2024』の表紙イラストになっているそうです。言われてみればそうか。

あと、口絵のカラーイラストが「帰宅」のシーンを採用していてネタバレになるから、と巻末に置かれているのも珍しい配置でしたが、こだわり感じてよかった。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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