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私の目標は大公妃になることじゃない
その椅子取りゲームに参加するつもりはない
私の欲しい椅子には 花はいらない
アクラウド公国のリトハルト侯爵家。
家格は高いものの、民に親しんでいるというか。ありていに行ってしまえば超貧乏。
祖父の代に起きた大飢饉と、その後に続いた水害などで民を飢えさせてはならないと財産を放出したとか。
カツカツながらも乗り切って、長女がパッチワークして家計を助けなければならないとか影響は残り続けてるみたいですが、一家離散とかしてない辺り優秀な家ではあるんでしょう。
そんな家の長女テレーゼの下に、国を治める大公からの使いがやって来て……。
有能ながら独身で婚約者もいない大公のお相手を見定める為に、ある程度の家格の令嬢を花嫁候補とし城に集め様子を見ることになったとか。
その選定にはかつてこの世界にあった「魔法」、その残滓を宿した指輪が使われるとかで。
大公妃に相応しい教育も受けてない自分は選ばれることはないだろう。けれど、上手くすれば城に女官や側近としての道も開けるし、何よりこの選定に参加するだけで礼金が与えられる。
玉の輿なんて夢は見ずに、よりよい未来を堅実につかむために努力しようとするテレーゼが逞しくて頼りになる話ですね。心の中の天使と悪魔じゃないですけど、デフォルメテレーゼが心の声を発してくれる辺り、コミカルで読みやすさもありますし。
自分に不足してる部分を自覚して、それを補おうとするテレーゼはかなり好感度高いです。
大公には大公で思惑があって令嬢たちを集めたようですけど……誰もがテレーゼみたいに、堅実路線で行くはずもなく。
女の嫉妬による争いが生じてて、あぁいやだ。巻き込まないでもらいたいものです。
平民を侮って痛めつけようとする人もいましたしねぇ。取り巻きはアレでも、そのトップっぽいクラリス自身はしっかりと芯が通ってる御仁なのは、多少安心できましたが。
身分相応の振る舞いが出来ないと、何時か痛い失態を侵すかもしれないので、クラリスの物言いも間違ってはないですしね。テレーゼの視点で見てると、彼女と同様に「全く好きにはなれない」って気分にはなりますが。
女の争いが生じている状況を「有意義に過ごしてもらい何よりだ」とか言ってる大公、ホントに有能なの? とはちょっと思ってしまった。
平民をいびるような令嬢たちをあぶりだしたいのかもしれませんが、まぁそれに巻き込まれる方はたまったもんじゃないと思いますがねぇ。