気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

川口士

魔弾の王と凍漣の雪姫6

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「いままで俺は、俺自身の力だけで蒼氷星に矢を届かせないといけないと思っていた。でも、大勢のひとたちの声が、俺を高く押しあげてくれるなら……」

 

『黒騎士』ロランが守る、ナヴァ―ル城砦での異変。

それは、庶子ながら王子として正式に認められたバシュラルとの戦闘によるもので。

レグナスとロランが自分の命を狙っている、と諸侯の連合軍を率いてきたとか、濡れ衣着せるにしても相手が悪い気もしますが。ロランがそんな真似するかよ……

 

バシュラルの背後にはガヌロン公が居て、彼の意向には逆らえないようでしたね。

自らの野心の為にブリューヌに流れ着いたタラードが、バシュラルの副官を務めていて、ガヌロン一派のやり口に想う所はあるようでしたけど。

兵を集めたからには、容赦なく行動できる割り切りが出来る辺りは軍人らしいというか。

 

ティグルが、戦姫との交流が多すぎると内通を疑われているのには、正直笑った。

確かにミラに入れ込んでて、本編中でほとんどブリューヌに居ないけど、彼は彼なりに自国を大事にしてるよ……

まぁ戦姫5人との交流があるとか、疑われる要素としては十分ですし。ティグル自身も、弓を臆病者の武器呼ばわりしている自分の国と、しっかり向き合おうとしてこなったのかもしれないみたいな反省はしてましたが。

 

王国内で起きた内乱を見過ごせず、関わることになってましたが。ティグルが幼少期にまた別の女の子引っかけていたことが発覚。絶対探せばほかにもいる……

レグルスの側近となっていた友人、リュディエーヌと一緒に奔走していましたが。ブリューヌ編が1巻で終わるはずもなく。タラード達、完全な悪役とも思ってませんけど、やり口が好かないので痛打を浴びせて欲しい所。



魔弾の王と聖泉の双紋剣2

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「まだ身体ができていない幼少期から剣を学ぶ者は、今すぐ強くあろうとしてはならないと、どの流派でも教えます。それではいずれ成長したとき、ひどくバランスの悪い剣術になるからと。おそらくそれは、学問でも何でも同じなのでしょう。人は、いつか成長が止まった時に完成していればよいのです」

 

蘇った戦士たちによって騒乱渦巻くアスヴァール島。

偽アルトリウスは、王族や背いた者にこそ容赦のないものの、恭順した者は臣下として認めて運用しているとかで。

ギネヴィア派はギリギリのところで踏みとどまっている感じで、バランスが崩れれば瓦解しそうな所が他シリーズよりも強くてハラハラしますね。

 

舞台がアスヴァールという、ティグルやリムにとって異国でバックアップが心もとないのもありますし、敵が何を企んでいるか分からない神器を扱う伝承寄りの強者という事もありますが。

そこに本編では病を抱えていたサーシャを蘇らせて、完全無欠の戦士として鮮烈に加えるんだから容赦がない。いや円卓の騎士だけで持て余してるのに、本当に鬼。

後書きでもサーシャのスペックの高さについては触れられていましたが……ロラン以外と対峙した場合の原案担当の川口先生のお言葉よ。逆にあれと張れるロランが凄いというべきか。

 

サーシャを交えた会戦は、一先ずの決着はついたものの損害も多く。

ギネヴィア派は、未だ騎士を鮮明にしていない諸侯を取り込もうと動いて。

アルトリウス陣営も、本土に派遣していた円卓の騎士を戻したりもしていましたが。

蘇った人々もまた一枚岩ではないのが明らかになったと言いますか。モードレッドが、ヒールとして完璧なロールを徹底していたよなぁと言いますか。

あそこまで悪者&小物ロール出来るのは凄い。態度に見合った実力があるのがさらに酷い。

新たな円卓の騎士との戦いもあり、ギネヴィア達はいくらかの情報を獲得していましたが……まだまだ後手に回っているなぁ、という感じ。

どうしたって劣勢側なので仕方ない部分もありますが。サーシャ、アルトリウス、弓の王。少なくとも敵には強力なカードが三枚あって、結果がどうなるか不安で仕方がない。



魔弾の王と凍漣の雪姫5

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「長々とした話になったが、俺が言いたいのは、何かになるときに、それまで自分を育んできたものを捨てる必要はないってことだ。むしろ積極的に使っていこう」

 

魔弾の王の伝承を探るべく、ミラ達と少数でザクスタンに入ったティグル達。

天候に恵まれなかったり、ザクスタンがアスヴァールと不仲な事もあってそこに至るまで思うようにいかなかったようですけれど。

トラブルに巻き込まれないようにしようと思っていたはずなのに、巻き込まれていくんだからもうブラックホールか何かですかね。運命力が強い。

ザクスタン。王家と土豪とで対立している山と森の王国。

不幸な事故でミラとはぐれ、ティグル達は王子と同行し、ミラは土豪の有力者に保護されるとか狙っているのかという位の運勢だよなぁ。

 

表紙にも居ますが、流浪の戦姫オルガとミラが邂逅。

幼く未熟だったため知見を広めるべく領地を離れ、それでも竜具に見放されなかった少女。

本当、竜具の好みと言うのは分かりませんな。でも、いきなり領地経営を任されても、そりゃあ混乱するでしょう。戦姫の継承の性質上、優秀な補佐が揃っているとはいえど、失敗してしまうのも無理はない。

そこで一度立ち止まってしまったけれど、学ぼうとすることを止めなかった辺りは評価したい。遠回りをしたように思えますが、彼女には必要だったんでしょう。…独特の距離感が好きなので、オルガには評価甘め。

 

ザクスタンの騒動に巻き込まれる形にはなりましたが、ティグル達が出会った王子も、ミラを保護した人物も誠実で、意見を聞く余裕のある御仁で、ストレス少な目で読めましたね。

実際、この国でも魔物の暗躍があり、その芽を摘むことに成功しているので、結果としてはティグル達の行動がいい方向に動いているように見えますが。

別のところでも動いていて、それが最後に噴火したように見えるので心配。

あとはしっかりザイアンの描写が入っていて、相変わらずでしたね。多少丸くなった感じもしますし、ここまでくるとなんかもう長生きしてほしいな、みたいな気持ちも湧く。
ブリューヌ編で、どうなるかなぁ……



魔弾の王と聖泉の双紋剣

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「もう迷わない。けっきょくのところ、足掻き続けるしかないんだな」

 

川口士先生原案、執筆瀬尾つかさ先生で送る、新しい『魔弾の王』。

今作のメインヒロインはリム。

彼女がもし、幼少期のティグルに出会っていて、彼の歩む道が変わっていたら。

いやぁ、ルート分岐が多いね。むしろティグルが攻略される側なのでは。
幼少期に彼と出会うというイベントを発生させられたら、そのヒロインの勝ち。

失敗すると『魔弾の王』本編でエレンルートに入ってしまうのだ……

 

舞台はまたしてもアスヴァール。

しかし、今回はこれまでとは一段と違った展開にになっていましたね。

アスヴァール建国の祖、初代王であるアルトリウスが蘇り王座を奪取。その際に当代の王族はほぼ殺した模様。略奪者として正しい手だけど、末裔にたいして容赦ねぇ……

ギネヴィアはいつもの趣味で旅の途上にあったため、辛くも命を拾って。

 

そんな彼女が避難した村に、不運が重なってリムとティグルが到来。

客将としてライトメリッツの作戦に従事していた彼らは、敵が使役していた竜に捕まり、アスヴァールまで運ばれてしまった。

混乱している異国で、易々と帰れるはずもなく二人はギネヴィアへ協力を決めて。物資やら人材やらが限られた状態で最善を尽くしてたと思います。

途中で合流して、三人の無茶ぶりに衝撃を受けていたリネットさんは、中々いいキャラしてると思うので今後も登場してほしい。

 

蘇った死者たちは、魔物の殲滅を一つの目的としているようですけど。それ以外はどうなっても良いと思っている感じがして怖い。

彼らを止めたいと助力してくれる精霊なんかも居ましたし、この世界思った以上に神秘残ってるんですね……



魔弾の王と凍漣の雪姫4

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「だいじょうぶよ。ティグルは『力』の怖さを知っているもの」

 

アスヴァール王位争奪戦、決着。

いやぁ、『魔弾の王と戦姫』とはまた違った方向に進んでいって楽しいですね。

ティグル達が居るギネヴィア側だけでなく、ジャーメイン王子陣営も描かれていましたが。……彼が密告を推奨する様、じりじりと転げ落ちている感じでハラハラしましたねぇ。

 

敵陣営の方が多く、相手に余裕を与えないためにも動く必要があって。

ティグルは、まだまだ視野が狭いというか。ミラに教えられることも多い様子。

……どの作品においても、彼は周囲に恵まれていると言いますか。良い指導者に遭遇してますよね。今代の弓である彼の強みは、その辺りにもあるのでは。

 

アスヴァールの抱える問題。大陸の民と島の民。そのバランスをとるのが難しいという話もありました。

ウィルから過去の事を聴き、「正しい答えがわからない」と言えるギネヴィアは良い補佐が居れば上手いこと統治してくれそうですが……

アスヴァール王の覚醒と、ジャーメインの行動がまた重く響きそうといいますか。

 

終盤のギネヴィアが、微妙に不穏なんですよねぇ。高揚感が悪い方向に向きそうな気配を感じる。

襲撃受けて撃退したりもしてましたが……戦った相手がまた厄介な状況を招きそう。前作を知ってると正直何してくれてるんだ! って感じなんですけど。

ギネヴィアが察知した、妙な気配の事もありますし、彼女がココで死ぬってことはないと思いたいところです。




魔弾の王と凍漣の雪姫3

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「その気性に合ったやり方というものがあると、私は思います。私の息子は弓に長け、弓を愛している。欠点を是正するのも、あるていどは必要でしょう。ですが欠点を認め、その上で得意なこと、やりたいことを伸ばしてやるべきだというのが、私の方針です。我が領地は小さく、人材も豊富とは言えません。何でもできるような人間はおりませんから」

 

侵略してきたアスヴァールの第二王子を捕え、彼に協力する事をジスタートは決めて。

同じくブリューヌもアスヴァールの姫に協力を要請されて人員を派遣する事に。

ティグル状況によっては危うい立場になったと思いますが、ブリューヌから派遣されてきていたのがロランだったのが救いですね。

 

ウルスの教育方針がいいですねぇ。

彼の元で育ったからこそティグルがブリューヌ人ながら弓に長けた逸材に育った、と。

施設として訪れた際に彼に出会って、ギネヴィアが決意したというのも運命の巡り合わせを感じる。

 

違う勢力に味方をして、相手の様子を窺っていた2陣営でしたが。

レスターという裏切り者が、好き放題暴れていたので一時共闘する事に。

しかし、二人の戦姫と黒騎士が先頭に立ち、その後ろからティグルが射撃支援するって鬼のような陣形ですね。

魔物たちも最終的な狙いはMF版と大きく変わりはないと思うんですが、目覚めている顔ぶれに違いがあって楽しいです。
王子はかなりあっさり退場したなぁ、という感じ。まぁ、ブリューヌとジスタートと違う陣営に置き続けるのも手間ですから、どこかでまとめる必要はあったでしょうけど、かなり驚きました。




魔弾の王と凍漣の雪姫2

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「俺も、君とともに戦えたこと、力を合わせてあの魔物を倒せたことを、誇りに思う」

 

エザンティスが代替わりしてるくらいで、他の戦姫の顔ぶれは変わっていないようですね。

オルガが行方不明になっているのもサーシャが病床に伏してるのも。

オルガの独特の雰囲気が好きなので、こちらでも出てきてほしいですけど、もうちょっと先にですかね。

 

相変わらずエレンとミラは仲が悪いというか。

ミラがティグルを大事にしているのも間違いなく、エレンがティグルに興味を持ったことで、さらに燃料を足されたというか。

ティグルがエレンと共闘したり、上手いこと仲を取り持てればいいんですけど。さてはて。

 

ブリューヌ王の命を受けて、ジスタート入りしたティグルが、本人の性分って言うのもあるでしょうけど、また問題に巻き込まれ続けてますね。

ガヌロン、テナルディエというブリューヌの暗躍大好き大貴族が健在なのと、他国の動乱も相まって酷くなりそうな予兆がある。

アスヴァールの王子を唆してライトメリッツを責めさせるとか、余計な事ばっかりするなアイツら……

ミラの母親が中々いい性格をしていて好きです。日々楽しそうだな。




魔弾の王と凍漣の雪姫

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「俺がアルサスを忘れるはずはないだろう! 生き延びたいからこそ、行動するんだ。今日の安全を得る代わりに、明日の危険を見落とすなどという過ちを犯さないために。ラフィナック。魔物というのは本当に恐ろしいんだ」

 

MF文庫Jで刊行されていた『魔弾の王と戦姫』のスピンオフというか。

ティグルやミラの両親が健在で会ったら。彼らが幼少期に出会っていたら、そんな違いから展開されていく戦記物ですね。

 

ミラに対してティグルが好意を全く隠していないというか。

身分違いではあるけれど、いつか武勲を立てて彼女の横に並び立つという決意が胸の中にあるからか、MF版とはまた違った顔が見られていいですね。

弓の腕が抜群で、ブリューヌでは蔑視されているというのも変わらずではありますが。

 

ムオジネルとの戦争で、応援として駆り出された黒騎士ロランとの縁が出来たり。

ルサルカという新たな魔物の存在が描かれたりと、かなり新鮮。

まぁ、新しい要素で言えば、鎌の戦姫がヴァレンティナから代替わりして、ミリッツァに変わっている所でしょうか。

魔弾のエピローグに置いて、爆弾発言した少女という事で気になっていたキャラですが。こちらでは当代の戦姫として接点増えそうですし期待。


魔弾の王と戦姫18

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「あなたに、この国の王になってほしい。私の後を継ぐ者として」

 

長らく続いたシリーズの最終巻。

策謀を巡らし、ジスタートを混乱に陥れたヴァレンティナを退けるまで。

彼女は彼女で自分の夢の為に全力を尽くしていたんですよね。

 

裏で動いて、策謀で人を蹴落としたりはしてましたが……わりと、ここにきて焦りも出たかな、というか。

思った以上に予想通りに行かず苦労している感じがありました。

 

ジスタートが揺らいでる中で、ティグルは親しくしている戦姫たちの手助けもあり、ぶっ飛んだ解決策をとることに。

そこにはユージェンの遺志なんかもあったわけですが……そうくるとは正直予想外でしたね。

 

二国の王として君臨するとか誰が予想できただろう。

あと、ダーマードが何だかんだティグルの側に残っているのには笑ってしまった。

異国の生まれという事でジスタートの統治にはかなり気を使っているようですけど、リムが彼の側近として一番近い場所にいるのは、上手いこと立ち回ったというか。

戦姫である他のメンバーではできなかったことですしねー。

いい最終回でした。



魔弾の王と戦姫17

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「涙を流した。埋葬した。魂の安らぎを神々に祈った。俺だけじゃない。みんな……みんな、そうしてきたんだ」

 

ソフィ―が調べものをして気付いた「魔弾の王」とティル=ナ=ファについて。

英雄となり、魔王となるという存在について。それがティグルではないかという考察。

これを聞いて、決戦に望めたのはティグルの助けになったでしょう。

何も知らずに突貫することほど恐ろしいものはないですしね。

 

エレンとフィグネリアの戦いは、リムの補佐を受けながら、危うい場面もありましたがエレンが勝利。

オルガやリーザの対応する事になった叛乱も、ミラとソフィー側のムオジネル軍関連も、さくっと鎮圧出来たそうですし、戦姫のスペックの高さを見せつけられた感じですね。

 

一方で彼らが気にしてやまないティグルは、ガヌロンからの脅迫を受け一人ザガンという地域へ。

ガヌロンの企みによって、世界は順調に変化していて、立ち寄った村で魔に変じた村人と戦う羽目にもなってました。

無事に辿り着き、一人で戦っていましたが……そこに応援が駆けつけてくれる、というのが熱かったですね。別々のところにいた仲間が集ってくる展開は見事。挿絵も良かったです。



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