「ライトメリッツに行くかと、私はおまえに聞いたな。その言葉を覆すつもりはない。おまえが望むのなら、手を尽くそう。戦姫さまも説得しよう。だが、本心を言えばこのままルブーシュに留まって、戦姫さまにお仕えしてほしい。勝手なことを言っているのは十分に承知しているが……」
(略)
「――あの方には、おまえが必要だ」
絵師が変更になりました。
まあ、途中で挿絵ない巻とかあったから、体調含めていろいろあったんでしょう。
ジスタート王国でも地位の高い公爵と伯爵が、毒入りの酒を送られたという事で一触即発の状況に。
次期国王の座というあまり表に出せない情報と、王宮での魔窟具合がまた。
鎮圧のために戦姫が出陣し、エレンとエリザヴェータが邂逅する。
記憶を失ったティグルをめぐって思うところはあるようですけど。
とりあえず、無事に鎮圧を行います。
あらすじにあるみたいに、戦姫同士で激突という展開にならなかったのは、詐欺なようなほっとしたような。
今回は、結構ゆっくりした進行。
騒乱の鎮圧。エリザヴェータの元で功を積むウルス。
ウルスがティグルである核心を得るために人を動かすエレン。
初めて飾らない言葉で自分と向き合ったウルスをエリザヴェータは大分気に入っているようで。
弓の腕とかから、ティグルなんじゃないか、と疑っているけど、自分を誤魔化しているあたり相当。
記憶を失っていてなおここまで人を引き寄せるとか、ティグルは本当にぶれないな・・・
一方、あの鎌持つ戦姫、ヴァレンティナについての描写もそれなりにありました。
結構策を練って手を回して、陰謀を張り巡らせて、決起のタイミングを計っているようですけど。
こんなのが王宮に入り込んでいて大丈夫なんだろうか、この国。
あちこちに騒乱の種まいているようですし。
公爵と伯爵の争いについても発端はこの戦姫なわけで。
気になるのは、第一皇子のことですか。暗躍しているヴァレンティナにも陰謀の影を見つけられたなかったとのことですが。病に侵されて、目の焦点があっていない不審な状態だってことですが・・・絶対何か絡んでそうな気がしますけどね。
公爵たちの騒乱が結構早く落ち着いたと思ったら、ティグルの記憶喪失の方を引っ張るんですね。
エレンもティグルだろうとは思っているけれど、万一、人違いであったとしたら。
ティグルの立場が重要であるがために、でっち上げたのではないかと疑いをもたれることになる、と慎重に調べざるを得ない。
他の戦姫、しかも因縁がある相手の元にいるっていうのもまた面倒な話で。
これが、ヴァレンティナ以外の他の戦姫の元だったら楽だったのに・・・というか、ヴァレンティナとエリザヴェータ以外の戦姫は普通にティグルが分かるか。
さて、ようやく記憶の断片を取り戻しつつあるティグルでしたが、なにやら暗躍している人に見つかってしまったようで。
ティグルの母国でも、いろいろ動きがあったり、魔物が登場したりと動きがないわけではないけど、展開が緩やかなので・・・次の巻はまだですか。