気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

川口士

魔弾の王と戦姫9

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「ライトメリッツに行くかと、私はおまえに聞いたな。その言葉を覆すつもりはない。おまえが望むのなら、手を尽くそう。戦姫さまも説得しよう。だが、本心を言えばこのままルブーシュに留まって、戦姫さまにお仕えしてほしい。勝手なことを言っているのは十分に承知しているが……」
(略)
「――あの方には、おまえが必要だ」


絵師が変更になりました。
まあ、途中で挿絵ない巻とかあったから、体調含めていろいろあったんでしょう。
ジスタート王国でも地位の高い公爵と伯爵が、毒入りの酒を送られたという事で一触即発の状況に。
次期国王の座というあまり表に出せない情報と、王宮での魔窟具合がまた。
鎮圧のために戦姫が出陣し、エレンとエリザヴェータが邂逅する。
記憶を失ったティグルをめぐって思うところはあるようですけど。
とりあえず、無事に鎮圧を行います。
あらすじにあるみたいに、戦姫同士で激突という展開にならなかったのは、詐欺なようなほっとしたような。

今回は、結構ゆっくりした進行。
騒乱の鎮圧。エリザヴェータの元で功を積むウルス。
ウルスがティグルである核心を得るために人を動かすエレン。
初めて飾らない言葉で自分と向き合ったウルスをエリザヴェータは大分気に入っているようで。
弓の腕とかから、ティグルなんじゃないか、と疑っているけど、自分を誤魔化しているあたり相当。
記憶を失っていてなおここまで人を引き寄せるとか、ティグルは本当にぶれないな・・・

一方、あの鎌持つ戦姫、ヴァレンティナについての描写もそれなりにありました。
結構策を練って手を回して、陰謀を張り巡らせて、決起のタイミングを計っているようですけど。
こんなのが王宮に入り込んでいて大丈夫なんだろうか、この国。
あちこちに騒乱の種まいているようですし。
公爵と伯爵の争いについても発端はこの戦姫なわけで。
気になるのは、第一皇子のことですか。暗躍しているヴァレンティナにも陰謀の影を見つけられたなかったとのことですが。病に侵されて、目の焦点があっていない不審な状態だってことですが・・・絶対何か絡んでそうな気がしますけどね。

公爵たちの騒乱が結構早く落ち着いたと思ったら、ティグルの記憶喪失の方を引っ張るんですね。
エレンもティグルだろうとは思っているけれど、万一、人違いであったとしたら。
ティグルの立場が重要であるがために、でっち上げたのではないかと疑いをもたれることになる、と慎重に調べざるを得ない。
他の戦姫、しかも因縁がある相手の元にいるっていうのもまた面倒な話で。
これが、ヴァレンティナ以外の他の戦姫の元だったら楽だったのに・・・というか、ヴァレンティナとエリザヴェータ以外の戦姫は普通にティグルが分かるか。
さて、ようやく記憶の断片を取り戻しつつあるティグルでしたが、なにやら暗躍している人に見つかってしまったようで。
ティグルの母国でも、いろいろ動きがあったり、魔物が登場したりと動きがないわけではないけど、展開が緩やかなので・・・次の巻はまだですか。

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉9 (MF文庫J)
川口 士
KADOKAWA/メディアファクトリー
2014-05-22
 

千の魔剣と盾の乙女12

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「――おまえら」
そう言ったときには、バルトゥータスはロックたちに再び背を向けていた。
「やつは俺がもらう」


バルトゥータスとロックの師弟対決。
短いながらになかなかの密度だったと思います。
ロックも強くなっていたけど、バルトゥータスもまた強かった。
帯からして「バルトゥータスVS魔王バロール」ですし、もうこれ主人公バルトゥータスでいいんじゃない、みたいな感じもあちこちにありましたが。

さておき、最終決戦。
これほど、まっすぐにラスボスを体現した敵というのも珍しい。
容赦なく与えられる死の魔眼、巨大な体躯、圧倒的なまでの戦闘力。
そしてそんなラスボスに対して同じようにまっすぐぶつかっている主人公たちがまぶしい。

ドゥガルドの最期なんて壮絶でしたけど、その顔に最後笑みを浮かべたというのがまた。
魔王に一度破れ、生き延びたのち、呪いを刺青で抑え込んだ状態でなお戦いに臨んだ男の姿というのが、これ以上ないほど、まぶしい。
ファーディアにも活躍の場所があったのはいいですね。
剣と術を両方扱える彼ならではの援護がありましたし、戦場にも駆けつけて活躍をしていました。

ロックだって、ホルプと協力して攻め続け、魔鋼を用いた技でもって、魔王に傷を負わせますし。
他のメンバーだって、活躍していないわけじゃないです。
でも、やっぱり今回の主役はバルトゥータスだったなぁ、としか。

今回もう一人のメインが誰かといえば、ロックではなく、リャナンシーになるのかな。
リャナンシーは、自分の思惑を持っているようだっていうのはうすうす感じていましたが。
彼女の過去、考えていたこと、過ごした時間。
そうしたものが描かれていくにつれて、リャナンシーっていうキャラが結構好きになってきましたねー。

見事魔王を討ち果たしたと思ったら、魔鋼も残さず消えたのかとか思われていたケンコスが暗躍。
因縁が続き、第三部に突入ということに。
バルトゥータスたち師匠組は、魔王を倒したこともあり、名誉職など与えられて注目される存在に。
こうなるとあまり自由に身動きもできないでしょうから、本当にロックたちの物語に移っていくんですかね。
しかし、あのメンバー的に一人抜けがあるというのはなかなか大変そうですけど、さて、どうするのかな。



千の魔剣と盾の乙女11

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「ロックは、あの人に証明しなければならないんです」
「足手まといではないことを、ですか? 傷だらけでも戦えると……」
(略)
「弟子ではなく、戦友ではあることをです」 


前回、ようやくホルプを取り戻したロックたち一行。
それ自体は喜ぶべきことですが、その回り道によって、魔王城攻略戦には間に合わない時期になってしまっていた。
焦りを感じていますが、ここで戻ってきたホルプが活躍。
大陸のあらゆる場所へど移動できる転移門がある塔に向かうことに。
アドバイザーとしても優秀ですし、相棒がいることでロックがいつも以上にまっすぐになった感じもするのがいいでうすね。

一方で、魔王城へと向かうガーリャ。
術を巧みに使って、進んでいっているようです。
ただまぁ、都市を使っているとはいえ、実質的には船旅みたいなもので。
向かう先が魔王城ともなれば、いろいろ不安が出てくる場面もあるようです。
バルトゥータスが魔剣使いと試合を演じたり、ニーウが会話して回ったりと、手は打っていますね。
で、向かってくるのをそのまま放置する魔王でもなく。
ケンコスやリャナンシーといった、高位の敵がガーリャに攻撃を仕掛けてきたりします。

ただまぁ、魔王は今回あまり動きがないので、決戦前の準備段階といった感じもありますね
魔王が何かしたのって、サーシャの盟友だった竜が、様子見に来たのを返り討ちにしてパワーアップしたくらいですか。
逃げられる当てがないのに、単身で突っ込むとか何やっているんですか、ヴェロニカさん。

ケンコスを打倒し、魔王との最終決戦に臨む、その手前。
バルトゥータスは、弟子のロックを追い払おうとします。
そして彼は証明の為に剣を師へと向ける。
こんな時に何やってるんだ、とも思いますし、熱い展開だなぁ、とも思います。
いいさじ加減でイベントが進んでいくので、退屈しませんね。


魔弾の王と戦姫8

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「以前にも言ったと思うが、泣くことは決して恥ずかしいことではないのだ。誰かを想ってならば、なおのことな」


今回はティグルが船から落ちて行方不明になった後のエピソード。
まー、どうせどこかで出てくるんだろうとは思っていましたけど、再登場もバレも早かったかなぁ、という印象。
主人公不在の状態で進んでいく物語は、二人の戦姫、サーシャとエリザヴェータが海において、魔物トルバラン率いる海賊と戦う話。
戦姫たちもそれぞれに魅力があって、主人公と並び立つ、主役級のキャラクターだと思います。
特に、サーシャの戦闘シーンや、エレンとの友情、最後の挿絵など、魅力が余すことなく描かれていたといえます。

しかし、なーんか物足りない。
結構好きなシリーズなんですが、主人公不在だと、なんかテンポが悪いなぁ、という感じがして、どうも読むのが遅くなりましたね。
 
エリザヴェータも、なんかいけ好かない性質の人なのかと思っていたら、案外いい人?
というか、苦労性の人なんだろうなぁ。
戦姫というシステム上、前任者と比べられることも、特に多いだろうし。
役目を放棄したように見える、とオルガのことを嫌っているようですけど、腹を割って話せば案外仲良くなれるんじゃないだろうか。
戦姫がそれなりの権力があるといえど、不在の期間がどうしても生まれる手前、官吏側にも言い分ややり方、権限や思惑などがあるわけで。
ひょっこりであった、弓に秀でた記憶喪失の若者を傍に置こうとしたら、前任が云々、一芸だけで引き上げるのはどうかだの、いろいろといわれているわけで。
その立場にふさわしくあろうとして、わがままも許されないっていうのは、少しかわいそうかなーと思いました。
初めての我儘がなんかすごい火種になりそうな感じもしていますしね。
ただまぁ、エリザヴェータは、トルバランが指摘していましたけど、なにか怪しいものと契約しているようで。その辺がどう響いてくるか、だよなぁ。

あとは、鎌持つ戦姫、ヴァレンティナ。
絶対黒幕こいつだろう、みちいな感じがするんですけど、さてはて。
王位継承権をめぐって、いろいろともめごとが発生しそうというか、もうことが起きてしまった感じがありますけど。
王様もいったい何を考えているのか。
あの王は、結構得体がしれない部分ありますよね。
何を考えているんだか。

今回ティグルを助けた声、魔物とは何なのか。
話は動いているんですが、明かされていない謎が結構多いよなぁ、という感じです。
そろそろ魔物とは何なのか、知りたいところですけど、まずは国内の状況を落ち着かせるところまでいかないと、話進まない気がしますねぇ。

魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉8 (MF文庫J)
川口 士
KADOKAWA/メディアファクトリー
2014-01-23
 
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