《君を《箱のまま》認めてもらうために、君は君のままチカラを振るってもらいたいんだ》
《『箱のまま』で良いのですか?》
《もちろん。『箱のまま』でいてこそ君だと、思っているからな》
1巻が「婚約」だったところ、今回は「結婚」に至るまで。
モカは第二王子サイフォンの婚約者であるわけですが、対人関係に難がある「箱入り令嬢」。サイフォンも面白い事大好きな、変わり種と思われている部分があって。
一方で第一王子フラスコは粗暴な部分があると言われていたり、近ごろかねてより決まっていた婚約を独断で破棄して、新たな令嬢を婚約者に迎えた経緯があって。
今は引退してしているものの、現国王の叔父でもあるニコラス翁が社交の場に出てきて、「どちらの王子にも、現状では認めがたい部分がある」と言われてしまって。
関係を認めてもらうためにも、手を打ちたいところではあった訳ですけど。
フラスコの指示派閥は、サイフォンを排除しようと暴走しかけている過激派が居たり。フラスコの新しい婚約者コンティーナ嬢が怪しい動きを見せていたりして。
一方、婚約披露の際にも『箱』のままでその姿を現したモカにあやかって、平民たちの中では空前の「箱」ブームが始まって、彼女の箱をモチーフにした資材運搬用の箱が作られていたり、箱まで食べられる箱入りクッキーとかいろんなグッズが作られていたり、たくましい市民の姿見られたのは楽しかったですね。
お忍び調査に出向いた先で、同じくお忍びで動いていたフラスコと鉢合わせて、城で見ているのとは違う姿を見ることになって、フラスコとサイフォンの間にあった溝も今回の騒動を通して埋まっていったのは良かったですね。
モカ、自分の魔法を最大限活用した情報収集をして、情報屋としての顔まで持っていたとかで、箱入りという面白令嬢ではありますけどスペック高いんですよねぇ。
なんだかんだで最終的には裏で動いていた連中を排除した上で、自分の資質を認めてもらうことも出来たので良かった。