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「友達になろうぜ、咲耶。俺は、『文月』でも『魔女』でもない、ただの咲耶とそうなりたい」

 

主人公の陽南飛鳥は、異世界に「勇者」として召喚され、「魔王を倒してくれ」と依頼された。

その隣人である少女・文月咲耶は逆に魔王に呼び出され、「勇者を倒してくれ」と依頼されて「魔女」となった。

敵対陣営だった二人は、戦いの中で再会しなんだかんだあった末、なんとか現代地球に帰ってくることに成功したわけですが。その時には既に二年の時間が経過していた。

地球に帰還しても異世界での技能は仕えたので、魔女の魔法でそのあたりの認識はある程度誤魔化してもらったみたいですけども。

 

年齢経過による成長まで誤魔化せるわけでもなく。……要するに高校を留年している事実までは確定していて。

異世界の常識に影響を受けたこともあって、特に飛鳥の方は学校でも浮いている状態だった。……まぁ彼はクラスに馴染む以前に、金銭的な事情にも恵まれておらず、生活もなかなか厳しい水準になったりしてて、ベースが過酷なんですが……。

 

そんな飛鳥の隣人でもある咲耶は、魔女としての様式美にこだわってなぜか窓からやってくることがあって。

深夜におろしたての服着てめかしこんで訪問してるの、可愛いですよね。タグきり忘れている抜けている部分もあるのも、微笑ましいし。

飛鳥のいう所の「異世界ボケ」に悩まされている二人は、元々クラスメイトで委員会が一緒だったりして顔と名前は知っている間柄だし多少の付き合いはあったようですが、「相手を良く知っている」と言えるほど親しくしているわけでもなかった。

 

そんな2人が改めて友人関係になって、不器用なりに交流していってるのは良かったですね。咲耶も一応お嬢様ってこともあって、他人と距離を置きがちだったみたいですし、相手が飛鳥であることもあってわりかしポンコツになってる時もあるんですけど。

異世界で大変な思いをした2人が、現代で平和な日常を送ってくれれば……良かったんですけどね。

「魔女」が地球で魔法を使えたように。「勇者」も聖剣を携えたままだったりと、それぞれが隠していたこと、秘めていた想いがあって。近づいたからこそ見えてしまった「隠し事」が明らかになって、派手にぶつかる羽目になったりもしてましたが。

そうやって一度ぶつかったことで、より親しくなれたのは良かったですねぇ。これからにはまだまだ課題が多そうというか、困難が待ち受けてそうですけど。2人で乗り越えてほしいものです。