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「はい。――それ全部、俺がしたいです。俺の権利にしてください。俺にしか、許さないでください」

 

ふざけていた男子に突き飛ばされ、階段の上から落下してきた女子生徒をかばった主人公の男子高校生、颯太。

友人は「天使が空から降ってきたかと思った……」なんて零していましたが。実際美麗な容姿と華奢な体躯を持つ美人さんで、注目されている先輩ではあったようです。

その名が、花茨篠。

基本的に周囲にそっけない態度をとるために「能面みたいな女」とか「いばら姫」なんて噂されている人物ではあったようですが。

 

颯太の前では感情豊かで、妙に距離感の近い先輩でもあった。

最初から「花茨」ではなくて「篠」と名乗って、颯太から「篠先輩」って呼ばれるように誘導しているし。

運動部に所属している彼に、自分の、女物のタオルを貸し与えることで周囲を牽制しようとしたり。

 

基本的に颯太視点で進行していくので、篠の態度にドキドキして振り回される部分も多いんですが。ふわわ、と笑う彼女の事が颯太は気になっていくわけです。

その心情だったり、距離が近づいていくさまが丁寧に描かれているので本当に微笑ましくて、心が温まるんですよねぇ。

颯太目線だといつも可愛い篠先輩ですけど、他の人の前だと警戒したりしてるのが伝わってくるの好きです。颯太相手だと普通に触れたり距離を詰めるけど、それは彼が特別だからというのが明確ですからね……。

 

ちなみにこちら、WEBからの書籍化作品になるんですが、WEB連載時の書くエピソードのタイトルが篠先輩目線の台詞になっていたりするので、気になる方はそちらも見てみるのオススメです。