「……一緒に、いてくれるの?」
(略)
「……違います。わたしが、いたいんです」
星美くんの幼馴染にして、「可愛い」にトラウマを持つ原因ともなった少女・未羽美憂が転校してきて。
彼女もまた色々と抱え込んでいた、というか。とある出来事から「可愛い」を嫌うようになってしまった母に逆らうことが出来ず、星美くんに酷いことを言うコトに繋がったみたいです。
自分が「可愛い」を奪われたからこそ、同じように「可愛い」を好きだった星美くんを同じところに引きずり落そうとした、だとか。大分湿度が高いというか。
そして、その行いを後悔している彼女は再会できた彼と仲良くしたいという気持ちがないわけじゃなかったみたいです。
ただその割には言葉のチョイスが致命的に悪すぎるよなぁ……って感じもしますねぇ。
ストレスが溜まって女装して楽しもうとしていたところ、その未憂と出会ってしまって。
抑圧されても「可愛い」が好きだという気持ちは変わらなかった未憂の葛藤を見て、「存在しない女子生徒」のコーディネートアドバイスを始めてしまうあたりが、星美くんだなぁ、というかなんというか。
幼馴染との再会からのアレコレでトラウマを刺激された星美くんでしたが、それを乗り越えていけたのは良かった。それに貢献したのが心寧ちゃんだっていうんだから、シリーズの積み重ねがあってこそですよね。完結巻ということで主人公を掘り下げていったのは王道の流れでしたが、良かったですねー。