世界は見方によってどうとでも変わる。
鉛を金に変えるように、変えられるのかもしれなかった。
白き者たちを追いかけて、かつて滅びた街まで足を運んだ錬金術師たち。
旧アッバスにおいて生活している人もわずかながらにいて。
しかしながら、伝承にある破壊の痕跡などから、この場所を街として再生させることはできず。
それゆえに、クースラたちが火の薬の謎を解き明かしたという事実に、「呪いが解けた」と喜びを感じていて。
アッバスに置いて彼らは、白き者たちの伝承にある「空を飛ぶ方法」の検証を始める。
騎士団の追手が迫る中、時間もない状況という事もあり、ポンポン話が進んでいきますね。
いつも通り試行錯誤しながら実験しているんですが、これまでの経験で錬金術師としての成長が見られますね。
……新しい発見に心躍りすぎて、あわや大惨事な事態を何回か引き当ててましたが。
クースラが想像していたように、騎士団から追手が来るだろうとは思っていましたが。
まさかアイルゼンが部下を連れてとはいえ直々にやってこようとは。
そして、白き者たちの伝承における解釈が色々と出てきて、コロコロと違う結末が連想されるのは中々面白かった。
街を一つ滅ぼしたのは証拠隠滅の為だとか。あるいはただの実験中の事故だとか。確かに、それぞれに理屈は通ってるように見えますが。
最後にクースラが語った結論は、中々ぶっ飛んでた。
この世界観の中で、その考えを導き出すあたり相当ですな。で彼の考えが正しければ既にそれに着手している人もいるわけで。
ここで一区切りとしておしまい、となってもおかしくはなさそうですが。完結ではなく、次の巻を書く予定はあるようです。
次はどんな謎を解き明かしてくれるやら、今からちょっと楽しみです。あと、クースラが巻を追うごとにフェネシスに対して腑抜けになっている件。そろそろ爆ぜろ。