「さあ――世界を変えてやりましょう!」
ソアラの父である国王が崩御。
どうしたって国力が揺らぐ瞬間であり……準備を進めていた敵国が居るのに、戦端が拓かれていなかったのはそれを待っていたからだ、とナオキは予想していました。
実際、状況はその予想通りに推移していくことになります。
戦力比などをしっかりと分析してるソアラは、このままでは戦に勝てないと判断してどうにか未来を掴もうと模索しますが。
「戦士の経験を不要と申すか!」と絡んで来たり、独断で行動したり、戦果を出せなかったからと更迭したら反旗を翻すような人材が居るんだからたまりませんね。
そりゃあ、勝てる状況であっても勝てなくなりますよ。その上、ファヴェールは弱小であり、敗色濃厚な状況だったわけですからね。
数学的な知見を用いて対処しようとする2人に対して、理解が及ばずに否定的な意見を持つのは分かりますけど。
口先だけで反抗して成果をだせないんじゃ、どうしようもないでしょう。
ソアラとナオキも数字に重きを置きすぎている、という悪癖があるのも否定できませんけどね。
絶望的な状況にあってもソアラは王女としての責任を果たさないといけないから、ナオキの「一緒に逃げないか?」という提案を拒否します。
ソアラが味方が居ない状況でも矜持を示してくれるので、自分たちの主張ばかりしてる侯爵だったり暗躍してた輩の姿がみっともなく見える。
一度は立ち止まってしまいましたが、それでも計算を辞めず未来を掴み取った結末は結構好きです。