「……内緒だよ?」
『お願い』を絶対に兼ねてもらえる力を持った少女、葉群日和。
そんな彼女に告白された少年、頃橋深春。
優柔不断な彼女と、基本的に即断即決な彼とでは随分と性格が違いますが。
自分に無いものを持っているから憧れた、と言うことで。
なんやかんやあって付き合う事となり、それなりに楽しい恋人生活を楽しんでいたと思いますけれど。
国際情勢はなかなかキナ臭い状況であるようですし……
そもそも、絶対の『お願い』なんて力を持っている少女が、普通であるはずもなく。
これまでにもその力を奮ってきた前歴があって、彼女自身はおろか周囲まで狙われるような事態まで勃発。
世界の問題と、彼女の問題とが混在する、岬鷺宮流セカイ系。
日和ちゃんはなんだかんだで、優しい子で見守りたいタイプではありますが。
持っている力が強大過ぎて怖いんだよなぁ。だからこそ、彼女の近くにいようとする選択肢が、貴く描かれるわけなんですけど。
『お願い』するだけで、大抵叶えられてしまうというのは、あまりにも応用が利きすぎるし、その割には詰めが甘くて、もどかしい一冊でもありましたね……