気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

春夏秋冬代行者

春夏秋冬代行者 春の舞 下

ico_grade6_5

「信じてくれ、絶対だ。お前を助けに行く」

『……わかった、待っている……早く来い……凍蝶』

 

秋の代行者が攫われてしまい……かつて攫われた春主従は、やられっぱなしでは終わらないぞ、と捜索チームに協力する事に。

その際に、夏の代行者たちに話を通したり、独自に動こうとした冬主従とも連携を約束したりと、かつて救われなかった少女がそれでも救おうとする行動は、とても尊く見えました。

 

まぁ、同情したからとか感情ベースの話ではなく(そういう想いが無いわけではないでしょうけど)、さくらなりに利益を求めての行動であった、というのも良いさじ加減だったと思います。あれだけ大事にしている主君を攫い、八年の断絶を味あわせてくれた相手に反撃したいという気持ちは、とてもよくわかる。

 

冒頭、春主従の過去についても明かされていましたが……それがまた重いというか。雛菊が攫われた後、三か月で探索が打ち切られたのも分かる冷遇っぷりというか。

代行者に選ばれたため最低限の扱いはするけれど、あれは尊重してるとは言えないでしょう。そりゃあ、失態を侵したとしてさくらを追放するのも分かるわぁ。中々の腐りっぷり。

親の因果が子に報い、なんて言葉もありますが……それをここまで突き付けられると、春の里一回叩いた方がいいんじゃないか、みたいな気になる。

 

協力体制を築いて、攫われた秋の代行者・撫子を探しに行くチーム。四季庁舎にて待機しているチームに春夏秋は別れて行動する事になって。冬は参加が遅れる代わりに、根回しをしてくれて……と言う連携が取れていたのは良いですね。

ただ、四季の主従が協力できても、四季庁舎とか公的機関の側に裏切り者が紛れ込んでいたらどうしようもないですよ。

 

襲撃を行った組織はここ数年羽振りが良く、金で職員を転がしたらしいですけど。その資金源となったのが、攫われていた雛菊なわけで。8年も攫われたままにしてなければ、そんな癒着も進まなかったでしょうから、これは春の里の失着でしょう。

……先代・春の代行者の時に既に里と四季庁の癒着は進んでいたようですし、すぐに改善できる問題でもないですけどねぇ。

 

賊の連中には、各季節を憎む根絶派やその能力をもっと活用しようとする改革派がいるそうですが……今回、代行者たちの能力行使を見ると、手を出してはならないと思ってしまいますけどねぇ。

御前とか、自分がやったことをやり返されるとは考えていない、自己中心的な考えを持っていたようですし、視野が狭い……。楽しい残業をしている春と冬の護衛、生き生きしてたんだろうなぁ……。無理もない。

 

あとは、他愛ないやりとりではありますけど、278Pの「すごく気になってきました。結婚式呼んでください」が妙にツボでしばらく笑ってました。

メロンブックスの短編小説つきセットを購入していたんですが、上下巻後のエピソードである外伝「冬桜」、『冬』短編「探梅」『夏』短編「いずれ菖蒲か杜若」が収録されていて、どれも面白かったです。本編に入っててもおかしくないというか。

凍蝶がさくらに贈り物をしようとする話。かつてのさくらと狼星についての話。事件後の竜胆とあやめの会話。あやめの婚約者の情報が出て来てましたが、伝聞だけでも中々好印象な人でしたねぇ。

春夏秋冬代行者 春の舞 上

 ico_grade6_5

「……あの頃があったから、いま、我々は此処に居るのです。誰にも負けない。どんなことも二人で乗り越えると、誓ったでしょう?」

 

冬しか存在しなかった世界で、神様が春と夏と秋を生み出して……その切り替わりを引き受けた人々が、「四季の代行者」として活動する事になった。

メインとなるのは、春夏秋冬を司る代行者とその護衛であるコンビが4つ。「春の舞」とあるように、春の二人が特に描写多いですね。

 

春の代行者・雛菊。彼女は、幼少期に攫われて……十年ぶりにお役目を果たす旅をしていた。かつての経験から護衛のさくらは彼女を、大事に大事に守ろうとしていますが。

過去の事件について情報が増えるごとに、他者をあまり寄せ付けず二人で行動しようとしているのにも納得できるんですよね……。

 

能力に覚醒した後、神話に則り冬の代行者が住まう里に滞在する催しがあるようですが。その際に冬の里が襲撃され、彼女が攫われてしまった。

それ故に、冬の主従も春の主従に対して負い目があり、沈みがちで。いや、第5章での詳細描写を想えばそりゃトラウマになるよ……。

 

各地に春を齎すために各地を旅していますが、その過程で夏の主従にも出会って。姉妹喧嘩してる姦しい二人の様子は、微笑ましかったですねぇ。

秋主従の描写も入っていて、幼い代行者と、仕事と割り切ってるつもりの護衛の二人。竜胆の方が、「春の代行者」について情報を知らない部外者として好き勝手言ってるのに少し思う所はありましたが。代償を払う羽目になっていたのは、誰がそこまでしろと言った……みたいな気分にもなった。

 

各主従それぞれ違いがあって、魅力的な世界が描かれていたので、読み始めたら止まりませんでしたね。

発売当初、TLで話題になっていて購入した後積んでしまっていたんですが、もっと早くに読んでおけばよかったと後悔するくらいには面白かったです。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
 コメント歓迎。ただし悪質と判断したものは削除する場合があります。

メールアドレス
kimama.tyaka@ジーメール なにかご依頼等、特別連絡したい事柄はこちらにお願いします。
メッセージ
アーカイブ
カテゴリー
記事検索
最新コメント
  • ライブドアブログ