生徒会役員として相応しくあることが、生徒会会計モニカ・ノートンの責務なら……。
(……これは七賢人である、わたしの……〈沈黙の魔女〉の責務)
プロローグから知らないエピソード(書き下ろし)だ……!
休日に街に買い物に行こうと頑張るモニカ。道中彼女を良く思わない令嬢に突っかかられたりして、出かける前から疲弊してるのは彼女らしかったですけども。
街に在らわれたはぐれ竜を、誰にもばれないようにこっそり倒してたり、無詠唱魔術って暗殺適性高いですよね。モニカ自身にそっち方面の才能がなくて本当によかった(危険視されて排除されかねないので)。
ラナと不器用に距離を詰めて友達になろうとしてるのも微笑ましくていいですねぇ。
生徒会会計として、まだ彼女の事を受け入れてくれてる人ばっかりではないけれど。しっかり仕事はこなしてるのが偉い。
でもエリオットも「成り上がり」が嫌いで、身の程知らずを毛嫌いする部分はあれど、身分にこだわるからこそ「貴族には平民を守る義務がある」と言える覚悟はある。
1巻で平手打ちしてきたブリジットも、モニカの事務処理能力は認めつつも、対人能力に難があるため生徒会役員には相応しくないと判断してるわけで。
理由あっての行動だから、納得はいくんですよね。カロラインみたいな気に食わないから嫌がらせしてやろう、みたいな感情の話じゃないので。
ダンスの授業で上手くいかず、第二王子にもフォローされた上で、なんとか再試験に合格。WEBだと、モニカは王子の身に着けていたスカーフの絵柄に意識を割いていたんですが、今回は宝石のカットに数式を見いだして目を奪われているんだから、数字バカにも程があるな……。
日常生活では相変わらずポンコツで、それでもめげずに頑張ってる彼女でしたが。以前、ルイスが化け物と評価したのも納得いく、七賢人としての顔もしっかりあるんですよね。
WEB時代よりも強化されていたように思える結界を見事攻略して、起きかけていた惨事を辛くも阻止してましたし。秘密の護衛としてもなかなか実績挙げてるんですよね。
第二王子を取り巻く問題は、政治的な案件も絡んできて色々とキナ臭いんですが……無事に3巻も出ることが決まったそうですし、WEBも完結してるシリーズなので、このまま順調に完結まで書籍化してほしいものです。