「全艦、戦闘機動! これより我らは正義を執行する!」
若くして銀河帝国の皇帝に才能を見出され、元帥として実績を挙げていたゼンジ。
しかし皇帝が崩御し……次代の皇帝は幼く、補佐につくことになった人物が彼を快く思っていなかったために、元帥の座を追われることに。
ゼンジも恩義があるのは先代皇帝だったことや、オーヴァーロード……竜と呼ばれる高次元知性態の研究をしたいという個人的欲求もあって、ことさら抵抗はしなかったようですけど。
権力バランス変わった直後っていうのもありますけど、退役したとはいえ今なおゼンジを慕う人は多いみたいですね。
……先代の腹心で実績ある元帥を追いやれる宰相側につく、後ろ暗いところのある人間も相応に居るみたいでしたけど。
元帥時代からも宇宙に多くいる超常存在と不思議な縁があり……トラブルもありつつも生存してきたゼンジは場慣れしていると言いますか。
オーヴァーロードの強大な力を理解しつつ、必要以上に恐れていないのは良いですね。
退役してから住まいを移した辺境の地では、竜とエルフが暮らしていて……竜の子供を狙う密猟者が居てその問題解決に尽力したことで成竜ホルンとの縁が出来たり、ゼンジの恩人である先代皇帝と知己のあるエルフの姫リターニアが訪問してきたり。
……元帥時代になんか別のオーヴァーロードから面白そうなもの託されていたりするし、ゼンジ人たらしが過ぎるというかなんといか。善良な性質の人物なのでわかりますけどね。
彼は辺境に来たことで半世捨て人みたいに過ごそうとしていたわけですが……予期せぬ出来事で後見人となった人物の罪が暴かれて、大騒動に発展したのは……う、膿を早く出せてよかったね……とでもいいますか。お疲れ様です……。