気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

書籍化作品

千早ちゃんの評判に深刻なエラー3

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「設計者への感謝はどこに置いてきた? 製作者への敬意をどこに置いてきた!? 相棒であるオーダー系とは生涯の付き合いになるはずだろうっ!?」

(略)

「――機体への愛を忘れたのか、貴様ぁあぁぁっ!?」

 

人見知りすぎて上手くコミュニケーションが取れず、当人の適性的には採取とか研究系なんでしょうけど、トラブルも多く引き当てて……白兵戦・射撃戦で乗り切れるセンスがないため爆弾でなんとかしていたら、ボマーと言う悪評を得てしまった千早。

毎回、望まぬトラブルに巻き込まれて、必死に乗り越えようとしているだけなんですけどね……。

 

企業側からすると、千早はいつも渦中に居て問題を大きくしている「戦争屋」と呼ばれるトラブルメーカーだと思われてしまうわけです。

収入マイナスを回避するために壊れた機体の回収とかで利益を得ているので、依頼も戦闘のものが増えてしまうことになって。

綱渡りながらなんとかやってますけど赤字になることもあったりして。そんなバタバタの中で、彼女を「戦争屋」と認識してる組織からカスタムされた機体を贈られて。

アレンジするために塗料を自作しようと、研究都市での依頼を受けることに決めたわけですが。

 

……ボマーが来て戦々恐々としてる一般組織と、ボマー憎しで悪評を垂れ流して叩きのめそうとする組織とが現れるわけです。

千早ちゃん的には不本意極まるでしょうけど、研究都市への襲撃は明確にボマーへの悪意に満ちていたので、彼女が中心にいたんですよね……。

ただ、他組織が「戦争屋」とみているような存在ではなく、ただの新人なんですよねぇ。だから「機体アレンジの為に色付けたいけど、塗料安いところないから自作しよー」ってなる奴とか想定できなくて。

ボマー叩きを加速させようとしていたのに、それが上手くいかなかったのは正直笑った。

 

騒動の裏で千早は必死に依頼をこなしていて、生態調査依頼の報告書を大学教授が喜んでくれたり。その縁から新しい依頼が持ち込まれることになったりもしてるわけです。

で、ソロの気楽さもあって先行研究を参考に、「万色の巨竜」と呼ばれるステルス機能を持った新界由来の特殊生物の生態について新しい情報を獲得して。

依頼主である教授に「野生生物に餌をやるのはよくない」って注意をされつつも、仲良くなって交流しているのは微笑ましかったですね。

……そこにもまた無粋な襲撃があったりしたりしましたが。まぁ、コミュ障で情報を上手く仕入れられず、地雷原過ぎて誰も手を出していなかった土地を買ったりした千早ちゃんにも問題はあるから……。

死ぬに死ねない中年狙撃魔術師

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「どんな魂胆があって、そんなに誠実なんだ」

「誠実で、何の問題があるだろうか。無駄な嘘や欺瞞は対立を深めるだけであろう?」

「道理だ。それだけに、気に入らない」

 

「狙撃」というあだ名で呼ばれる、魔術師の男が主人公。

恋人と共に旅をしていたが、その中で強大な敵と戦う羽目になり……恋人に庇われて、彼だけが助かってしまって。

自分もそのまま死んでしまいたかったが、恋人は死に際に「ぼくの分まで、生きて欲しい」と願いを託されて。さらには星の彼方……宇宙からやってきた生命体と遭遇して。

ヤァータと名付けられたその生命体は、主人公を主としてカラス型の使い魔に化けて傍にいることに。

 

奉仕対象をひとまず主人公に絞っている間は、この世界を観察する期間と定めているので大人しいヤァータですが、その制限がなくなれば「世界を滅ぼす」と言っていて。

ヤァータ的には奉仕するための善意みたいですけど、それを受け入れられる土壌がないんですよね……。

「個」が確立していて、それが相互理解を阻んでいるからその障壁を取っ払いますとか、人類全員素材にして融合させますみたいなこと言ってるので(強制かつ強力なテレパシーで隠し事できなくするとかの方向かもしれませんけど)、そのレベルまで到達することなさそうですけども……。

 

主人公は数日かけてエネルギーをチャージして、それを用いた狙撃で敵を仕留める「狙撃魔術師」と呼ばれる職業についていて。結構な実績を積んでいるものの、「国を挙げて、凶悪な竜を討伐した」といったプロパガンダに利用されるため、彼自身の功績として公に認められることはない。

狙撃に専念できるための囮を国を挙げて行っていることがほとんどだという事もあって、彼はそれを受け入れています。

それにわかる人はわかってくれてますしね。……腕を認めた押しかけ弟子まで出てきたりもしてるんですけども。

 

恋人の死や、異界生命体に憑りつかれていること、狙撃魔術師としての待機時間が多いこと。いろんな理由が重なって一人でいることが多かった主人公ですが。

押しかけ弟子ことリラの影響が大きいですけど、彼女を正式に弟子と認めることになったことから少しずつ世界が広がっていくのが面白いですね。

人類から強大な敵が竜や悪魔、精霊と数多く取り揃えられているんですよねぇ。かつては貴族が命を賭ける生贄じみた術を使って強敵を打破していたのを想えば、狙撃魔術師と言いう新たな形式(数日かけてチャージする必要があったり、最善とはいいがたいけど)を生み出して対処できるようにはなってるので、時間かければまたできる事増えそうではありますけど。

竜種とかの強大さ見ると、それだけの時間が人類にあるのかは悩ましいですが。今まで生き延びてるから、なんだかんだしぶとく生き延びるかもな。



隻眼錬金剣士のやり直し奇譚1 片目を奪われて廃業間際だと思われた奇人が全てを凌駕するまで

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「諦めろって? お断りだね。視力を奪われたことは百歩譲って許せても、あんな不甲斐ない負け方をして、そのまま終わるなんて絶対にない。俺にとってそれはあり得ないことなんだよ」

 

五年ほど前に、ダンジョンが現れた世界。

そこに挑む探索者にはゲーム的なクラスやステータスが与えられるし、魔法やポーションといったファンタジーアイテムも産出する。

ダンジョンには夢があるが……ステータスの底上げがあっても攻略は容易ではなく、半端な覚悟で踏みこめば命を落とす魔境でもあった。

 

主人公の八代夜一は、そんなダンジョンが誕生した黎明期から踏み込んだ先行組と呼ばれる一人。C級最上位の実力を獲得し、日本で5人目のB級となる有力候補とも目されていた。

しかし、「試練の魔物」と呼ばれるイレギュラーの魔物と遭遇した際に、片目を奪われて戦闘に支障がでるようになってしまった。当時挑んだ仲間も、結婚で引退するものもでてパーティーは解散。

それでも夜一は、試練の魔物の打倒を諦めてはいなかった。近接に特化した剣豪のジョブを乗り換えて、錬成術師と呼ばれる生産系のジョブになって。

父親が経営しているダンジョン関連の事情を行っている会社の特別顧問としての役職を貰い、色々と知識を提供したりしていたようです。

ダンジョン関連のアレコレを扱う関係で、ダンジョンでの実習とかも行っている指導役を務められる人材は結構貴重なのでは。彼を落ちぶれたと見做して馬鹿にしてくる新人もいましたが……まぁ特別馬鹿なの一人だけだったのは安心した。

他の面々は話聞いてくれる、真っ当な社会人多かったですからね……。

 

そうやって指導に赴いた先のダンジョンで、なんの運命の悪戯か自分の眼を奪った試練の魔物と戦う羽目になってしまった夜一。

過去の敗北の際に得た経験と、試練を超えるために積み重ねて来た全てを注いで、試練を一度は超えたのはお見事。……まぁ、その後予想外のパワーアップをしてきて、夜一も死線を潜る羽目になったわけですが。

そうやって強化された試練を超えたことで、これまで以上の力を得たので、上手く使えば影響力を高めることも出来そうです。

……当人は研鑽にばかり目が向いてそうですけど、試練を乗り越えて得た報酬がとんでもなかったり、結果としてダンジョンを一つ崩壊させてしまってバカ議員がちょっかい出してきたりとか、面倒事も同時にやってきたのがなんともですが。



全滅エンドを死に物狂いで回避した。パーティーが病んだ。2

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「名誉がほしくて、命を懸けたわけじゃないからな」

(略)

「みんなが生きて、ここにいてくれる……それだけで、俺にとっては充分すぎる『褒章』だ」

 

1巻読んだ後、続きが気になってWEB版読みに行ったんですよね。

だから、カラー口絵で聖女三人のカラーイラスト見られたのが嬉しかったですね。

星眼の聖女ユーリリアス、眼帯してるのにかわいいし。この作品の挿絵だとキャラの眼が特徴的になっていますけど、そこが隠されているからか神の方にキラキラの効果は行ってるの良いな……。

ウォルカはアンジェが聖女であると知らないから、四人そろって並んでいる構図は読者にしか分からないものですけど、とても良いですよね。

福禍の聖女アルカシエルの聖女パワーで浮いてる謎物体も、イラストになるとそりゃ眼を引くよな……って納得がありましたし。

 

プロローグが、ならず者に利用されることになった少女ルエリィ視点。

仲間と和気あいあいと冒険者を楽しみ、中級と見なされるCランクに至ったものの……対モンスターはなんとかできても、対人の部分で警戒が甘く付け込まれてしまい、利用される状況に陥ってしまった。

……こんな悪意に満ちたイベントが、この作品の世界では珍しくないんだろうなぁ。ウォルカがダークファンタジー世界の創造主であるクリエイター(神様)に恨み言を吐くのもまぁ無理はない。

 

ただ、転生者で原作知識のあるってことを知らない他の面々からすると、普通に「神を恨んでる」認識になって歪んでいるのがまぁ……はい。

ウォルカが命を懸けたことで、執着強まってるパーティーメンバーとか、聖女の前でポロっと零しちゃうから、病みが深まっていくのでウォルカは毎回胃を痛めてますが、全て君の行いが跳ね返ってきてる結果なんだよ……がんばれ……。

 

ウォルカ、そうやってクリエイターへの恨み節を零すことはあれど、それはそれとしてファンタジー世界で「抜刀術」を極めるために厳しい修行に打ち込んだり。慈悲を与えようとならず者はまた別のところで同じことをするから、ならず者相手に情けは無用。それが次に奪われる誰かの命を守ることに繋がる、という祖父の教えを守って切り捨てる覚悟を決めているので、なんだかんだこの世界に彼なりに適応してはいるんですよねぇ。

その上で、原作では破滅するハズだったパーティーメンバーと一緒に生存するルートに入れたので、ある意味では万々歳。

死線を超えてより一段高みに行った剣術を極めるのに、義足だと不便だなぁ……みたいなシーンがあったり、胃を痛めまくってはいるけれど、ウォルカ的には現状にある程度満足してる、というのが特殊ですよね。

 

ダンジョン踏破事故が起きた原因であるパーティーに対して、思う所はあるかと聖女ディアに問われたときに「審問が正しく行われるならそれで」と言えてしまうのは、彼の強さではありますけどね。

……別の場面でロッシュから言われてましたが、「身を挺して行動できることは美しいが、欠点でもある」って言うのがまさしくそうなんですよねぇ。

パーティーメンバーの闇が深まっている中で、彼が今後どう生きていくのかは気になるところ。WRBも更新ペースゆったりなので、続きを気長に待ちましょう。

黄金の経験値6 特定災害生物「魔王」

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「マグナメルム、とでも呼んでくれればいいよ。そう呼ばれている」

〈呼ばれてる、って誰に!? ってか、言ったもん勝ちかよ! ずるいぞ!〉

「……大いなる災厄?」

 

災厄の一つである大天使。その配下である天使が襲撃してくるイベント。

……の中で、探索能力に秀でたヨーイチやサスケがアーティファクトを発見したことで、過去の大天使に挑めるようになったり。

第七災厄というNPCと思われているレアが、プレイヤーの情報網を利用して大天使の活動周期を見抜いて、ドンパチして天空城を乗っ取ったり、運営の想定外の状況になった公式イベントだったわけですが。

 

後のアプデでレアが作った天空からのウルルを落とす必殺技が、落下ダメージ適用の変更で使えなくなってたのは仕方ない。……別のところに影響出てたのには笑いましたが……。

ヨーイチ達一般プレイヤーは、レアをNPCと思っているからその行動にそれっぽい理由つけて納得してるのも相変わらず面白い。

 

レア達の庇護を受けるのではなく、自分で国相手にできる事をしたいと奔走しているブランでしたが。

シェイプ各地に使役した行商人を間者として送り込んだけど、商品や仕入れルートに先立つものなんかは不足してる。大店を狙って騒動になると活動に支障がでるから、とスラムとかの裏社会の連中に目星付けて襲撃してるの、行き当たりばったりが過ぎる。

なんだかんだ面白い情報ゲットしたり、上手くやってはいるんですけどね。

NPCボスに扮したRPをしているレア達……今回「マグナメルム」という名称がつけられましたけど……も独自路線一直線なゲーマーですけど。

ブランが対峙した、変身ヒーローじみた変態と『キッチン』スキルを駆使して戦う料理人とか。変わり種のプレイヤー、多いですよね。

バンプもレアの支援を受けつつ、大天使討伐の際に協力した魔物プレイヤーをまとめたクランを率いるような形になったりしてますし、あちこちで動きが激化してますねぇ。

 

……偽りの伝承で支援金ぶんどってる辺境の村とか、NPCの性能が高いからそういうこともあるんだなぁ、というか。

「じゃあ本物の龍をプレゼントだ!」してくレアの悪役RPが実に輝いていました。

悪役RP中のレア達に憧れて、黒RPの道に踏み込んだマーガレット達なんかもいるし。インベントリを駆使して王宮の書庫から本を全部盗むとか、柔軟な発想の勝利。出来るんですね……。

柔軟な発想で言うと扉が破壊できないから、横の壁ぶち抜いて中に入るわとかゲームでやっちゃうのが笑えて好きです。

光属性美少女の朝日さんがなぜか毎週末俺の部屋に入り浸るようになった件2

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「じゃあ、好きって言って?」

 

テニスの才能を示し、モデルとしても活動し、その朗らかな性格から学校中から耳目を集める光属性美少女の朝日さん。

そんな彼女にはゲーマーとしての顔もあって、影山君はその部分から仲良くなって、彼女のトラウマ克服に寄与したことで、好意を抱かれることになったわけですが。

学内では陰キャ認識されている影山君に、人気者の朝日さんが公衆の面前で告白したというのは、当然噂になって……「なんであいつが」と陰口をたたかれまくるわけですよ。

 

当の朝日さんは、大会で勝った関係で暫く影山くんが針の筵状態だったりもして。

ようやく登校してきた朝日さんは、噂の真相について質問……というか、影山なんて陰キャやめといたら? 考え直そう? とか言われてましたけど。

「考え直した結果、大好きなんだよね」と堂々と宣言。あまりにも強火すぎる……。

朝日さんの友人であるところの日野さんが「貴女が気にしなくても、彼が気にするでしょ」と言われるのも無理はない。

 

影山君は告白こそされたものの……悪い方向での噂ばかり流れていることや、自分に自信が無いこともあって、保留にしている状態で。

噂を聞きつけて話を聞きに来た、朝日とは別の方向で人気のある緒方さんが、2人の関係について影山君に聞きに来て。その保留状態は朝日さんの好意に甘えてる状態だってことは自覚しろ、と言ってくれたりしたのは良かったですね。

 

他のモブ学生たちは「なんであいつが」とか言う影口ばっか叩いてるので、「なんで光が惚れたのかわからんなー」とか影山君の前で言うけど、真正面でぶつかってきた緒方さんの好感度は相対的に下がらなかったな。

自信つけたいならまず外見からとかアドバイスくれたりしましたし。……イメチェンしたことで「私以外にモテようとしてる……?」って嫉妬してるカワイイ朝日さんとか見れましたし。

2人の関係が周知されて、世界が広がったことで今回は素直に「朝日さん可愛い」とばかり言ってられなかったのは惜しかったですけど。

影山くんは確かに陰キャで自信ない子ですけど、変な目で見るモブたちには「素直に祝えず、そうやって影口叩くからダメなんだよ」って気持ちが湧いたのは、ラブコメを楽しむうえではノイズだった。

異世界転移、地雷付き。10

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「ナオ、気が利かないのは良くないわよ? ……誰彼構わず利きすぎるのも困るけど」

「経験不足ですまん」

 

他の貴族の結婚祝いの席に、名代として派遣されるネーナス子爵令嬢のイリアス。

その護衛として雇われることになったナオ達はピニングの街に到着して。納品依頼を片付けたり、顔合わせを済ませたり。

事情があるとは理解しつつも感情面で納得できない兵士たちの訓練に混ざって、その実力を示したりと色々やっています。

イリアスが九歳ということもあって、同年代のメアリーやミーティアの獣人姉妹と仲良くしてたのは微笑ましくて良かったですね。

 

道中で襲撃を受けたりするトラブルもありましたが、撃退には成功。

しかし今のナオ達でも攻めきれず、撤退を許してしまったのは厄介というかなんというか。実力者多いですねぇ、この世界も。

そして祝いの為に訪れたクレヴィリーという都市は、貧富の格差がハッキリわかる都市でもあって。現代の感覚があるナオ達からすると、悩ましい部分ではあったみたいですねぇ。

ちょっと神殿に心ばかりの寄付でもしようかとか言ってましたし。孤児院併設してなかったりするし、都市の事情もあるからやめておいた方がよいとイリアスに止められてましたけど。

実際、食事は美味しかったり相応に発展はしてるっぽいから、「領主が悪い」と断じられないあたりがせちがらいところ。

 

現地までの護衛を無事に終わらせたところ、見目麗しいエルフであるナオとハルカに披露宴にも同席してほしいという話が出て。

あくまでイリアスについている冒険者という立ち位置で、面倒ごとを避けるためにパートナーがいるって示すための飾り布を付けたりもしてたんですが。

……バカ貴族に絡まれる羽目になったのは、もはや御約束か。真面目で位の高い貴族もちゃんといて、フォローに入ってくれたのはありがたかったですけども。

あと、そうやってパートナー扱いをしたりしたことで、これまでじれったい状態で進んでいなかった2人の関係が進展したのはめでたいことですね。

やっと恋人になったくらいの感じで、表紙ではなんか2人が結婚した風になってますけども。あとがきでも「表紙詐欺」と言われていたのには笑った。

ハルカとの関係もハッキリしたことで、ユキとかもこれまで以上にグイグイ来るのだろうか。……一線超えて出来ちゃった場合、戦力不足になるから計画的にね! と「利」の方で攻めて来てたから、様子見しそうな気もする。

異世界転移、地雷付き。9

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「いいじゃん、ファンタジーバンザイで」

(略)

「……そうですね、考えるだけ無駄ですね」

「そうそう。見たままをそのまま受け入れれば良いんだよ、別世界なんだから」

 

メアリとミーティアを保護しつつ、訓練も兼ねて避暑のダンジョンへの挑戦を続けているナオ達。

11層には「空」が広がっていたりもして。ダンジョン内部には時折現実世界が再現されてるそうです。ただ、無限に広がっているわけではなくて、ある程度の距離を進むと透明な壁に阻まれる場所ではあるとか。

その後も順調に攻略を進めて15層とかにも到達してますが、空間的にはやっぱり異質な場所ですよね、ダンジョン。

ナオ達も多少は気にしてましたけど、答えを出せるものでもないから「ファンタジーってすごい」って飲み込んでましたけど。このあたり割り切りも出来るあたりは現実的ですよねぇ……。

 

避暑のダンジョン、階層が進んでいくごとに採取できるものも増えて行って。

フルーツが取れたかと思えばナッツも取れる。深い階層で牛の魔物も出てきて、肉も美味しいし、生け捕りしないといけないのが大変だけど牛乳も取れるようになったりと。

ナオ達の食生活の基盤、大分向上しているなぁとしみじみと思います。

手に入れた食材を加工できる調理技術だったり、マジックバック持ってたり。深い階層に入るのは大変だけど、ナオの疲労を代償に転移魔法で移動時間を短縮することが出来たりする彼等だからこそって部分はありますが。

 

そうやって実力を磨いて、実績を積んでいった彼等だからこそ、貴族からの依頼が舞い込んでくることに。

いつもお世話になっているディオラの縁戚伝いに持ち込まれた話で、ディオラもまた「腕利きの冒険者を格安で雇いたい」と無茶ぶりされた側ではあるんですが。

お相手はネーナス子爵。先日のケルグ争乱の後始末で忙しく人員が必要だし、そもそも腕利きも少ない。

そんな中でも貴族としての体裁はしっかりするため、他の貴族の婚姻に名代を派遣することはしないといけないので、その護衛を頼みたいという依頼で。

 

とは言え安く雇いたいのは相手の事情。ナオ達もランク五になってるので、報酬はしっかり払わないといけないということで……ディオラが交渉して、ナオ達以外に潜ってる人のいない避暑のダンジョンの権利を譲るという形ではどうか、と話を纏めて来てくれたのは有能でしたね。頼れる~。……だから無茶ぶりされちゃうんだろうなぁ……。



派遣侍女リディは平穏な職場で働きたい 没落した元令嬢、ワケあって侯爵様に直接雇用されましたが、溺愛は契約外です!

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「私達は自分の力で生きていける。だから誇りを持ってこの生き方を選んだの」

 

元男爵令嬢のリディは、宴席の踊り子だったり城の侍女だったりを派遣するマリアナ派遣所で働いていた。

訳ありの子女が多いのもあってか「素性を調べないことと、侍女として雇うなら侍女の仕事だけをさせる事」と言った線引きをちゃんとしている良い職場であるようです。

宴席に人を派遣する場所には、そもそも会のあとに同行して女を売る店もあるみたいですし。

……まぁマリアナ派遣所が良い場所だとしても、派遣先には派遣先の人間関係があるから大変なんですけどね。

 

リディが今回派遣されたのは、王城の侍女。

給仕係として派遣されたはずが、仕事をしているうちにどんどん雑用も振られて仕事が増えて行ったとかで。ただ、流石は王城で給料は良かったとかなんとか。

あくまで派遣だし、契約更新もどうなるかわからない。なので、リディは給与の範囲内で真面目に働きつつ、適度に手を抜いたり。破棄されることになる酒を少し水筒にちょろまかしたりとか手抜きをしていたようです。

……まぁ他の侍女にはワインのビンごと持って行く不心得ものもいたみたいですし、廃棄ワインを少し貰ってるリディは実際可愛いもんなんですが。

 

そんなある日、外交官を務め多くの侍女から狙われているレオンハルトに隠していた語学力がバレ……直接彼に雇われる形で、仕事を手伝うことになったわけです。

しかし、レオンハルトは多くの女性に狙われていた人物で……どんな手を使って近づいたのかと怪しまれるし、他の侍女からの嫌がらせを受ける羽目になってしまうんですが。

そうやってトラブルに見舞われるリディを助ける形で、レオンハルトとの仲がより深まっていくんだから、悪いことはできませんねぇ……というか。

 

ただレオンハルトとの交流によって増えたのは悪縁ばかりでもなくて。リディの才覚を見出してくれる人とも出会えてはいるんですけどね。

ローンバッド王国からやってきた王太子夫妻の子供、ルイスの飼い猫を手懐けたことでルイスにも懐かれたり。ルイスが国元で命を狙われたときの話を聞いて、答えを導き出したりしていますし。

他にもある宝石の秘密を暴いたりして、ルイスの母である王太子妃のクリスティからも評価されたりしてましたし。

有能さが目につくことで別の敵も動きだしたりとかして、美味しい話ばかりでもないですけど。それでも無事に乗り越えられたのは良かった。

飼育員セシルの日誌1 ひとりぼっちの女の子が新天地で愛を知るまで

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「自分を騙すなよ。苦しくなるだけだ」

 

天涯孤独の少女セシル。彼女は、大鳥ランフォルをいつくしみ、飼育員として働く日々を生きがいとしていた。

しかし、セシルが務めていたラルジュ牧場の経営者が変わり……先代と仲が良かった彼女を疎んだ新経営者から解雇されてしまう。

その働きぶりを認めた別の牧場主から誘いを貰っていたので、彼女はそれを命綱と思い一人で僻地にあるオークランス牧場に赴いたわけです。

 

セシルに声をかけたのは、オークランス牧場の主であるオスカー。

両親と、牧場を継いだ兄を病と事故で立て続けに亡くし、軍を辞めて牧場を継いだ青年。そんなドタバタの中で飼っているランフォルも、牧場関係者もほぼ切り詰めていて……。

遠目にセシルの働きぶりを見て男の子と思ってしまい、誘ったものの、独身の自分とうら若い乙女が同じ屋根の下過ごすのは大変よろしくないと考えられる良識を持っているのは良かった。

「どう見たって女の子だろ俺の目腐ってんのか」とか言いはじめたの、正直ちょっと面白かったです。

 

問題がないとは言わないけれど、オスカーは人員を欲していたし、セシルにも仕事は必要だった。利害の一致で雇用契約を結び……ランフォルを大事に育てるセシルと、オスカーのやり方は上手くかみ合って、少しずつ2人の関係は深まっていくわけです。

オスカー、初対面の時に口が滑った部分は有れど、セシルとは正反対の女がタイプみたいなことを言って。その後になってから、彼女の魅力にやられて……雇用主と雇用者では踏み込むのもなぁ……と足踏みする羽目になっていたりもして。

友人から「貧乏くじばかり引いてるせいで、初手に貧乏くじ引くようになってる」的なことを思われているだけのことはある……。

ちょっと抜けてるところもあるけど、オスカー良い人なんですよね。折々にセシルが必要としてる言葉をちゃんとあげているので、距離が縮まっていくのが納得できる。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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