気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

書籍化作品

聖女の魔力は万能です2

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「これでもお前には感謝しているんだ。だから、お前の希望はなるべくなら叶えてやりたいと思っている」

「所長……」

「だが、これからは少し難しくなるかもしれない。全てを叶えてやることはできなくなるだろう。想像はつかないかもしれないが、それだけ俺達にとって【聖女】というのは特別な存在なんだ」

 

宮廷魔導師団の師団長が目覚めたことで、人物鑑定を受けることになったセイ。

しかし彼女の基礎レベルが高すぎるせいで、鑑定を弾いてしまって。それでも、彼女の魔法の特殊性などから彼女の方こそが『聖女』であろうと判断できる国王含む上層陣は冷静ですね。

 

もう一人の召喚された少女、アイラちゃんに執着して暴走している第一王子カイルとその取り巻きが頭軽すぎると言うべきか。

カイルの婚約者であるリズは冷静でアイラちゃんに助言しようとしているし、もう一人の転移者であるセイ相手にも誠実に向き合ってくれたというのに……。

 

セイは自身のステータスに聖女と表示されているのも把握していたし、それが公になるのに前向きではありませんでしたが。

研究したり勉強したりするのは好きみたいですし、人を癒せるのに見殺しにするような真似が出来るような子でもないので、まぁ発覚するのは遅かれ早かれって感じではありましたよね……。

色々と勉強して、魔物討伐に同行した際に【聖女】の魔法を発現したこともあって、今後周囲が騒がしくなりそうではありますが、平穏を望む彼女のことを思う人もいるのであまり無茶な状況にはならない……といいなぁ。

スライム大公と没落令嬢のあんがい幸せな婚約

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「私は、ガブリエルを心から愛しています。たとえ、彼が無一文になろうと、縁を切るつもりはいっさいありません」

 

努力の人であった姉は、婚約者であった第一王子が愛人に傾倒しすぎているのを注意して不興を買い……公の場で婚約破棄を告げられた。

それによってヒロインであるフランセットの実家、ブランシャール公爵家は没落の憂き目にあうわけですが。

その姉は母の実家を頼りに他国へ渡り、そこで別の相手をみつけて幸せになったとかなんとか。フランセットは、しかし姉の婚約破棄から掌を返したように態度を変えた人々を見たことで、社交界というものへの希望を失い、母と姉にはついていかなかった。

そうして父と一緒に母国に残ったわけですが……フランセットの父もまた、社交界で名の知れた変人というか。あちこちに愛人を作って、家に寄り付かない人物だった。

 

荒んでもおかしくない環境に置かれていた彼女ですが、それでも強かに生きて善性を失っていなかったのが良いですね。

父が他所で作った愛人と逃げた、と妻を盗られた形になる商会長から文句を言われて窮地に立つことになっていたフランセットを助けたのが、ガブリエルだった。

彼は、先祖が強大な魔物を倒したことでその地位を与えられた大公の一人だった。ドラゴン、セイレーン、ハルピュイア、オーガ、トレント、フェンリルと錚々たるメンバーが揃う中にスライムが紛れ込んでいるの面白かったですね。

 

まぁ実際水たまりに擬態しているスライムが生息している湖水地帯とか、かなりの死地になりうる場所ではありますが。

とは言えそれも千年も昔の話。今も大公位は継がれているけれど、ドラゴン大公なんかは王家の中でももっとも剣技が優れたものに送られる名目だけの爵位になったりしていたようですしね。

それで言えば。ガブリエルの住む地方は今なお「住人よりもスライムの方が多い」なんて言われるような状況を保っているの、逆にすごいのでは。……それだけ発展できずにいたとも言えますが。

 

住人の中にもスライムへの忌避感を持っている者もいるみたいですし、ガブリエルはスライム大公としてスライムをテイムして情報を集めたり、それらを活用した領地の発展を画策したりと意欲的な人物だったのはヨシ。

フランセットも王都から地方都市へ赴くことにはなったけれど、その環境を楽しんで自分の知識を用いて発展に寄与しようとしていて、婚約者として良い関係を築けていたのが良かったですね。

それを面白く思わない親族からの横槍とか、娘に面倒事を押し付けてきたフランセット父の真意とか、厄介ごとの方からやってきたりもしてましたが。それらを無事に超えていたのでほっとしました。幸せになって欲しいものです。

冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた

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「貴婦人さん……あんたはどうするんだい? 俺たちに何かを求めているのか?」

(略)

「わたしたちはただ委ねるだけです」

「……忠告ありがとう。肝に銘じておくよ」

 

ベルグリフは若い頃はEランクの冒険者として活動していたが、魔獣に右足を食いちぎられたことで引退し、故郷の村に戻って畑仕事を中心に細々とした仕事を引き受けていた。

足を失いはしたが義足をあてて、戦闘経験のない村人に変わって魔獣対策のために山に入ったりしていたわけですが。

 

そんなある日、彼は山中で捨てられた赤ん坊の女の子を拾って。狭い村だから村の関係者ではないことは分かったものの、わざわざ山中に捨てるなどどんな理由があったのか。

気にはなりつつもベルグリフは彼女をアンジェリンと名付け、自分の娘として育て上げた。

そしてアンジェリンは、父の姿を見ていたからか冒険者になりたいと言い始めて。自分も通った道だということもあって、色々と教え込んで送り出すことにして。

 

……彼女自身の才覚もあって、アンジェリンはSランクにまで上り詰めた。

そんな彼女がことあるごとに「お父さんは凄いんだ」というせいで、現役時代は低ランク冒険者でしかなかったベルグリフの評判も変に上がっていって。

娘さんにお世話になったから、と領主の血縁の人が訪問してきたりとかするトンデモ事態に遭遇したりしていたの、他人事だからちょっと笑っちゃった。

 

アンジェリンは大分ファザコンを拗らせていて……なんとか帰省しようと奮闘していましたが。高ランク冒険者には、その地位に見合った義務も与えられることになっていて。

彼女が拠点としている街で近ごろ高位の魔獣による被害が増え続けていて、アンジェリンに負担が強いられ続けることに。

ギルドマスターも対応はしていたっぽいですけど、結果として後手に回っているし、現場で動いている人員に負担を強い続けたわけですから擁護しがたい感じがするなぁ。

でも、なんとか休みをもぎ取って帰省しようとするたびにトラブルに遭遇し、帰りそびれているアンジェリンは可哀想で可愛かった。

アマーリエと悪食公爵

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「君の苦しみは、君だけのものだろ」

(略)

「私、だけの……」

「他人の苦しみも、他人だけのものだ。それを君が勝手に決めて、比べることができるのかい? 苦しみが軽い者は苦しいと言う権利もないのかい? 違うだろう?」

 

アマーリエは、仲睦まじい家族として有名なアドラー伯爵家の長女。

愛妻家の父と容姿端麗な母、妹は病弱だったが儚い容姿と穏やかな性格から妖精姫とあだ名されていたし、アマーリエ自身もしっかり者で模範的な娘だという噂だった。

しかしまぁ、噂程にい内情は明るくなかった、というべきか。アマーリエがしっかりしていたこともあって、両親は病弱なオルヴィアにかかり切りでアマーリエに構ってくれたことはほとんどなかった。

 

そのことにアマーリエが不満を漏らせば、父は彼女に暴力をふるった。母も、父の苛烈さをしっているから、助けてはくれなかった。

だからアマーリエはいつか結婚して家を出ることが目標になっていた。

幸いだったのは、アマーリエとオルヴィアの姉妹仲は良好だったことでしょうか。思う所が全くないと言えば嘘になるけれど、姉を純粋に慕っている気持ちが伝わってくるから、せめて優しくありたいという彼女は、本当に根が善良です。

 

そんなある日。社交界でオルヴィアが王子に見初められてしまって。彼女が嫁入りするとなると、アドラー伯爵家のためにはアマーリエが婿をとらなくてはならない。

つまり、家を出ることも叶わず縛り付けられることになる。そう察したアマーリエは、「人の感情を喰らう」という特殊能力を持つトラレス公爵家を頼ることにした。

憎しみや嫉妬などの醜い感情を好んで食べるために、悪食公爵という別名すらある家であったが……感情を食べられると、その感情がすっかりなくなる、という情報にしかもうアマーリエはすがることが出来なかった。

 

そこで出会ったのは、死人のような形相をした当代トラレス公爵サディアスだった。

悪食公爵というのは先代のことであって、彼ではない。彼は悪い感情も食べられるけれど、そういった感情は胃もたれがしたり、体に不調を齎すものだった。

どんどん積み重なっていった結果、ボロボロになっていたみたいですが。サディアスにとって、アマーリエの感情は「美味しい」と感じられるものだった。

そのため、彼の仕事を手伝うという名目でアマーリエとサディアスの交流が始まっていって。2人の関係は穏やかに進んで行って良かったですね。

 

……自分の手の及ばぬところに行こうとしている娘に対して、父は相変わらず勝手な振る舞いをしていましたが。最終的には、自分の感情によって心に欠落を得ることになったで、まぁ自業自得か。

王子に見初められたオルヴィアも、ただ愛されるだけの少女ではなかったのが良かったですかね。縁談をけって別の道を選んだ彼女の後日談が収録されていたのも嬉しかった。



サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと7 小冊子付特装版

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「唯一無二の武器があれば、絶対に勝てるというものでもないでしょう。結果的に、勝てば良いのですよ、勝てば」

(略)

「だが、天才が有能とは限らない。一緒に仕事をするなら、無能な天才より、有能な凡人の方が良いに決まっている」

 

クロックフォード公爵とズブズブの七賢人、宝石の魔術師エマニュエル。

しかし彼は、今回の偽王の笛に関する一件を公爵には伝えていなかった。それは、修理できるかも不明だし、途中で報告を挙げたら取り上げられることは必至だったから。

さらには他の七賢人への嫉妬などもあり、彼は他に負けない唯一無二の輝きを求めたのだ。

実際、精霊を原動力にした鎧だとか、特殊な結界を展開する魔道具だとか、かなりの成果を上げていたので、その点では執念が実を結んだようですけども。

 

彼の前任が、身内の不祥事で辞めざるを得なかった星槍の魔女カーラだったというのも、良くなかったかもですねぇ。今回ついに星槍がお披露目されていましたが、あんな輝きと比べられたら、そりゃ影の一つも落ちるでしょう。

まぁ同情できるかと言ったら、まったくそんなことはないですけどね。だから、ルイスがバッサリと言葉で切り捨ててくれたのは痛快でした。

 

モニカがオドオドしながらも、七賢人だから、としっかり行動しているの良いですねぇ。ルイスやブラッドフォードと合流した後、打ち合わせをせずとも各々が為すべきことを為して連携しているのとかその実力を感じさせてくれるエピソードで好きです。

……ルイスが魔力温存のために、途中まで物理で障害排除してたのも、あまりにもあんまりで笑っちゃった。それで対処できるのは武闘派すぎでしょ。

 

加筆エピソードで七賢人たちの個性が見えたの、凄い楽しかったですね。

砲弾の魔術師が使う六重強化術式が、精霊王召喚によって借りた力をそういった形で出力してるのには驚きましたし。

モニカが無詠唱で四重強化までは使えるけど、そのためには彼女の美的感覚では「美しくない」分割という工程を挟まなくてはならず、進んで使いたくはないのとか。尖った個性を持ちすぎなんだよな……誰も彼もが。

 

公爵相手に明かせない秘密を抱えたエマニュエルに、とある人物が接触していたり。

ブリジットが「モニカ・ノートン」の生まれに疑念を抱き、接触してきて。「左手を怪我した女性」の噂を流して、モニカの隠したいことに協力する代わりに、こちらにも手を貸せと脅迫を交えつつ協力することになって。

薔薇の魔女との伝手もあって、公爵邸に侵入して情報を得られたのは良かったですけども。星詠みの魔女が「いよいよ動き出すのね」とこぼしていたりするし、情報が揃いつつある中で、近く事態が動きそうな予感はありますねぇ……。

 

特装版小冊子はキャラのアイコンに台詞が載っている会話劇というか、チャットスタイルというかの短めのエピソードを複数収録した形のもの。

公式アカウント初出の「突風注意」とか「自己紹介」なども収録しつつ、半分以上は書き下ろし。七賢人のエピソードとか笑えるものが多くて良かった。

森で聖女を拾った最強の吸血姫~娘のためなら国でもあっさり滅ぼします!~

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「愚かな王よ。お前は少しやりすぎたわ。私だけならまだしも、私の大切な娘にまで手を出したのだから。曽於罪を償うには命を捧げる以外ないわ」

(略)

「わずかなあいだ、自らの愚かな行いを思い返して悔やみなさい」

 

過去に実際に一国を滅ぼしたことで「国陥とし」の異名を持つ、吸血鬼の真祖一族の姫であるアンジェリカ。

真祖への無礼を働いた国への見せしめとして当主に命じられた彼女は、滅ぼすのは王族だけで良いと言われていたのもあって、滅ぼす前にちょっと市井に繰り出して人間との交流を楽しんだりしていたみたいですが。

……親しくなった相手を、王族の討滅に巻き込んでしまったことで心に傷を負って、彼女はとある王国近くの森に屋敷を構えて暮らすことになった。

 

その王国の開祖が、アンジェリカからしても傑物で協力した過去があったから近くにいた、というのもあるみたいですけど。

人との交流で傷を負いながらも、なんだかんだ人の近くで過ごしているアンジェリカ、他の真祖を見てないのであれですが、割と人間好きなタイプなんじゃないかな……。

そんな彼女が、森の中で赤ん坊を見つけたらそりゃ保護するでしょう。……タイトルにもあるとおり、その赤子は女神の加護を受けた「聖女」の証である紋章を身に宿していたわけですが。

関係ないとばかりにかわいがって。良い親子関係を築いているのが良かったですね。

 

ほのぼの異種交流をしていたのは良かったんですが。

アンジェリカが居を構える森の近くの国の当代国王は愚物で……開祖との縁から定期的に交流があったみたいですが、それを過信して彼女を兵隊か兵器の様に使おうとした上に、それに反発されたことに怒りアンジェリカが可愛がっている義娘パールを攫うなんて手を打ったんだから、そりゃ反撃は受けるでしょう。

……敵対者には容赦しない姿勢は、アンジェリカがなるほど真祖一族の姫なんだなぁって感じでしたが。まーた国滅ぼしてるよ……。

 

とは言え、パールに良くしてくれている人もいるし、王族は愚かだったけれど民に罪はないとみて、体制が整うまでの時間を稼いでくれたのは彼女の人の好さだよなぁ。

その問題が落ち着いたかと思えば、パールが聖女であることに目を付けた勢力からの横槍が入ったりしてましたが。

アンジェリカ、本当に強いし。その薫陶を受けているパールも幼さに見合わない強さを持っているので、結構安心してみてられるのは良いですね。

地獄の沙汰も黄金次第~会社をクビになったけど、錬金術とかいうチートスキルを手に入れたので人生一発逆転を目指します~2

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「脅したのはあなた達でしょ? 私は聞いただけ」

(略)

「もう話はない? じゃあ、あなた達は私にケンカを売ったことの言い訳でも考えてなさいよ。ばーい」

 

前代未聞の千キロのアイテム袋をオークションに出品し、世界中から注目を集める黄金の魔女エレノア・オーシャン。

当然そんな存在を捨て置けるはずもなく、アメリカからAランク冒険者が派遣されてエレノアに接触してきたり、魔女の周りは話題に事欠きませんねぇ。

まぁ逆に注目されすぎているからアメリカは誘拐したりするのではなく、日本と国交のある立場を活かして上手く利益を取っていく構えのようですが。Aランク冒険者も、主たる目的は護衛みたいでしたしね。

 

……まぁエレノアが何気なく作った翻訳ポーションの「どの国の言語にも聞こえる言葉」が、三十年前にフロンティア人が接触してきた時に聞いたのと同じだったことから、彼女をフロンティア人だと誤解したから、という部分もありますが。

色々と世間を騒がせているけど、当人は「ミステリアス路線は成功だったわね。ミステリアスすぎるけど」と、大分楽観的なの笑っちゃうな。割と元からか。

 

隠密性能の高いハイドスケルトンだろうと察知して、首を狙える剣の腕があることもあって、近距離ならどうにかできるだろうみたいな感じで怪しいタクシーに乗り込んだりしてるの、危ういと思うんだけどなぁ。

……でも、実際に乗り込んだ結果上手い付き合い方に辿り着いているし。新たに持ち込んだレベル2の回復ポーションの交渉に議員が割り込んできても、魔女ロールプレイで蹴散らしていたしで、なんだかんだうまく乗り切ってるんですけどね。
ユニークスキル持ち、どいつもこいつもノリが軽いのもあってサクサク読めるのが良かった。

放課後の迷宮冒険者~日本と異世界を行き来できるようになった僕はレベルアップに勤しみます~3

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「こんな感じでいいんですかね? ほら、この世界の人って神様に関わるときは、何か重大なことを頼まれるって聞きますし」

(略)

「基本的には好きにすればいいと思うぞ? お前が自然体のまま動いていれば、それだけで利益になるだろうからな。そもそも性格上人に何かを強制するようなお方ではない」

 

いつも通り師匠に拉致されたアキラ。彼が森と呼んでいる『大森林遺跡』から繋がる、秘密のルート。

性格には魔物が増えたからか、あらたにガンダキア迷宮に繋がったっぽいですけどね。

そういえばこの世界の迷宮、神様がそうやって色々と繋げた場所だったっけか。

 

師匠の命名によれば『楽土の温泉郷』。風呂や温泉は好きだけど、温泉がある以上火山性のガスが噴き出している可能性もあるだろう、と恐怖を感じられるあたり、お気楽に放課後冒険者やっているけど、アキラちゃんとそういう警戒心あるんですよねぇ。

2巻でもいろんな調査と下準備に基づいて動いているからこそ、安定した冒険をしてるところ見られましたしねー。

 

魔獣との戦闘において、地球での知識もあるからか色々と想定していましたが。それがフィードバックしている可能性を師匠は考えているみたいでしたが。「核心に近づいた」ってことは、前々からなにがしかの考えを持っていたみたいなんですよねー。

師匠がアキラを連れ出して魔物の核石狩りをしている思惑とかも語られたし、いつか本当の姿を取り戻した彼女との交流が見られると良いですね。

 

師匠と新天地に行ったと思ったら、ライオン丸に連れられて過酷な領域に足を運んだりしているので、アキラなんだかんだトップ一歩手前くらいのレベルで色んな階層を見てるんじゃなかろうか。

ゴールドポーションの一件でギルドからポーションマイスターの称号を押し付けられたけど、マイスターには数年に一度成果物の発表をしなくてはならないって規則があり、アキラもそれに参加する必要が生じたりもして。

 

……当人的には必要でもない資格だったから、初手で「マイスターやめますね」とか零していましたが。アシュレイが色々と協力的だったことや、いつもなぁなぁで押し付けられてるからギルドマスターへ貸し一つって条件を付けられたこともあって参加することにして。

適当で良いと言われたから顔を出したら、想像以上に大規模で。そして、アキラの成果物が予期せぬ高評価を得たりしていたの、アキラ視点だと想定外過ぎて笑えた。

エピローグでスクレールに続いてエルも地球へご案内することになりそうで、4巻が楽しみな引きでしたね。どんな反応してくれるだろう。……出ますよね?

凡人探索者のたのしい現代ダンジョンライフ3

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「……味山さま、なぜアレタ・アシュフィールドや、貴崎凛。綺羅星のように輝く彼女達が貴方に執着し、時に魔道のか、お分かりですか?」

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「貴方が、他人を必要としない人間だからです」

 

プロローグが、探索者組合がダンジョンでの配信を解禁したことを受けて、アルファチームも配信を行うことにして。

怪物種の中では珍しい食事を怪物種のみに絞っている蛇・マザーグースを、別の怪物種オウサマガエルから守る、という一風変わった任務で。

 

味山がカメラ役なこともあって、アレタが普段と違う表情を見せることにコメントで愉快な反応がついていたのは笑えた。怪物種に飲み込まれて腹の中で暴れて脱出できる探索者がどれくらいいるというのか。

後のシーンでとある人物が、遺物を使って味山の情報を抜き出そうとしてましたが、そこでも「凡人」認定されていましたが。凡人とは……?

技能認定が能力の上限が定まっている、と記されていてそういう分け方であれば確かに彼は「超人」ならざる「凡人」なんでしょうけど。

 

雨霧さんの分析のように、味山の非凡なところな単純なスペックに現れない精神性だとかに現れていますよね……。

神秘を食べる度に夢の世界で元となった神秘の残滓と会話したりすることになってますが。初対面なら初対面なりの挨拶がある、と仕切り直し入れたりしてるの彼なりの哲学何でしょうけど、切り替えがハッキリしすぎてていっそ怖い。

 

味山、男連中とバカ騒ぎしたり綺麗な女性に鼻の下伸ばしたり、割と年頃の男っぽい顔もありますけど。戦闘時とか覚悟決まった時の彼は、また違う顔みせてくれるんですよねぇ。そういう所が良いと思っていますが、とは言え最後の挿絵はちょっと予想外の顔すぎるんだよなぁ。

耳の部位保持者である彼に目を付けた別の部位保持者が動き始めて。途中、衝撃的なページが挟まって、非日常へと踏み出すことになりましたが……それにしたって、大騒ぎ過ぎてこの後の展開が読めません。4巻の発売も決定したようですし、続きを楽しみにしてます。


独身貴族は異世界を謳歌する~結婚しない男の優雅なおひとりさまライフ~1

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「何度も言っているが、俺は自分の生活を快適にするために魔道具を作っているんだ。誰かのためだとか高尚な思いはさらさらない。自分が作りたいものを作るだけだ」

 

結婚せず、経済的に独立しており、稼いだお金も時間もすべて自分のために使える独身者――それが独身貴族。

そうやって気ままな一人暮らしを堪能していたところ、突如胸の痛みを覚えてそのまま死亡。神様からも「結婚するなりしていて、誰かに見つけてもらえれば助かったよ?」と言われても「そういうリスクも納得の上で独身でいたんだ」と受け入れる構え。

自分の中でやりたいこととやりたくないことがハッキリしていたため、神様相手にも臆さず。その心意気が独神という異世界の神様に気に入られ、色々とスキルを貰った上で転生することに。

 

魔法がある世界で、魔道具としても活動している貴族ルーレン家の長男ジルクとして生まれた彼は、変わらず孤独を愛していた。

前世の知識を参考にしつつ冷蔵庫などの便利な魔道具の発明なんかをして、自分の生活を豊かにすることには注力していますけど、それを世界に普及させて多くの人に感謝されたいとかそういった承認欲求とは無縁で。

 

幼少期にそういった冷蔵庫とかの原案を作ったことで、天才と思われ、両親に将来を楽しみにされていましたが……。独身を貫く覚悟の彼は、家は弟妹に継がせる構えで。

なんだかんだ定期的に食事はしているし、ジルクは自分が満足する魔道具が出来れば良いけれど評判が良いものは欲しがる人が多い……つまりは量産体制を整える必要があって。そのあたりの雑務は自分の事務所の職員だったり、ルーレン家の工房にほぼ丸投げしているわけですが。

最初から「自分の生活の為だ」と明言しているのもあって、ブレることがないのでいっそわかりやすくて良いですね。

色々と神様からスキルを貰ったりはしていましたが。それでもいきなり答えに辿り着けるような便利なものではなくて。冷蔵庫も両親の協力を経て完成に至ったものの、地球の家電を知ってる身としては「もう少し小さくしたい」と思うこともあるとかなんとか。最低限形になって、楽な生活が来たから改良は後回しになってましたが。

他にはクーラーを作ろうかと思ってましたが、そっちも試行錯誤の日々みたいですしね。自分の生活の為という前提はありますが、好き勝手過ごすためには手を抜かないところが良いキャラでしたねジルク。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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