気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

書籍化作品

引きこもり箱入令嬢の婚約

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「逆に、チカラを……善きに使えば……きっと、それを上回る善きチカラに、助けてもらえる……時が、あります、よ」

 

幼少期に行われる魔性式で、一人一種の魔法を授かる世界。

父が宰相を務めるドリップス家の令嬢、モカ。彼女は幼少期から優秀で、幼いながらに父に連れられて社交の場でしっかりと振舞える子であった。

……しかし、だからこそ早い段階から、父に笑顔で近づきながらも裏では「目障りな奴だ」とこぼすような大人の醜さを見ることになってしまったり。

魔性式の場では身分を表に出さず振舞うべし、というルールを破った伯爵家令嬢の嫌がらせを受ける羽目になってしまって。

 

対人コミュニケーションが怖くなってしまった彼女が得たのは、『箱』の魔法であった、と。

箱の中に快適な居住スペースのある『箱』を創り出せたり。小型の『箱』に防犯カメラや盗聴器のような機能を持たせた魔法などを開発して、箱の中に引きこもりながらも、研鑽を怠ってはいなかったようですけど。

他人と会うのは怖いけれど、若者の成人を祝う会には参加しないわけにもいかず……『箱』のまま乗り込んでいったのは愉快でしたけど。

「宰相の娘は箱入り」というのは社交界では知られた話だったみたいですけど、物理で箱に入ってるって言うのは流石に予想外だったでしょうねぇ……。

 

そんな変わった見た目ながら、箱の中に取り込んで食事もできるし、毒が入っていたら分析もできる。

魔性式の際にモカを助けてくれた第二王子サイフォンは、モカの『箱』を面白がったのもあって、彼女との婚約について話を進めることになって。

モカも幼少期の縁で惹かれていた部分もあったので、モカの母が社交に不安の残るモカの婚約に懸念があるため、モカの意志を尊重しつつも反対の姿勢を示したり。

それを面白がらない令嬢たちによって横槍を入れられたりもしてましたが……。

王子に踏み込んで素顔を見せてみたり、能力を示してみたりもして。まだまだ人の前に出るのは苦手ながらも、変化していってるの良かったですね。

商人令嬢はお金の力で無双する

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「サラ、お前がグランチェスターを名乗るのであれば覚えておきなさい。領主一族は領民を守るために存在する。飢えや外敵から彼らを守ることは我らの義務なのだ。なればこそ領民が納めた血税を横領した者らの所業を決して許してはならない」

 

商人の母と貴族の父の下に生まれた少女、サラ。

両親は駆け落ちしたためそれぞれの実家との縁は切れていたようですけども。父が事故で亡くなり、その後に母も病に倒れたことで、母の最期の手紙を受け取った父方の実家に引き取られることに。

しかしそこで子どもたちから「平民風情」といじめられ、池に落ちたところ見捨てられ死にそうになり……前世の記憶を取り戻し、魔法の力にも覚醒。

 

母の手紙を受け取った祖父はサラを庇護してくれているが、グランチェスターの家に入れて貴族として遇してくれたわけではない。祖父の死後、自分の立場がどうなるかは明るい展望がない。

ただ前世の記憶を取り戻したうえでみると、貴族令嬢としての生活水準は整っていて……トイレや風呂とかが無いのは、まぁ実際辛いだろうなというところではあります。

作中世界、男尊女卑というか女性にはアカデミーに通うことが認められていなかったり、いくつかの職業に就けなかったり制限が多い状況でもありましたし。

 

彼女はひとまずいずれ裕福な平民になろう、そのために必要な知識を身に着けようと決意することに。

そして祖父に直訴して、まずいじめっ子たちから離れるべく王都の屋敷ではなく、グランチェスターの領地に行くことの許可をもらって。そこで家庭教師をつけてもらって自己研鑽に励もうとしたわけですが。

 

……少し前に起きた横領の影響や、書式が統一されていない問題などもあって、そこでは大量の仕事が積みあがっていた。

それを放置できずにサラは元キャリアウーマンとしてのスペックを存分に発揮して、仕事をさばいていくことに。前世でも今世でも労働を経験した女性であったサラは、メイドたちにサポートを頼める部分は頼みましょう! とバリバリ改革を進めていくことに。

 

そこで自身のスペックを認めさせて、少しずつ自分のできる事を増やしていく話。自身が8歳の少女なので、この世界では認められてこなかった「女性の実力のある職人」を引き込んでいくの良いですね……。

「商人令嬢はお金の力で無双する」というタイトルですけど、1巻時点では状況説明とまだ足場固めみたいな感じで、言うほどお金で無双してないですけど物語が広がっていきそうな面白そうなネタは仕込まれているので、続きは読んでみたいかな。

末王女の輿入れ~その陰で嵌められ、使い捨てられた王女の影武者の少女が自分の幸せを掴むまで~

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「君は過去にそれに見合うだけの努力と苦労をしてきたんだ。今が幸せ過ぎると思うなら、過去の分を今取り返しているのだと思って受け取っておけばいい」

 

ギフトという特殊能力を人々が持っている世界。

概ね十歳前後に自覚することが多いが、早く覚醒することもある。足が速くなるとか、遠くまでよく見えるみたいに、ギフトかどうかパッと分かりにくい者から、自然を操るような特殊能力を持つものまでさまざまなようですが。

 

作中で重要になるのは、主人公である孤児の少女メアリーと、彼女と一緒に働くことになったララのギフトだけですね。

メアリーは直接触れた人物の髪色と髪質に自分の髪を変化させられる。ララは他人の顔を一時的に変化させることができる。

……その能力を組み合わせることで、彼女達は第三王女であるレオノーラの影武者を務めることが求められることになるわけです。

普段は王女付きの侍女として働きつつ、いざという時には身代わりになるように求められていた。なのでメアリーは所作も王女に似るように厳しい指導を受けていたし、必要な知識も与えられていた。

 

とはいえ平和な国ではあったので、影武者業務が必要な事はさっぱりなかったみたいですけど。

ある時、王女が出席する必要があるお茶会の時に、レオノーラが体調を崩してしまって……メアリーが代わりに出席することに。そしてそれを上手く務めてしまったことで、レオノーラは調子にのって「王女の行うべき業務」のほとんどをメアリーに放り投げるようになって。

 

王の定めた婚約者との会合もメアリーに放り投げて、自分は理想の恋を追い求めていた。メアリーには婚約者の粗を探して破談に持ち込むように提案したりしているし、本当に好き勝手生きていますねぇ、レオノーラ。

最終的にレオノーラは、恋が暴走して自分の影武者であるメアリーを嵌めてまで自分の理想を追い求めたわけですが。過ぎたものに手を伸ばそうとした末路が待っているのでまぁ……。

メアリーを影武者に仕立て上げる流れを知っている貴族も居たのに、レオノーラを止められなかったのは上層部大丈夫かと思う部分はありますが。まぁ最終的にメアリー達が幸せそうだから良いか……。

アルカディア サービス開始から三年、今更始める仮想世界攻略

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「昨日は楽しかったからさ、これからも一緒に遊べたら俺も嬉しい」

(略)

「よ、よろしくお願いしますっ……!」

 

WEB既読。

モーニングスターブックスはほとんど手を出していないレーベルだったのですが、電子ストアへの追加がちょい遅めでしたね。なんなら追加が遅くて紙版を購入しました。

蔵書、電子に移行しているので電子で買いたかったなー。買って帰ったらストアに追加されていたので、タイミングの問題があった。

 

閑話休題。

ゲーム発売から3年後に、世界で唯一のVRゲーム【Arcadia(アルカディア)】を起動できる筐体をついに入手した主人公の春日希(はるかのぞみ)。

それもそのはずで、「数世代は先取りしている」と言われるほどの技術が詰め込まれたその機械は、お値段なんと300万円。

学生の身では簡単に手を出せない値段であったが……唯一のVRゲームをプレイしたかった彼は、高校生活という青春時代をバイトに捧げまくってその資金を稼ぎ切った。

 

睡眠時間は4時間フラットで、バイトに明け暮れまくってる彼を心配した両親からは「学生らしくしろ」と注意を受けることになって。

勉強にも打ち込んで、当人の自称では学年トップという逆に頭が悪い成績を修めたりもしたそうです。そんな勉強とバイトに明け暮れた生活で、高校時代は友人もろくに作れなかったみたいですけど。

大学進学も決まって入学までの長期休暇で、念願のVR世界に踏み込むことを決めて。

 

新人ゲーマーのHNハルとしてゲーム世界に入り込んだ彼は、新規参入が難しいこの世界で同じタイミングでゲームを始めた新人の少女・ソラと出会って。

一緒にプレイを楽しんでいくわけですが。

……ハルはこのVR世界で高い適性を示して、掲示板で先人に質問すれば爆弾情報で大盛り上がり。それを聞きつけた職人が興味を持って接触してくることなんかもあって。

ゲームを本当に楽しく遊んでいるのが伝わってきてよいですね。3年の準備期間を経てついに参加できたゲーム世界でテンションバグりがちだけど、それだけ満喫しているのが良いですね。

WEBだとドンドン上り詰めていったり……また他にも魅力的なキャラが登場していくのが良いですよね。



滅亡国家のやり直し 今日から始める軍師生活1

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「レイズ様も言った通り、貴方は良くやった。さ、胸を張ってみんなの元に戻りましょう、ロア」

 

ルデク王国の平民、ロア

彼は記憶力が異常に良く、同僚からは人間辞書として重宝されていた、ちょっと本を読むのが好きなだけの文官だった。

しかし戦乱によってルデク王国は滅び……彼は40年間放浪した末に、異国の地で死んだハズだった。

 

死んだハズのロアが次に気が付いたのは42年前。

ルデク王国が滅亡に転がり落ちる前、なんとか踏みとどまれる可能性のある地点であった。未来の記憶も有している彼は、まだ過去に戻ったことに現実味がなく……友人たちとの会話の中で未来で知った情報をポロっと零すことになって。

「盗賊騒ぎに騎士団が派遣されることになったが、あれは領主が他国とつるんでいるから簡単には解決しない」と言う彼の言葉を、第10騎士団の副騎士団長であるレイズが聞きつけて。

 

ちなみに第10騎士団の騎士団長は国王が就任しているそうで、レイズは全権を任されて現場で動いているそうで。現場のトップが、ロアの荒唐無稽ともとられかねない発言を聞いて、その根拠を聞き、しっかりと対応に反映させてくれる柔軟さを持っていたのは救いでしたね。

そのことからロアはレイズに見出され、第10騎士団に登用されることに。

ロアは未来で知った様々な知識を用いて、悲劇を回避しようと試みていくわけです。

ただ、ロアはあくまで一介の文官であり、祖国滅亡後は放浪していた身であって。出来ることには限りがあるんですよねぇ。

 

例えば瓶詰という新しい保存食が作られたのは知っていても、職人ではないから適した瓶をつくれたりするわけではない。……まぁアイデアは知ってるから、出来る範囲で形にしていったりしてるんですが。

例えば、異国の王子が死を賜る結果になった事件は知っていても、なんでその時その人物がそこに居たのかは知らないし。

 

それでも、歴史を知っているからこそ出来ることは間違いなくあって。

本来ならもっと多くの犠牲が出来ていた事件を、早期解決したり。負傷した引退を余儀なくされた人物を助けることに成功したり。

もっとも、国が滅びに向かう前……戦乱の時代の中ではあるので、まったくの犠牲が出ないなんてことはなく。

ロアはそういった犠牲とかとも向き合いながら、それでも祖国滅亡回避のために前へ進んで行くんですよね。WEBは完結済みで、既読なんですが好きな作品です。刊行続いて欲しいなぁ。

サイレント・ウィッチanother 結界の魔術師の成り上がり・下

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「ライオネル、私は優先順位を間違えたりはしないのですよ」

(略)

「人の婚約者に手を出したならず者を、粛清するのが最優先です」

 

卒業して魔法兵団の第三部隊隊長になったルイス。

とある水害の際に奮闘し、「結界の魔術師」の肩書と魔法兵団団長への就任を果たして。

彼のほれ込んだ相手、ロザリーの父は現役七賢人「治水の魔術師」であり……娘を奪おうとしたルイスと対峙した際に、「知性と品性があり、王都に家を持ち、七賢人になれるくらいの男でないと認めん!」と言われたため、その条件を満たすためにルイスは奮闘。

 

ロザリーを待たせたくないと実績を挙げ続けており、学生時代から第一王子ライオネルと親しくしている彼は、第一王子派と目されていて。

そのために第二王子を擁立しているクロックフォード公爵は、彼が七賢人選抜に入りそうな時に潰したことすらあったとか。

その時は、ルイスと同じくラザフォードの下で学んだ「星槍の魔女」カーラが辞める際の枠を埋めるためのものだったそうですが。

 

そんな折、ルイスとロザリーの仲を阻んでいた張本人である治水の魔術師が引退を考えるという話が出て。ルイスの推薦と同時に、ロザリーとの婚約を認めるということにまでなって。

ルイスの努力が実を結びそうだったのは、まぁ良かったですね。ただ、治水の魔術師殿が寄った勢いで執事にロザリーとルイスの文通を妨害していたのもあったり、ルイスが惚気を控えていたこともあって、その婚約が「ルイスが七賢人になるためのもの」という誤解が広まって、ちょっとしたトラブルになったりもしてましたが。

……それもあって、今のルイスはモニカの前とかで頻繁に惚気てるのかなぁ、と思うなどしました。本編1巻で「帰宅した夫にキスぐらいあっても良いのでは」とか割と言葉にしてましたからね。

 

その騒動の中で、グレンを弟子に迎え入れたり、学生時代から何かとぶつかっていたアドルフが対立候補に挙がってきたりもして。

七賢人選抜にモニカも登場していましたが……ルイス達を前に、「私が開始を遅らせないと勝っちゃう」と言えて、実際に勝利を収めてるのトンデモない才能ですよね……。遠隔術式発動するときの挿絵はかなり迫力ありました。

ルイスとロザリーはすれ違いがありつつも、最後には幸せそうで良かったですねぇ。まぁ本編で結婚してるので確定事項ではありましたが。エピローグ、ルイスの故郷に訪問するのが、なんかすごい好きです。

サイレント・ウィッチanother 結界の魔術師の成り上がり・上

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「おい、クソガキ。入学するまでに、友人作っとけよ」

(略)

「でないと、お前は必ず行き詰まるぜ」

 

サイレント・ウィッチシリーズの番外編。

サブタイトルにある「結界の魔術師」ルイスについてのエピソードです。

本編主人公である沈黙の魔女モニカの同期であるルイスですが。実力もあり、妻帯しており、人見知りが過ぎるモニカに比べて交友範囲も広い。まぁ、割と豪快な部分もありつつも、貴族然とした振る舞いも習得している。愉快なキャラだったわけですけども。

 

元は北方にある娼館で、雑用をしていた少年だった、と。

たまたま宿代わりに宿泊した魔術師が落とした魔術書を拾い、それを読んで指導もなしに魔術を習得。

その後、その魔術師……ラザフォードに見つかって指導を受けることになったわけですが、1週間で初級教本の魔術全てを習得したとかで、ルイスもなんだかんだ天才ですよね……。

 

貴族が幅を利かせているミネルヴァに進学して、見下してくる相手に対抗するためにひとまず暴力という力を見せつけて、自分のスタンスをアピール。

それは最初に暴れることで、ちょっかい出そうとしてくる奴を減らそう、という彼なりの理屈があった行動でしたが。入寮初日に2度も指導を受けるのは、ある意味凄い。

天性の才覚はあっても、基礎学習が足りていなかったり、やりすぎたりする部分もあるわけですけど。荒っぽい彼と付き合ってくれる、心の広い人々も居て。

それどころか、無茶している彼のフォローとかもしてくれたりしていた、と。ラザフォードが「周りの人間の厚意に、無頓着すぎる」と問題点に気づいて、荒くれ坊主に合った向き合い方と指導をしてくれたの良かったですね。

ルイスも学園で運命の出会いをして、そのために自分を変えようとしてたり、思った以上に熱い男だなーという感じ。

物語の黒幕に転生して4~進化する魔剣とゲーム知識ですべてをねじ伏せる~

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「俺を信じて、そこで待っていてくださいますか?」

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「ずっとずっと前から、何もかも信じてるわよ」

 

作中でヒロイン2人が普段と違う衣装を着ているシーンを、しっかり口絵でカラーイラストにしてくれたのは実に良い仕事をされましたね! とても可愛くて良いと思います。

これは鈍感なレン君でも言葉に詰まってしまうのも無理はない。

 

帝国士官学院は、一昨年にはバルドル山脈での事件が起きたり、それ以降は英爵家の子どもたちが入学したりと注目を集めている時期であった。

レンしか知らないけれど、勇者ルインの血を引くゲーム主人公のヴェインもいますしね。

さらに二年に一度の獅子王大祭と呼ばれる祭りも控えていて……。士官学院の生徒も参加する、弁論や剣に魔法といった様々な分野でしのぎを削る大会であって、レオメルが国を挙げて行うイベントだとか。

しかし前回の大祭はバルドル山脈での事件の影響を受けて、そういったイベント部分を排除して学生のみの無観客試合をした関係で、4年ぶりとすら言える大祭は準備段階から盛り上がっていて……。

 

士官学院に入るような生徒たちは、だからこそ実技の大会への参加を希望して……準備を手伝う実行委員への立候補者が0名という事態になってしまったとか。

家の事情やユリシスからの頼まれ事が入りそうだ、ということで競技への不参加を決めていたレンとリシアは、学院長のクロノアに頼まれて実行委員になることを決めて。

レンが声掛けをしたことで、フィオナや第三皇子ラディウスに加えて、ラディウスの伝手で彼の側近みたいな少女ミレイも参加することになって。例年よりも半分くらいの人数ながら優秀なメンバーが揃ったのは良かった。

皇子であるラディウスを呼び捨てにして、気安くふるまっているレンを見て、「皇子相手にそこまで出来るなら、自分たちも呼び捨てにしてくれても良いのに」と思うリシアとフィオナが可愛かったですね。

 

剣技の授業でレンが他の生徒たちに実力を披露することになったり。

任務で長らく国元を離れていた、獅子聖庁の長官エステルが帰還してレン達との接点が増えてきたり。……以前、謎に手助けしてくれた剣王が、推定アシュトン家の調査をしていたり。楽しいイベント盛りだくさんでしたが。

今回は、ローゼス・カイタスにある時の檻と呼ばれる人知を超えた封印を見に行った際に、レン達がなぜか封印の内部に迷い込んでしまい、封じられていた存在と戦う羽目になったりしていたのがやはり山場と言えるでしょう。

レンが自分の秘密を打ち明けたり、一歩踏み込んだ部分が現れたり。さらに気になる要素が増えて行ったりと、実に良い展開だったと思います。

書籍書下ろし要素であるククルが時折登場して、使用人とかにも受け入れられたりしてる感じなの、微笑ましくて良かったですねー。目下、可愛い要素ではありますが、フレーバーテキスト考慮すると後々すごく強くなりそうなんですよねぇ。可愛いままでいてほしさもありますが、どう成長していくんですかねぇ。



職業、仕立屋。淡々と、VRMMO実況。

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「……生粋のエンジョイ勢なんて言って失礼しました。ブティックさんはイカれたエンジョイ勢ですね」

「いやそっちのほうが失礼ですけど」

 

気まま暮らしで気ままにクラフトをコンセプトにしたゲーム「きまくらゆーとぴあ。」をプレイすることにした主人公。

キャラクターネームはビビア。鹿の角を生やした女の子キャラで……当人の性格もあって、VRMMOではあるもののあまり他のプレイヤーとは交流せず、リアルなNPCとの交流だったり、売りの一つでもある生産に打ち込んだりして気ままに楽しんでいたわけですけれども。

 

積極的に情報を得ていなかったこともあって、全プレイヤーに影響のある「革命イベント」を予期せず発生させてしまうことに。

全プレイヤーに公開される動画には、ダミーのアバターで参加する事こそできましたが。

イベント発生時に近くに居た別プレイヤーの手によって特定されてしまって、店舗のコメントに荒らしが湧いたりするトラブルもありましたが。

……そこで負けたりせず、商品に無関係なコメント寄越してきた相手を全ブロックしたり、コメントしたけりゃ高額で出品したゴミアイテムを買ってからにしてくれよな! とやり返したりする強かさを持っていたのは良かったですね。

 

騒動で変な注目を集めることになってしまってましたが、主人公のビビア、ゲームシステムに頼り切らずオリジナルデザインの衣装を作って販売したりする、生産要素を満喫していて。

そのデザインの良さは先達プレイヤーにも認められるほど。さらにシステムに頼り切らない制作スタイルのおかげで、制作した衣装に「スキル習得可能」という特殊な効果をつけることにも成功していて。

更には制作衣装に惹かれて縁のできたプレイヤーから、NPCとのデートイベントで自作衣装を着せる方法を教えてもらったり、これまで好感度があがらないとされていたキャラとのイベントを発生させたりしたことで、今後ますます注目を集めることになりそうですねぇ。

ビビア視点のエピソードと、他キャラのやり取りが描かれるスレッドが1エピソードで半々の構成になっていることが多いですね。ビビア、割とエンジョイ勢で活動範囲が狭いので、ゲーム的な要素の補完は掲示板回で行われるのが作品ならではの味。

凡人転生の努力無双~赤ちゃんの頃から努力してたらいつのまにか日本の未来を背負ってました~

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「ちょっとだけ、待ってて」

(略)

「僕が祓うから」

 

普通の人生を送っていた青年が、通り魔に刺されて死亡。

……そして気がついたら彼は前世と似ているけれど、魔物とそれに対抗する祓魔師が存在する世界に生まれ変わっていた。

赤ん坊の状態でも意識ははっきりしていて。体が出来ていないから動けないし喋れないけれど、目と耳といった知覚能力だけははっきりしていた。

 

生まれた直後、母に「どうか無事に三歳を迎えられますように」という不穏な言葉を言われ、気にかけていたみたいですけど。

魔力が身体の中にある器のなかから零れると、強烈な痛みをもたらす「魔喰い」という現象に襲われること。そもそも祓魔師という仕事が危険で、死に近い家であったようですねぇ。

 

生まれ直した先でも死にかけないといけないのか、とイツキは祓魔師になりたくないとすら思っていましたが。長男が家を継ぐ伝統があるようで、逃れることも出来なそう。

それならば、出来るだけ強くなって死なないようにしよう、と彼はずっと努力を続けて……彼の想定以上に評価される力を会得するに至ったわけです。

基本的に6段階で評価される祓魔師において、例外として規定されている7番目として認定されるくらいですしねぇ。

同年代の少女達も許嫁になろうとしてますしね。親世代の思惑もあるでしょうけど、優良物件なのは間違いないですからね……。

実際まだまだ若い、どころか幼いと言っていい年齢の内から、歴戦の祓魔師でも叶うか分からない高位の魔物と戦う羽目になって、人的犠牲を出すことはなく勝利しているの凄いですよねぇ。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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