「よく覚えておけ――アードラーは二度も奇跡には頼らん」
敵陣では、ウィリアム王子が兵糧を焼かれたことや本国からの輸送が滞っていること、さらにはヘンリックからの工作もあってウィリアムの行動を阻害しようとする意図が見え隠れして。
アルも北部諸侯をまとめるのに時間がかかっていたので、敵が一枚岩じゃないのはありがたいんですが……。
そしてウィリアムは一度前線を離れる結果になって。その敵陣の変容を察して攻勢に転じられるレオの行動力が光ってましたね。
あくまでアルノルト皇子として出来る範囲で動くと決めていて、友人になったシャルのことを心配はしているけれど、シルバーとして戦争に助力するつもりはないと一線を引いているのは彼の偉いところですけど、同時に救えるのに救えない状況も発生するので痛いシーンでもありますよね。
目の前の争いに勝つために動く一方で、様子のおかしい帝位争いの裏で暗躍してそうなグリモワールへの対処も考えなきゃいけないのが厄介ですよね……。
ゴードン陣営にも協力していて、今回もまた子供を兵器利用しようとしてきたりしてましたし。
それを読んでいたアルが「2度も奇跡に頼らない」と、対抗策を用意していたのは良かったですね。
致命傷を負ったゴードンが、最後にはかつての自分を取り戻して、厄介な貴族を切り捨てた上で、自分相手に勝ちを拾った弟たちに手柄を与える最期を選んだの、良いシーンでしたけどそのまま死んでいったのは惜しすぎますね……。
冷静になった彼は優秀な人材みたいでしたから。帝国、本当にボロボロだなぁ。