気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い

最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する12

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「よく覚えておけ――アードラーは二度も奇跡には頼らん」

 

敵陣では、ウィリアム王子が兵糧を焼かれたことや本国からの輸送が滞っていること、さらにはヘンリックからの工作もあってウィリアムの行動を阻害しようとする意図が見え隠れして。

アルも北部諸侯をまとめるのに時間がかかっていたので、敵が一枚岩じゃないのはありがたいんですが……。

そしてウィリアムは一度前線を離れる結果になって。その敵陣の変容を察して攻勢に転じられるレオの行動力が光ってましたね。

 

あくまでアルノルト皇子として出来る範囲で動くと決めていて、友人になったシャルのことを心配はしているけれど、シルバーとして戦争に助力するつもりはないと一線を引いているのは彼の偉いところですけど、同時に救えるのに救えない状況も発生するので痛いシーンでもありますよね。

目の前の争いに勝つために動く一方で、様子のおかしい帝位争いの裏で暗躍してそうなグリモワールへの対処も考えなきゃいけないのが厄介ですよね……。

 

ゴードン陣営にも協力していて、今回もまた子供を兵器利用しようとしてきたりしてましたし。

それを読んでいたアルが「2度も奇跡に頼らない」と、対抗策を用意していたのは良かったですね。

致命傷を負ったゴードンが、最後にはかつての自分を取り戻して、厄介な貴族を切り捨てた上で、自分相手に勝ちを拾った弟たちに手柄を与える最期を選んだの、良いシーンでしたけどそのまま死んでいったのは惜しすぎますね……。

冷静になった彼は優秀な人材みたいでしたから。帝国、本当にボロボロだなぁ。

最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する11

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「すべて自分で選んだことです。俺はお連お責任で、義務を放棄して出涸らし皇子と呼ばれた。それは誰のせいでもありません。そして今回、前線に出るのも俺が選んだことです。義務を感じたからこそ、レオは選んだ。ですが、俺が煽情に向かうのは帝国のためではない。家族と近しい人たちのためです。俺は――家族や近しい人が最後に謝る未来は見たくない」

 

北部諸侯の連合軍が早々に敗れ、レオ達の立てこもった城も敵に包囲されつつある。

皇帝としては信頼できる人物を応援として出したいが、先だって騒動が起きた状況であることから、会議は停滞していたようですが。

アルがいま覚醒したという体裁で助けに行くことを名乗り出て。それが認められてアルもまた北部を訪れることに。

 

三年前に皇太子が北部国境で死んだことから北部諸侯は冷遇されていて、皇族相手にも思う所がある。そんな地域だそうですが。

出涸らし皇子と言われる自分だからこそ出来ることがあるだろう、と主張して北部連合諸侯軍を作ろうと足掻くことに。

 

レオがいるからには、アルもいつかは出てくるだろうと警戒を続けている竜王子が敵としては厄介過ぎるなぁ……。

アルはレオ用の支援武器として魔導戦杖を携えて行ったわけですが、北部領地でくすぶっていた人材ノーヴァという竜とその相棒フィンを見出し、武器を貸与することにしたりして。フィンが実際戦場で活躍してくれてるので、なんだかんだそういう皇子出来るんですよね、アル。

 

フィン達と連れてきた戦力で、ひとまずレオ達への支援を完遂して。

その直後からアルは北部諸侯への根回しをしようと、唯一出涸らし皇子である自分をほめてくれた恩義ある人物へ会いに行っていたわけですが。

老齢だったこともあれど、心労も影響してかまさに亡くなってしまい葬儀が行われている場面に出くわすことになって。別口の騒動も起きていて、そういう意味ではギリギリ間に合ったとも言えますが……。

「あなたの助言が欲しかった」と素直に涙を流すアルは、結構珍しい表情見れて良かったですね。

 

皇子として知られると、北部貴族との隔意が壁になってしまうと傭兵シュワルツという偽名を使って、恩人の孫娘シャルロッテとの交流も始めてました。

割と早い段階で皇子バレして、その上で北部をまとめるための協力者になれたのは良かったですねぇ。彼女のもう一人の祖父、北部の重鎮ローエンシュタイン公爵の説得に2人で一緒に赴くの良いシーンだった。

強かな老公爵を、説得してのけたのはお見事。失われる命について互いに理解していたからこそ、という一面もありましたが……それでも、必要な材料がなければ公爵は肯かなかったでしょうしね……。

最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する10

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「あなたは許されないし、許さない……けど、昔の借りだ。不満でしょうが、俺があなたの最期を看取ります」

 

大騒動を乗り切った者の、魔力の使い過ぎで寝込んでしまったアル。

実に1か月半もの間寝ていたらしく……その間に、ザンドラの処刑も決定していた。帝毒酒という長く苦しむ毒を与えられ、最後誰かが見送ることも禁じられた。

それを知ったアルがシルバーに変装した上で会いに生き……かつて彼女に助けられた記憶がよぎり、最期に自分の正体を明かしたの良いシーンでしたね……。

アルが言った通りザンドラの行動は許されないけれど、「さすが……私の弟ね……」という言葉を残していったのは、心に残る。最後は妙に穏やかそうでしたし、今回の帝位争いはおかしい影響なんですかねぇ。

 

SS級冒険者シルバーが、帝国の戦争に関わったとして査問会が開かれる運びとなって。

フィーネが大使として動き、その開催を先送りにしていてくれたようで良い働きでしたね。

アルとシルバーを繋げないために、アルはまだ寝込んでいることにして、シルバーとして対応することに。自分一人だと面倒なので、他のSS級冒険者も巻き込んでいくことにしてましたけど、いやぁ、癖の強いメンバーばっかりでしたね。

手綱握りたくなる気持ちもわからなくはないけれど、絶対無理だろうって実感もあるので、今回の上層部は間違った選択をしましたよね……。

SS級冒険者を侮っていた向きもあるし、今回の騒動で他国からの圧力に屈した部分もあるみたいですから、頼りない人物だったのが入れ替わることになったのはヨシ。



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「クリスタ、俺を信じられるか?」

「……いつも信じてる」

 

帝都に結界をはるために必要な虹天玉。

複数そろえることで強力になるそれを、敵の手に渡さないために城に残る決断をしたアル。

他の面々は先んじて回収できた本物とダミーを持って個別に動くことで、囮になって。各々ができる形で戦っているのが良いですね……。

 

アルもただ虹天玉を探すのではなく、人質を取られて無理やり協力させられている将軍を助けて、彼に連なる兵士を救ったりして。可能な範囲で手を伸ばそうとする姿勢は評価したいところです。

 

ゴードンとザンドラが手を組み、連合王国のウィリアム王子までも協力してる状況下では、いかにアルたちの側が協力しようと出し抜くのは難しく……クリスタが捕らわれたのは痛い。

ウィリアム王子が、敵にも敬意を抱ける立派な戦士であってくれたのはせめてもの救いではありますが。そんな彼もまた今は侵略者なんだよなぁ……。

 

独自に動いたフィーネはエリクと遭遇し、めずらしく温かみのあることを言う彼を目撃して違和感を覚えたようですが。

目の前の騒動に対処するために、それを封じ込めて。……でもまぁ、案の定暗躍していたというか、疑われないようにふるまいつつも配下を動かして暗躍してるのが怖い。

 

今回の騒動で失われていったものも多いですけど、アルの奮闘で守られたものもあって。

レオ付きのメイドであるマリーが、アルへの評価を見直したりとか今後につながりそうなプラスがあったのは、良かった。

これで何もかも失われただと、あまりにも報われないですしね……。

危うい均衡の中でも、ひとまず勝利を拾えたのは何よりでした。 

最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する8

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「人間は足りない生き物です。完璧ではないからこそ、特異不得意が発生する。しかし、それでいいんです。他者が他者を補うのが人の在り方なのだから」

(略)

「だからこそ――他者に頼らず、自分の力だけを頼みとする人を皇帝にするわけにはいきません。力を貸してもらえますか? ミアさん」

 

アルは敢えてエルナやセバスと言った、味方してくれる戦力を聖女を救いに城を出たレオの応援に派遣して。

敢えて弱みを見せることで敵の警戒を薄れさせようとしたわけですが。その中で出来る範囲で人員を動かし、味方勢力を守ろうとするあたりがアルらしい。

 

これまで接点の薄かった弟ルーペルト皇子の母から、陣営に与するから助けてほしいと依頼を受けて、戦力が十分ではないからと断ろうとしたところ、トラウ兄からの援護も飛んできて。出涸らしと侮られつつもできることをしてきた彼の成果でしょう。

持て成すはずだった仙姫もアルを気に入って、式典最終日の武闘大会には一人で赴き、城で起こる騒動に対処したかった彼を自由に動けるようにしてくれましたし。

 

優秀な皇太子がいたからこそ、帝位争いとは無縁だろうと考え弟妹にも愛情を注いできた皇帝陛下は、それゆえに判断を間違えた部分があって。

それを補ってくれる宰相がいてくれたおかげで、最悪の事態においても信頼できる味方を確保できたわけですけども。

それにしたって内乱への協力者が多かったというか、予期せぬ裏切りでの混乱が生じたりして一筋縄ではいきませんね……。

予期せず庇護することになったルーペルトですが、この騒乱の中で「自分にできることをやる」姿勢を示してくれたのは良かったですね。

最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 外典

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「僕は知らないからね?」

「勝利には犠牲が付き物だからな」

「自分がそこに入っているあたり、兄さんはすごいと思うよ。すごくどうでもいい場面だけどさ」

 

電子限定で刊行された、書籍12巻の特典SS10編と、WEB掲載の外伝1編とSS12編、書下ろし2編の合計25編を収録した短編集。

カラーの口絵こそありますが、挿絵はないシンプル構成になってます。

書籍特典SS12巻時のものということもあって、内乱が激化している本編中に比べると穏やかでしたね……。

 

いやSSとして切り取れる短いエピソードとなると、そういう時間の方が描きやすいというのもあると思いますけど。

幼少期のレオとアルがやんちゃしてた話を聞くクリスタとか、たまにエルナも混ざってわいわいやってる感じが楽しい。

 

外伝「シルバーの弟子」は、そんなのいるの!? って思ったタイトルで驚き。

本編でそんな影ありましたっけ……って思ったら、帝国出身ながら故あって遠方にいるなら、無理もないのか。

とある依頼から出会った古代魔法の才能がある少女をシルバーが鍛え、彼女の悩みを解決しようとする話。必要であれば、二度と会いたくない相手でも他の寄りに行けるのは偉い。

 

どうしてえ暗殺者だったセバスがアルの執事してるのかを描く「セバス」や、アルたちの母と皇帝の結婚するきっかけ「第六妃誕生」とかの、過去の詳細がわかるSSが特に面白かった。「シルバー誕生」とかもそうですけど。

あと「ロングPV公開記念SS」っていう、明らかに記念で描かれたタイトルのSS。誰からも期待されていた皇太子ヴィルヘルムが健在だったころのエピソードで、兄弟姉妹でバチバチ言い合いしつつも、進む方向は一緒でありまとまっている感じを見ると、なるほど今とは全然違うなというか。そりゃ「今回の帝位争いはおかしい」って声も出てくるよ……みたいな気持ちになりました。

 

書下ろしSSは「レティシアとの出会い」。タイトル通りアルとレオが聖女レティシアと初めて出会ったときの話。「夢の学園」は学園パロディな夢を見るSS

この外典の刊行時期、7巻後だったみたいなのでレティシアのエピソードを書下ろしで入れるのは既読者向けのサービスですかね。良かった。

最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する7

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「アードラーの略奪は宣誓だ……この手に掴んだすべては誰にも渡さない……あらゆるモノから守るという誓いがアードラーの宣誓だ! この地はその誓いの産物だ! この帝国にお前たちの居場所はない! 血が絶え、誓いが消失するまで――アードラーは略奪したすべての守護者だ!」

 

悪魔と対峙し撃退したSSランク冒険者シルバーの報告を受けても、冒険者ギルドは「随時調査を進める」などという生ぬるい返事か帰ってこず。

かつて悪魔は大陸の人類を一度追い込んでいる脅威であるため、迅速な処理が求められるというのにトップがこうだと思うと頭痛の種が増えるな……。

シルバーとして独自に動こうにも、式典前でアルノルトとしての仕事が山積みなのも辛いところ。シルバーっていう隠し札は強力ですが、なかなか使いどころが難しいですね。

 

式典に、結界を張り外部と交流を持たないエルフの里から要人が来ることになったり、皇太子の死の原因を作ったともいえるコルニクス藩国からのも来ると言われたり。

この期に及んで厄介そうなネタが増えていくっていうんだから、裏で動いているゴードン達の本気を感じますね……。

レオ達に好意的な王国の聖女レティシアは親帝国派ですが、だからこそ帝国との争いを望む派閥に命を狙われているようですし、どこも一枚岩ではないとも言えますけど。

 

皇太子の弟であり、藩国に一番思う所があるだろう芸術好きのトラウや、皇帝が皇太子の死に思う所がありながらも、前に進もうとするのは尊い。

……そうやって国を思う皇子がいる一方で、内乱起こそうとする皇子もいるんですよねぇ……。

今回、レオがアードラーの一族の宣誓だと示したあり方は、理想的で傲慢で……貫けるのかを見守りたくなりましたね。優しいだけじゃない覚悟を見せてくれたのは、今後に期待できてよい。

アルも可能な範囲で手を打っていますが、決定的な証拠を得られない以上相手の動きを待つ後手の対応にならざるを得ないのはつらいところ。「外」に出した駒が活躍してくれることを祈りたいものです。

最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を影から支配する6

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「大きな枠組みで括るでない。エルフが全員、ハーフエルフを認めないわけではない。少しずつでいいのじゃ。少しずつ変わればいい」

(略)

「少しずつか……あなたらしいな。では俺もそれを信じてみよう」

 

SS級冒険者、迷子の剣聖エゴール。

彼が気にかけている人物を助けることで、シルバーが貸し一つを勝ち取れたのは良かった。

まぁそういう実利だけではなく、アルノルトとしては直ぐに助けることのできなかった、ゴードン陣営で人質を取られて働いていた軍師のソニアを助けることができたのも、アルの背負っていたものが一つ減るわけですから、勿怪の幸いというか。

天才軍師とまで言われたソニアの育ての親までもが「今回の帝位争いはおかしい」という助言をくれて。

今のゴードンを見てると信じられませんが、ただの猪武者が将軍になれるほど甘くないし、かつての彼は初陣で多くの犠牲を出した結果助言を取り入れられるように変わっていたそうです。

それだけに今の変化が、帝位争いによって権力に取りつかれたとみるには不自然に映るとかで。いやぁ、不穏さ極まってきたな……。

 

レオ達の陣営はかつてより大きくなり……だからこそ、サポートしてくれる軍師を欲することになって、旧知の相手を探すことに。

レオが気に掛けるだけあって曲者感がありますが。彼は採用に関して、フィーネを求めて暴走している貴族連中へ、アルがどういった対処をするのかで判断すると言って。

なんだかんだ理由をつけつつ、アルはフィーネを大事にしてるんですよねぇ……そばにいる時間を心地よく感じてるわけですし。早く婚約なりしてしまえば、と外野から見てる分には思いますが。エルナもいるしな……。WEBではハーレムタグついてるし、慕ってる人を不幸にはしないでほしいものですが。

 

これまで侮っていた「出涸らし皇子」が、本気の反撃をしてたことで貴族たちも焦りを得たわけですが……あまりにも今更だったなぁ……。

民からの評判も落としそうな策を採用する当たりがアルらしいとも思いましたが。敵の愚かさによって状況が悪化してアドリブ効かせる羽目になったりして、頭痛かった。アルがこれまで敢えて侮られつづけ、反撃したが故の悲劇でもあるのでどちらが悪いとも言い難い気もしますけどね。

しかし帝位争い以外でもこんなこと起きてると、帝国の未来を憂いたくはなりますよね……。

 

その騒動ののち、レオの初恋の相手である王国の聖女が式典のために訪問してきて。

彼女の接待役をレオが務めることになったものの……どうにも彼女自身に心配事があるようで、陰りが見えた。

それを察し、嫌な予感がしたアルがセバスに調査を命じたりしていましたが。

ゴードンとザンドラが手を組んで計画を実行してるようで、心配が当たってしまったのがなぁ……。

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「いいんです。僕は偉くないよ。たまたま僕の父上がえらいだけさ。僕が偉いかどうか……これからの振る舞いで決まる」

 

南部の争乱がひと段落した時期に行われたパーティー。

そこで皇帝は勅使を務めたフィーネや、活躍したネルベ・リッターやレオに加えてアルまでも乾杯の発声時に称えて。

注目を集めることになってアルノルトは動きにくくなりましたが……さらに今まで勢いにのってきた双子陣営の足を止める出来事が起きて。

 

帝位争いは強い皇帝を生み出し国をまとめるためのもので、そのための手段として内乱を用いるなどあってはならぬこと、と有力候補のエリクとレオは皇帝から注意をうけることに。

さらに皇帝即位25周年が近く、他国から賓客も招く予定であることもあって、帝位争いは公的に一時休戦となることに。

ここで派手に動けばすなわち帝位争いからの脱落を意味するため、基本は大人しくしないといけないわけですが……そんな状況だからこそ、暗躍する輩もいて。

 

アルノルト皇子として、賓客の一人……仙姫の対応を行いつつ、シルバーとしても闇でうごめく輩への対処をしないといけなくて大変そうです。

民の為に動くのが冒険者であり、シルバーもそのために動いてきたわけですが。彼が活躍しすぎるのが面白くない勢力というのもいて。

 

冒険者ギルドと帝国の思惑によりシルバーを排除した、危険な魔獣の討伐作戦が計画されることに。……一部が暴走して、結局はシルバーが出向くことになったわけですが。

もう一人SS級冒険者がやってきたり、大陸最強の矛と言われる聖剣使いのエルナに、大陸最強の盾と言われる仙姫の助力を得たりして撃破したわけですから、現場を知らないギルド上層部の判断よ……。

 

さらにアルノルトの評判が上がってきたことで、彼の隣にフィーネが居続けるといつか関係が進展してしまうのではと焦った若い貴族たちが、手出し無用の盟約から抜け出し始めたとかいう問題も起きていて。

……いやしかし帝国、火種ばっかりだな……。今回は他国からの干渉もありそうですけどね。

 

最強出涸らし皇子の暗躍帝位争い 無能を演じるSSランク皇子は皇位継承戦を陰から支配する4

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「よろしい。よく聞け。これは出涸らしの誓約だ。帝国中の笑い者が見せる誓約だ。よく見ておけ」

 

紫の狼煙を挙げる変事。

以前あがった時には皇太子が亡くなるという凶報がもたらされたが、今回は一つの貴族家が潰えたものの、皇子は無事に、成果を上げた上で帰還して。

レオナルトの名声が高まる一方、表向きは無能を装っているアルノルトへの蔑視も強まって。

 

姉に求婚を続けているユルゲンみたいに、理解してくれる人も増えて来てくれてますし、レオの地位が高まるほどに兄の悪名がついて回るのも厳しいでしょうから、どこかで払拭できないものでしょうか。

……アルの評判が良くなると、今までみたいな暗躍が出来なくなるので、弱小勢力としては厳しいものがありますし、タイトル的にも継続はしていくんでしょうけど。

 

妹だろうと、実験の材料としかみていないザンドラは因果応報でもっと痛い目見て欲しいなぁとは正直思いましたね。

侍女や部下には、他言しようとしたら痛みが走る呪いで行動を縛っているようでしたけど。……首輪をつけてる割にぬるいな、とは思いました。

 

喋ろうとしたら即死レベルまで厳しくしたら、それこそ呪いを疑われるのである程度緩くする必要はあったんでしょうけど。

痛みに耐えられるヤツが居たら、情報筒抜けなのでは? と思ったら実際スパイ潜り込んでましたし……。

 

エルナの父親曰く、今回の帝位争いはおかしいというか。ザンドラとゴードンの振る舞いにおかしさを感じているそうで。……これ、帝位争いになんかヤバい副次効果が付随してませんかね。

アルとレオにその手の反動が見られないのは気になるというか……エリクも落ちついている方ですし、彼の策略によるものかな? どっちの陣営の情報もすぐに得られる配下を潜り込ませてるみたいですし、薬を盛って冷静さを失わせるとかは出来そう。

 

エルナが登場して以降、アルの幼少期のトラウマトークがセットでついてくる事もあって、イマイチ好きになれなかったんですが。

彼女がアルの剣であろうとする誓いが重くて、実際に実行してくれた姿勢を見ると手のひらひっくり返したくなりますね! 可愛い妹の護衛につけただけはあるというか。格好良かったです。

 

傷持ちの騎士たちを味方につけるべく演説をしたアルも、強かったですけど。決めるべき時に決めてくれるのは評価たかいですよ。

ただ、味方陣営で不和があるのは良くないので、なにかのタイミングでレオのメイドからも加点を貰うべきだとは思いますが。どうなるのやら。


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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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