気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

服飾師ルチアはあきらめない

服飾師ルチアはあきらめない~今日から始める幸福計画~2

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「腹を立てても嘆いても相手が変わってくれるわけじゃないし。上司やお客といったものは変わってほしくてもなかなか変わらないもの。自分で変えられるのは、自分の行動と仕事の中身、あとは環境だけだもの」

 

正式に竣工した服飾魔道工房。

元々ルチアは、ダリヤに五本指靴下を最初に依頼されたという経験を買われて工房長に抜てきされたわけですが。

若輩であるし、自身の不足も痛感していた彼女は、それの制作が軌道に乗ったら交代になると考えていたようですね。

でも、彼女に不足してる所が多いのが確かでも、工房の長としての覚悟と服飾師としての誇りは確かにあって、慕ってくれてる人もいるんですよね。

 

そんな状態で、ダリヤは止まらず魔導具開発を続けていて……「少し風の出る布」こと「微風布」が持ち込まれたんだから大騒ぎです。

五本指靴下の方が、ある程度形になった後で本当に良かった。

ダリヤも若輩だから、多くの職人が先達で先輩だって構えですが。服飾ギルドの魔導具士などから見ても、彼女の付与は際立ってるようで。それで腐らず努力できる人達で良かった。

ルチアも改めて自身の不足を見つめ直し、貴族相手の対応について学んでいこうと成長を決意してましたし。気持ちいい職人が多くて、読みやすい。

 

制作者として魔物討伐部隊への披露の場所に同行する事も多かったようですが……ルチア本人に、愛人疑惑を叩きつける貴族がいた場面にも居合わせて。

友人への悪評にしっかり怒り、服飾ギルドとして彼女の戦闘衣装を誂えようって言う流れは良かったですねー。

 

ルチアはお客さんに慕われているのもあって、名前を表に出して彼女を推薦しても良いという人々が多いというのも良かった。

ただ、注目を集める工房の長が貴族でないって言うのは弱みになりかねないし、むしろ抱え込もうとする人もいるから、守るための壁は必要だっていうのは面倒臭いことですなー。ルチアも勉強してましたが、この国の貴族の言い回し本当に独特でうっかり言ってしまいそうなものまであるから、正直黙っていたいっていうルチアの気持ちも良くわかる。

工房仲間との交流も順調で、しっかり工房長やってるのが良いですねー。


服飾師ルチアはあきらめない

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「流行を無理に追わなくても、合う服の方が素敵だと思うんです! 気に入ったなら似合うところだけ取り入れればいいと」

「まったくそうだ! 俺は流行は交ぜるものであって、追うものじゃないというのが持論だ」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで930日まで。

『魔導具師ダリヤはうつむかない』のスピンオフ。ダリヤの友人であり、五本指靴下を作った工房の娘であるルチアを主役にした話ですね。

 

まず、イラストがかなりいい味だしてると思いました。

表紙と扉絵がカラーで同じキャラが配置されてるんですけど、悩み相談を持ってきたキャラのビフォーアフターを描いてて、かなり印象が変わってるのが分かる。

逆に自分のスタイルを確立してるルチアとフォルトは、職人ってのもあるでしょうけど服が変わってないんですよ。そういう見せ方が上手い。

 

父親の紹介で出会った現役の服飾師ラニエリから指導を受けつつ自分でも学び、技術を磨き続けていた。夢に向かって進む彼女の在り方は、とても好ましい。

ダリヤの開発した「五本指靴下」の需要が出来て、関係者として呼び出された中で小心者の父が目を回したりした中で、手を挙げて。新設された工房の工房長にまでなった。

 

新参者の、若い女がトップに立つことのやっかみもあって、嫌がらせを受けたりもしてましたが。めげずに対応した辺り、キャラとして強いなぁ。

大人がしたことだからかわいそうとは思わない。けど腕はたしかだから手放すのはもったいない。そういう判断を下せる辺り、酸いも甘いも知ってる感じがして好き。

 

服飾師としても、ギルド長のフォルトを惚れされるデザイン画を描いてたり、彼女が発信源のアイデアには貴族にも通用する部分があって。それでもルチアは今の自分の腕に満足していない。成長する余地が多くて、とても頼もしい。

彼女がそうなる切っ掛けをくれたキャラが、本編に出てくるヨナスだって言うのも意外な縁で面白かったですねぇ。いつか対面するときがくるのだろうか。

 

ルチアが対応したお客さんたちも、良い人が多くてほっとする話が多かったです。

自分に自信がない騎士令嬢に、婚約者を惚れ直させるドレスを作ったり。孫に怖がられるおじいちゃんの印象を変える工夫をしたり。双子の令嬢の、個性をだす服を作ったり。

「服飾師と安いドレス」のエピソードで、位の低いお嬢様のドレスを作って、それが嫌味な相手に汚されて。喧嘩を売りに行った度胸はお見事。

悪役側の令嬢の父君、エルノーラ伯爵が父としていき届いてなかった部分を娘に詫び、「安いドレス」と評する場面が結構気に入ってます。

 

 
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ちゃか

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