気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

朱里

ゲーム世界転生<ダン活>~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を<はじめから>プレイする~10

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「いいゼフィルス? 私がいなくてもあまりはしゃぎすぎないでね?」

「そんなに念を押さなくても大丈夫だシエラ!」

「大丈夫じゃないから言っているのよ?」

 

夏季休暇を堪能する第10巻。表紙で浴衣着ていたり、水着を着ている挿絵が多かったのはかわいらしくて実によかったですね。

ニーコが仲良し3人娘に連行されていくところの挿絵とかも可愛くて良かった。

帰省するメンバーも居る中で、イベントを存分に堪能するためにしっかり全員居る間にスケジュール相談したり、シエラやセレスタンのフォローもありますけど、ゼフィルスなんだかんだちゃんとギルドマスターやってるんですよね。

本人がダン活の世界を堪能するために最前線を突っ走る暴走機関車すぎるのでアレですけど。学年1位を取ったりしているし、しっかりやることはやってる。

 

下部ギルド〈アークアルカディア〉から〈エデン〉への昇格試験を実施したり。

ボス周回で溜まりに溜まっていってる素材管理が、さすがに追いつかなくなってきたので、正式メンバーではないけれど、サポートしてくれる「助っ人」制度で人を入れようという提案がされたり。

アークアルカディアから昇格した後、下部ギルドに取り込む人員についてメルトやミサトと相談したり。今はまだDランクだけれど、もっと上を目指していくつもりしかないゼフィルスは今のうちから手を打ってるんですよねぇ。

それは今更言うまでもなく、高位職の条件に付いて学園に情報を流したり、有望そうな相手に声掛けしたり、特別授業で教鞭取ったりしてることからも分かっていた話ではありますが。アークアルカディアの面々もゼフィルスの戦法を学んで実践しようとしていたり、彼の齎した変化で成長している面々が多いのを実感する。

 

今回巻末の番外編で、帰省したラナとシエラのエピソードと、助っ人として採用された掲示板の商人1年生ちゃんことマリアちゃんと勇者ファンの会話が入っていたのは良かったですね。

学園に行くまでは行きたがってなかったラナが、そこで楽しさに目覚めて逆に王城での生活でストレスを感じるようになっていたり。しれっと幸猫様が王家の宝物庫にも無い希少ドロップだと明らかになったり。

あとは、シエラが実家で盾姫就任を祝われつつもゼフィルスとの関係についてつつかれたりしたのを、勇者ヤバいトークで乗り切ったのはちょっと笑っちゃった。

そうやって苦労して戻ってきたシエラ達も交えて、ギルドで実施したエクストラダンジョンでの合宿を満喫できていたのは、良かったですね。実に楽しそうだ。



ゲーム世界転生<ダン活>~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を<はじめから>プレイする~9

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「ふふん。もっと褒めてもいいわ。むしろもっと褒め称えるべきね!」

「そうね。ゼフィルスは最近私たちを褒める回数が少なくなっている気がするわ。この機会にいっぱい褒めるべきよ」

「え、マジで?」

 

10巻の感想書こうと思って、ちょっと確認したら9巻の感想書いてなかったので慌てて書いています。

期末試験&夏季休暇直前。ダンジョンへ入れなくなるし、その後の休暇で王女であるラナのように実家に帰らないと行けないメンバーもいる。期末試験で赤点を貰うと、追試なんかなくストレートで補習になって、時間を取られることになる。

 

そのため、ゼフィルスはメンバーと勉強を一緒にして、夏季休暇を存分に楽しめるように奔走することに。

この世界の常識に疎いゼフィルスをしっかりとフォローしているシエラのサポート力が光りますね。

……試験に備える傍らしっかりDランク昇格試験の調整や、下部組織の設立までも進めているの、大忙しってレベルじゃなさそうですが。テンションMAXで乗り越えているのが容易に想像できるな……。

 

新メンバー歓迎だったり、Dランク昇格、試験終了と今回はまたいつにもまして打ち上げ回が多くて楽しんでるなぁ……という感じではありました。

番外編は、エデン加入を果たした仲良し3人娘の話と、ジョブ【コレクター】であり周回地獄に引きずり込まれることが確約されたニーコ、ゼフィルスが確保したがっていた鍛冶師であるドワーフ少女アルル視点の話がありました。常識揺さぶられている場面がそこそこあって面白かった。

ゲーム世界転生<ダン活>~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を<はじめから>プレイする~8

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「〈エデン〉はいずれSランクになるギルドだ。やる気があって実力もアル。そんな人しか受け入れられないぞ?」

 

順調にダン活ライフを堪能しているゼフィルス。

彼の率いるギルド〈エデン〉のメンバーも、時に暴走するゼフィルスに負けずと突っ走ってる状況ではありますが。

近く、中級中位のダンジョンに挑むにあたって、カルアの装備が乏しいと話題になって。すわ爆速進行の弊害かと思ったら、カルア、自分の報酬の多くを食費に注ぎ込んでいたと聞いて笑っちゃった。もうちょっと貯蓄しようや……。

 

初めてオークションに参加して装備を新調したり、ラナの好物のジュースをセレスタンから謎の資金援助を受けて落札したり。

他愛無いはずの事でもワイワイ楽しそうにしてるの、良いですよねぇ。新装備のカルアの挿絵があったのは良かった。可愛い。

レア度高いけどエデンでは使わないアイテムを納品して、ぬいぐるみという報酬をゲットして、ほとんどのメンバーが感動してたのも微笑ましかったというか。

仲も良いし、可愛いキャラたちが可愛いもの愛でてるシーンも多くて、なんか見ててホッとする。

 

新たに加わったメンバーであるミサト。彼女はこの作品で定期的に登場する掲示板の住人と交流があるキャラだったわけですが。

そこの伝手も駆使して、エデンの新規メンバーを募集する大面接会を開催することになって。注目度が高いこともあってゼフィルスが頭を抱えることになってましたが。

条件ややこしいの多いのに、ゼフィルスが干渉することなく「歌姫」についている子が居たりして、エデンメンバーが飛びぬけているのを置いても、優秀な人員が多いですよね子の世代。

毎度爆弾を投下するゼフィスルの育成論講義の影響も結構ありそうではありますが。

 

上に向かって止まらずに突き進んでいるのが〈エデン〉である一方、激変の時代において落ち目に入ってしまうギルドというのも出てきて。

メルトの所属していたギルドなんかも転職に飛びついて戦力減したことでメルトに見限られてましたしねぇ。Aランクギルドのテンプルセイバーは、エデンによって注目を集めた「馬車」のレシピを求めて上位ギルドに挑んだ結果、自分たちの作戦の核を成すアイテムを失ってしまって。

 

そのことで下位ギルドのギルマスが、ギルドの枠からあぶれるメンバーを早い段階で逃がすなんて事態も起きていたわけですが。

そのおかげで、ゼフィルスが「竜が居ない」とされている作中世界で御伽噺にしか見られない「竜騎姫」になりたい、という育て甲斐のある人と出会えたわけですから、何が影響するかわからないものですなぁ。

ゲーム知識を持っているゼフィルスにかかれば、その夢は叶うの確定してるんだよなぁ。良かったね、と早めの拍手を送っておくことにしましょう。

 

電子版特典SSが「ハンナのノエルさん、ラクリッテさん、アイギスさん案内回!」。ハンナも順調にエデンに染まってしまってまぁ……というのが分かる回でしたね! スラリポにハマりすぎたのもありますが……。溢れるほどの魔石とは……。

ゲーム世界転生<ダン活>~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を<はじめから>プレイする~7

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「悪いな」

「いいわよ別に、効率の良いことだけさせるのもダメ、なのよね?」

「おうよ。ダンジョンは楽しまなくちゃいけない」


ゼフィルスはいつも通り楽しくダン活ライフを満喫していました。

ギルド「エデン」のメンバーは、彼に伝説の役職に就けてもらった恩義があったり、彼の暴走に付き合える気合の入った人々が多いですが。

よく彼に振り回されている男子、サターン達からすると横暴で自分たちに高難易度の課題を与えてくるし、自分たちより強くて目立ってるし、エデンは傍から見るとハーレムギルドになっているし。


そんな鬱憤が溜まりまくった結果、サターン達のギルド「天下一大星」たちからギルドバトルを挑まれることになっていましたが。エデンの女性陣がめっちゃやる気だったの面白かったですね。


それ以外だと、第一回ゼフィルスの講義が注目に値するものだとして、第二回講義では外部から聴講に来る人々が多かったわけですが。

偉い人がきすぎて挨拶が多すぎて授業が押して、ちょっとイラっと来たゼフィルスが「忌避されがちだが、転職はするべきだ! 中位職に就いてから条件を満たし、高位職に就くべきだ!」と主張。勇者からの爆弾情報によって、新制度を設ける必要が出てきた校長先生とかは大変ですね……。



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「仮令我々が壊滅しようが、君達は生きてこの場から落ち延びる必要がある。その責がある。――君には、分かるはずだ、マリヴェル。私は君に、その責を教えたのだから」

 

神に作られた人形であった聖女マリヴェル。

そんな彼女を愛し、人としての生き方を教え込んだ当代の教会。その忘却が痛かったわけですが……記憶を残したエーレの足掻きが、ついに実を結ぶことになって。

そこに至ってしまってなお、自分を大事にしなさすぎて怖い部分はありますが、吹っ切ったエーレが都度修正かけてくれてるので良いコンビだなぁ、と思ってみていました。

 

幼少期のエーレが眠っていた時期、マリヴェルと想い出を紡いでいた時の断片が描かれていたのも良かったですねぇ。

モノとしての価値基準で語るマリヴェルに、人としての生を拒絶しつつも返答を返してしまうエーレ、真面目だなぁというか。彼女の影響を受けて外に出る覚悟を決めたの、良いですねぇ。

始まりがそうだからこそ、エーレがマリヴェルの傍に居ようとするのは決まっていたんだな、というか。エーレが「自分は勝手に幸せになる」と言いつつ「俺の怒りはお前にやる」と語っているの、良かったです。

 

自分の使い方を定めたというエーレは、本当にそれをやり遂げたんですよね。

十三代聖女に就くことを決めた当代の神官たちに、マリヴェルとの繋がりについてエーレが指摘して言ったことを、それぞれが心当たりあるシーン好きです。

そういう指摘などの積み重なりもあり、記憶が戻らないままマリヴェルが聖女として教会に帰還することに。

 

先代聖女が犯した罪についての調査を進め、彼女が遺した呪いの根源も見つけた。

王城との会談の席を設けて、潜んでいた先代聖女派を炙り出しもした。

……そうした諸所の準備の間には当然書類仕事も挟まるわけですが、意識が逸れている隙に重要書類に署名させているエーレ、強すぎて笑っちゃった。

当代聖女が帰還したことと先代聖女の暗躍について気付き、聖女選考を停止して候補生たちを神殿に留めることにして。彼女たちの抱えている事情についても聞き取りをして、良い方向につなげようとしていた。

 

……とはいえ、敵も当然大人しくはしてくれないんですよねぇ。

先代聖女派の計略はとても長い時間をかけて積み上げられたもので、最終局面になんとか踏みとどまろうとする状況なわけで、いつでも苦境だったわけですが。

それにしたって、まさかあんな事態に発展しようとは。衝撃的すぎて、読んだ瞬間ちょっと固まっちゃいましたからね……。

彼の仕込みの影響で、望んでいた変化もまた訪れてましたが……タイミングがタイミングで、素直に喜べなかったのが悲しい。

ボロボロに追い込まれていった状況で、最後のあがきをマリヴェルは示そうとしてましたが……どうか救いがある結末を、見せてほしい。

 

巻末書下ろし外伝は『忘却神殿・Ⅳ』。

マリヴェルに縁談が持ち込まれて、相手が意欲的だったことでエーレとバチバチバトルすることになる話。その裏で、神官長との距離も近づいていて……「家族にならないか」という提案をされることになる、という名シーンもあり味わい深いエピソードでした。

……でも、最新時系列においてああなっているの思うと涙が……。

ゲーム世界転生<ダン活>~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を<はじめから>プレイする~ @COMIC1

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(なるほどなるほど ゲーム時代と違う〈ダン活〉…………)

いいなそれ!!

「よっしゃ行こう! すぐ行こう!!」

 

同タイトル作品のコミカライズ。

気付いたら前世でやり込んでいたゲーム世界の主人公ポジションに転生した主人公。

学園に通う年齢――15歳のゼフィルス君になったけれど、ゼフィルスとしての記憶はなく、前世の意識のまま突き抜けていく話ですね。

……まぁキャラメイクすると基本は成長した姿での登場ですからねぇ、そういう感じなんだとは思います。

 

思わず叫んでしまう位にこの世界を愛しているゼフィルス君、自重っていう単語を放り投げて満喫してますな……。

イベントクエスト「スライムに襲われた少女を助けろ」を達成するために、やたら遅いスライムの襲撃街してるシーンとか、絵になるとなおシュールで面白かった。

 

ウキウキしてさぁ出発だー! って思ったら田舎の村だったため学園まで馬車で10日とか言われて、娯楽をくれと内心で叫んでるのが実に現代人っぽかったですね。

……まぁ暇つぶしを兼ねて、その10日の間にジョブの発言条件を満たしまくって、学園関係者も驚く一覧を創り上げたりしてたので、無駄な時間とはならなかったみたいですが。

ダンジョンの攻略がゼフィルスの認識よりも進んでおらず、ジョブの認識もまた歪んでいる。だからこそ、もっと楽しんで世界を知ろうと示す彼の姿は結構好きです。

実際誰よりも楽しんでますからねぇ。同じくらいハンナとか周囲を振り回していくことにもなるんですけど。

 

巻末には書下ろし小説で「学園到着、ゼフィルスとハンナの学内探検!」、「初めての初心者ダンジョン攻略の夜、ハンナのおもてなしご飯」を収録。

制服とかの支給品の一部に、容量が少量ながらアイテムバッグが含まれているとか。大図書館の大きさにハンナが驚いたり、食堂のご飯のおいしさを堪能したり。

調味料を買い足したりして、ハンナの料理をごちそうになったり。まだゼフィルスとハンナだけで行動してるから、その分ハンナ要素が濃密でしたね。

ゲーム世界転生<ダン活>~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を<はじめから>プレイする~6

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「〈育成論〉は何になりたいとか目指したいとかではなく、何を倒したいかを目標にしている。皆、誰か勝ってみたい相手はいるか?」

誰々の様にようになりたいでは、甘い。

その誰かを超えたい。超えるためにどういうステータスが要求され、どういう完成体なら倒せるのかを考える、それが〈ダン活式育成論〉の考え方である。

 

ゼフィルスの教えを素直に受け取っていることと、彼を慕っている少女が多い事もあって〈エデン〉の雰囲気はかなり良いし、実際1年生のみのギルドとしては最前線を駆け抜けているわけですが。

そうやって目立っている彼の事が気に入らない、と1組のサターン達が結成したギルドが喧嘩を売ってくることに。

 

……ゼフィルス、この〈ダン活〉の世界を愛しすぎていて当然のように周回とかするけど、他の人からするとハードトレーニングと取られても間違いはないと思います。

その1点だけはサターン達が正しい。ただ、勇者を越えようっていうならそれを楽々こなすくらいできないと大変でしょう、とも思いますけど。

実際〈エデン〉ではゼフィルス流の周回に適応していってるわけですし。

それに優秀なジョブにつけたからって、雑魚にもいちいち大技使ってる彼らのやり方が拙いのも確かですし。自分たちをもうちょっと客観視できるといいね……。

そんなだからプライドだけが高い4人組、プラ4とか呼ばれるんだぞ……ゼフィルスの魔改造が入っていない、一般的な高位職のモデルとして面白い連中だとは思いますが。

 

ユーリ皇子のギルド〈キングアブソリュート〉が、この世界では偉業とされる上級ダンジョンの攻略に本格的に乗り出すことになって。

その準備のためのクエストが大々的に出されて〈エデン〉も協力することになったり。

後々に優秀な生徒をスカウトする布石として、ゼフィルスが講師として〈育成論〉を教えることになったり。

大規模イベントが目白押しで学園長は大変そうだなぁって思いました。

 

巻末書下ろしはタイトル通りの『ユーリ先輩と学園長の上級ダンジョン攻略準備相談。』エデンが周回にまつわるなにかを秘匿している、と気付きつつも下手につつくとヘビどころか竜が出てきそうなのを察知して、敢えて知ろうとしてないのは正解の立ち振る舞いですよね……。

あとは『シェリアとエステルの昔話』。ギルドに紹介するくらいの関係であるはずの2人ですが、ここのやりとりってあまり見ないので嬉しかった。

そして『ラナは健気に復習する』。ゼフィルスのこと本当に好きね……ラナ王女……微笑ましい。

 

あとは電子特典SSが『リーナさんに〈エデン〉をご案内』という、ハンナがリーナにエデンの特殊さを見せるものと、BOOKWALKER特典の『〈転職〉成功者の周囲の反応』として、こちらもリーナのエピソードでしたね。〈転職〉の話題性が、より強く伝わってくるSSでした。



ゲーム世界転生<ダン活>~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を<はじめから>プレイする~5

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「シエラさん、私あの表情見たことあります」

「奇遇ねハンナ。私も見たことがあるわ」

「私もあるわね。またゼフィルスがあれこれそれそれやったに違いないわ」

「はい。私もラナ様に同意いたします」

 

ゼフィルス達が通う学園において4月はジョブにつくための準備期間のようなもので、先んじて優良ジョブについたゼフィルス達はダン活ライフを満喫していたわけですが。

5月に突入し本格的に学園が稼働していくことになって。

いつものメンバーの内、ハンナは生産専攻という別学科に進むことになった上、ゼフィルスについていった結果、歴代最高レベルに到達してしまったことから、麒麟児なんて異名までついててちょっと笑ってしまった。

当人がやたら恐縮しまくっていましたけど、勇者の薫陶を受けた君にはそれだけの価値はあるよ……。

 

戦闘課へと進んだゼフィルス達はいつものメンバーと一緒の1組に在籍することに。

これはジョブの種類やレベルによって決定するらしいので、エデンの躍進を思えば当然の結果ではありますね。

勇者からもたらされた情報によって、今年の1年生は高位職についた生徒が多くなったとのことですが。

後に出会う公爵家令嬢の少女リーナのように、高位職が増えた影響で上位クラスに入れなかった生徒なんかも出てきてるようで、影響が著しいですね本当。

 

そのリーナはゼフィルスに見出されて、「転職」するルートに突入して、エデンに組み込まれ栄光への道をダッシュすることになってましたが。

エデンは戦力増強できるし、リーナは希望を見出せるウィンウィンの取引ではありましたね。ゼフィルスの勢いがすごくて戸惑うだろうし、彼に惹かれるヒロインは多いので色々大変そうでもありますけど。

リーナを出迎えたエデンメンバーが、1月の間にゼフィルスに慣れまくってるのが面白かったですね。

 

巻末番外編は「へカテリーナの人生転換期」、「モナ君の宝物より大事なメモ」、「ミストン所長の研究成果」。どれもタイトルから何となく予想がつく短編でしたけど、テンションおかしくなりつつも1月で成果を出して、これから部下が増え、今回で得たデータ分析とかも始まるミストン所長の話が笑えた。ゼフィルスがいる以上、所長のテンションこれからも定期的にバグるだろうしな……という信頼があるので。

電子限定SSは「〈エデン〉のへカテリーナ様歓迎会!」。ハンナ視点でリーナの歓迎会を描いたエピソードでヒロインたちのやりとりが多くて面白かった。

忘却聖女3

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「何だ……俺達が叩きつけてきた願いは、きちんと形になっていたんじゃないか。……ざまあみろ、ざまあみろマリヴェル。非力な赤子のような扱いを受けてきた俺達の願いが、神の定めた定義をねじ曲げた」

 

もう口絵のマリヴェルからして、いろいろとヤバい。

かなり限界が近いことが見てわかるのが……とても辛いんですよね……。

「十一聖 物」からスタート。スラム時代のマリヴェルのあり方が描かれるわけですが……いやぁ、歪んでるわ。

厳しい環境ゆえに他者を下に見て、自分たちの惨めさを認めない風潮がスラムにはあるようですが。それ以上に、マリヴェルの自身が物だという認識が強すぎる。

 

神殿で生活して諭され続けてきた今も、自分の優先順位低いとは思っていましたが、原点がコレであることを思うと、だいぶ人間味増してますよね。神官たちの努力が伺われる。

書下ろしパートでも描かれてましたが、国政の失策で生まれたスラムを、かつて救おうとした聖女もいたようですが失敗。先代聖女は成功の公算が低いと放置して……。

聖女の認知があったころのマリヴェルは、いつかそこにも手を入れたいと王子と話し合っていたとか。

本当に。突拍子もない言動とかもするし、常識外れではありますが、聖女であろうとする彼女の姿勢は本当に好きです。

 

神殿の医務室でマリヴェルが覚醒した時には2日ほどたっていたようですが。いまだにエーレもベッドの住人で……ここで「当代聖女陣営、壊滅です!」とか思っちゃうあたりノリが軽い。

本園後半部分でも緊迫してる状況で、「こってりどろ~り濃厚呪詛新発売って感じです」「最低最悪な商品に許可を出した部署を叩き潰せ」とかいうやり取りするし。マリヴェルとエーレの会話、好きなんですよねぇ。

 

事ここに至っては協調した方がいいとマリヴェルが判断したこともあって、神官長達との情報共有が行われることになったわけですが。

マリヴェルへの信頼が培われたわけではないので、微妙な距離感ではあるんですよねぇ。他者を交えたことでマリヴェルとエーレの抱いた「忘却」について深堀りする余裕ができたのは良かったですけど……それこそが、致命的というか。

国全体に及んだ忘却はどうしても粗い部分がある中で、異常を認識しづらいマリヴェルとエーレの忘却は性質が異なった。違う忘却がかけられていた理由が、あまりにも切ない。

 

真相に迫れば迫るほど、マリヴェルの限界も近づき……聖女を大切にしているエーレの慟哭も深くなっていくのが、こちらにも刺さって痛いんですよね……。

どうやってそれを為したかはさておき、エイネ・ロイアーの傲慢な行いの一端や、神々の動向なんかも知ることができたのは良かったと言えますが。じゃあその問題をどう解決していくかっていう取っ掛かりはまだ足りないのが悩ましい。

……でも、エーレがマリヴェルの忘却を思い出させて心残りを作ったり、涙を流すこともあったエーレが笑って彼女の錘となってくれたのは、胸が暖かくなりました。

彼が本編最後に見つけた役目をはたしてくれる時を待ちたい。

 

で、今回半分くらい書下ろしなんですよね。『外伝・忘却神殿Ⅲ』が驚きの厚さで笑った。いや電子で読んでるんですが、この時点でページ数50%とかでしたからね。

マリヴェルが神殿で過ごしていた穏やかな時期の話。ボリュームたっぷり作ってくる料理長によって、エーレがグロッキーになってるのとか笑ってしまった。

聖女と王子の関係はそこそこ良好でも、神殿と王城の間には先代聖女の作った溝があって、どうしたって問題が生じる時もあるみたいですけど。それでも未来を見据えてるマリヴェル達が好きです。

 

神殿の業務として聖女が神殿を出ることが、年に数度あるそうで。今回はそれの話。当然ほかの神官と一緒なんですけど、マリヴェルと神官たちの距離感がとても良いからなぁ。

過去編大好きなんですけど、いまそれが失われてるのを定期的に思い出すので痛くもある。

一般的な人が思う神官らしさも聖女らしさからも遠いマリヴェルですけど、信仰心とかは本物で……だからエーレが胃を痛めるんだな。「任務に出る度~」って文句言われるのも納得。

ゲーム世界転生<ダン活>~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を<はじめから>プレイする~4

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「別に良いさ。なんか楽しそうだし。ダンジョンは楽しめ、楽しんだ者が真の勝利者だ」

ダンジョンは楽しめ。それが俺の〈ダン活〉道だ。

「……そうでしたね。では、もう少し見守る事に致します」

 

〈エデン〉がEランク昇格を果たし、新メンバーを迎え入れることに。

面接して内定していたこともあって、ジョブ発現を嬉々として手伝ってるのが良いですね。

ゼフィルスはダン活ワールドを満喫するのに全力過ぎて、他の人々の常識を揺るがし過ぎてルルから「名高きエデンに所属できるとは夢のよう」とか言われて驚いてるの笑うしかないんですよね。

厳密な審査とかに覚えがないと言ってましたが、まぁその辺りは確かに。王女が所属しているということもあって関係者がふるいにかけてるだけだからな……。

 

新規加入したメンバーの挿絵が多くて可愛かったですねー。

ルルがジョブ確定してシエラに飛びついてるシーンとか特に微笑ましくて良かった。

そうやって順調に人員が増えてきたので、23パーティーに分かれてそれぞれの現状にあったレベル上げなどに勤しんでいましたが。

ゼフィルスが知識を存分に活用しつつ、ボス周回方法で新メンバーにドッキリかけたりして本当に楽しそう。

 

エデンのメンバー達もそれぞれの関係は良好だし、ゼフィルスの影響かダンジョンに挑むのを存分に楽しんでるのが伝わってくるんですよね。

新メンバーはまだまだ不慣れな気配もありますが……周回重ねてるうちに染まっていくんだろうなぁと思う次第。

 

一方で学園側は勇者から齎された革新的な情報に困惑したり、1年生たちがジョブを確定させるための駆け込み時期でもあったため、慌ただしかったようですが。

ゼフィルス視点だとそれらが遠い騒動なんだよなぁ……。勇者というジョブがやたら高く評価されてて、当人知ってると温度差凄くて笑えるのが好き。

 

巻末のSSは「ルルとお母様のお約束。」、「ケイシェリアだけが見えている〈精霊園〉に住む精霊。」、「シズのメイドとしてのお仕事。」、「パメラの予想外のお役目。」と新メンバーの情報が増えるエピソードで良き。

電子限定SSは「ハンナは〈エデン〉の御料理番」という、新メンバー歓迎会のハンナ視点。BOOKWALKER限定SS「大量モンスター出現、緊急撃破ミッション発生。」は、シエラが新メンバーとダンジョンに入った時のエピソードで、ゼフィルス居ないダンジョンアタックは新鮮で面白かったです。

 

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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