「いいゼフィルス? 私がいなくてもあまりはしゃぎすぎないでね?」
「そんなに念を押さなくても大丈夫だシエラ!」
「大丈夫じゃないから言っているのよ?」
夏季休暇を堪能する第10巻。表紙で浴衣着ていたり、水着を着ている挿絵が多かったのはかわいらしくて実によかったですね。
ニーコが仲良し3人娘に連行されていくところの挿絵とかも可愛くて良かった。
帰省するメンバーも居る中で、イベントを存分に堪能するためにしっかり全員居る間にスケジュール相談したり、シエラやセレスタンのフォローもありますけど、ゼフィルスなんだかんだちゃんとギルドマスターやってるんですよね。
本人がダン活の世界を堪能するために最前線を突っ走る暴走機関車すぎるのでアレですけど。学年1位を取ったりしているし、しっかりやることはやってる。
下部ギルド〈アークアルカディア〉から〈エデン〉への昇格試験を実施したり。
ボス周回で溜まりに溜まっていってる素材管理が、さすがに追いつかなくなってきたので、正式メンバーではないけれど、サポートしてくれる「助っ人」制度で人を入れようという提案がされたり。
アークアルカディアから昇格した後、下部ギルドに取り込む人員についてメルトやミサトと相談したり。今はまだDランクだけれど、もっと上を目指していくつもりしかないゼフィルスは今のうちから手を打ってるんですよねぇ。
それは今更言うまでもなく、高位職の条件に付いて学園に情報を流したり、有望そうな相手に声掛けしたり、特別授業で教鞭取ったりしてることからも分かっていた話ではありますが。アークアルカディアの面々もゼフィルスの戦法を学んで実践しようとしていたり、彼の齎した変化で成長している面々が多いのを実感する。
今回巻末の番外編で、帰省したラナとシエラのエピソードと、助っ人として採用された掲示板の商人1年生ちゃんことマリアちゃんと勇者ファンの会話が入っていたのは良かったですね。
学園に行くまでは行きたがってなかったラナが、そこで楽しさに目覚めて逆に王城での生活でストレスを感じるようになっていたり。しれっと幸猫様が王家の宝物庫にも無い希少ドロップだと明らかになったり。
あとは、シエラが実家で盾姫就任を祝われつつもゼフィルスとの関係についてつつかれたりしたのを、勇者ヤバいトークで乗り切ったのはちょっと笑っちゃった。
そうやって苦労して戻ってきたシエラ達も交えて、ギルドで実施したエクストラダンジョンでの合宿を満喫できていたのは、良かったですね。実に楽しそうだ。