気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

椎名優

ソード・ワールド・ノベル ダークエルフの口づけⅡ

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「人を殺せば、その者の血を浴びます。その者の願いも悲しみも憎しみもいっしょに。そうやって血にまみれていくのが、わたしたちの仕事です。」

 

かつて荒廃した村。再建の為に頑張っていたが……

幼馴染の少女は病に倒れ、死の間際にいた。それを救ってくれた神官様が居た、という話。

会館の警備兵となったアマデオは、ベラと共に、故郷へ帰る事に。

賓客の館が近くにあって、館の主との交渉の結果として派遣された形ですが。

 

故郷の村も属する、ララサベル公爵領。

そこの姫であるエビータは、1巻でも登場しアマデオが庇った事で懐いている感じ。

彼女の姉であり他家へ嫁いだ姉であるクララは、ベラと仲が良いというか渡り合える傑物で、もうバチバチ火花散ってる感じで怖い。

 

アマデオ、返事は良いんですよね、毎回。

衝撃を受けて、自分の思い出が壊されようと、ちゃんと返事をする。

ただ、如何せん我を通しきる腕が無いのが悲しい所。

彼は今回、故郷に救う敵を討ったつもりでも……その裏では新しい陰謀が渦巻いてましたしね。おっかないわ、ファンドリア……


ソード・ワールド・ノベル ダークエルフの口づけ

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「…………それは、君の痛みだよ。大切な人たちを失った、君の憎しみだ」

 

ソード・ワールド無印時代のノベルですねー。

「混沌の王国」ファンドリアが舞台。ここは、傀儡の王を立て、貿易商ギルド、盗賊ギルド、暗黒神神殿などの組織に実験が握られ、対立しあう闇の都。

 

少年アマデオは、そんなファンドリアの片隅の小さな村で育った善良な子どもだったが……村がダークエルフに襲われ、親類を殺された。

彼を助けたのが、エルフの女性ベラで。アマデオは彼女に憧れて、村を飛び出て彼女の下で働くことになった。

しかし、ベラは魔法の道具で姿を変えているダークエルフの密偵で……!

 

主人公はあくまでベラで、アマデオは実力が足りず何度も死にかける甘い青年なんですが。

彼の善良さ、嫌いじゃないですよ。ただ、悪徳に満ちたファンドリアで良く生き残って来られたなとは思いますが。

貿易者ギルドの会館に潜入しているベラと、彼女を高く買っている盗賊ギルドの幹部のラミア。二人の腹の探り合いと言うか、事情を分かってる同士のやり取りが、もう楽しかったですね。



本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部 貴族院のお称図書委員VII

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「ちょっと待ってください。このように二人だけでお話できる機会などもうなさそうなので、わたくし、神官長を脅迫しておきます」

 

第四部、終盤。次のIX巻がクライマックスとなり、第五部へ移るわけで。

WEB版を既読済みなので、展開を知っていてなお辛かった。

政変で中立で、ローゼマインの影響で順位を急激に上げたエーレンフェスト。

長らく下位領地であったことが、どうしようもなく痛い。

貴族社会で神殿が忌避されている、というのもありますけどねぇ……ハイスヒッツェを筆頭に他領の後押しが恨めしい。

 

代替わりのタイミングとか色々あって仕方ないことはわかるんですけどね。

エーレンフェストに事情があるように、それぞれの事情を抱えて、要望を通そうと社交をしている。

エピローグがディートリンデ視点でしたが……フェルディナンドを「自分の思い通りに動く男」とか思っていて、本当にもう……

 

プロローグでの、メルヒオールの可愛さが吹き飛ぶ勢い。

ローゼマインを真っ直ぐに慕う様子が、微笑ましくていいですねぇ。本当。

兄弟姉妹でのお茶会でも、ローゼマインの表情が緩んでましたし。そのまま育つといいよ。


本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部 貴族院のお称図書委員VII

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「わたくし、そういうことはしたくありません」

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「存じています。だからこそ、ローデリヒは名を捧げようとしたのでしょうし、他の者も注目しているのです」

 

プロローグはハンネローレ視点。

本好きのお茶会でローゼマインが倒れた事が、彼女から、ひいては他領からどう見えていたのかが詳しく描かれているのは新鮮。

ローゼマインに慣れすぎてて、読者としてはそりゃ倒れるよなーって感じだったんですが。

突然倒れたように見えるわけか。うん。

 

ローゼマインの現代語訳をアウブに確認してもらわなくてはいけない。その為に領主候補生としてレスティラウトも確認したい。

いやそれなら私が読みたいというクラリッサ達の暴走っぷりが癒しですね……

挿絵ついてるのには笑った。

 

ローゼマインは倒れた事から強制帰還し、エーレンフェストで過ごしていますが。

魔獣討伐に関する事での事前打ち合わせが必要という事で、情報共有。

ローゼマインがまだまだ貴族として不足している部分もある、という話もありましたが。

フロレンツィアが、上位との交流を作った功績も見ずに叱るのは教育に良くないと、ジルヴェスター達に釘を刺してくれたのは良かったですねー。

彼女、本好き過ぎて暴走しやすいですけど、優秀ですからね。ちゃんとした報告書を書けば、領主が対抗戦の資料替わりにするくらいに。

 

しかし、不穏さを増していく貴族院の空気が怖いですねぇ。

魔獣討伐に絡んで事情聴取が行われ、中央神殿の不穏さが描かれたりもしてましたが……イマヌエル、顔が怖い。アレにぎらついた眼を向けられたら、そりゃ引くよ……

王を認めぬ勢力の襲撃があったり、中央騎士団長とフェルディナントが気になる会話をしたり。

 

エピローグがエグランティーヌ視点で、襲撃を受けての王族案件について。

アナスタージウスが彼女を大切にするべく、言葉を交わしていましたが。これが後の祠巡りに繋がるのかと思うと憂鬱ですねぇ。

巻末短編はクラリッサ視点とレオノーレ視点での東屋でのエピソード。

貴族の恋人として、温度差がひどくて思わず笑いました。レオノーレが乙女で可愛い。


本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部 貴族院のお称図書委員VI

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「わたくしが行きます」

「ローゼマイン様!?」

 

プロローグはシャルロッテ視点。

ローゼマインとヴィルフリートの婚約によって、アウブになる道は途絶え、兄姉の補佐を望まれるようになった。

物足りなさを感じつつも、ローゼマインへの恩返しの為に頑張れる彼女は、本当にすごい。

兄はもうちょっと見習え……って思ってしまいますね。

 

ローゼマインが実行した髪飾りを配る、という作戦についてもシャルロッテの側近から見ると「声をかけてもらいたかった」案件なのかぁ。

領主候補生難しいわー。シャルロッテがちゃんと窘めたり、逆に側近に背を押されたりと良い関係が気付けてるのにはほっとしましたけど。

 

講義が始まり着実に合格し、今年もどんどん話題を作るローゼマインよ……

うん、まぁ彼女はこうやって勝手気ままに動かしてる方が成果上げますよね。自分の好きなものに突撃するための手間を惜しまないから。

フラウレルムがエーレンフェストの妨害をしようと、課題を変更したりしてましたが。過去の問題を引っ張りだしてきたもので、そこを抑えていたエーレンフェストは無事合格。

しかし、研究領地のドレヴァンヒェルにおいても、講義課程の変更が問題になってなかったのは意外。地頭がいいから、現場で覚えられてどうにかなってたという事だろうか。

 

今回収録のエピソードでは、ローデリヒ回りの話が好きですね。

言葉を尽くして、願いを告げる姿。挿絵にもなっていましたが、願いと焦燥とが混じった良い表情だと思うのです。

名を刻む魔石を得るための採集から発展した魔獣退治と、癒しの儀式もローゼマインがいたから被害が抑えられましたしね。

次の騒動に繋がるタネにもなってましたが、裏で暗躍している陣営が居る以上、どうせ別の形で問題は起きたでしょうし。被害を抑えるという意味でファインプレー。

癒しの儀式をしているローゼマインのイラストが口絵と挿絵でそれぞれ雰囲気が違って良かったです。

 

巻末の短編一つもローデリヒ視点でしたしね。

ハルトムートがいい仕事しているとみるべきか。

魔石を得る資金が足りないローデリヒに、旧ヴェローニカ派を利用しろと助言して。

ラウレンツはその状況をもって、逆にローデリヒの扱われ方を見る事で、指針と出来ると利用しかえす算段。それを口にしてる辺り、善良ですよね。

 

もう一つ、ルーフェン視点の旧ベルケシュトック寮の探索。

封鎖された寮から魔獣が来た形跡があるため、調査する事になっていましたが。

フラウレルムは本当にろくな事しないな……誤魔化すにしても方法が荒い。

初手ヴァッシェンは無いでしょう……ヒルシュールが研究以外にも色々考えている事とかが知れたのは良かったですね。

騎士団長がやってくる流れにグンドルフ先生が関与してるのは驚き。

確かに傍から見てるとエーレンフェストに大きな被害出てないように見えますね。

領主候補生の魔力という貴重な資源をこれでもかと使って、領主候補生倒れてるんだけど。

……ローゼマインが倒れるのいつもの事だからなぁ……


本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部 貴族院の自称図書委員V

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「ダームエルは、わたくしが成人するまで、恋人も、結婚も、できなければ良いのです!」

 

表紙のローゼマインの衣装が鮮やかでいいですねー。

貴族として流行発信をしないといけない、という事でローゼマイン色々手広くやってますし、絵師さん大変そう。

特にこのシリーズ登場人物も多いですしねー。そして、アウレーリアのヴェールが予想以上に怪しい。いや、なるほどこれは不信感抱かれますわ……

 

イタリアンレストランの会食で神官長のつぶやきに周囲がハラハラしてる挿絵もいい感じでしたねー。

ベンノとオットーが面白い見世物を楽しむように見てるのも納得。

 

書き下ろしのエピローグと巻末の短編が良かったですね。

エピローグはヒルデブラント視点。                                         

親睦会での挨拶を乗り切るために側近も色々と工夫していようで。

ミスが無いよう、テーブルの下に座っていた文官も居たとか。  

王族から見た時のローゼマインの意味不明さも際立っていたというか。

情報源がアナスタージウスだからな……

 

アウレーリアが頑なにヴェールを脱がないわけも発覚。

エルヴィーラが認めるくらいには、エーレンフェストを混乱させたガブリエ―レに似ている、と。

いやぁ、本当にゲオルギーネは嫌がらせに手を抜きませんね……

あとは夫であるランプレヒトも頻繁に出てきてましたが、かなり楽観的なのが気になりましたね。

ヴィルフリートとローゼマインの婚約で、将来的に二つの派閥がまとまるとか……本気で言ってる? 順調に婚約が進んだとしても、ローゼマインの異質さを踏まえないと失敗するぞ、と言ってやりたい。

 

最後の「専属への道」もエーファの家族愛が分かって良かった。

トゥーリも協力して、作り上げた布。使えるものは何でも使う強かさも見れましたし。

名前を表記しない方式はオットー達商人じゃなくて、エーファ達職人側からの提案だったというのにはちょっと驚き。

まぁ、名札つけてると、速攻でそれ選ぶ神殿長いるからなぁ。難しい所ではあります。



本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 貴族院外伝 一年生

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「あのディッターで不満以外に得るものが、本当に何もなかったのですか?」

 

SS置き場のハンネローレ視点を本編に入れられなかったため、外伝でまとめることになったそうで。

書き下ろしが多くて嬉しいですが、作者さん的にも厳しいものがあったようで。二年生以降の予定が無いのは少し残念。

とはいえ、体調第一ですからねー。無理のない範囲で刊行していってほしいものです。

 

見どころはいくつもありますよねー。

オルトヴィーン視点は上位領地側の意見とかも見えて新鮮でしたし。

ヴィルフリート視点の「女のお茶会」は、彼とその側近の稚拙さが光ってましたしね……割と自分で問題抱え込んでいるくせに、ローゼマインの側近に不満を抱いてるとか、何してるの……

トラウゴットが親族会議を経てもなお自分の犯した罪を自覚してないのも中々頭がいたかったですけどね。ユストクスが格好良かったので良し。

 

ただ、特に印象に残ったのはやっぱりルーフェンとアンゲリカのエピソードですね。

ルーフェン先生、正直もっと脳筋かと思ってたら、ちゃんと先生していましたし。

正直ディッターしたいだけかと思ってた……

エーレンフェストの姿勢を確かめたいと思ったからディッターを仕掛けた。

そして自分たちが敗れた後の生徒たちの発言から問題点に気付き、改善しようと手を打ち、領主候補生相手にもしっかりと訴えかけた。

二年生以降のディッターでダンケルフェルガーが手ごわくなってたのこのせいかよ……

 

あとはアンゲリカ。

貴族女性らしくない判断基準と、勉強苦手というイメージが強かったですけど。

彼女は彼女なりに色々と考えているんだなぁ、というのが分かってよかったです。

ローゼマインが笑顔で出迎えてくれて。自分の居場所がある、と感じてくれているのが嬉しいなぁ。

貴族らしからぬ彼女だからこそ、神殿の側仕え達とうまくやっていけそうなのもうなずける描写です。

本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部 貴族院の自称図書委員Ⅳ

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「下町の皆の生活が守れるか否か、貴方達の方にかかっています。協力し合って守ってください」

「ローゼマイン様の我々へのご配慮、ありがたく存じます。皆の生活は私が必ず守ります」

 

プロローグはローゼマインとの婚約について聞いたヴィルフリートの話。

人払いした上で聞いた話に対する返答を、側近と相談したいと持ち帰る優柔不断さよ。

WEB完結まで読んでるのもあって、側近たちの見通しの甘さも見えて、なんというか頑張れとしか。

ジルヴェスターが形式上の第二夫人として娶る可能性も考えていた、というのには驚きました。

 

今回収録のエピソードの中だと「ハルデンツェルの祈念式」が好きですね。

ユルゲンシュミットの神様の力がよくわかる話ですし、ローゼマインが相変わらず「不思議だなぁ」くらいで済ませてるのに、周囲の大慌てっぷりの温度差がなんか好きです。

 

なので、ギーベ視点の「ハルデンツェルの奇跡」が巻末に収録されいたのは嬉しかったですね。

ギーベからのカルステッドやアウブの評価が思った以上に低くてびっくり。

春の到来にかなりの衝撃を受けたようで、ブレンリュースの実を1つ渡す予定だったのを2つに増やしたとかは驚きです。

十数個の実と書かれていましたし、仮に19だとして領主候補生三人に2個渡したら6個。

勝手に盗ったら殺すほど貴重な実を三分の一も献上していたとは。

それほど感謝していたんでしょうね。感情を抑えるべき貴族が歓喜の涙をこぼしたくらいですし。

 

あとはローゼマインの助言を受けた兵士たちが奮闘した「大改造を防ぐには」という裏話が良かったです。

貴族と接点の少ない平民は、その怖さを知らない。無知ゆえに家を失ったかもしれない。周知が不十分で、処罰が下ったかもしれない。

ハッセでギュンター達に助言をしたことで、ローゼマインは下町を守った。それがよりわかりやすい形で示された感じですかね。


本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ ふぁんぶっく3

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「……ハルトムートの厚意ですって、レオノーレ……」

「厚意かどうかはともかく、必要な役目であることは間違いなくてよ、ブリュンヒルデ」

 

本好きシリーズは電子で揃えているので、刊行が待ち遠しかったです。

今回はイラストメインのふぁんぶっくなので、紙で買うか割と悩んだんですけど、シリーズバラバラに購入すると、管理面倒なので耐えた。

両方購入できるほど富豪ではない自分が恨めしい―。

 

「領主の養女」編、「貴族院の自称図書委員」編の口絵&表紙ギャラリー。

貴族院の黒を基調にした服が好きですねー。リーゼレータの濃い緑でふちどりしてある衣装が落ち着いた雰囲気で特に好み。

エグランティーヌは髪色、衣装と領地の色である赤が良く生えてるなぁ、と思いましたが。

髪色に幅があるから、領地の色とか誕生季の色と相性悪い場合は当然あるんだろうなー、とは思った。

 

短編はフィリーネ視点で「主に内緒の図書館見学」を収録。

ローゼマインの目につかないところで側近たちがしっかりと備えている様子が、頼もしいですし……フィリーネが微笑ましくて良い。

「ハルトムートの厚意」を純粋に信じられるところとか。ブリュンヒルデとレオノーレが遠い目になるところも笑えましたけどね。

 

領地一覧表も新鮮でしたねー。寮監の名前とかもちゃんと設定されていて、凄いのひと言。

あとマントの色、茶色とこげ茶色とか近い色味のところもあるんですね。まぁ、二十もあれば完全に切り離せはしないでしょうけど。

あと、紋章がワニとかイルカの領地があって……つまり、領主はこれを騎獣にしてるわけで。アウブ・アーレンスバッハが真面目な顔で騎獣に乗ってる画とかあったら吹き出してしまう自信がある。

 

今回のQ&Aも色々としれて楽しかったです。

興味深かったのは、エーレンフェストの冬の主のように、ダンケルフェルガーには夏の主が出てくるとか言う話。

……嬉々として討伐に行くんだろうなぁ……

フェルディナンドが決済に使っていたカードのように、ローゼマインの視界に入ってこない部分の設定もちゃんと作られているところとか。

ローゼマインがヴァッシェン有効活用してて失念していましたが、彼女全属性で魔力量も多いから軽く使えるだけで、属性・魔力がないと魔術具の方が通常の貴族にとっては楽とか。

今回も大変充実したふぁんぶっくでした。


本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~ ふぁんぶっく2

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「汚れないように使うのが一番だけど、そこまで気にすることないよ」

「そんな値段を聞いちゃったら気にするよ!」

 

単行本未収録のSSが一部収録されて、喜ばしいですねー。

WEBSS置き場にあったものの、単行本に乗らなかった物とか。特典SSで再録できたものとか。

トゥーリ視点「ある冬の日」、ギュンター視点「娘はやらんぞ」。下町時代のエピソードはやはり家族の暖かさが胸にしみます。

 

トゥーリは他にも「困った妹」、「絵本と文字の練習」などでも登場してましたが。

下町の平民からするとマインのスペックの高さは見えにくいですよね……家族故の気安さとかで、病弱で困った部分が良く見えてしまうってものあるんでしょうけど。

「焦る気持ち」ではダプラ見習いになったところまで進んだために、見え方も大分変った、というか。先が見えるようになったし、落ち着きも出てきたようで。

距離が離れてしまったが故の迷いもあるようですが……マインは変わらず君たちの事が好きだよ、と言えればどれだけいいか。

 

あとは、「領主の養女1」のオンラインストア特典の短編が新鮮でした。

マインからは離れた、一般の貴族から見た、マインのもたらした変化。フェルディナンドの演奏会について話題にしたお茶会の風景。

中立派の家柄だから、というのもあるんでしょうが、アウブの決断によって振り回されている貴族も居るという話。

そのアウブすらローゼマインのもたらすものに振り回されているんだよなぁ……なんの安心材料にもなりませんが。

 

書き下ろしでブリュンヒルデの「側近生活の始まり」も、ローゼマインの異質さが光ってましたね……

主が不便なく生活できるようにすべてをこなしてみせます、と決意していたのが微笑ましかった。

 

短編のほかはドラマCDのアフレコレポートや、Q&Aが掲載されてます。

長距離移動するとき、目的地が神様絡みだと干渉によって道が複雑化するというあたりは、異世界だなぁ、と。

あとはヴィルフリートの教育がぬるいのに筆頭側仕えのオズヴァルトが一躍買ってる辺りとかは、うん、まぁ……やはり側近全て入れ替えた方が良かったのでは、みたいな空気が……

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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