気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

楽園コミックス

花はニセモノ

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「ええと 女になっても 俺はおれなんだけど……」
「・・・駄目?」

異色のBL。
同性愛者の男性の恋人が、初詣の翌日、なぜか女になっていて。
神様の悪戯。女になった方の服をすべて女物に変えたりと芸は細かい。
世界は「最初から彼は女だった」ということに書き換えられていて。
男だった時の記憶があるのは、恋人だった二人だけ。

同性愛者だったこともあって、何とも言えない距離感になっていますが。
男側も、恋人だった相手がいきなり異性になったせいで困惑していましたが。
当然ですけど、突然性別が変わってしまった女側にしたって、悩みは尽きないわけで。
「会う度 見られる度に うとまれていく気がする」。

書店バイトしている男二人の会話がありましたが。
書店員としてはちょっと反応してしまった。
……分冊のD社はちゃんと刊行されてますって最後まで。A社が不定期なだけで。うん。

やっぱりこの作家さんの描く、微妙な距離感が好みですね。
ジャンルとしてBLは苦手なんですが。
割とスルスル読めた。全体的に、甘さよりももどかしさが立つ展開なので、好みは分かれるだろうなぁ。


夜をとめないで

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私はただ 傷付けて 傷付けて
同じ想いをしてわかってほしかっただけ
あの日の私は あんたと同じに 傷つく心があったんだよって

楽園に掲載されていた短編6本と、巻末にちょろっとおまけまんががついてます。
表題作の「夜を止めないで」と「シャンプーリンスコンディショナー」が好きですね。

「夜を止めないで」。
出張でいった先の支社で評判がよいから、とそのまま転勤先になると告げられたサラリーマン。
本社でずっと頑張ってきたのに。そんな重要なことを電話でいうか、と落ち込んでいるところ、変な女に声をかけられて。
女一人旅で怪しさがあったからか、旅館に泊めてもらえない。お金なら払うから、一緒にいい宿泊まりませんか、と変な誘いを受けて。
割とやけくそだから、誘いに乗っちゃうあたりが何とも。同病相憐れむとはまた違いますが。
落ち込んでいたから。お互いの傷を慰め合って。

「仮初の花」。
整形美人になった女性の話。かつてブスと罵られた過去から見た目重視に思考がいって。
性格の悪さをアピールするときもあって、周囲の評判悪かったりするようですが。
過去が過去だから、恨まれるのも嫌われるのも慣れている、と割り切っていて。
かなりまた歪になっていて辛い。幸せになれればいいのに。かなり危うい。

「はかなごと」。
百合。とはいっても、はっきり付き合っている訳じゃなくて。
ここの二人もだいぶ歪んでいるなぁ。
どうせいつか男の事を好きになるんじゃないか、と不安な思いを抱いて揺れる話。

「たゆた」。
死んでしまった青年の話。
彼女にさよならを言おうと枕元に立ってみたら、彼女にはなぜか彼の姿が見えてしまって。
そこから離れられずに、ずるずると、彼女と日々を過ごしている幽霊の話。
まぁ、ああいう結末になるのは見えてましたが、なんとなくもの悲しい。

「シャンプーリンスコンディショナー」。
彼女の浮気現場に遭遇してしまって。彼女の使っていたシャンプーの香りがトラウマになった佐々木。
ふてくされて酔っぱらっていた飲み会で、同じシャンプーを使っている名取と出会って。
「若くて元気で前向きで…だから この年でひどく傷付くと 治りが遅いんだって事がわからないんだろう」。



ディアティア3 ダーリング

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「いつの間にかすごく好きになってて・・・」
「一緒にいるのがすごく楽しくて すごく嬉しくて」
「そういう気持ちも 先輩がいなかったらきっとなかったから よかったです」

順調にバカップルになっていっているなぁ、とニヤニヤ。
いいところで切れていたので、終わりかなぁ、と思っていたらあとがきで4巻も出るとのこと。
楽園が年3回刊行とゆったり仕様なので先は長いですが楽しみです。

表紙絵でもマフラーしている通り、季節は冬。
イベントとしてクリスマスとかあったり、初もうで行ったりと楽しそうですねー。
成田の天然たらしっぷりがまた切れ味増しているような。
でもそれに負けないくらい睦子の方も甘くなっていっているから釣り合いとれているのかなぁ。

成田とよく行動しているしゃも。
てっきり友人なのかと思っていましたが、彼からすれば「まだ成田は友達じゃない」。
境にあるのは、しゃもが引いたラインでもあるし、成田が踏み込めなかったラインでもあった。
まぁ、晴れてちゃんと友人になれたようですし、少しずつ成田の周辺がにぎやかになっていっているのはいいですね。家庭に爆弾があるんだから、他のところで幸せがあってもいいじゃないかという感じで。

他には、成田と睦子が二人で試験勉強したり。
お互いに変に意識してしまって、真面目にやろうとして、できなくて。
クリスマスのプレゼント選びと、その後のデート模様。
もうなんか爆発すればいいのにとか通り越して甘い感じが。


あまあま3

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ぞんざいに扱ってごめんなさい
でもその気もないのに付き合うのも違うと思ったから
彼らの勇気にならって
――いざ


安定して甘いというか。色々と今回もイベントがあります。
文化祭では昨年の経験があったので、祐司と美咲が委員長・副委員長を務めて活動してますし。
文化祭実行委員会では、祐司が委員長になって、副委員長の美咲に指示されてビシバシ働かされていました。
副委員長の方が委員長っぽいとか思われてましたが、まさしく。
そんなときでも美咲は「他人に支持するより祐司にする方が楽しい」とか思っているし。
この二人は本当に高めで安定しているなぁ・・・

借りた傘の扱いで混乱している高梨君も少し見習えばいいんじゃないのかな。
晴れた日に持ってきても荷物になるし、雨の日はすでにもってるから邪魔だし・・・と考えたみたいですが。
別に晴れた日に持ってきて、家まで送ってそこで返せばいいんじゃないんだろうか。
結局、学校の無い日に家まで届けてそのままデートと言うコースに入っていたのでうん、まぁお幸せに。
神崎さんの妹が登場して、なんか少し彼女の恋愛模様も描かれていましたけど。
またこうやって少しずつ描かれるカップル増えていくんだろうか。

修学旅行で、一緒に居たいからと同じコースにいく決断をしてますが。
そうなる気はしていたというか、そうなるだろうとしか思っていなかった。
いつまでも隠しているのか、と祐司に言われて美咲は悩んでいますけど。
旅行先でついに神崎と高梨に以前から付き合っていたという事実を打ち明ける。
先代の文化祭の委員長にもばれてたみたいだし、オープンになっていくのかなぁ。

美咲が神崎さんに打ち明ける場面は、安心して見れましたけど。
そのあと、受け入れてくれて、距離が近づいたようですし。
祐二が仲良くなった女子二人に圧倒されてました。
ただ・・・高梨くんは少し落ち着け。
そしてその周囲の「理解のある友人」たちも少し落ち着け。

巻末の書下ろし。
祐司と美咲の過去のエピソード。
アドレスを聞いたのも美咲ですし、連絡を取ったのも美咲。
結構意識しているんだなぁ、という感じがいいですね。
「ぼっちな僕ら~」でも書かれてましたけど「とりあえず」で付き合ってないからなぁ、この作者さんのキャラクターたち。
修学旅行でも美咲と一緒にいたいからとコース変更してますが、いいの?ときかれて「大人になったらまた一緒に行けばいいし」みたいなこと言ってますし。先を考えているのが。
まぁ、そのくらい覚悟あるから、思いっきりイチャイチャできてるんじゃないでしょうか。


夜毎の指先/真昼の果て

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いけない事だと知ってる。でも・・・


BL?ネタな「真昼の果て」と、姉弟ネタの「夜毎の指先」。
で、書きおろしの百合な短編「どうせまた、朝がくるから」。
そんな感じで、一般的ではない恋模様を描いているわけですが。
相変わらず独特な雰囲気があって、もどかしさが伝わってくるようで、気に入っています。

「真昼の果て」。
幼馴染の女子に告白されて、付き合うことになったよ、と幼馴染の男に報告に行ったら、男の方にも告白されて・・・という始まり。
幼馴染という距離、恋人という距離。
3人がそれぞれ、自分がどこにいたいのか、どんな距離感で付き合っていきたいのか、葛藤しているのはいい感じ。

「夜毎の指先」。
姉と弟の近親ネタ。
一般的ではないという事を理解して、焦ったり距離を取ったり。
姉から好きだと言われて、弟が意識するようになり、踏み込んでいく。
ただ、変化してしまった関係は、永く続かなくて。
姉が勝手だなーと思うんですが、でも、嫌いにはなれないし、なんとなく納得できるような気もするんですよね。

「どうせまた朝が来るから」
8Pの書きおろし。
最近結婚したはずの会社の後輩と、ゆるーく付き合ってる? 女性の話。
後書きでは「なんというか、こんな、運愛じゃないような百合でいいんすかね」とか言われていますけど。
何とも言えない微妙な関係を上手く描いているように思えていいと思いますがねー。

後書きが笑えた。
真昼と夜毎が『編集さんがBL(近親相姦)描いていいですよ!』で始まっているそうで。
絵が好きですねー。
 

ディアティア2 マイディア

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「睦子は気付かなかったかもしれないけど 俺はずっと睦子を頼りにしてたんだよ」
「え……」
「睦子がいてくれるだけで」
「いつも 元気出てたよ」
「大事なこと言わない人!」


彼女作らないと評判だった成田と恋人になった桐ケ谷。
他の人からの視線が少し変わったり、今まで告白してきた女性の数聞いてもやもやしたりと、恋してちょっと嫉妬しているところというか、感情もてあましているところか可愛いんじゃないですか。
初々しい感じがいいんじゃないかと。

デートに行ったりと順調にイベントこなしていますね。
桐ケ谷はクラスメイトの女子にからかわれたり、成田は成田でクラスの男子に「のろけうぜぇ」とか言われたりとおおよそ順調。
豪雨で濡れて、桐ケ谷家にお邪魔したりもしてますねー。
・・・男の濡れ鼠な姿って誰得なのか。

本当についさっきまで
寝暗くて 申し訳ない気持ちでいたはずなのに
途方に暮れるほど 好きだと思う人ができたんだ


ただ、幸せそうな二人を見ているとうっかり忘れそうですけど、成田家の爆弾は健在なわけで。
携帯チェック入るとか恐ろしいわ・・・持って行っても、持って行かなくても罠が待っているとか・・・
2話手伝ってくれたという友人から「秋人に赤ちゃん用の割れない食器買えって言っといて」といわれるわけです。
作者さんは「こんなに胸に迫る訴えは初めてなので読み返してあげて下さい」とかいってましたが。
・・・しかし再び割れる皿・・・大変だな・・・

成田はクラスメイト男子にも、母親保留してよく付き合えるなとか言われてましたけど。
実際そんな感じで、ちょっと気落ちしているようですねー。
それでもしっかりと向き合って支えになってくれる彼女がいるんだから、少しずつ進めてはいるんじゃないかなーと言う感じ。

ディアティア2 マイディア
かずまこを
白泉社
2013-01-31

ディアティア

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いつも いつも 真っ直ぐ目を見れずに
どれだけ とりこぼしてきただろう 
桐ケ谷は目をそらさないから まつげに跳ねる雫がよく見える
ああ 俺の指はちゃんと 女の子の涙を拭えるんだ


「女の子の涙が苦手だ」と思う男子、成田。
彼は結構モテて告白されたりしています。全て断ってますけど。
で、ある日振った女子の友人、桐ケ谷が「どうして彼女たちじゃいけなかったのか」と成田に接触してくる。

成田は家庭に問題を抱えていて、それで臆病になっている部分が多いよなー。
鬱屈せずに、世に飽きずに、学校に通ってるあたりは偉いなーと言う感じですけど。
その問題に向き合うことも恐れて、ただ現状を維持し続けているだけ。

で、成田にちょっかい駆けだした女子、桐ケ谷もなんだかんだで不器用ですよね。
お似合いなんじゃないかな。
成田が弱さを持っている分、女子の方に強さが寄っている印象ですけど。 

問題が特に解決したわけじゃないんですけど、大切なものに触れたい、と一歩踏み出せたのはよかったんじゃないですかねー。
その調子で、問題とも向き合って何とかできればいいけど、アレ根が深そうだからなぁ。
付き合いだしてからの「マイディア」っていう最後のエピソードが甘かったから、そのまま幸せになれればいいんじゃないかなー。 

ディアティア
かずまこを
白泉社
2011-05-31
 

あまあま2

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「変わっていくのは別に悪い事じゃないと思うし」

タイトル通り甘い! 
帯がまた秀逸です。「壁殴り代行業 協会推薦図書」。「悶死コレクション金賞」だとか。なかなか愉快です。
本編は糖度高くて満足。

学年が上がり、二年生に。
バカップルの方は、まだ周囲には隠し通しています。
しかし、クラスメイトになってしまい距離が近くなってしまって隠し通せるか不安になっているようで。
一方、付き合い始めてた2組目はそろそろイベント進行してきているなぁ、と言いますか。
クラスが分かれてしまっても、結構イチャイチャし始めてますよね。

既に関係が確立してるカップル2組が基本の登場人物なんで、もう甘さ倍増と言うか、惜しげもなく放り込まれている感じがして。
教育実習生が来て、ちょっと波を立ててましたけど、波乱まで到達しないのは、もう安定しきっているから、と言いますか。

書きおろしの、二人の過去話続編も、いい感じの距離感で描かれていて気に入ってます。
早く3巻でないものだろうか。


あまあま

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「誰かが決めた日じゃなくても私たちはいつでも一緒できるんだから」
「私はそれで良いと思う」


まぁ、タイトルからして甘々なわけで。帯の文句は「一読、床をローリング」。
確かにこれは転がりたくなるかなぁ、タイトルにも帯にも間違いはなく、甘い。

周囲に関係を秘密にしてるバカップルと、初々しいカップルの二組が出てきます。
メインはバカップルのほうだけど、初々しいほうも、いい影響与えてるよなーと。
ここまで恋愛一直線だと清々しいね。

この作者さんは絵も話も結構好きです。
たまにはこう、砂吐きそうなほど甘い話も見てみたいわけで。
そういう要望には応えられる作品と言うか。
まぁ、恋愛一色なので、ストーリーというかイベントはありますが、結局なんにしろイチャイチャしてる結論になるんですよね。
構成が基本的にストーリーある四コマなつくりなので、ストーリー重視したい場合には微妙か。
結構表現が直接的な部分もあるので、どーなんですかね。
掲載誌的には問題ないのか。楽園はもっと直截に描いてるものも入ってますし。

甘い恋愛話読みたい方にはオススメ。


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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