
「ええと 女になっても 俺はおれなんだけど……」
「・・・駄目?」
異色のBL。
同性愛者の男性の恋人が、初詣の翌日、なぜか女になっていて。
神様の悪戯。女になった方の服をすべて女物に変えたりと芸は細かい。
世界は「最初から彼は女だった」ということに書き換えられていて。
男だった時の記憶があるのは、恋人だった二人だけ。
同性愛者だったこともあって、何とも言えない距離感になっていますが。
男側も、恋人だった相手がいきなり異性になったせいで困惑していましたが。
当然ですけど、突然性別が変わってしまった女側にしたって、悩みは尽きないわけで。
「会う度 見られる度に うとまれていく気がする」。
書店バイトしている男二人の会話がありましたが。
書店員としてはちょっと反応してしまった。
……分冊のD社はちゃんと刊行されてますって最後まで。A社が不定期なだけで。うん。
やっぱりこの作家さんの描く、微妙な距離感が好みですね。
ジャンルとしてBLは苦手なんですが。
割とスルスル読めた。全体的に、甘さよりももどかしさが立つ展開なので、好みは分かれるだろうなぁ。