気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

橙乃ままれ

ログ・ホライズン2 キャメロットの騎士たち

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「(略)見て見ぬふりをいつまでも続けたら、気持ちの方がすっかり腐ってしまうんよね。――魂の問題やから。だからうちらも賭けてみる。教えて、シロ坊。その方法を。もしそのために何かができるときに、何もせえへんかったら、うちらずっと後悔しそうやから」

ススキノからアキバに帰り、その変化を知るシロエ。
大規模ギルドの台頭。中小ギルド連合の失敗。新人を利用している悪徳ギルド。
その中でシロエは悩みを得る。
この異世界に最初から感じていた不安。
「法」が存在しない無法の異世界であるということ。
ゲームシステムに沿って構成されているようで、細部に違いが見える異世界の事。
シロエの頭の中にはいくつもの悩みとそれに合わせた解決につながる回答が考えられている。
しかし、自分にこれらの悪を糾弾する権利があるのか、と足は止まってしまう。
柵を嫌い、ソロであり続けた自分。
それは、見方を変えれば集団に属さず、面倒事から逃げ続けて、責任を放棄したことにつながる。
考え過ぎなようにも見えますけど、ここまで考えているからこそ、シロエはそれでも自分の中にある、大切なもの。無視しがたい違和感。譲れない理念と向き合い、問題と相対する選択を最後には選べるんですよね。

今回のMVPは、シロエに選択肢を与えたにゃん太班長でしょうか。

「誰もがなにもせずにただ得られる宝は、所詮、宝ではないのにゃ」

彼の発見が無かったら、シロエは今回の結末を導けなかったかもしれない。
彼の導きが無かったら、シロエは足踏みをしたまま進めなかったかもしれない。
こういう人脈があるっていうことはそれだけシロエが認められているってことですけど。
セララに慕われるのも、アカツキが評価するのも納得の貫録ですよね。

それだけではなく、シロエの願いに応じ力を貸してくれた三日月同盟の存在も忘れてはいけないですよね。
生産系三大ギルドを相手取った交渉も見事。
ヘンリエッタが感じたとおり、協力が得られなくても、きっとシロエはやったんでしょう。
でも、彼女たちの協力があったからこそ、シロエは自身の理想とする場所に、たどりつきやすかったはずだと思うんです。

この巻は、シロエが行動を起こす転機となるエピソードであり、アキバの街に変節を招く革新の話でもあるんですよね。
別に物語的にラスボスが出てくるわけでも、武力で持って無双するわけでもないけれど。
じわりじわりと根回しをし、いくつもの手を打ち、望む結果を引き入れる。
その展開には、ぞくりと来ましたね。
腹黒なんてもんじゃない。清濁併せのむシロエという存在の恐ろしさが見えたようにも思います。

シロエの我が儘ではじめた戦いだが、シロエは勝ちたかっただけで、誰かを負かしたかった訳ではない。勝利を得たかっただけで、奪いたかった訳ではない。
きれい事をいうつもりはないが、できれば、全員でそこに辿り着きたかった。アキバの街に住むすべての人々と、という意味だ。

 
このあたりも結構好きですよ。
シロエが準備していた「作戦」を聞いた時の恐慌じみた騒ぎとか、腹黒の名に恥じない策謀で。

心情の描写が細かいので、アニメとかだと、ミノリとシロエの最初の念話のシーンとかがちょっと物足りなさがありましたけど。
こういう細かい所の積み重ねが、この作品の魅力を最大限に発揮していると思うのですよ。
 

ログ・ホライズン1 異世界のはじまり

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「身内が泣いてたら助けるしょ。それ普通だから。『あいつら』が格好悪くたって、俺らまでそれに付き合う義理はねーよ」


小説家になろう連載作品の書籍化。
現在でも、原文は残っていて、全63部。
最新の章は、今月末に書籍化されるそうですよ?

MMORPGに似た異世界に閉じ込められたプレイヤーたちの物語。
スキルやメニュー画面など、ゲームのシステムをおおよそ維持している世界。
この世界は、デスゲームなどではなく、死んだ者もゲーム通り大神殿で復活する。
更には、食事には「全く塩味がしない煎餅を水分でふやけさせたモノ」とでもいうような代物で、普通に料理しようとしても失敗してしまう。

この手のゲームに閉じ込められるものだと高レベル数名が俺TUEEEする話だったり、順序立てて攻略するものとあると思いますけど。
ログ・ホライズンの特徴は、ロングランの作品で、プレイヤーの約半数がレベル上限に達しているっていう点でしょうか。新しい拡張パックによって、レベル上限が100に上昇し、様々なイベントなども追加されるだろう、と期待していたら、この「大災害」なわけですよ。
しかも、シロエの推測に寄れば、この世界には約3万人のプレイヤーが閉じ込められているという事で。
ゲームのような、ゲームと同じようにはいかない世界。
楽しい遊びをしようと思っていたら、わけがわからない状況に陥れられた、っていう感情の落差も混乱に拍車をかけているんじゃないですかねぇ。

実際に戦闘に出れば、ゲームとは違う臨場感や痛みが伴うわけで。
しかも、脱出の目途も、これからの見通しも全く立たない状態。
全く先が見えないから多くの人々が、絶望に囚われるのもむべなるかな。

結構世界を作りこんでいるので、説明が多いので、進展はゆっくりですね。
ただ、全く事件やイベントがないってわけじゃないです。
何もすることがない、という状態が世情の悪化を招き、PKが横行し、主人公たちも襲われたり。
遠方のプレイヤータウンで発生した問題に、介入したりと、色々やってます。
シロエ達は、ただ絶望に囚われて膝を屈したプレイヤーたちとは違い、この異世界を何とか生きようとしている強さがあると思います。

ススキノを目指し旅をする中、ここが異世界で、自分たちが冒険者なのだとシロエが自覚しますけど。
多くの困ったことがあるなかでも、そういう「良いもの」を見つけられるっていうのは、いい話だと思いますけどね。希望の欠片を自分で見出せるという事だから。
キャラやストーリーは結構好きです。世界が創りこまれているというか、人気あるゲームだったっていうのも納得できる世界があって、俺は好きですけど、その辺の情報の出し方で好みわかれるかも。
興味ある方は一回小説家になろうの方で読んでみることをお勧めします。
「異世界のはじまり」とあるように、今回は序章。
この巻も好きですけど、これからのシロエの「腹黒」っぷりが好きですよ。
最近気に入っているシリーズです。

今まさにNHKでアニメ化されていて、2巻の内容までが終わったところですね。
説明が多いので、どうなることかと思っていたんですが、割に良作になっていて気に入っています。
あちこちで画がもうちょっとどうにかならんかなぁ、って思うんですが。作りが丁寧なのは良いかなぁ、と思うんですけど。
 

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ちゃか

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