気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

池田明季哉

アオハルデビル3

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「僕がしたいのは、衣緒花をちゃんと見ていることだから。衣緒花が活躍してくれたら、それが一番嬉しいよ」

 

有葉と衣緒花が付き合い始めたわけですが。冒頭、衣緒花の家に寄ってからバタバタしつつ、微笑ましいやりとりをしてるのが良かったですね。

衣緒花のライバル枠にあたるロズィが今回の悪魔憑依者なんですが。イギリスから日本と言う異国の地に来て、モデルとして戦っている彼女。

認めてもらえた部分もあるし、うまくいかない部分もある。そんな中で揺れ動いていた彼女の心が悪魔に見つかってしまった、と。

 

有葉たちが高校三年生に進級して、進路の話をし始めたのも影響していたのかもしれませんねぇ。

三雨が頭良くて彼女なりに進路考えてたのは、こういっては何だけど意外だった。衣緒花は衣緒花で、服飾の道に進む覚悟を決めていた。

有葉は忙しく活動している衣緒花のサポートをしているのを楽しんでいたようですけど、衣緒花はちょっと思う所もあるようでした。デートも出来てないみたいですしねぇ。

 

そこまで忙しくしている原因の一つが、モデルの間で広まっている風邪と思しき感染症。しかし、消毒などで対策しているはずなのに、どうしてか広まっている。

さらには接触がなかったはずのモデルにも症状が出ている、となれば読者目線だともう今回の悪魔事象はこれかぁって感じでしたが。

ロズィの問題以外にも、行方不明だった有葉の姉・夜見子が帰還してくるという一大イベントも同時に発生していたのがややこしかったですねぇ。解決に奔走する有葉が大変だ、という意味で。

 

佐伊先生、有葉に解決丸投げで頼りにならない時あるなぁって正直思ってた部分があるんですが。夜見子のやり口を見ると、佐伊先生の指導で有葉が動いていたのはありがたかったんだな、って思いました。

というか、夜見子腕利きのエクソシストっていうのは間違いないんでしょうけど、有葉と姉のやり取り見てると、すげーうさん臭くてなぁ。

はたして何を考えているのかと思いきや……多少納得は出来ても、勝手だよなぁという気持ちにもなる。

ともすればバッドエンドになりかけたところを、青春ブーストで解決したのは良かった。終盤風呂敷一気に畳に行った感じがすると言えばしますけど、ある程度の決着を描いてくれたのが嬉しい気持ちもあるんだよなぁ……難しい。

アオハルデビル2

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「これは、目印です」

そして放たれたのは、静かな、しかし確かな、宣言だった。

「見失わず、見ていてもらえるように、でも大事なのは、私がそれにふさわしい自分であることなんです。だから……私の願いが叶うとしたら、それは私が叶えるからです」

 

エクソシストの真似事をして、衣緒花の悪魔祓いにかかわった主人公。

それ以降、彼女との接点がどうしても増えてきて。

1巻終盤の「炎上事件(物理)」は中継されていたが、原因不明ながら事後対応が完璧だったことで鎮静化までは早かったそうです。

それには今まで衣緒花が堅実に仕事をしてきた影響もある、と地の文に描かれていたのが嬉しかったですね。

 

「ずっと見ている」という約束をたがえず、彼女の傍にいる。そのことに不思議な安心感を感じてるのも、見ている分には楽しくて良いですね。

衣緒花とロズィの関係も緩和したようですし、騒動の影響が残っていない日常が見られるのはありがたい。

……まぁ衣緒花の周囲が落ち着きつつある一方で、主人公の友人である三雨に悪魔付きの症例が現れるんだから、万事うまくは行きませんが。

 

あと有葉くんに解決押し付けて海外行ってた佐伊先生が、何食わぬ顔で戻ってきて汚部屋に2人を招待してたの、いろんな意味でタフな人だなぁとは思いました。

悪魔に関しての文献を求めて旅だったわけですし、アドバイスはくれるし衣緒花に戻ったアミ―の対処もしてくれたから、結構頼れる人のはずなのにあまり頼りたくない不思議。

 

実際、悪魔は青春に寄ってくるから学校なんて格好の舞台だし、1回解決した実績もあるんだからこれからも解決に協力してよ、とか言ってきますからね……。

……まぁ、完全に押し付けてるわけじゃなくて、有葉くんの行方不明の姉に関しての情報、その手がかりをくれたりもしてるので、ただ働きってわけでもないですけど。

 

衣緒花だったり、三雨だったり。悪魔に憑かれるほどに、青春に焦がれている……強い「願い」を持つ少女たちと交流する中で、自分の中には彼女たちほどの熱も確かな軸もない、と有葉が迷い続けているの、それはそれで青春の形だとは思いましたが。

自身の不足を感じて揺れ続けている彼には中々届きませんよねぇ。

 

三雨の抱えている問題に答えを出すことはできる。けれど、それを選ぶことは難しい。即答できない時点で答えになってしまってるのは、非情ではありますが。

回答できない有葉の代わりに衣緒花が動くのが面白かったですし、三雨も少し前に進める結末になったのは良かったですね。

有葉と対峙しているときの衣緒花が可愛くてそれもとても良かった。……またぞろ終わりに不穏な展開が待ってそうな引きでしたが、どうなるのやら。

アオハルデビル

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「――悪魔を惹きつけるのは、願いを抱えた君たちの、青春なのさ」

(略)

「そう。こうありたいという願いに身を焦がす。届かない天の星に手を伸ばすようにね。いやあ、まさに青春じゃないか」

 

スマホを忘れて夜の学校に忍び込んだ主人公の在原有葉は、屋上で燃えている美少女を目撃した。

それは今まで遠い存在としか認識していなかった、校内でも有名なモデル活動をしている伊藤衣緒花だった。

秘密を知ってしまった事で、彼女から近づいてきて。衣緒花の思惑としては、あくまで口止めをするつもりだったようですけれど。

 

有葉は彼女が燃えていた現象について心当たりがあって……このまま放置していていいのか、と迷っていたところで発火現象が発生。

無視も出来ずに心当たりのところまで連れて行き、ひとまず沈静化。ただし一時しのぎにしかならない為、対処方法を探すため有葉と衣緒花が一緒に行動することになっていくわけです。

保険医で有葉の姉の友人でもある佐伊さんが、衣緒花の「問題」への知見がある人物だったわけですが。……挿絵までもらっておいて途中で自分の欲求優先していなくなったのは笑った。

 

まぁ、過去に心残りがある有葉くんに対処させることこそが重要だったから、ああいう振る舞いをしたって面もあると思いますけど。

実際問題、彼だからこそ衣緒花の心に寄り添えた部分もあるからな。不慣れ故の失敗もありましたが、しっかりと解を見つけたのは何よりでした。
……ガッツリ2巻への引きが仕込まれていたので、ちょっと楽しみ。

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