「だから――リェン・ファ、ありがとう」
没落寸前、名ばかり貴族の令嬢レイファ。
彼女は金髪碧眼が幸運を呼ぶという占い師の託宣を信じた、異国の婦人に買われて。
すわ珍品扱いが待っているのかと思いきや。
レイファを買った夫人の息子であり、当主でもあるシン・ユーが、一族が人買いをしたなぞ表に出せるはずがない、と反発。
最終的に、シン・ユーの妻とすることで落着。奥様は結構反発してましたけどね……
シン・ユーの妻となるとは言っても、異国の言葉も文化も分からず、一先ずは家の中で勉強して。
名のある家ではあったけれど、使用人の人々も優しくレイファを迎え入れてくれて。
結婚に当たって名をリェン・ファに変えたり、異国の地ならではの慣習などもあって大変そうですけど……
リェン・ファ、自身を繊細だと言いますが、割とタフですよね。
繊細さがみじんもないとまでは言いませんが。シン・ユーが咳をしていて辛そうだから、蜂蜜の飴を作ってみたり。薬膳の勉強をしたり。
シン・ユーも彼女の努力に気付いて、少しずつ親密になっていくのがいい感じです。