気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

泡沫に神は微睡む

泡沫に神は微睡む3 紺碧を渡れ異国の風、少年は朱の意味を知る

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「刻限は今夜。神無の御坐。結果は決まっていると云えど、南天は其方に全てを与えたことを忘れずに。鳳の方には勝利こそ至上の供物と知りなさい」

 

異国からの来訪者たちも蠢く中で、晶たちは陸斗の故郷を占拠した集団の調査などを進めていたわけですが。

そのころ北方の國天洲でのゴタゴタが表面化しはじめた、というか。愚かな雨月が義王院の隔意を突きつけられることになって。許さないのは確定だけれど、まとめて叩き潰すために一時命ながらえてるだけの状態ですからね……。雨月だけが気付いてないけど。

 

晶が故郷で知己を得ていた、静美と玄麗の挿絵がカラーでついてたの良かったですねぇ……晶を失ったと思って泣いているシーンなのがアレですが……可哀想だけど、玄麗姫のデザイン可愛くて良いですね。

海外から思惑をもってやってきたベネデッタ達の動きも本格的になってきたわけですが。高天原という国は海外から見ても特殊で、霊脈が豊富なのもあって標的にしたいというのは確かなようです。宗派ごとの勢力争いなんかもあるみたいで、一枚岩ではなかったのはまだ救いがあるか……? 

 

晶が太極図を使って龍脈や、風水を呼んで敵の思惑に迫るシーンがあったの良いですね。

まだまだ戦士としての経験は浅いけれど、陰陽師としての才能の確かさが補完されていくの好きな描写です。

ベネデッタが晶に価値を見出して、誘いをかけてきたりもしていましたが。朱華と出会っていたことや、陸斗との交流なんかも影響を与えて、彼の立ち位置を決める決断を下した場面とかも良い味だしてました。

 

今回の騒動を通して、晶は「神無の御坐」という存在がどういうものなのか自ら理解するに至りました。そこに至って奇鳳院の当主から生家についての言及がされたり、少しずつ関係も進展していくことになりますかねぇ。



泡沫に神は微睡む2 少年は陰陽師と邂逅し、妖刀を追う

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「恐れりゃな、晶。其方が其方自身を信じることを。忘れりゃな、晶。己を理解した時、其方は妾を呼ぶであろう。其方はただ、その時を待つが良い。妾もその時を楽しみに待つとしよう」

 

百鬼夜行を平らげて自身の存在を示した晶。

珠門洲出身ではない彼が、精霊器を所持していることや奥義に挙げられる技を使った事から、スパイの疑いが賭けられる羽目に。

彼の存在を重視する奇鳳院の令嬢・嗣穂の介入によって事なきを得ましたが。

そうやって実質庇護されてる状態で、防人に取り上げられることにもなった以上、注目されるのも避けられず。

 

嗣穂にも事情があり、事情を話した咲を晶の傍に置くようにしたり、外堀を少しずつ埋めていく形を取っていますけど。

まぁ晶は晶で実家から追い出されたこともあって、警戒しまくる小動物みたいなところあるし、彼の性質を踏まえれば慎重になるのは悪くはないですよね、お互いに。

晶も玄生と名を変えて札を売ることで、生活費の足しにしたりしてることが知れた時、嗣穂がどう出るかわからないから伏せてるし。嗣穂としては、念のため手口は確認しておきたい問題だから探りはいれるし。

 

まぁ、あか様の意向もありますし、嗣穂たちはそうそう選択を間違えることはないでしょうけど。

國天洲で晶の価値を知っていた人々は、ようやく致命的な失敗に気付きつつあります。そんな中で雨月は、何も知らず宴会しちゃってるからなぁ……ご愁傷様としか。同情の余地はないですけども。

 

異国の何某かが陰謀めぐらせてるのは変わりませんが、関わり方はWEB版から結構変わってましたね。

腕利きの陰陽師に玄生の擬態暴かれてましたし。嗣穂が干渉できるところで良かったというべきか。……これまでの描写見るに、四院の手が及ばないところなんて、同格以外にはそうそうなさそうですけどね。

閑話『それでも私は、貴方を知りたくて』でも嗣穂視点描かれてましたし、彼女の解像度上がるのは個人的には嬉しいですね。

晶の素質は素晴らしいものですが、まだまだ未熟なのもあるし、彼自身が立ち位置を定めきれてない状況ですから、さて今後どうなっていくのやら。加筆も多いし、書籍版の続きも読みたいものですね。

泡沫に神は微睡む 追放された少年は火神の剣をとる

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「躊躇っちゃあいけないよ、晶坊」

結局のところ、晶が欲しいのは背中を押す手なのだろう。

強かろうが、弱かろうが、優しかろうが、厳しかろうが、

「今まさに、坊の睫で幸運の神さんは踊ってくれているんだ。いなくなる前に、微笑んでもらわんとな」

一歩踏み出すための、力が欲しいだけなのだ。

 

極東の海に浮かぶ高天原。五柱の神が五つの国を見守る島国。

そこに住まう人々は必ずその身に精霊を宿して生まれるとされていたが、主人公の晶は精霊を宿していなかったために、家族から迫害されていた。

 

高天原には中央の国を統べる三つの宮、東西南北それぞれの国を管轄する四つの院と、それぞれの院の下に二つずつある家――八家と呼ばれる貴人の系譜が存在するのですが。

晶の生まれたのが、北の黒天州にある八家の中でも長い歴史を持つ雨月の家だったことも、悪い方向に働きましたね。

歴史ある家からこんな無能を出してしまうとは、と当主は彼を見限って。黒天州から追放する決断を下すわけです。

 

唯一晶を気遣ってくれていたものの、亡くなった祖母の伝手を頼り南の珠門州へと向かうことを決めて。

道中で符術の才に目覚めた晶は、実家である雨月を見返してやるべく防人を目指して努力する日々を続けて。符術用の札を協会に売って生活資金を稼ぎつつ、守備隊で活動してたわけですが。

 

精霊を宿していない晶は、民として登録する「氏子籤祇」という儀式を受けても登録することが出来なかったのがトラウマになっていたわけですが。守備隊での実績を認められて、そこで改めて「氏子籤祇」を行うことになった彼は、不思議な現象に遭遇し……。

「精霊を宿していない」という彼が抱えていた秘密、その一端に触れることになるわけです。

彼が出会った朱華が楽しそうで良いですよねぇ。でも黒天州にも彼を思っている人は居たわけで……「くろ」と呼ばれる少女も好きなんですが、今回は挿絵なくて残念。続き出てほしい作品ですねぇ。

文章が堅いというか独特の味わいがあって、面白いファンタジー作品なので楽しかったです。

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ちゃか

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