「もう少し、あかさまを信じてあげてください。あかさまの献身に応えた先こそ、晶さんが勝利を呼ぶ時です」
教導役として付いた咲が嗣穂に侍って、央洲の学院で静美と対面することに。
晶自身の覚悟とかその他はまだまだ揺れている部分がありますが。とはいえ、400年ぶりの神無の御坐、さらには空の位に至っている、という希少な存在なこともあって嗣穂と静美がバチバチやりあっていましたが。女の戦い怖い怖い。
学院で切り捨てられそうになっている雨月の次男坊、颯馬が静美に意見を申し立てている姿が無様というか、何も知らない滑稽さがなぁ……。
その姿勢に家柄にこだわる傲慢さなども見て、晶が停滞していた原因に嗣穂が気付いて彼女の方からアクションを取ってくれたのは、結構良かったと思いますね。
政の駒としか見てなかったとも書かれていましたが、その後に「気付くのが遅れた」といって、彼女もまたここから肩を並べて歩いていく、というような感じで書かれていたの好きです。
晶の環境が変わってから2か月ほど。そんな折、自分が指揮を執る立場になって初めて練兵時代の仲間が死んで。激動の中で、晶の迷いもあって彼は精霊を信じられない状態に陥っていた。……過去の経験が経験だからなぁ……。
そんな折、祖母が頼れと言った夜刀の名を名乗る少女が晶の前に現れて。彼女は封じられた百鬼夜行について報告を齎すわけです。
……まぁ、腐りつつあった華族の息のかかった呪符協会で騒いだことと、ちょうど晶が減生として呪符を卸していた場面だったので、諸共狙われる羽目になったりしてましたが。
彼女の持ってきた情報で備えることが出来た部分があったり、彼女の発言で晶の心境が少しだけ変わったりもしていたので、書籍書下ろしキャラですがなかなか良い味出していたと思います。
晶の生存を知るあかさま・くろさま陣営に一手遅れる形で、しろさまも黒天洲に生まれていた神無の御坐の存在を知ることになったりしていましたが。嗣穂や朱華と交流しているの、微笑ましいのでそこは変わらず居て欲しいものですが。
……どうしたってこの後は雨月の処罰とかの話題が出てくるだろうから、気が滅入るの必至なんだよな……。