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「はい、もし探しているのなら、元気で生きていることを知らせてあげたいと思いまして。もちろん捨てられていた可能性の方が高いのですが」
主人公のエディは、森で拾われた孤児。
七歳になった時に行われる祝福の儀で、女神様からステータスを授かることになっている世界で、彼が得たのは「糸」と呼ばれるこれまでの記録にないスキルだった。
孤児院の仲間たちとパーティーを組んで冒険者になろうとしていたところだったみたいですけど……「糸」というスキルは生産向きだろう、とパーティーから追放されることに。
パーティーメンバーの少女メアリーに好かれているエディの事に嫉妬していたアレン君が、町長の息子のユルゲンと組んで追放劇を実行に移したみたいですが。
息子がドラ息子なだけならまだマシでしたけど、町長も冒険者ギルドのギルドマスターもユルゲン側で、職権乱用してエディの登録妨害したりしてるの最悪~。
……まぁ小物過ぎて、かなり早い段階で悪事がバレて捕まる事態に陥ってたんですけど……。
ちなみにエディ君、ステータスを授かる時に記憶を取り戻した転生者で。
さらにはステータスを見られるようになったことで判明したんですが、彼はヴァルハーレン大公家に連なる身であることも判明。
エディを追放したパーティーメンバーとは違い、どこまでも味方してくれたハーフエルフのシスター・マルグリットからいろいろと教わり、スキルの使い方を研究した上で、エディは大公領を目指すことに。
「糸」のスキル、魔力が必要とは言え一度材料や糸そのものを取り込んでしまえば、触れることで自由に操れるし、再生産も出来るというかなり汎用性高いスキルだったのは良いですよね。
……まぁ職人のレギンさんが過去に知り合った人物が、「金属を取り込んで合金化する」という、エディと似たタイプのスキルを持っていたみたいですけど、魔力量が少なく使いこなせず絶望して死んだという話もありましたし、有用だけどエディ程使いこなせる人が居なかったんだろうなぁ……と言う部分はありました。
貴重な糸や布を生産できることもあって、商人ギルドに登録したことで身分証を得て動けるようになったのは良かったですけど。
エディ君に良くしてくれる人も多いんですけど、彼をないがしろにする愚か者もそれなりに居て。馬鹿の方がとことん馬鹿なんだよなぁ……そういうのを引き当てるエディ君はお疲れ様です。
ちなみにヴァルハーレン大公家の方々、幼少期に襲撃にあって見失ってしまったエディ君の事探し回ってはいたようですけど。
彼らの領地は王国の北方にあり……彼が過ごしたモトリーク辺境伯領の町コラビは王国の南方にある場所で。巻頭にある地図で見ると王国と同じくらい広い「魔の森」と呼ばれる魔獣たちの領域で接しているみたいですけど。赤子が通り抜けていると考えるのは流石に荒唐無稽すぎる。
その上、ある程度秘匿した上で、見逃しが無いように各領地を探し回っていたとするならば、そりゃ見つかりませんなぁ……。