「あなたは意外なところで奥さまに似ていますね」
「そうですか?」
短編「女王と海賊の披露宴」と中編「女王と海賊の新婚旅行」を収録。
披露宴の方は鈴木理華さんの画集が初出で、新婚旅行の方が書き下ろしですね。
いやぁいつぞやの映画のエキストラの皆さんの次は「そっくりさん」ですが。さすがに笑いました。豪胆すぎるんだよなぁ。
一世はそれを面白がる余裕がありますけど、現役の三世は……まぁちょっと小粒感がありますなー。披露宴は時系列的にわりと前の筈で、この後天使達関連も含めて胃を痛めることになるわけですし、それで成長してもろて。
新婚旅行は、テオドールが欲したガラスの器を手に入れるため、ルゥから頼まれたケリー達がどんな冒険をしたのかの詳細が語られるエピソードですね。
……普通豪華客船で行われるオークションと、冒険はイコールで結びつかない筈なんですけどが。
ショウ駆動機関と重力波エンジンを両方搭載した船を民間で運用しようってコンセプトの客船が、しっかり航行できるのかを見届ける為に連邦軍の特殊艦まで派遣されて本来なら問題なかったはずなんですけどねぇ。
怪獣夫婦が赴けばそりゃ揉め事のひとつやふたつは起こるってものでしょう。
黒の天使からの頼みと言うほかに、この処女航海が成功すればクーアに駅建設の依頼が来るのは間違いないから、と自分たちの利益も見出してるのは流石でした。