気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

滅亡国家のやり直し

滅亡国家のやり直し 今日から始める軍師生活3

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「私は平和が好きです」

「僕もだよ」

 

過去知識を駆使してゼッタでの大戦を乗り越え、望みうる戦果を掴んだロアたち。

とは言え、一つの戦を乗り越えただけで周辺国との関係も変わってないし、ロアの知るルデク内部の裏切り者たちも未だ健在なわけで。

長く落ち着けるわけではないですけど、少しだけでも穏やかな時間を過ごせたのは良かったですね。

 

それには北の大陸に通じる不文律として年末年始は戦わない、というのがあったからともいえますが。

一つ違えば大陸統を成し遂げたかもしれない傑物グランスウェウル。非凡な才能があったが、目的のためには苛烈さを示す人物で……年末年始に限らず時を選ばず戦いを続けた結果、民草から反乱を起こされて討たれたという故事に則っているとかなんとか。

こういう作中で通じる設定が開示されるの、楽しくて好きです。

 

年末年始は争わない……が、年が明ければロアの知るルデク滅亡の年を迎える節目のタイミングでもあって。

ロアがウィックハルトを救うことになったハクシャで、亡くなった人への献花をしたり。それまで縁のなかった第七騎士団のトップに会いに行ったり。

そんな事をしていたある日、ツェツェドラ皇子がルデク王への会談を申し込んでいるという話が、ルルリアに手紙を届けに行った南大陸の大臣ダスさんから持ち込まれて。

本来の歴史では死ぬ運命にあったツェツェドラとルルリアが無事で、ルデクとの縁を結ぶきっかけになってくれたのは良かったですね。

ロアと出会ったことで良い方向に変化したゼランド王子が、他国の皇子が来るのならこちらも同格の相手が出迎えるべきだと自ら提言したのも成長を感じて良かった。

 

そういった変化以外にも、ロアによって歴史が塗り替えられて運命が変わった人についても今回は明らかになっていくことになりましたが。

ルデクがゼッタの大戦で勝利したことで、ゴルベルでは粛清の嵐が巻き起こったとかで。ロアの知る歴史でも長く生きた英雄ローデライトが処刑されたり、かつてルデクに損害を与えウィックアルトも浅からぬ因縁のあるフランクルトが亡命を希望してきたりと、今まで以上に激動の時代、って感じがしてきましたねぇ……。最後でロアがとある決意をしていましたし。



滅亡国家のやり直し 今日から始める軍師生活2

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「いや、盤上遊戯の話ではない。ロアは、第10騎士団で何を目指したいのだ」

(略)

「僕は、ルデクの平和を目指します」

 

ルデクが滅亡した40年後の未来から過去に戻ってきたロア。

未来に広がり始めた瓶詰めという保存食の技術を再現したり、出来ることをしていくことでウィックハルトを救ったり、少しずつ成果を上げています。

早い段階でレイズと知己を得て第10騎士団に加入しただけではなく、2巻冒頭で実施された模擬戦でレイズに食らいついたことで、第10騎士団で中隊を任されることにもなってました。

 

ロアは多くの書物にあたり、未来の知識も持っていることで情報には強いですけど……あくまで一文官としての意識が強いんですよね。模擬戦でもレイズの部下であるグランツの癖を見抜いて策を建ててましたが、同じように自分も分析されるということや、いくつもの成果を出した彼の評価は一般には高い、という点とかレイズに指摘されてたのは良かったですね。

ウィックハルトの件のように未来を少し変えることには成功してますが、まだまだルデク滅亡を回避するためにはやらないといけないことが多くて……成功に甘えることなく、思考し続けているのが彼の強みですよねぇ。

 

滅亡の未来においては一文官に過ぎなかった彼には、過去の事件について知り得ないことも多くて。第一騎士団が裏切ったのは確実だが……滅亡までの早さを考えると、他にも裏切り者が居るのかもしれない、と考慮してるのは偉い。

ロア自身は考えすぎかもしれない、自分の妄想かもしれないと思っていますが、自分でもそう思う位の可能性でも、来るべき時の為に不安の芽を潰そうとしてるのは……滅びを、知っている彼ならではですかね……。

 

ドリューという技術方面の才能がある変人との縁もあるので、本当にいろいろやってますからね……。行軍中に苦労したから、と簡単に着火できる装置を考えたりもしてましたが。戦時中なんだから火付けに使われる可能性もあるだろう、と指摘されるまで思い至ってなかったあたり根は小市民すぎる。

10騎士団預かりとなっている少女ルファ。彼女の秘密が今回明らかになって、庇護者を得ることになったり、第10騎士団の中で役割を与えられることになったり。

そしてロアが知る大きな戦……ゼッタの大戦に彼は自身の中隊を率いて参戦することになるわけです。

ロアの知る歴史よりは多少マシにはなってましたが、それでも戦である以上犠牲は出る。特に今回は彼を信じてついてきてくれたウィックハルトに危険な役回りを任せることになったりしてましたが……それでも、ロアは自分で決断したんですよね。少しずつ成長している感じがして良いです。まぁ気負い過ぎて過労でぶっ倒れたりしてたので、まだまだ青くもありますが。それでも、今回も勲功積み上げてるのは流石。



滅亡国家のやり直し 今日から始める軍師生活1

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「レイズ様も言った通り、貴方は良くやった。さ、胸を張ってみんなの元に戻りましょう、ロア」

 

ルデク王国の平民、ロア

彼は記憶力が異常に良く、同僚からは人間辞書として重宝されていた、ちょっと本を読むのが好きなだけの文官だった。

しかし戦乱によってルデク王国は滅び……彼は40年間放浪した末に、異国の地で死んだハズだった。

 

死んだハズのロアが次に気が付いたのは42年前。

ルデク王国が滅亡に転がり落ちる前、なんとか踏みとどまれる可能性のある地点であった。未来の記憶も有している彼は、まだ過去に戻ったことに現実味がなく……友人たちとの会話の中で未来で知った情報をポロっと零すことになって。

「盗賊騒ぎに騎士団が派遣されることになったが、あれは領主が他国とつるんでいるから簡単には解決しない」と言う彼の言葉を、第10騎士団の副騎士団長であるレイズが聞きつけて。

 

ちなみに第10騎士団の騎士団長は国王が就任しているそうで、レイズは全権を任されて現場で動いているそうで。現場のトップが、ロアの荒唐無稽ともとられかねない発言を聞いて、その根拠を聞き、しっかりと対応に反映させてくれる柔軟さを持っていたのは救いでしたね。

そのことからロアはレイズに見出され、第10騎士団に登用されることに。

ロアは未来で知った様々な知識を用いて、悲劇を回避しようと試みていくわけです。

ただ、ロアはあくまで一介の文官であり、祖国滅亡後は放浪していた身であって。出来ることには限りがあるんですよねぇ。

 

例えば瓶詰という新しい保存食が作られたのは知っていても、職人ではないから適した瓶をつくれたりするわけではない。……まぁアイデアは知ってるから、出来る範囲で形にしていったりしてるんですが。

例えば、異国の王子が死を賜る結果になった事件は知っていても、なんでその時その人物がそこに居たのかは知らないし。

 

それでも、歴史を知っているからこそ出来ることは間違いなくあって。

本来ならもっと多くの犠牲が出来ていた事件を、早期解決したり。負傷した引退を余儀なくされた人物を助けることに成功したり。

もっとも、国が滅びに向かう前……戦乱の時代の中ではあるので、まったくの犠牲が出ないなんてことはなく。

ロアはそういった犠牲とかとも向き合いながら、それでも祖国滅亡回避のために前へ進んで行くんですよね。WEBは完結済みで、既読なんですが好きな作品です。刊行続いて欲しいなぁ。

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ちゃか

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