「調べてみる価値はありそうですね。もし、ゼンジロウ様がおっしゃる通りだとしたら、これは大きな商機ですっ」
「うん。だとしても、最終的にはアウラの許可が必要だけど」
「っ、ま、負けません!」
14巻でたのが3年前だそうで、流石にちょっと内容薄れてましたね……。
巨人の末裔とも言われる都市ウトガルズの代表との交渉に臨むことになったゼンジロウと、同道したユングヴィ王子。
ソリ一つとっても、飛行機みたいに空を飛んだりパネルでいろんな機能の操作ができるものがあったり。遠距離からの視認を隠す機能があると推測される城壁だとか、文明の発展度合いでいえばかなりのものがありましたね。
そんな彼らがなぜゼンジロウを呼んだかと言えば、後の世代のことを考えるとそうした文明を支える資材に不安があるからだ、ということで。
彼らが渡ってきたと言われる、巨人たちが住む異世界への移動手段の確保について交渉を持ち掛けられることになって。
色々な思惑があってゼンジロウはそれを受けることを決めて、事後報告でアウラにも認めてもらったわけですが……ヒモを気取っている彼が、他国・他都市との交渉を独断で決めたという事実は、後に影響があるぞとアウラに釘を刺されることに。
ユングヴィの前で空飛ぶソリを見た際に、空戦についての現代地球での常識についてぽろっとこぼしていたりして、権力的には出来るんだけどまだまだ脇が甘いから実際不安ではありますよね……。
ユングヴィ王子も思惑があり、やはり第二夫人はカープァ王国から迎え入れたいと、話を進めていって。
ゼンジロウの側室となったフレアとの繋がりがあるから、兄妹でやりとりしてるシーンとかは好きでしたねぇ。ユングヴィ王子は観察力に自信があるみたいですが、元帥夫人ルシンダの印象が残っていなかったりして、悪い子じゃないけどどこかで足掬われそうだなぁ、とはちょっと思いました。
あとは北方大陸で起きた騒動について、ですか。大学教授と司教という立場を上手く使い分けて、所属組織とは違うスタンスを取っていたヤン司教。
いよいよ彼の事を見過ごせなくなった教会が、ヤン司教の処刑を実行し……。ゼンジロウから、彼が魔力を一切持たない人物であるという話を聞いていたアウラが策を練ることにしてましたが。その動きの裏で、南大陸のトゥカーレ王国が血統魔法を駆使した情報提供をしてきたりしてたのは怪しい。……元々、魔法を駆使して上手い事立ち回っている国らしいですけどね。
教会との対立がゼンジロウの目線でも確定的になったことで、また少しずつ話が動いていくのかもしれませんが……次が読めるのはいつになるやら。気長に待ちましょう。