「大丈夫ですよ。むしろこんな世の中ですもの、ちょっと良い社会勉強になったんじゃないかくらいに思ってますよ? ね?」
マルクは八歳になったけれど、彼の生活はあまり変わらず。
花壇で栽培していた薬草の効能があがり、D級ポーションが作れるようになったりと出来ることのグレードは着実に上がってますけどね。
そんなある日、デリカの父が近くの村にシーソーを設置しに行くけど、一緒に来ないかと誘われて。両親の許可も取って、旅を楽しんでましたけど。
マルクのアイテムボックスは本当に汎用性が高くて凄いですね……。それだけに狙われやすい能力でもあると、あちこちでいわれてもいました。
そうやってたどり着いた村では、テンタクルスという魔物食が習慣になっていて。
見た目からダメな人も多いという評判ではあったけれど、前世知識のあるマルクからすれば美味しい「イカ」でしかなくて。
ウキウキお土産にして、実家でお好み焼き作ったりしていたのは相変わらずで笑えた。
帰り道で盗賊に遭遇するトラブルはありましたが、マルクの魔法でさっくり撃退してましたし。
それが領主主導の野盗狩りから逃れた残党で、指名手配までされていたことで懸賞金をもらって。大金を抱え込むのではなく両親に渡したりして、しっかり管理してるのは偉い。
その後、知人のギルから紹介されて、ちょっと別のお店の手伝いをすることになって。
同世代の少女と縁が出来たりもしてたんですが、マルクは前世知識もあるからかまだまだ自分にはそういう話は早いと思っている模様。
でもこの世界的に言うと、出かけた先の村で出会ったサンミナは16歳で既に3歳の子持ちだったし、マルクの母は八歳くらいの時には既に幼馴染の旦那が好きだったというし、そのあたりの価値観のズレの描写はあちこちでありますね。
マルクの精神年齢と肉体年齢が合致する頃には、同世代みんな結婚してるみたいな状況になりかねませんが、そのあたりはどうなるんでしょうねぇ。