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「本質とはなんだ。魔術師としての能力以外に何があるというのだ?」

(略)

「論理と覚悟だ」

 

500年前に魔術を生み出した天才は、多くの弟子を取り『始祖』と崇められるようになった。

しかし、弟子の中には魔術師であることに驕り、魔術を使えない人間たちを『魔力なし』として下に見て、破壊と殺戮の対象としたものが現れて……。

魔術を正しく使ってほしかった『始祖』は怒り、魔術師に課した『制約』に違反したと確定した魔術師を裁くための『裁定魔術師』という役職を、信頼できる弟子に任せることにした。

 

時代が流れ、代替わりを続けながらも『裁定魔術師』は活動を続けていた。

それはつまり、『制約』を無視する違反魔術師たちも健在だと言う事なんですけど。

かつて弟子の一部に裏切られ『裁定魔術師』なんて役職を設立する事態になった『始祖』が定めたものであるために、『制約』には魔術師の師弟関係についての定めもあって。特に師匠の権限が強く設定されているとか。

「魔術師が魔術師を殺す事」は原則禁忌だけど、師匠と弟子の関係だったら場合によっては師匠にはそれが許される場合があるみたいですし。

 

そんな中で『制約』の存在を知りながらも魔術師殺しをした人物の前に、『裁定魔術師』レポフスキー卿の侍女リネットが現れて。魔力なしながらも確かな目を持っている彼女は、殺人事件の真相を暴いていく、という魔力ある世界のミステリーって感じ。

制約も裁定魔術師の存在も知った上で、魔術師殺しをする魔術師なんて、基本的には完全犯罪目指しているんですよね。

「死霊魔術で魂を呼び寄せて犯人暴露されないように、繋がりを断つ道具」とか用意してますし。そうやって隠ぺい工作が施された中でも真相を見つけていく流れが良かった。