「どういう形であれ、まともに対決したらアンタ達の負けよ。この大勝負、どこまでズルをできるかが最後の決め手になるんだからね……」
久しぶりに出た新刊にして完結巻。
雪風の姫との戦いの、決着までが描かれています。
パヴェル・ガラドを辛くも撃退した直後に姫が、試合仕掛けに来るんだからせっかちですな。
そこを口八丁で時間を稼ぐ晴臣も相変わらずと言いますか。
時間は得られたものの、雪風の領域に招かれての休息時間となり、その中でもヒントを探して動いてますが……流石に竜王はかなり厳しい相手で。
勝ち目がない、と評価されていましたが……実際晴臣が善戦したところで、届かずに蹴散らされてましたねぇ。
そこで諦めずに復活してくるあたりは、人間臭くていいと思いますね。
ソフォクレスが自身の行動原理を語る場面もありましたが……一部分は納得できないでもない、けど確かな狂気も感じられて。おっかない手合いでしたね。
一度は撃退してましたが、絶対また晴臣たちの前に現れそうな雰囲気はある。
M部長のアドバイスを受けて、晴臣がはっちゃけてましたね。
彼が最後に放った大技は、下手するとほんとうに人類滅亡コースだったわけですが。それを思い切ってやってしまうあたり、清々しさすら感じる。
荒事の果てに、晴臣が本業に立ち戻るって言う終わり方は中々いい感じだと思いました。他社シリーズも完結に向けて動いていますし、また新作に期待したいところですが。どうなるかなぁ。