「やれやれ。マリウスめ。行き当たりばったりのようじゃの。もっとも、それで何とかなってきたからこそか……」
ヴェールはもう、自分が飽きれているのか、それとも感嘆しているのか、分からなくなってきた。
マリウスとアネットの二人旅。
……疲れてきた。
どっちも自分の力に自覚ないし、割とノープランでぶらぶらしてるから、目先の事件に振り回されるし。
まぁ、その目先の事件を追いかけていったら思った以上の大事になって、マリウスの魔法で解決するといういつものパターンなわけですけど。
この二人だと勢い任せの力押ししか解決法ないから、本当参謀役誰かつけて。
というかその力の特殊性をもっと自覚して、もうちょっと行動の一つ一つに対して悩もう。
今回一人助力してくれてるキャラがいたけど、彼は彼でいつまでもついてきてくれるわけじゃないだろうし。
問題が発生したら、とりあえずマリウスの魔法っていうのがワンパターンでなぁ。
転生チートものは大体にしてそういう展開ですが、それにしたってもうちょっと魅せてくれる。
一筋縄ではいかない敵が出てきたり、力に応じた地位や責任と言ったものを持ったりして、変化があるんですよね。
顧みるにマリウスは気ままに旅してるし、アネットも天然だし。
駄目だこの二人。その内詐欺にでも引っかかるんじゃないのか。
WEB版はそれでも最後まで読んでるんですがね。
書籍版の着地点が同じあたりになるんだとしたら、最後までは付き合えないような気がします。
もうちょっと展開に変化つけるなり、進み加速させるなりしてくれないだろうか。