気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

石田加奈

魔法科高校の劣等生4 九校戦編〈下〉

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「逃げるな、司波。例え補欠であろうとも、選ばれた以上、その務めを果たせ」
このセリフは、九校戦のみを念頭に置いたものではなかった。もともと九校戦には、補欠という制度はないのだから。
――二科生であることを逃げ道にするな。
――言い訳にするな。
――弱者の地位に、甘えるな。

全国に9つある魔法科高校の技能を競う大会、九校戦。
新人戦の開幕ですね。
深雪が、ほのかが、雫が活躍していきます。
達也が調整したCADと、選手に合わせた作戦。
本人的には、選手の適性に合わせて最適の作戦を考えているだけ、とのことですが。
定石から外れた作戦でも平気で敢行し、まだ正体隠しておきたいはずなのに、問答無用で最新技術を取り入れたりと、やってることあべこべだよなぁ。
それらがうまく作用して、順当に勝ち進んでいきます。
勝ち進むというか、最終的に、実質無敗という恐ろしい戦績を樹立してますけどね。。

雫が達也にやとわれないか、と声をかけていたり。
ほのかが、熱烈なアピールをしたり。
他の女子選手からも一定の評価を得たりと、真由美には「地道にファンを増やしている」と言われてましたが。
そんな感じで。

ちょっとした、で済ませるにはたちの悪いハプニングが発生し、競技参加している1チームが丸ごと治療を受けて、最低三日は絶対安静の状態に。
その段になって、事故の状況を鑑み、特例として新しく選手を出せることになりましたが・・・
技術スタッフとして参加したはずの達也が、なぜか、競技に参加する羽目に。
主人公が冷めてるのに熱い展開ってどういうことなの。
モノリス・コード。
今回登場した他校の、十師族の次期党首。
実力者に目をつけられて、相対することに。
機密を守りながら、それでも勝ちをつかみ取るのはさすがというかなんというか。

シリーズ通してカッコつきの補足が多いのがなぁ。
別にそこにカッコはなくてもいいんじゃないかと思わないでもない箇所がちらほら。
文章のノリが気に入ってるので、いいですけど。
そして十文字会頭がオチを持って行った……あれで天然とかありなのか。

魔法科高校の劣等生〈4〉九校戦編(下) (電撃文庫)
佐島 勤
アスキー・メディアワークス
2011-12-10

魔法科高校の劣等生3 九校戦編〈上〉

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「まっ、現時点では俺より奴の方が強い。それは認めるさ。だが、アイツがいくら、詐欺みたいに強いからって、負けっ放しにしとくつもりは無しだ。腕を磨いて磨いて磨き抜いて、次に立ち会うときは勝ってやる。今、劣ってるからって、諦めちまったら、負けたままだからな。
 今までの二科の連中は、過去に劣ってたからって、今をあきらめていた。だから強くなれなかったし、そんな奴等なら対等と認めてやる必要もなかった。だが、強くなろうろして、実際に強くなったやるなら逆に、バカにする理由はないだろうさ」


この本読むと、「劣等生」の定義があやふやになりそうですね…。
そこがこの本の売りで、笑えるところなんですけど。
主人公が、色々と器用なんだよなぁ。シスコンぶりが過熱してた気がします。
同時にブラコンも重度だなぁ、と実感できるようになってくるわけなんですが。

というわけで、劣等生の中でも1、2を争うぐらい気に入っているエピソード、九校戦編です。
これぐらいのさじ加減の方が楽しめると思うんですがねぇ。
最新刊あたりになってくると大人たちの陰謀が増えてきて、さらに複雑になってくるので。

全国に九つある、魔法科高校。
教員の不足によって、九つしか運営できていないのが現状。
優秀な魔法師を育成するために、学校同士で競争させる。
そのための舞台として用意された、全国魔法科高校親善魔法競技大会、通称・九校戦。
ま、要するに魔法を使った大会で、学校同士が競う、とそういうわけですね。

競技における向き不向きや、魔法の選択などすべて生徒たちが工夫して、大会に臨む。
大会で規定があるのは、CADのハードの性能のみで、ソフト面は自由自在。
威力が高すぎる魔法とか、危険なものについてもレギュレーションが設定されていますけども。
なので、選手だけではなく、ソフトを調整するエンジニアも重要になってくる。
選手としては傑出した人材がいるが、エンジニアが不足していて、会長である真由美は悩みます。
あずさや深雪の言動、真由美と摩利に捕まったことにより、達也がエンジニアとして参加することに。

一方で、九校戦の裏側で暗躍している人もいたりするようで。
達也たちの通う一校では、三連覇がかかる大事な年。
今回は、三年生たちが活躍する、本戦の様子が描かれています。
ハプニングがあったりと、ちょっときな臭くはありますが。
手を出したタイミングが悪かったな、というか。
どうせ達也に潰されるのに・・・と、はたから見ているとひやひやします。
まぁ、後ろ暗い人たちなので、最終的に痛い目見ようが自動自得ですが。

魔法科高校の劣等生〈3〉九校戦編(上) (電撃文庫)
佐島 勤
アスキーメディアワークス
2011-11-10
 

魔法科高校の劣等生2 入学編〈下〉

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「それはそれ、背に腹は代えられない、ってことも確かにあるけどさ……教わるには、教わる相手にふさわしいレベルがないと、お互いに不幸だって思うのよ。まっ、一番の不幸は、教える側が教えられる側のレベルについていけないことなんだけどね」


優劣というのは、その判断する基準によって判断が分かれる。
学校の成績が悪いからと言って弱いとは限らない。
そんな一風変わったキャラが多い作品。
そう言ったギャップみたいな要素は好きです。

まず最初に前回の剣道部・剣術部の騒動の報告をしている場面から。
部活動連合の会頭、十文字という新キャラが登場。
またしても数字付、十氏族の一角をなす家の次期党首。
この学年、本当に優秀な人材が集まっているんだなぁ、という感じですが。

達也と深雪が、置かれている状況的に、あまり有名になりたくないはずだろうに。
キャストジャミングの応用技術の話とか、求められたら答えているあたりが何とも言えない部分はありますけどね。
風紀委員としても仕事をしっかりしているようですし。
「魔法を使わず、並み居る魔法競技者を連破した謎の一年生」という名目であっさり有名になってますし。
それでいいのか。

そして、二人の新入生を取り巻く環境は、少しずつ熱を帯びていく。
一科と二科の間にある感情の溝。それを利用して、暗躍していた組織『ブランシュ』。
学生の身分でありながら、叩き潰しに行ってしまうあたりなんだかなぁ、と思いますけど。
それを許容して、ついていく先輩がいるくらいだから問題ないのか。

1巻でも読みましたけど、癖がある文章ではあるかなぁ、と思います。
ただ、その分、文章の勢いに乗れれば楽しめる作品。
個人的には、十分楽しみましたよ。面白かった。

魔法科高校の劣等生〈2〉入学編(下) (電撃文庫)
佐島 勤
アスキー・メディアワークス
2011-08-10
 

魔法科高校の劣等生1 入学編〈上〉

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「……正直なところ、面倒だ、と思っています」
「フン……それで?」
「面倒ですが、今更引き下がれないとも思っていますよ」


魔法が現実のものとして広まった世界。
魔法科学校に、主人公達兄妹が入学した日から、物語は始まって、平穏な日常が揺さぶられていく。
設定も良いし、読んでいて結構面白い。
ネットで人気あったっていうのも納得かなぁ。
説明くどい部分もあるけど、オレツエー系の説明はざっくり読んで楽しむ派なので問題なし。
ただ、 この手の本を読みなれていない人からすると、読みにくい文章になるかなーと思います。

1巻から名前つきのキャラクターが多いんですよね。
主人公の兄妹、兄のクラスメイト3人と、妹のクラスメイトも3人。
生徒会メンバーが4人に、風紀委員長。風紀委員として2人の先輩もいますし。
カウンセラーの先生とか、兄の師匠とか、最後に騒ぎを起こした剣道部・剣術部のキャラとか。
そのうえで、説明も多い。
魔法という存在、魔法科高校の仕組み。
数字付きの一族に、CADの種類などなど。
慣れていない人からすると、とっつきにくいかもなぁ、と思います。

いっそ設定ここまで持っていると笑えてくるので好きですけどね。
七草会長とか、渡辺風紀委員長とか、先輩キャラたちが結構好きですね。
深雪はもうちょっとブラコンを抑えないと生きにくいと思うけれども、ブラコンじゃなかったら深雪じゃない気もしてくるからなぁ。

入学と、一科生とのいざこざ。
妹の生徒会編入と、兄の風紀委員就任。
それに伴う、副会長・服部との試合。
そして部活の新入生勧誘期間と達也の活躍。
描かれているのはこのあたりのエピソードですねー。
個人的には、服部との試合が気に入っています。
劣等生と評されながらも、優秀な相手を破る。
この手の設定だったら、やっぱりこういうシーンは必要ですよね。
そのあとの生徒会メンバーのそれぞれの反応とかも個性が見れていいなぁ、と思いますが。

魔法科高校の劣等生〈1〉入学編(上) (電撃文庫)
佐島 勤
アスキーメディアワークス
2011-07-08

 

魔法科高校の劣等生 九校戦編 1

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「……一年生のエンジニアが加わるのは過去に例がないのでは?」
「なんでも最初は初めてよ!」
「前例は覆すためにあるんだ!!」


原作3・4巻のエピソード、九校戦編のコミカライズ。
試験が終了し、達也が指導室に呼び出されたところから。
実技と筆記がある中で、達也の筆記の試験がずば抜けていたことから、ですが。
様子見に来てくれる友人がいてよかったね、というべきでしょうか。

入学編でも思いましたが、説明をうまく簡略化しているかなーという感じがします。
漫画の強みとして、絵をうまく使っているように思う、という意味ですが。
九校戦の競技を説明する場面。
飛行魔法関連の解説だったり。
端的でわかりやすいと思いますよ。

八雲の協力を得て、深雪が九校戦の特訓をしたり。
幹比古が達也たちの「いつものメンバー」に加わったりと、ゆっくり進んでますねー。
エンジニアの問題で悩んでいる真由美をばっさり切る市原さんのコマが好きです。
そして、梓と売られ、真由美と摩里に押され、深雪に裏切られ、達也がエンジニアの一人として参加することに。
服部が、不服そうにしながらも、能力を評価する場面とかはやっぱり絵があるとまた違いますね。
 
九校戦へ向かうバスに、車が突っ込んでくる、という場面で今回は終了。
良質な部類に入るコミカライズだと思いますよ。

 

魔法科高校の劣等生13 スティープルチェース編

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「私は手を貸して差し上げただけですよ。私がいなくても、いずれ起こったことばかりです」
「迷惑なのだよ。いずれを、今にされるのは」


達也たちが二年になり、また九校戦の季節がやってきた。
ただし、開始一か月前になって、突然競技の入れ替えが発表された。
それは昨今の情勢や、あちこちの思惑を受け、多分に軍事・戦闘色が強くなったものだった。 
変化はそれだけではなく、達也のもとに、そうした競技変更の裏側で陰謀が渦巻いていることが知らされる。
達也は、九校戦の準備だけではなく、その陰謀への対処まで始めることとなり。

と、そんな感じなんですが。
個人的には、少し不満がありますかね。
3・4巻で描かれていた九校戦が結構好きだったもので、なおさら。
今回は、九校戦を舞台としながらも、その裏側で蠢いている陰謀に対処するのがメインとなっているので。
競技変更で大変だ、といった割には競技風景ほぼダイジェストですからね。
盛り込み切れなかったサブエピソードはどうにかして短編として公開していく予定らしいですが、現状では未定なので公式からの続報待ち。
九校戦で、陰謀渦巻きすぎじゃないだろうか。前回といい、今回といい。 

ダイジェスト風っていうこともあって、九校戦が楽しめなかったのは残念ですねー。
一校とか三校とかならわかりますけど、最初七校がトップ立ってますし。
一応「海の七校」で前回も注意される相手ではあったと思いますけど、キャラクターがいないところにあっさり負けていると、なんか微妙な心境に。
今回は、一条も達也にいいようにつかわれていたというか、あまりいいところもなかった感じですし。
その一方で、黒羽の姉弟が活躍していたり、達也たちとの絡みが増えてきたりと、四葉家の問題に向けて話が流れていくっていう伏線なんですかねぇ。

なんだかんだで、真由美が卒業後も毎回登場していますよね。
今回は、姉妹で出かけているところでばったり会うという感じでしたが。
七草姉妹が、真由美を連れてくるダシに使われている感じがまた。

そして、四校の方には、黒羽の姉弟が進学していたようで、九校戦の際に接触してきます。
幹比古によれば「今年の春ごろから」、「四葉の分家の有力筋に黒羽という家があるという噂」が流れているそうで。
陰謀渦巻く中に手を加えて方向を操作していた一人、四葉家当主の真夜が何か怪しいこと口走ってましたしね。
あと半年、来年の正月まではおとなしくしていてほしいとかなんとか。
いったい何をたくらんでいるのかが気になるところです。

横浜争乱の時に動いていた周が今回も裏でいろいろやっていましたが。
それを追い詰めた黒羽貢さんが、仕事人な雰囲気出してて、嫌いじゃないですよ。
あの人本当に、追憶編のパーティーで、達也を黙殺したり、自分の子供と交流することを好ましく思っていないのを悟られるような人なのだろうか。
追憶が深雪視点で、今回は黒羽としての仕事中っていう違いがあるのかもしれませんが。
厄介なものだと、能力という意味では認めているように思いましたけどね。
だからこそ、遠ざけたいのだろうか。暗部の人にしては、やり方稚拙な気もしますが。

「こんな所でアレを使うべきではない。本来アレは、外に出すべきではないモノだ。アレは四葉の罪の結晶。アレを四葉の内に閉じ込めることだけが、我々にできる贖罪だというのに」


アレ呼ばわりしているのは、微妙なところですが、四葉の罪であると認めている部分は、結構重要なんじゃないかなぁ、と。
達也の父や、突っかかってきてた四葉の人とは違って、少なくとも現状認識はしっかりできてるわけですし。

さて。次回は「古都内乱編」だそうで、舞台は京都でしょうかね。
確か論文コンペの会場は持ち回りだったと思うので。
また事件が起こるのか。九校戦でも起きたから、もはやお約束の域ですね。
達也の「戦略級」としての価値、軍人としての立ち位置。四葉のガーディアンであるということ。
まーどれ一つとっても、陰謀からは逃れられない定めですよね。
それに巻き込まれる学生たちも大変だ。

魔法科高校の劣等生 (13) スティープルチェース編 (電撃文庫)
佐島勤
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-04-10

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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