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「あの子を護る為に、協力してください」
「……ふふ」
(略)
「ようこそ、怪異調査部へ。優秀な部員を歓迎するよ、杏奈ちゃん」

現代日本を舞台にした作品ですね。
まぁ、「超越者たちの物語」と頭についている以上、他のシリーズとの絡みや、異質な要素っていうのも盛り込まれているんですけど。
同じ作者の「超越者たちの物語 IMMORTAL BLOOD」に登場している神代誠人の妹、神代杏奈とその友人たちの物語ですねー。
その関係で、ちまちまと「IMMORTAL BLOOD」のキャラが出てきたりしています。
まぁ、彼らが現代でその力を使うといろいろと大変なことになるので、アドバイスをしたりちょっと手助けをしたりと言った程度なんですけど。

杏奈とその友人たちが、学校にある調査部に属し、怪異について調べていく。
怪異っていうのは要するに学校の七不思議とかそういった都市伝説のことですね。
ただまぁ、彼ら彼女らが遭遇するのは、「実体を持った危険な怪異」だったりするわけで。

当初は、実体を持っても実害のない類だったらしいんですが杏奈たちが入部してからは結構危険度の高い話も持ち込まれたりするように。
たとえばそれは、『口裂け女』の亜種である『ひきこさん』。
突然出会い、対応を間違えると殺される類の怪異。
順当に学校の七不思議の調査をしたりもしていましたか。
害のないものでいえば、記述に対して返事が帰ってくる『日記帳』。
人の言葉を喋る猫の話なんて言うのもあります。 
そんな怪異に触れて危険な目にあいながら、彼らは自分たちの大切なものの為に行動する。

神代誠人の妹、神代杏奈。
その親友でいづなに剣を教わったりしている、篠澤姫乃。
杏奈たちを怪異調査部に引き込んだ、幼馴染で参謀じみた好青年、嶋谷賢司。
姫乃の兄で、妹をこよなく愛する馬鹿兄貴だけど、ムードメーカな篠澤友紀。
杏奈たちと幼馴染ではないものの、怪異調査部の部長として、多くの情報を提供し、また多くのものを背負っているテリア・スリュース。
総括では、テリアは裏主人公みたいなこと言われてましたしね。

『IMMORTAL BLOOD』が結構気に入っているので、そのキャラがあちこちに出てくるのが結構楽しかったです。
タイトルにある通り、杏奈が主人公ではあるんですけど、脇役でもあったといいますか。
怪異との戦闘でメインアタッカーやるのは姫乃ですし。
想い人はいても、届かぬものとして、振り切りますし。
ただ、物語の中心にはいたんだと思います。メインキャラクターの軸とでもいいますか。
誠人の妹として知識があるっていうのも、ポイントではあると書かれてましたけど。
確かに、この話は杏奈の視点だからこそ、だよなぁと思います。 
 
「IMMORTAL BLOOD」 のキャラについて理解がないと、ちょっとわかりにくい部分もあるかと思いますけど、そっちのシリーズが好きな自分としては、十分楽しめる作品でしたよ。